シャーム解放機構ハマー地区司令官:シャーム自由人イスラーム運動はガーブ平原に戻り戦うだけで、指揮権はない(2019年1月19日)

シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構と、トルコの庇護を受ける国民解放戦線を主導するアル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動は、ハマー県ガーブ平原のシリア政府支配地域に面する前線拠点の処遇をめぐって新たな合意を交わした。

シャーム解放機構ハマー地区の司令官であるアブー・クサイ・ハマウィー氏が、ドゥラル・シャーミーヤ(1月19日付)に対して明らかにしたところによると、この合意に基づき「ガーブ平原におけるシャーム自由人イスラーム運動の戦闘員の役割は戦闘のみで、いかなる司令も行うものではない」という。

ハマウィー氏はまた、シャーム自由人イスラーム運動の拠点については「政権との前線拠点に本拠地としての役割を果たす拠点を1つだけ残すことになる」としたうえで、「合意ではシャーム自由人イスラーム運動はガーブ平原とシャフシャブー山に戻ると定めている」と述べ、シャーム解放機構の傘下で活動を続けることを強調した。

AFP, January 19, 2019、ANHA, January 19, 2019、AP, January 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 19, 2019、al-Hayat, January 20, 2019、Reuters, January 19, 2019、SANA, January 19, 2019、UPI, January 19, 2019などをもとに作成。

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ソイル内務大臣:トルコのシリア難民は360万人、うち8万人弱が国籍を取得、5万人強(成人)が被選挙権を有する(2019年1月19日)

トルコのシュレイマン・ソイル内務大臣は、メルスィン県での地方選挙にかかる安全対策会合で、「シリア難民5万3000人がトルコ国籍を取得し、3月に予定されている地方選挙で投票できる」と述べた。

ソイル内務大臣は「トルコ国籍を取得したシリア人の双数は7万9820人で、成人を除いた被選挙権を有する国籍取得者数は5万3099人」だとしたうえで、「トルコで国際的な難民保護資格を有するシリア人の数は363万2622人で、彼らの被選挙権にかかる問題は何度も議論されてきたが…トルコ国籍を取得したシリア人だけに被選挙権があり、トルコにいるすべてのシリア人にあるわけではない」と付言した。

アナトリア通信(1月19日付)が伝えた。

AFP, January 19, 2019、Anadolu Ajansı, January 19, 2019、ANHA, January 19, 2019、AP, January 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 19, 2019、al-Hayat, January 20, 2019、Reuters, January 19, 2019、SANA, January 19, 2019、UPI, January 19, 2019などをもとに作成。

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ハサカ県でYPGメンバーが相次いで離反(2019年1月19日)

ハサカ県では、ハサカ青年連合によると、シリア民主軍の主導する人民防衛隊(YPG)のメンバー5人がタッル・ブラーク町で離反、同地近郊のタッル・ハーズーク村でYPGのパトロール部隊が彼らを追跡中に住民と口論となり、発砲した。

一方、ヤアルビーヤ町近郊のムシャイリファト・サナド村で数日前に離反した別のYPGメンバー3人は、イラク領内(イラク・クルディスタン自治区)への逃亡に成功した。

ドゥラル・シャーミーヤ(1月19日付)が伝えた。

AFP, January 19, 2019、ANHA, January 19, 2019、AP, January 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 19, 2019、al-Hayat, January 20, 2019、Reuters, January 19, 2019、SANA, January 19, 2019、UPI, January 19, 2019などをもとに作成。

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ラフマーン軍団はダマスカス郊外県東グータ地方からアフリーン郡に退去して以降、初めて戦闘員が死亡したと発表(2019年1月19日)

アレッポ県では、ANHA(1月19日付)によると、トルコの占領下にあるアフリーン市のジーン・サロン近くで爆発が発生、死傷者が出た。

また、シャッラー村近郊のマリーミーン村にある自由警察とラフマーン師団の本部で爆発が発生した。

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一方、ラフマーン軍団は声明を出し、2018年4月にダマスカス郊外県東グータ地方からアフリーン郡に退去して以降、初めて戦闘員が死亡したと発表した。

声明によると、この戦闘員は、人民防衛隊(YPG)がアフリーン市近郊のカイバール村の南に設置した地雷に触れて死亡したという。

AFP, January 19, 2019、ANHA, January 19, 2019、AP, January 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 19, 2019、al-Hayat, January 20, 2019、Reuters, January 19, 2019、SANA, January 19, 2019、UPI, January 19, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍に所属するバーブ軍事評議会はロシア軍憲兵隊とトルコ占領地域に近いアレッポ県北部でパトロール活動を行う写真、画像を公開(2019年1月19日)

