ポンペオ米国務長官「米国は同盟国とともに、イランを完全に排除するため外交を行い、シリア国民に平和と安定をもたらす」(2019年1月10日)

マイク・ポンペオ米国務長官はエジプトのカイロ・アメリカン大学で記念講演を行い、そのなかでシリアからイランの影響力を排除するため、同盟国とともに外交活動を続けると主張、中東諸国に対して対イラン政策で歩調を合わせるよう呼びかけた。

ポンペオ国務長官は「地域の大義のため、古い競争が終わりを迎える時が来た…。米国は同盟国とともに、イランを完全に排除するため外交を行い…、長らく苦しんでいるシリアの国民に平和と安定をもたらす」と述べた。

ポンペオ国務長官はまた、イスラエルに関して、「イスラエルにはイランの攻撃的な冒険主義から自らを防衛する能力がある」と強調した。

一方、レバノン情勢については、「ヒズブッラーの存在感は大きい。だが、我々はこの現状を受け入れるつもりはない。イランに対する我々の制裁は、ヒズブッラーの指導者であるハサン・ナスルッラーら、テロ組織やその指導者たちに対しても向けられている…。我々はヒズブッラーのロケット弾を削減するため行動している」と述べた。

AFP, January 10, 2019、ANHA, January 10, 2019、AP, January 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 10, 2019、al-Hayat, January 11, 2019、Reuters, January 10, 2019、SANA, January 10, 2019、UPI, January 10, 2019などをもとに作成。

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ルクバーン・キャンプ総務政治関係委員会はシリア政府支配地域への帰還を拒否、トルコ占領下のシリア北部へのキャンプ移転を要求(2019年1月10日)

ヒムス県南東部のタンフ国境通行所に近いヨルダン北東部のルクバーン・キャンプの総務政治関係委員会を名のるグループがビデオ声明を出し、「アサド政権支配下の地域への帰国を拒否する」と表明した。

また、このグループは声明で「我々は、有志連合の保護のもと、砂漠を経由してシリア北部にキャンプを移転することを求めている。我々は…キャンプの処遇について誰とも交渉はしてこなかったし、これからもすることはない」と付言した。

https://www.facebook.com/Badia24/videos/499528827237341/

AFP, January 10, 2019、ANHA, January 10, 2019、AP, January 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 10, 2019、al-Hayat, January 11, 2019、Reuters, January 10, 2019、SANA, January 10, 2019、UPI, January 10, 2019などをもとに作成。

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トルコのチャヴシュオール外務大臣「米軍撤退と関係なくシリア北部で軍事作戦を行う」(2019年1月10日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、ユーフラテス川以東地域でのPKK(クルディスタン労働者党)/YPG(人民防衛隊)に対する我々の軍事作戦は米軍撤退とは関係ない」と述べた。

また「米国の治安当局は、シリアからの撤退を阻止しようとして口実を作り出そうとしている…。ドナルド・トランプ大統領に撤退決定を撤回させようとしている」と批判した。

チャヴシュオール外務大臣は一方、イドリブ県および同県一帯の反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)で、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構がトルコの庇護を受ける国民解放戦線との戦闘の末、同地での支配を拡大していることに関して、「過激派集団がシリアの反体制派を攻撃している。我々はこの攻撃を止めるため適切な措置を講じる」と述べた。

TRT(1月10日付)が伝えた。

AFP, January 10, 2019、ANHA, January 10, 2019、AP, January 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 10, 2019、al-Hayat, January 11, 2019、Reuters, January 10, 2019、SANA, January 10, 2019、TRT, January 10, 2019、UPI, January 10, 2019などをもとに作成。

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フランスのル・ドリアン外務大臣「シリアに政治的解決がもたらされない限り、フランス軍をシリアから撤退させない」(2019年1月10日)

フランスのジャン=イヴ・ル・ドリアン外務大臣はCNews(1月10日付)で、シリアに政治的解決がもたらされない限り、同国に駐留させている部隊を撤退させることはない、と述べた。

ル・ドリアン外務大臣は「我々の軍の駐留は基本的にはイラクにおいてで、シリアにも若干ではあるが進駐しちえる。もちろん、政治的解決がなされるときに、我々はシリアから撤退する」と述べた。

ル・ドリアン外務大臣はまた「ロシアに(政治的解決の)責任がある。ロシアはシリア情勢に介入し、政権を支援し続けている。だから、シリアが政治的解決に至るまで、政治的な責任がある」と付言した。

AFP, January 10, 2019、ANHA, January 10, 2019、AP, January 10, 2019、CNews, January 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 10, 2019、al-Hayat, January 11, 2019、Reuters, January 10, 2019、SANA, January 10, 2019、UPI, January 10, 2019などをもとに作成。

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アフリーン解放軍団はトルコ占領下のアフリーン郡でトルコ軍兵士ら5人を殺害(2019年1月10日)

アレッポ県では、アフリーン解放軍団広報センターが、9日にシーラーワー町近郊のクーバラ村でトルコ軍部隊を攻撃し、装甲車1輌を破壊、トルコ軍兵士1人を殺害したと発表した。

アフリーン解放軍団はまた同日、アアザーズ市近郊のカルジャブリーン村でトルコの支援を受ける反体制武装集団を攻撃し、戦闘員4人を殺害した。

ANHA(1月10日付)が伝えた。

ANHA, January 10, 2019
ANHA, January 10, 2019

AFP, January 10, 2019、ANHA, January 10, 2019、AP, January 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 10, 2019、al-Hayat, January 11, 2019、Reuters, January 10, 2019、SANA, January 10, 2019、UPI, January 10, 2019などをもとに作成。

