レバノンのバースィール外務大臣「シリアをテロリズムの手のなかに投げ込むのではなく、抱擁しなければならない」(2019年1月18日)

アラブ連盟経済サミットがレバノンの首都ベイルートで開幕し、議長国を務めるレバノンのジュブラーン・バースィール外務大臣が基調演説を行った。

バースィール外務大臣はそのなかで「我々は、シリアをテロリズムの手のなかに投げ込むのではなく、抱擁しなければならない。そのために誰かがその復帰を許可するのを待つまでもない」としたうえで、「シリアは今日の我々の会議における最大の対立点だが、シリアが欠席したことの重みを感じる」と述べた。

ナハールネット(1月18日付)が伝えた。

AFP, January 18, 2019、ANHA, January 18, 2019、AP, January 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 18, 2019、al-Hayat, January 19, 2019、Naharnet, January 18, 2019、Reuters, January 18, 2019、SANA, January 18, 2019、UPI, January 18, 2019などをもとに作成。

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フォード前駐シリア米大使「YPGとの関係は一時的で戦術的…シリアからの米軍撤退は裏切りではない」(2019年1月18日)

ロバート・フォード前駐シリア米大使は、米ワシントンDCにあるウッドロー・ウィルソン・センター(WWC)が開催した会議にテレビ会議システムで傘下し、ダーイシュ(イスラーム国)に対する有志連合の「テロとの戦い」の協力部隊である人民防衛隊(YPG)との関係に関して、「一時的で戦術的なもの」だと述べた。

フォード氏は、米国がYPGと長期的な関係を構築しようとしている訳ではなかったとしたうえで、「軍事戦術的な同盟だった…。シリアからの米軍の撤退はシリアのクルド人への裏切りだとは考えていない」と述べた。

アナトリア通信(1月18日付)などが伝えた。

AFP, January 18, 2019、Anadolu Ajansı, January 18, 2019、ANHA, January 18, 2019、AP, January 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 18, 2019、al-Hayat, January 19, 2019、Reuters, January 18, 2019、SANA, January 18, 2019、UPI, January 18, 2019などをもとに作成。

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イドリブ市でシャーム解放機構の拠点を狙った自爆攻撃(2019年1月18日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月18日付)によると、イドリブ市南部にあるシャーム解放機構の拠点が、爆弾を積んだ車の自爆攻撃を受け、多数のメンバーが死傷した。

シャーム解放機構の治安責任者だというアブー・ムアーウィヤ・シャーミー氏によると、自爆攻撃を行ったのはダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員だという。

AFP, January 18, 2019、ANHA, January 18, 2019、AP, January 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 18, 2019、al-Hayat, January 19, 2019、Reuters, January 18, 2019、SANA, January 18, 2019、UPI, January 18, 2019などをもとに作成。

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トルコ外務省報道官「マンビジュ市にアサド政権を招き入れようとするYPGの取り組みは決して許されない」(2019年1月18日)

トルコのハミ・アクソイ外務省報道官は首都アンカラでの記者会見で、イドリブ県を中心に拡がる反体制派支配地域の軍事・治安権限をシャーム解放機構が掌握したことに関して「イドリブ県をめぐるロシアとの相互理解を揺るがそうとする挑発行為を許すことはない」と述べた。

アクソイ報道官はまた、「イドリブ県にかかる(ロシアとの)合意は人道的悲劇を回避し、国際社会から高い評価を得た…。だが、アサド政権は軍事的な勝利を追及し続けている」と付言した。

一方、アクソイ報道官は、シリアからの米軍撤退決定をめぐっては、「PYD(民主統一党)/YPG(人民防衛隊)の分離主義的アジェンダに利用されてはならない」としたうえで、「(アレッポ県)マンビジュ市に(アサド)政権を招き入れようとするYPGの取り組みは決して許されるものではない」と警告した。

アナトリア通信(1月18日付)が伝えた。

AFP, January 18, 2019、Anadolu Ajansı, January 18, 2019、ANHA, January 18, 2019、AP, January 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 18, 2019、al-Hayat, January 19, 2019、Reuters, January 18, 2019、SANA, January 18, 2019、UPI, January 18, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍は米軍兵士も犠牲となったマンビジュ市での自爆テロで犠牲になった兵士の氏名を発表(2019年1月18日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は声明を出し、16日にアレッポ県マンビジュ市で発生した自爆テロで死亡した米国軍兵士・国防総省職員4人を含む13人に含まれているシリア民主軍兵士の氏名を公表した。

自爆テロで死亡したシリア民主軍の兵士は、ジャウディー・クーバーニー氏、シヤール・バンラク氏。

AFP, January 18, 2019、ANHA, January 18, 2019、AP, January 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 18, 2019、al-Hayat, January 19, 2019、Reuters, January 18, 2019、SANA, January 18, 2019、UPI, January 18, 2019などをもとに作成。

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ロシアのラブロフ外務大臣「シャーム解放機構は非武装地帯の70%近くを制圧し、シリア軍拠点やフマイミーム航空基地を攻撃しようとしている」(2019年1月18日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、ドイツのハイコ・マース外務大臣との会談後の記者会見で、シリア情勢について触れ、トルコとの非武装地帯設置にかかる合意(2018年9月)にシリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が違反していると懸念を表明した。

