イランのタスニーム通信はロジャヴァとシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市の処遇をめぐるロシアとトルコの合意内容の全貌を公開(2018年6月19日)

イランのタスニーム通信(6月19日付)は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)とシリア政府の合同統治下にあるアレッポ県タッル・リフアト市一帯地域の処遇に関するロシアとトルコの合意の詳細を明らかにした。

それによると、この合意は「8年におよぶシリア危機の歴史のなかで前例のない…シリアにおけるロシアとトルコの新たな協力の時代の起点」として位置づけ、以下のような内容だという:
1. ロシアは、シリア軍、親政権民兵、ロジャヴァ人民防衛隊(YPG)のタッル・リフアト市からの撤退を制約する。
2. シリア軍、親政権民兵、YPGの撤退後、ロシア軍とトルコ軍が同市および周辺地域の防衛と治安維持を暫定的に担うため進駐する。
3. 上記の動きと並行して、ロシアの仲介のもとに、過去3年間にタッル・リフアト市の治安を監督するための治安部隊を結成した経験を持つ地元住民が、地元警察の大枠を構築する。
4. トルコが支援する「ユーフラテスの盾」作戦司令室所属組織および「オリーブの枝」作戦司令室所属組織の支配地域で活動する「自由警察」がタッル・リフアト市に入り、両作戦司令室支配下の行政治安単位に組み込む。
5. 反体制派支配地域の行政を担うための地元議会の選挙を実施するとともに、ロシア・トルコ軍が進駐する地域に設置されていた検問所を撤去する。
6. 避難民を漸進的に帰還させる。

AFP, June 19, 2018、ANHA, June 19, 2018、AP, June 19, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 19, 2018、al-Hayat, June 20, 2018、Reuters, June 19, 2018、SANA, June 19, 2018、Tasnim News Agency, June 19, 2018、UPI, June 19, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャーム解放機構はイドリブ県での暗殺・爆発事件に関与していたとされるダーイシュのメンバーとその場に居合わせた医師を拘束(2018年6月19日)

イドリブ県では、シャーム解放機構に近いイバー通信(6月19日付)によると、シャーム解放機構の治安部隊がイドリブ市西部農場地帯でダーイシュ(イスラーム国)の細胞組織のアジトを急襲し、メンバー4人を逮捕した。

この細胞組織は、イドリブ県での最近の暗殺事件や爆発事件に関与している疑いがあるという。

またシャーム解放機構の治安部隊は現場に居合わせていた医師のマーズィン・ドゥッハーン氏も合わせて拘束、これに関して、同氏が治安部隊に協力せず、ダーイシュのメンバーに戦闘を止めさせようとしなかったために拘束したと発表した。

AFP, June 19, 2018、ANHA, June 19, 2018、AP, June 19, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 19, 2018、al-Hayat, June 20, 2018、Reuters, June 19, 2018、SANA, June 19, 2018、UPI, June 19, 2018、Wikalat al-Iba’ al-Ikhbariya, June 19, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア南部(ダルアー県、クナイトラ県、スワイダー県)でシリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の戦闘が激化(2018年6月19日)

ダルアー県では、SANA(6月19日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がダルアー市北部入口一帯、シハーリー地区、空港地区、カーシフ地区を砲撃し、女児1人が死亡、住民1人が負傷した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(6月19日付)は、ホワイト・ヘルメットの情報として、シリア軍がダルアー市北東のナーフタ町、ブスル・ハリール市、アースィム村、ムサイカ村、ブスターン村を爆撃・砲撃し、住民多数が死傷したと伝えた。

アバービール軍の報道官も、『ハヤート』(6月20日付)に対し、ラジャート高原、ヒルバト・ガザーラ町、ウンム・バーティナ村一帯に進攻したシリア軍を撃退したことを明らかにした。

また、ドゥラル・シャーミーヤは、ムサイカ村に近い防空大隊基地一帯に進攻したシリア軍を、反体制武装集団が撃退、その際にマーズィン・アフマド・バラカート准将(第1師団第242戦車大隊司令官)が死亡したと伝えた。

さらに、ドゥラル・シャーミーヤによると、スンナ青年軍団がヒルバト・ガザーラ町とダルアー市を結ぶ街道でシリア軍と親政権民兵の車列を襲撃した。

この戦闘激化に関して、複数の反体制派消息筋は『ハヤート』(6月20日付)に対し、「イスラエルはダルアー県東部のみに対する軍事作戦の実施に青信号を出した」との見方を示した。

同消息筋は、「政権は、占領下のゴラン高原から離れた二つの戦線で(軍事)行動をとっている。第1の戦線が(現在攻撃が激化している)県北東部に位置するラジャート高原で、スワイダー県や国際幹線道路方面から攻撃を行っている…。政権はまた、反体制派を揺さぶるために、ダルアー市への攻撃を始めた。これはヨルダン国境に位置するナスィーブ国境通行所を制圧するためだ…。政権は現時点で、イスラエルとの関係が微妙な県西部で戦闘を開始しようとはしていない」と述べた。

**

スワイダー県では、SANA(6月19日付)によると、ダルアー県北東部で活動を続けるシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が、スワイダー市、ムジャイミル村、ラビーン村を砲撃した。

**

クナイトラ県では、SANA(6月19日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がバアス市を砲撃した。

**

ラタキア県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月19日付)によると、イスラーム山地大隊が県北部のトゥルクマーン山一帯にあるシリア軍部隊を攻撃した。

AFP, June 19, 2018、ANHA, June 19, 2018、AP, June 19, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 19, 2018、al-Hayat, June 20, 2018、Reuters, June 19, 2018、SANA, June 19, 2018、UPI, June 19, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは2件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年6月19日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(6月19日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(アレッポ県)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

一方、過去24時間にアレッポ県の1カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,516市町村、武装組織の数は234組織に達した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 19, 2018をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア外務在外居住者省は米・トルコ両軍によるマンビジュ市一帯での巡回任務開始を非難(2018年6月19日)

外務在外居住者省の公式筋は、米軍が進駐する西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)支配下のアレッポ県マンビジュ市一帯の処遇をめぐって米・トルコが合意した「工程表」に従って、トルコ政府首脳が同市での巡回任務を開始したと発表したことに関して、SANA(6月19日付)に対して、「トルコ、米両軍の侵入を厳しく非難し、完全に拒否する」と表明し、「シリア全土を外国の駐留から解放する」との決意を改めて示した。

AFP, June 19, 2018、ANHA, June 19, 2018、AP, June 19, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 19, 2018、al-Hayat, June 20, 2018、Reuters, June 19, 2018、SANA, June 19, 2018、UPI, June 19, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米中央軍(CENTCOM)は有志連合とトルコ軍が個別にマンビジュ市北の国境地帯で巡回任務を開始したと発表(2018年6月19日)

米中央軍(CENTCOM)は声明を出し、米軍が進駐する西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)支配下のアレッポ県マンビジュ市一帯の処遇をめぐって米・トルコが合意した「工程表」に従って、米主導の有志連合とトルコ軍がマンビジュ地区(マンビジュ郡)での合同巡回活動を計画しているとしたうえで、18日(月曜日)にそれぞれが同地の国境地帯で別個に巡回任務を開始したと発表した。

**

米中央軍はまた、5月26日のシリアのユーフラテス川中流の渓谷地帯に対する作戦で、ダーイシュ(イスラーム国)の石油・ガス密輸ネットワークに関与していたメンバー4人を殺害したと発表した。

CENTCOM, June 19, 2018をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.