トルコ大統領府報道官「トルコがクルド人を標的とするという米国の物言いは、理性が受け入るものではない」(2019年1月6日)

トルコのイブラヒム・カリン大統領府報道官は、「シリアからの米軍の撤退はダーイシュ(イスラーム国)を敗北させるとともに、トルコがクルド人民兵(人民防衛隊(YPG))の安全を保障することが条件だ」とのジョン・ボルトン米国家安全保障問題担当大統領補佐官の発言に関して、「トルコがクルド人を標的とするという物言いは、理性が受け入るものではない。なぜなら、トルコはテロ組織であるダーイシュ(イスラーム国)とPKK(クルディスタン労働者党)-YPG(人民防衛隊)を標的としているからだ」と反論した。

カリン報道官はまた「トルコは、PKKがシリアに勢力を伸長することと闘い、クルド人をテロ組織の不義と抑圧から解放することを目的としている」と付言した。

アナトリア通信(1月6日付)が伝えた。

AFP, January 6, 2019、Anadolu Ajansı, January 6, 2019、ANHA, January 6, 2019、AP, January 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 6, 2019、al-Hayat, January 7, 2019、Reuters, January 6, 2019、SANA, January 6, 2019、UPI, January 6, 2019などをもとに作成。

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ボルトン米大統領補佐官「シリア駐留米軍撤退の行程や時期は撤退の条件が満たされてから」(2019年1月6日)

イスラエルとトルコを歴訪中のジョン・ボルトン米国家安全保障問題担当大統領補佐官は、イスラエル(5日訪問)で同行した記者らに対して、「シリアからの撤退についてイスラエルやトルコと話し合うつもりだ」としたうえで、「撤退の条件を実現したい…。撤退の行程や時期というのは、これらの条件が満たされ、我々が目にしたいと考えている状況が整ってからの話だ。それが整ってから、時期については話すことができる」と強調、「シリアからの米軍の撤退はダーイシュ(イスラーム国)の残党を壊滅するとともに、トルコがクルド人民兵(人民防衛隊(YPG))の安全を保障することが条件だ」と述べた。

ボルトン補佐官はまた、米政府が「撤退に際して米軍部隊の安全を確保する措置を講じたいと考えている」と付言する一方、「シリア駐留米軍の撤退はクルド人を保護せずに行われることはない」と述べた

NBC(1月6日付)などが伝えた。

AFP, January 6, 2019、ANHA, January 6, 2019、AP, January 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 6, 2019、al-Hayat, January 7, 2019、MSNBC, January 6, 2019、Reuters, January 6, 2019、SANA, January 6, 2019、UPI, January 6, 2019などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県南東部で有志連合に参加する英軍の兵士2人がダーイシュの攻撃を受けて負傷(2019年1月6日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にある県南東部ユーフラテス川東岸のシャフア村一帯での戦闘で、有志連合に参加する英軍の兵士2人がダーイシュの撃ったロケット弾により負傷、ヘリコプターで搬送された。

この戦闘では、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の戦闘員1人も死亡したという。

一方、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターによると、シリア民主軍が県南東部のダーイシュ(イスラーム国)支配地域で、避難民を乗せた車列を襲撃しようとしていた外国人戦闘員5人を拘束した。

拘束された外国人戦闘員は、米国人2人、アイルランド人1人、パキスタン人2人。

ANHA, January 6, 2019

このほか、ANHA(1月6日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)支配下のスーサ町からの移動を禁じられていた住民数百人が、同町から、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の制圧地域に脱出した。

AFP, January 6, 2019、ANHA, January 6, 2019、AP, January 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 6, 2019、al-Hayat, January 7, 2019、Reuters, January 6, 2019、SANA, January 6, 2019、UPI, January 6, 2019などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構がアレッポ県西部の反体制武装集団の拠点都市アターリブ市も無血開城し、制圧(2019年1月6日)

