米中央軍(CENTCOM)は、1月13日~26日の14日間でのシリア、イラク両国における有志連合の爆撃の戦果をHPで発表した。
シリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対する爆撃回数は654回で、うちシリア領内での回数は645回、イラク領内での回数は9回だった。
各日の爆撃回数、標的(場所)の詳細は開示されなかった。
CENTCOM, January 30, 2019をもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会のバッサーム・サクル氏は『ハヤート』(1月31日付)の取材に対して、イルハーム・アフマド執行委員会共同議長を代表とする使節団が米国を訪問し、ワシントンDCでドナルド・トランプ米大統領や上院議員らと会談した。
サクル氏によると、トランプ大統領との会談は前向きで、「彼(トランプ大統領)は「クルド人を愛している」と言ってくれた」という。
同氏はまた「米軍の撤退は決定事項で、逆戻りできない…。シリア民主評議会は撤退そのものを問題視していないが、我々は、我々と調整して、熟慮のうえ撤退するよう要請している…。調整はなされているが、さらなる調整をしたいと考えている。熟慮のうえ撤退すると約束してもらっており、安心している。撤退は若干遅れるだろう」と述べた。
国境地帯に「安全地帯」を設置する構想については「国境地帯に国際舞台を展開させること、あるいはシリア民主軍が安全地帯の治安状況の監督を付託されることを要請している…。米国は安全地帯について明確な見解を持っていない。我々は、トルコが侵略するとの脅迫をしているために安全地帯を必要としているとの見解を明示した」と述べた。
そのうえで「米上院は撤退を支持せず、シリアにおける同盟者である我々を支援したいとしている。だが、議会が撤退決定を阻止することはできず、撤退を遅らせるためにできることをしている」との見方を示した。
この会談に関して、CNN(1月31日付)は、クルド人高官がトランプ大統領に「クルド人がシリアで(トルコのレジェップ・タイイップ・)エルドアン大統領に虐殺されるのを放置しない」よう要請したと伝えた。
使節団は、国務省、国防総省を訪問し、国境地帯での「安全地帯」設置について協議する予定しているという。
AFP, January 30, 2019、ANHA, January 30, 2019、AP, January 30, 2019、CNN, January 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 30, 2019、al-Hayat, January 31, 2019、Reuters, January 30, 2019、SANA, January 30, 2019、UPI, January 30, 2019などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
アラブ首長国連邦(UAE)のアンワル・ガルガーシュ外務担当国務大臣は、米フッラ・チャンネル(1月30日付)のインタビューに応じ「UAEは米軍撤退後もシリアのクルド人保護を支持する」と述べ、北・東シリア自治局の支配下にあるシリア北東部へのトルコ軍の侵攻を拒否する姿勢を示した。
また、ダマスカスの大使館を再開したことについては、同盟国との協議のうえに決定したことを明らかにした。
AFP, January 30, 2019、Alhurra, January 30, 2019、ANHA, January 30, 2019、AP, January 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 30, 2019、al-Hayat, January 31, 2019、Reuters, January 30, 2019、SANA, January 30, 2019、UPI, January 30, 2019などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
イラクのムハンマド・アリー・ハキーム外務大臣は、モスクワでロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談した。
会談後の記者会見で、ハキーム外務大臣は「政治プロセスから軍事プロセス、とりわけテロ組織からのイドリブ県の解放など、シリア問題について詳しく検討した」としたうえで、シリア領内でイラク軍が実施している地上・航空作戦において、シリア政府と連携していることを認めた。
ハキーム外務大臣は「もちろん、シリアと軍事・治安協力を行っている。我々はシリア政府との連携のもとに限定的な航空・地上作戦を行っている」と述べた。
ハキーム外務大臣はまた「我々はユーフラテス川以東に部隊を進入させる計画はないが、ダーイシュ(イスラーム国)の残党を壊滅するため…に行動を続ける。繰り返すが、我々はシリアのパートナーを驚かせるような地上作戦、それ以外の作戦を実施することはない」と付言した。
イドリブ県の情勢については「イドリブ県の問題についても検討し、同地をどのようにテロリストから解放するべきかについて意見を交わした」と述べた。
一方、ラブロフ外務大臣は「シリアとイラクにおけるテロ集団残党の撲滅など、シリアに関する国連安保理決議第2254号の実施方法に関する両国の見方は一致している…。シリアからの部隊撤退に関する米政府の主張を踏まえつつ、シリア・イラク国境の安全保障を拡充する任務について検討した」と述べた。
スプートニク・ニュース(1月30日付)、『ハヤート』(1月29日付)などが伝えた。
AFP, January 30, 2019、ANHA, January 30, 2019、AP, January 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 30, 2019、al-Hayat, January 31, 2019、Reuters, January 30, 2019、SANA, January 30, 2019、Sputnik News, January 30, 2019、UPI, January 30, 2019などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
トルコのイブラヒム・カリン大統領府報道官は、ジョン・ボルトン米国家安全保障問題担当大統領補佐官と電話会談を行い、北・東シリア自治局支配地域とトルコ占領地域が接するアレッポ県マンビジュ市北の情勢に関して、シリア駐留米軍の撤退に向けて調整を継続することを確認したと発表した。