ANHA(1月19日付)は、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するバーブ軍事評議会が、ロシア軍憲兵隊とともに、トルコの占領地域に近いアレッポ県バーブ市北東のアリーマ町一帯でパトロール活動を強化していると伝え、写真や画像を公開した。

https://youtu.be/X6QPp4mX4Vo

AFP, January 19, 2019、ANHA, January 19, 2019、AP, January 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 19, 2019、al-Hayat, January 20, 2019、Reuters, January 19, 2019、SANA, January 19, 2019、UPI, January 19, 2019などをもとに作成。

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グラハム米上院議員「無計画なシリアからの米軍撤退は「ステロイド剤を投与したイラク」をもたらす…YPGをトルコから遠ざける計画を策定している」(2019年1月19日)

リンセイ・グラハム米上院議員(サウス・カロライナ州選出、共和党)は、トルコンのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領との会談のために訪問しているアンカラで記者団に対して、シリアからの拙速な軍撤退が「混乱」と「ステロイド剤を投与したイラク」をもたらすと警鐘をならした。

18日にエルドアン大統領らとの会談を行ったグラハム上院議員は、シリアからの撤退計画がイスラーム国の敗北を確認したうえで行われるべきだとしたうえで、イスラーム国の壊滅はまだ達成していないとの見方を示した。

そのうえで「私はドナルド・トランプ大統領にバラク・オバマ前大統領がしたようなこと、撤退した後に何が起きるかを理解しないで撤退するようなことをしないように迫ってい」と述べ、イラクから米軍を撤退させたあとにイスラーム国が台頭した経緯を踏まえ、「シリアから無計画に米軍を撤退させれば「ステロイド剤を投与したイラク」がもたらされる」と警鐘を鳴らした。

一方、人民防衛隊(YPG)および同組織を主体とするシリア民主軍への米国の支援にトルコが反発していることについては、「ジョセフ・ダンフォード米軍統合参謀本部議長がアンカラとともに、YPGをトルコから遠ざける計画を策定している」と述べた。

AFP, January 19, 2019、ANHA, January 19, 2019、AP, January 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 19, 2019、al-Hayat, January 20, 2019、Reuters, January 19, 2019、SANA, January 19, 2019、UPI, January 19, 2019などをもとに作成。

 

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シリア軍はハマー県、イドリブ県でシャーム解放機構などと交戦(2019年1月19日)

ハマー県では、SANA(1月19日付)によると、シリア軍が、マアルカバ村、カフルズィーター市、ジャナービラ村方面からムハルダ市北に潜入しようとした反体制武装集団を迎撃した。

シリア軍はまた、ムーリク市一帯の農地に潜入しようとしたシャーム解放機構を迎撃したほか、ガーブ平原のジスル・バイト・ラース村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

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イドリブ県では、SANA(1月19日付)によると、シリア軍がフバイト村、ウンム・ハラーヒール村、ファルジャ村のシャーム解放機構に対して砲撃を行った。

一方、カフルズィーター地元評議会はトルコ政府に宛てた書簡を発表、カフルズィーター市がロシア軍の無人航空機による爆撃やシリア軍の砲撃に晒されており、緊張緩和地帯設置合意が遵守されていないと抗議、同地には反体制武装集団の拠点はないと主張した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を7 件(アレッポ県2件、ラタキア県1件、ハマー県2件、イドリブ県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を21件(ハマー県11件、アレッポ県8件、ラタキア県2件)を確認した。

AFP, January 19, 2019、ANHA, January 19, 2019、AP, January 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 19, 2019、al-Hayat, January 20, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 19, 2019、Reuters, January 19, 2019、SANA, January 19, 2019、UPI, January 19, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから467人、ヨルダンから1115人の難民が帰国、避難民158人が帰宅(2019年1月19日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(1月19日付)を公開し、1月18日に難民1,582人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは467人(うち女性140人、子供238人)、ヨルダンから帰国したのは1,115人(うち女性335人、子供569人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は105,465人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者43,453人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者61,012人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 333,745人(うち女性100,149人、子供170,104人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民158人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは27人(うち女性11人、子供12人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダイル・ザウル県、ダマスカス郊外県に帰宅したのは127人(うち女性50人、子供58人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は3,826人(うち女性1,311人、子供1,692人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,272,422人(うち女性383,870人、子供645,458人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 19, 2019をもとに作成。

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