UNHCRシリア難民担当調整官はイドリブ県に対するロシア・シリア軍が爆撃・砲撃に懸念を表明(2018年6月11日)

UNHCRのパノス・ムムツィス・シリア難民担当調整官はスイスのジュネーブで、イドリブ県に対してロシア・シリア軍が爆撃・砲撃をにわかに頻発化させていることに関して、250万人が「行く場もなく」取り残されていると懸念を示した。

ムムツィス調整官は、イドリブ県が、民間人や戦闘員が「押し寄せる地」(dumping ground)になっていると指摘、「最近の事態悪化が続けば、250万人がトルコ国境方面にさらに追い詰められるのではと本当に懸念している」と述べた。

AFP, June 11, 2018、ANHA, June 11, 2018、AP, June 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2018、al-Hayat, June 12, 2018、Reuters, June 11, 2018、SANA, June 11, 2018、UPI, June 11, 2018などをもとに作成。

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ハマースのハニーヤ政治局長「我々はシリア政府と断交していない。イランは重要な枢軸国だ」(2018年6月11日)

パレスチナのハマースのイスマーイール・ハニーヤ政治局長はスプートニク・ニュース(6月11日付)のインタビューに応じ、「ハマースはシリア国内の問題に関与したくはなかった…。客観的な状況のなかで、現下のハマースとシリア政府との関係がもたらされた」と述べた。

ハニーヤ政治局長は「我々はシリア(政府)と断交はしていない。だが、客観的な状況が現下の関係をもたらしたのだ。我々はシリアを姉妹国とみなしており、その国民、そして政権は常に、パレスチナの権利に寄り添っている」と述べた。

ハニーヤ政治局長はまた「我々はただ、シリア国内の問題に関与したくなかっただけだ…。シリアで治安、安定、市民の平和が戻ることを、そして地域において民族主義的な役割を回復することを望んでいる」と述べた。

一方、イランに関しては「地域における重要な枢軸国だ。我々とイランの関係には戦略的な次元もある。イランは我らがパレスチナ人民とその勇敢な抵抗のために多くを提供してくれた。我々はイランとの今の関係が特別で進歩的な段階にあると言える」と述べた。

アラブ諸国の対立をめぐっては「我々は(アラブ諸国)全体の大義を担っている。その大義とはパレスチナの大義で、みなからそれを支援してもらう必要がある…。だから、我々はエジプトと協力な関係を築きながら、カタールやイランとも強い関係を維持している。我々は…パレスチナの権利を支持したいと考えるいかなる国とのいかなる関係も排除しない…。もちろん、それは困難なバランスを必要とする。だが、それは可能で、そうしなければならない。我々は地域における対立から身を遠ざけ、我々の大義をめぐってアラブ・イスラーム世界の合意が実現することを希望している」と述べた。

al-Durar al-Shamiya, June 11, 2018

AFP, June 11, 2018、ANHA, June 11, 2018、AP, June 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2018、al-Hayat, June 12, 2018、Reuters, June 11, 2018、SANA, June 11, 2018、Sputnik News, June 11, 2018、UPI, June 11, 2018などをもとに作成。

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バーブ市に続いてアフリーン市一帯でもアル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動とスルターン・ムラード師団が交戦(2018年6月11日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月11日付)によると、アル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動(シリア解放戦線)とスルターン・ムラード師団(自由シリア軍)が、トルコの実質占領下にある県北西のアフリーン市近郊のカフルジャンナ村近郊で激しく交戦し、双方の戦闘員複数が負傷した。

アフリーン郡の複数の活動家によると、この戦闘で、シャーム自由人イスラーム運動はスルターン・ムラード師団の戦闘員4人を拘束した。

この4人は、負傷者を搬送中に検問所で拘束されたという。

これに対して、スルターン・ムラード師団もシャーム自由人イスラーム運動の戦闘員多数を捕捉した。

なお、シャーム自由人イスラーム運動とスルターン・ムラード師団は、最近になって県北東のバーブ市でも交戦している。

バーブ市での戦闘は、シャーム自由人イスラーム運動と、北部旅団、東部自由人連合、そしてスルターン・ムラード師団によるものだった。

ANHA, June 11, 2018

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アレッポ県では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)に近いANHA(6月11日付)によると、トルコ軍部隊がアフリーン郡シーラーワー町近郊のカッバーシーン村で住民5人をブルジュ・カース村で4人を拘束した。