アナトリア通信(1月30日付)が伝えた。
AFP, January 30, 2019、Anadolu Ajansı, January 30, 2019、ANHA, January 30, 2019、AP, January 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 30, 2019、al-Hayat, January 31, 2019、Reuters, January 30, 2019、SANA, January 30, 2019、UPI, January 30, 2019などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ダイル・ザウル県では、SANA(1月30日付)が複数の地元筋の話として伝えたところによると、米主導の有志連合が県南東部のバーグーズ村の住宅街を爆撃、女性3人と子ども5人が死亡、住民多数が負傷した。
AFP, January 30, 2019、ANHA, January 30, 2019、AP, January 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 30, 2019、al-Hayat, January 31, 2019、Reuters, January 30, 2019、SANA, January 30, 2019、UPI, January 30, 2019などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
クナイトラ県では、SANA(1月30日付)によると、反体制活動を行っていた同県出身の兵役忌避者数十人が、当局に投降し、武器を引き渡し、2018年政令第18号に基づき免罪手続きを受け、社会復帰した。
ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月30日付)によると、離反兵や兵役忌避者が15台の車を連ねてダルアー市ダルアー・バラド地区で発砲するなどの示威行動を行い、兵役拒否の意思を示した。
AFP, January 30, 2019、ANHA, January 30, 2019、AP, January 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 30, 2019、al-Hayat, January 31, 2019、Reuters, January 30, 2019、SANA, January 30, 2019、UPI, January 30, 2019などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ハマー県では、SANA(1月30日付)によると、シリア軍がサフル丘一帯からシリア政府支配地域の軍事拠点を攻撃した反体制武装集団に迎撃した。
シリア軍はまた、カフルヌブーダ町一帯のシャーム解放機構の拠点、カフルズィーター市一帯やハスラーヤー村一帯のイッザ大隊(イッザ軍)の拠点を砲撃した。
**
イドリブ県では、SANA(1月30日付)によると、シリア軍がタマーニア町一帯の反体制武装集団の拠点を砲撃した。
**
ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(イドリブ県2件、アレッポ県1件、ハマー県2件、ラタキア県3件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を32件(アレッポ県9件、ハマー県8件、イドリブ県14件、ラタキア県1件)を確認した。
AFP, January 30, 2019、ANHA, January 30, 2019、AP, January 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 30, 2019、al-Hayat, January 31, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 30, 2019、Reuters, January 30, 2019、SANA, January 30, 2019、UPI, January 30, 2019などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(1月30日付)を公開し、1月29日に難民1,089人が新たに帰国したと発表した。
このうちレバノンから帰国したのは489人(うち女性147人、子供249人)、ヨルダンから帰国したのは600人(うち女性180人、子供306人)。
これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は117,695人となった。
内訳は、レバノンからの帰国者49,105人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者68,590人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。
また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 346,975人(うち女性104,118人、子供176,850人)となった。
なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。
うち東グータ地方に帰宅したのは30人(うち女性13人、子供10人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは256人(うち女性88人、子供117人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。
これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は6,516人(うち女性2,230人、子供2,873人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,275,112人(うち女性384,789人、子供646,639人)となった。
Ministry of Defence of the Russian Federation, January 30, 2019、SANA, January 30, 2019をもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.