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シャーム解放機構に所属するウズベク人武装集団はイドリブ県での少年誘拐事件へのウズベク人の関与を否定(2019年1月10日)

シャーム解放機構に所属するウズベク人武装集団のタウヒード・ワ・ジハード大隊は声明を出し、ウズベク人2人がイドリブ県クーリーン村で15歳の少年を誘拐し、7万ドルの身代金を要求しているとする住民の主張について、ウズベク人は事件とは無関係だと発表した。

al-Durar al-Shamiya, January 10, 2019

AFP, January 10, 2019、ANHA, January 10, 2019、AP, January 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 10, 2019、al-Hayat, January 11, 2019、Reuters, January 10, 2019、SANA, January 10, 2019、UPI, January 10, 2019などをもとに作成。

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イドリブ自由警察はシャーム解放機構によるイドリブ県全域掌握を受けて活動停止を宣言(2019年1月10日)

イドリブ自由警察は、シャーム解放機構が国民解放戦線との戦闘の末にイドリブ県を中心とする反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)全域を掌握し、同地での戦闘が収束したことを受けて声明を出し、すべてのセンターでの活動を中止し、施設、装備、備品を地元評議会に移譲することなどを決定したと発表した。

al-Durar al-Shamiya, January 10, 2019

AFP, January 10, 2019、ANHA, January 10, 2019、AP, January 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 10, 2019、al-Hayat, January 11, 2019、Reuters, January 10, 2019、SANA, January 10, 2019、UPI, January 10, 2019などをもとに作成。

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シリア軍はハマー県でイッザ軍などと交戦(2019年1月10日)

ハマー県では、SANA(1月10日付)によると、サフル丘一帯からシリア政府支配地域に潜入しようとした反体制武装集団をシリア軍が撃退した。

シリア軍はまた、ラターミナ町にあるイッザ大隊(イッザ軍)の拠点を破壊した。

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ダルアー県では、ハウラーン自由人連合によると、ガバーギブ町にあるシリア軍拠点が武装集団の攻撃を受け、兵士多数が死傷した。

ドゥラル・シャーミーヤ(1月11日付)が伝えた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(アレッポ県)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を6件(ラタキア県3件、ハマー県1件、アレッポ県1件)を確認した。

AFP, January 10, 2019、ANHA, January 10, 2019、AP, January 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 10, 2019、January 11, 2019、al-Hayat, January 11, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 10, 2019、Reuters, January 10, 2019、SANA, January 10, 2019、UPI, January 10, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県でのシャーム解放機構と国民解放戦線の戦闘が収束、シャーム解放機構が同地全域の軍事・治安を掌握(2019年1月10日)

ドゥラル・シャーミーヤ(1月10日付)は、1月1日から反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)内のアレッポ県西部、南西部、ハマー県北部、北西部、イドリブ県南部、南東部で続いていたシリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構と、トルコの庇護を受ける国民解放戦線(ヌールッディーン・ザンキー運動、シャーム自由人イスラーム運動、シャームの鷹旅団)の戦闘が収束したと伝えた。

同サイトによると、戦闘収束は、国民解放戦線を主導するヌールッディーン・ザンキー運動がアレッポ県西部の支配地域全域からトルコの実質占領下にあるアフリーン郡に撤退するとともに、シャーム自由人イスラーム運動とシャームの鷹旅団がシャーム解放機構との合意に基づきハマー県西部から完全撤退することでもたらされたという。

この合意は9日に交わされたもので、ハマー県北西部(ガーブ平原、シャフシャブー山)の軍事・治安をシャーム解放機構に移譲、同地の自治・福祉をシリア救国内閣が担うことなどを骨子としている。

これに関して、SANA(1月10日付)、ANHA(1月10日付)は、シャーム解放機構がイドリブ県を中心とする反体制派支配地域全域の軍事・治安を掌握したと伝えた。

ANHA, January 10, 2019

なお、シャーム解放戦線の軍事部門は公示を出し、「解放区」においてシャーム自由人イスラーム運動、シャームの鷹旅団を含む反体制武装集団のメンバーを司法当局の許可なく逮捕することを禁じる旨、メンバーに通達した。

al-Durar al-Shamiya, January 10, 2019

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イドリブ県では、SANA(1月10日付)によると、シャーム解放機構と国民解放戦線の戦闘収束を受けて、シャーム解放機構が国民解放戦線所属組織の支配下にあったフバイト村を移譲され、同地を制圧した。

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ハマー県では、SANA(1月10日付)によると、シャーム解放機構と国民解放戦線の戦闘収束を受けて、シャーム解放機構が国民解放戦線所属組織の支配下にあったカルアト・マディーク町、カフルヌブーダ町を移譲され、同地を制圧した。

AFP, January 10, 2019、ANHA, January 10, 2019、AP, January 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 10, 2019、al-Hayat, January 11, 2019、Reuters, January 10, 2019、SANA, January 10, 2019、UPI, January 10, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから144人、ヨルダンから612人の難民が帰国、避難民214人が帰宅(2019年1月10日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(1月10日付)を公開し、1月9日に難民701人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは144人(うち女性27人、子供45人)、ヨルダンから帰国したのは612人(うち女性184人、子供312人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は93,413人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者40,092人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者53,321人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 322,693人(うち女性96,832人、子供164,471人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,664,415人(うち女性1,999,325人、子供3,398,852人)。

一方、国内避難民214人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは22人(うち女性9人、子供10人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダイル・ザウル県、ダマスカス郊外県に帰宅したのは185人(うち女性63人、子供71人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は1,687人(うち女性584人、子供706人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,270,283人(うち女性383,143人、子供644,472人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 10, 2019をもとに作成。

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