AFP, June 11, 2018、ANHA, June 11, 2018、AP, June 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2018、al-Hayat, June 12, 2018、Reuters, June 11, 2018、SANA, June 11, 2018、UPI, June 11, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会議長「アサド政権と直接交渉を開始する用意がある」(2018年6月11日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会のイルハーム・アフマド共同議長は、ANHA(6月11日付)に対して、「戦争や軍事的選択肢はシリア危機の解決をもたらさない」としたうえで、「我々は当初から、そして今も、政権と直接交渉を開始する用意があると言ってきた」と述べた。

アフマド共同議長は「もし政権に(交渉)開始の準備が実際にできているのなら」、交渉に応じると明言、「我々は、政治的解決のみが、シリアの領土の統一性性を維持し、戦争を終わらせ、分権的で民主的なシリアを建設するための唯一の選択肢である」と強調した。

ANHA, June 11, 2018

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西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の傘下で活動するジャラーブルス軍事評議会(アリー・ハッジュー報道官)は声明を出し、アレッポ県北部でのトルコおよびその支援を受ける「傭兵」の敵対行為を非難、トルコの占領に改めて拒否の意を示すとともに、国際社会に対して、同地からトルコを撤退させるため圧力をかけるよう求めた。

AFP, June 11, 2018、ANHA, June 11, 2018、AP, June 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2018、al-Hayat, June 12, 2018、Reuters, June 11, 2018、SANA, June 11, 2018、UPI, June 11, 2018などをもとに作成。

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シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がイドリブ県フーア市、カファルヤー町を攻撃(2018年6月11日)

イドリブ県では、SANA(6月11日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団が包囲を続けるフーア市、カファルヤー町が攻撃を受け、2人が負傷した。

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ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月11日付)によると、アブー・アマーラ特殊任務中隊がスカイラビーヤ市とカルアト・マディーク町を結ぶ街道に爆弾を仕掛け、シリア軍の車輌1台を破壊し、兵士複数人を殺傷したことを明らかにした。

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ダマスカス郊外県では、ディマシュク・アーン(6月11日付)によると、クタイファ市郊外のシリア軍拠点にある武器庫が爆発した。

爆発は気温上昇によるものと思われる。

AFP, June 11, 2018、ANHA, June 11, 2018、AP, June 11, 2018、Dimashq al-An, June 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2018、al-Hayat, June 12, 2018、Reuters, June 11, 2018、SANA, June 11, 2018、UPI, June 11, 2018などをもとに作成。

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米主導の有志連合はハサカ県南東部の村を爆撃し18人を殺害、ダーイシュはダイル・ザウル県でYPG主体のシリア民主軍を襲撃(2018年6月11日)

ハサカ県では、SANA(6月11日付)によると、米主導の有志連合がシャッダーディー市南東のフワイビーラ村にある学校を爆撃し、18人を殺害した。

死亡したのは、イラクからの避難民で、そのほとんどが女性と子供だった。

一方、ANHA(6月11日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がシャッダーディー市東部でダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討戦を続け、タリーファーウィー村、アブドゥルアール村を制圧した。

このほか、シャッダーディー市近郊で爆弾が爆発し、7歳の子供が大やけどを負った。

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ダイル・ザウル県では、ユーフラテス・ポスト(6月11日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がスワイダーン・ジャズィーラ村を襲撃し、同地に進駐していた西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の戦闘員8人を殺害した。

AFP, June 11, 2018、ANHA, June 11, 2018、AP, June 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2018、Euphrates Post, June 11, 2018、al-Hayat, June 12, 2018、Reuters, June 11, 2018、SANA, June 11, 2018、UPI, June 11, 2018などをもとに作成。