アレッポ県では、ANHA(1月6日付)などによると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が県西部の反体制武装集団の拠点都市を無血開城、制圧した。

syria.liveuamap.com, January 6, 2019

ドゥラル・シャーミーヤ(1月6日付)によると、シャーム解放機構によるアターリブ市完全制圧は、同市名士との合意に基づくもの。

シャーム解放機構と同地で活動する国民解放戦線との対立を回避するために交わされた合意の内容は以下の通り。

①シャーム革命家大隊とバヤーリク・イスラーム運動を解体し、その武器はシリア政府支配地域との前線に残す。
②シャーム解放機構がアターリブ市の軍事と治安を担当する。
③シリア救国内閣が同市の行政と福祉を担当する。
④「ユーフラテスの盾」作戦司令室の兵員、司令部が同市に留まることは認めない。
⑤シャーム解放機構はシャーム革命家大隊とバヤーリク・イスラーム運動のメンバーの身の安全を保障する。

al-Durar al-Shamiya, January 6, 2019

AFP, January 6, 2019、ANHA, January 6, 2019、AP, January 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 6, 2019、al-Hayat, January 7, 2019、Reuters, January 6, 2019、SANA, January 6, 2019、UPI, January 6, 2019などをもとに作成。

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アフリーン解放軍団はトルコ占領下のアレッポ県北西部でシャーム戦線の車輌を破壊(2019年1月6日)

アフリーン解放軍団は声明を出し、トルコの占領下にあるアレッポ県シーラーワー町近郊のクーバラ村でシャーム戦線の車輌を破壊したと発表した。

ANHA(1月6日付)が伝えた。

AFP, January 6, 2019、ANHA, January 6, 2019、AP, January 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 6, 2019、al-Hayat, January 7, 2019、Reuters, January 6, 2019、SANA, January 6, 2019、UPI, January 6, 2019などをもとに作成。

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北・東シリア自治局支配地域内に逃れていた避難民約300人がダイル・ザウル県ユーフラテス川以東地域からシリア政府支配地域に帰還(2019年1月6日)

SANA(1月6日付)は、シリア軍によって解放されたダイル・ザウル県内の村々の住民で北・東シリア自治局支配地域内に逃れていた避難民約300人が、ダイル・ザウル市近郊のユーフラテス川左岸に位置するサーリヒーヤ村(サーリヒーヤト・ジャズィーラ村)に設置された通行所を経由してシリア政府支配地域に帰還したと伝えた。

避難民のなかには兵役忌避者も含まれているという。

SANA, January 6, 2019

AFP, January 6, 2019、ANHA, January 6, 2019、AP, January 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 6, 2019、al-Hayat, January 7, 2019、Reuters, January 6, 2019、SANA, January 6, 2019、UPI, January 6, 2019などをもとに作成。

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アレッポ市西方、ハマー県でシリア軍と反体制武装集団が交戦(2019年1月6日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月6日付)によると、シリア軍がアレッポ市西のザフラー協会地区に近いファルフール丘に進攻、反体制武装集団と交戦した。

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ハマー県では、SANA(1月6日付)によると、ザカート村からシリア政府支配下のムハルダ市北のシャルユート村一帯に潜入しようとしたイッザ大隊(イッザ軍)をシリア軍が迎撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(アレッポ県1件、イドリブ県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームも23件の停戦違反(アレッポ県2件、ハマー県5件、ラタキア県3件、イドリブ県13件)を確認した。

AFP, January 6, 2019、ANHA, January 6, 2019、AP, January 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 6, 2019、al-Hayat, January 7, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 6, 2019、Reuters, January 6, 2019、SANA, January 6, 2019、UPI, January 6, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから371人、ヨルダンから669人の難民が帰国、避難民206人が帰宅(2019年1月6日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(1月6日付)を公開し、1月5日に難民1,040人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは371人(うち女性111人、子供189人)、ヨルダンから帰国したのは669人(うち女性201人、子供341人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は89,758人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者39,082人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者50,676人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 319,038人(うち女性95,734人、子供162,607人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,664,415人(うち女性1,999,325人、子供3,398,852人)。

一方、国内避難民206人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは34人(うち女性9人、子供13人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダイル・ザウル県、ダマスカス郊外県に帰宅したのは177人(うち女性63人、子供79人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2018年1月以降に帰宅した国内避難民の数は187,033人(うち女性57,842人、子供91,721人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,269,395人(うち女性382,840人、子供644,104人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 6, 2019をもとに作成。

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