ラブロフ外務大臣は、シャーム解放機構は、非武装地帯の70%近くを制圧し、シリア軍の拠点やシリア政府支配地域、さらにはシリア駐留シリア軍の司令部が設置されているラタキア県フマイミーム航空基地を攻撃しようとしていると述べた。

AFP, January 18, 2019、ANHA, January 18, 2019、AP, January 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 18, 2019、al-Hayat, January 19, 2019、Reuters, January 18, 2019、SANA, January 18, 2019、UPI, January 18, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団がアフリーン郡のスーガーニカ村を砲撃(2019年1月18日)

アレッポ県では、ANHA(1月18日付)によると、トルコの占領下にあるアフリーン郡シーラーワー町近郊のスーガーニカ村をトルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が砲撃した。

また、アフリーン市マフムーディーヤ地区で爆発が発生した。

一方、アフリーン解放軍団は声明を出し、17日にジンディールス町にあるシャーム自由人イスラーム運動とトルコ軍の拠点を襲撃し、トルコ軍兵士2人と戦闘員5人を負傷させたと発表した。

AFP, January 18, 2019、ANHA, January 18, 2019、AP, January 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 18, 2019、al-Hayat, January 19, 2019、Reuters, January 18, 2019、SANA, January 18, 2019、UPI, January 18, 2019などをもとに作成。

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トルコの庇護を受ける国民解放戦線の報道官はアサド政権が反体制派を装った化学兵器攻撃を準備していると主張(2019年1月18日)

トルコの庇護を受ける国民解放戦線のアブドゥッサラーム・アブドゥッラッザーク報道官(大尉)はツイッターのアカウント(https://twitter.com/abdulslamabdul7?lang=ja)で、親政権民兵がアレッポ県で、反体制派を装った化学兵器攻撃を準備していると主張した。

https://twitter.com/abdulslamabdul7/status/1086215216440983553

AFP, January 18, 2019、ANHA, January 18, 2019、AP, January 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 18, 2019、al-Hayat, January 19, 2019、Reuters, January 18, 2019、SANA, January 18, 2019、UPI, January 18, 2019などをもとに作成。

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親・反体制メディアは米主導の有志連合はダイル・ザウル県南東部に対する爆撃で住民20人を殺害したと報じる一方、有志連合は存在しない村でダーイシュが司令施設として使用していたモスクを撃破したと発表(2019年1月18日)

ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月18日付)やSANA(1月18日付)が複数の地元筋の話として伝えたところによると、米主導の有志連合が、上バーグーズ村およびスーサ町一帯を爆撃し、女性と子どもを含む住民20人が死亡した。

ドゥラル・シャーミーヤによると、死亡した住民はほとんどが、シリア政府支配下のクーリーア市住民で、シリア軍が同地を制圧下2017年にダーイシュ支配地域に避難していたという。

これに対して、SANAは、有志連合がダーイシュ支配地域から脱出しようとしていた住民を狙ったと伝えた。

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一方、有志連合CJTF-OIR(「生来の決戦作戦」統合任務部隊)は声明を出し、17日に「サファーフィーヤ(Safafiyah)」にあるモスクを爆撃、これを破壊したと発表した。

このモスクは、ダーイシュ(イスラーム国)が司令施設として使用していたという。

だが、シリア(ダイル・ザウル県南東部)には、「サファーフィーヤ」という村は存在しない。

CJTF-OIR, January 18, 2018

AFP, January 18, 2019、ANHA, January 18, 2019、AP, January 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 18, 2019、al-Hayat, January 19, 2019、Reuters, January 18, 2019、SANA, January 18, 2019、UPI, January 18, 2019などをもとに作成。

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シリア軍はイドリブ県、ハマー県でイッザ軍などと交戦(2019年1月18日)

イドリブ県では、SANA(1月18日付)によると、トルキスタン・イスラーム党がビダーマー町、ナージヤ村一帯で停戦に違反、シリア軍がこれに対して砲撃した。

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ハマー県では、SANA(1月18日付)によると、シリア軍がラターミナ町にあるイッザ大隊(イッザ軍)の拠点を砲撃した。

シリア軍はまた、バッザーム丘一帯で反体制武装集団と交戦したほか、ムーリク市南部一帯、アトシャーン村一帯に潜入しようとした武装集団を迎撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(1月18日付)によると、シリア軍はムーリク市を砲撃し、女児1人と女性1人が死亡したという。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6 件(アレッポ県2件、ラタキア県3件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を20件(ハマー県9件、イドリブ県9件、ラタキア県2件)を確認した。

AFP, January 18, 2019、ANHA, January 18, 2019、AP, January 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 18, 2019、al-Hayat, January 19, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 18, 2019、Reuters, January 18, 2019、SANA, January 18, 2019、UPI, January 18, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから319人、ヨルダンから842人の難民が帰国、避難民239人が帰宅(2019年1月18日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(1月18日付)を公開し、1月17日に難民1,161人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは319人(うち女性95人、子供162人)、ヨルダンから帰国したのは842人(うち女性253人、子供429人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は104,883人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者42,986人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者59,897人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 332,163人(うち女性99,674人、子供169,297人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民239人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは30人(うち女性11人、子供9人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダイル・ザウル県、ダマスカス郊外県に帰宅したのは209人(うち女性70人、子供103人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は3,668人(うち女性1,250人、子供1,602人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,272,264人(うち女性383,809人、子供645,388人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 18, 2019をもとに作成。

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