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ロシア当事者和解センター「ヨルダンのラクバーン難民キャンプは武装集団の避難所と化しており、そのなかにはダーイシュ戦闘員もいる」(2018年6月11日)

ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センターは、ヨルダン北東部のシリア国境に近いルクバーン難民キャンプに関して、「シリア各地から逃れた武装集団の避難所と化しており…そのなかにはダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員も含まれている」と指摘した。

AFP, June 11, 2018、ANHA, June 11, 2018、AP, June 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2018、al-Hayat, June 12, 2018、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 11, 2018、Reuters, June 11, 2018、SANA, June 11, 2018、UPI, June 11, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省発表:米占領下のタンフ国境通行所からタドムル市方面に侵攻しようとした武装集団をシリア軍が撃退(2018年6月11日)

ロシア国防省は、ロシア軍の航空支援を受けたシリア軍部隊が、米主導の有志連合の占領下にあるヒムス県タンフ国境通行所一帯から、UNESCO世界文化遺産のパルミラ遺跡群を擁するタドムル市方面に侵攻しようとした反体制武装集団を撃退、戦闘員5人を殺害、車輌1台、バイク1台を破壊したと発表した。

AFP, June 11, 2018、ANHA, June 11, 2018、AP, June 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2018、al-Hayat, June 12, 2018、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 11, 2018、Reuters, June 11, 2018、SANA, June 11, 2018、UPI, June 11, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:米国が支援する「テロ集団」はダイル・ザウル県でシリア軍に疑いをかけるため新たな化学兵器攻撃を計画している(2018年6月11日)

ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、報道声明を出し、米軍特殊部隊の支援を受ける「テロ集団」(反体制武装集団)が、ダイル・ザウル県のジャフラ村に塩素ガスが入ったボンベ複数本を搬入し、シリア軍に嫌疑をかけるため、新たな化学兵器攻撃を画策しているとの情報を得たと発表した。

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これに関して、ドゥラル・シャーミーヤ(6月11日付)は、複数の活動家の話として、ロシアのこうした警告は、シリア軍が最近になってダイル・ザウル県南東部の砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)に苦戦を強いられているなか、シリア軍による化学兵器攻撃が行われる可能性が高まっていることをと示している、と伝えた。

AFP, June 11, 2018、ANHA, June 11, 2018、AP, June 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2018、al-Hayat, June 12, 2018、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 11, 2018、Reuters, June 11, 2018、SANA, June 11, 2018、UPI, June 11, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは3件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年6月11日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(6月11日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(ラタキア県2件、アレッポ県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 11, 2018をもとに作成。

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米主導の有志連合は6月1日~6月10日までの10日間でシリア領内で132回の爆撃を実施(2018年6月11日)

米中央軍(CENTCOM)は、6月1日~6月10日の10日間でのシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

6月1日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し9回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は9回で、ブーカマール市近郊(4回)、シャッダーディー市近郊(5回)に対して行われた。

6月2日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し9回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は8回で、ブーカマール市近郊(6回)、シャッダーディー市近郊(2回)に対して行われた。

6月3日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し28回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は28回で、ブーカマール市近郊(22回)、シャッダーディー市近郊(6回)に対して行われた。

6月4日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し17回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は17回で、ブーカマール市近郊(15回)、シャッダーディー市近郊(2回)に対して行われた。

6月5日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し12回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は12回で、ブーカマール市近郊(7回)、シャッダーディー市近郊(5回)に対して行われた。

6月6日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し17回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は17回で、ブーカマール市近郊(11回)、シャッダーディー市近郊(6回)に対して行われた。

6月7日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し12回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は12回で、ブーカマール市近郊(9回)、シャッダーディー市近郊(3回)に対して行われた。

6月8日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し11回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は11回で、ブーカマール市近郊(6回)、シャッダーディー市近郊(3回)に対して行われた。

6月9日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し15回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は14回で、ブーカマール市近郊(6回)、シャッダーディー市近郊(8回)に対して行われた。

6月10日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し6回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は6回で、ブーカマール市近郊(4回)、シャッダーディー市近郊(2回)に対して行われた。

CENTCOM, June 11, 2018をもとに作成。

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