米軍中央司令部(CENTCOM)のヴォーテル司令官「ダーイシュは米軍撤退前にシリアで制圧しているすべての領域を失うだろう」(2019年2月4日)

米軍中央司令部(CENTCOM)のジョゼフ・ヴォーテル司令官(大将)が、昨年12月19日のドナルド・トランプ米大統領によるシリア駐留米軍の撤退決定に関して、米上院軍事委員会で「決定前に撤退について協議しなかった」と証言した。

ヴォーテル司令官はまた「ダーイシュ(イスラーム国)は米軍撤退前に、シリアで制圧しているすべての領域を失うだろう…。シリア領内の20平方マイルしか掌握していない…。司令官、戦闘委員、仲介者などはいるが、分断状況にある」と付言した。

AFP, February 5, 2019、ANHA, February 5, 2019、AP, February 5, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 5, 2019、al-Hayat, February 6, 2019、Reuters, February 5, 2019、SANA, February 5, 2019、UPI, February 5, 2019などをもとに作成。

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米上院は、シリアとアフガニスタンに駐留する米軍の性急な撤退に反対する内容の法案を7賛成多数で可決(2019年2月4日)

米上院は、シリアとアフガニスタンに駐留する米軍の性急な撤退に反対する内容の法案を70対26の賛成多数で可決した。

法案は共和党のマコネル上院院内総務が作成。

シリアとアフガニスタンでのダーイシュ(イスラーム国)やアル=カーイダに対する「テロとの戦い」は進展したが、米国にとって引き続き「深刻な脅威」になっていると指摘、米軍の「性急な撤退」は地域の不安定化と政治的空白につながり、イランあるいはロシアがこの空白を埋める可能性があると警告している。

そのうえで、ドナルド・トランプ政権に対し、大規模撤退に踏み切る前にダーイシュなどの「永続的な敗北」の条件がそろったことを確認するよう求めている。

法案は、議会で現在審議されている中東安全保障法案に修正を加えるもので、上院は本案を次の段階に進めるための採決も行い、これを承認した。

ただし、可決された法案に実質的な効果はない。

ロイター通信(2月5日付)などが伝えた。

AFP, February 5, 2019、ANHA, February 5, 2019、AP, February 5, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 5, 2019、al-Hayat, February 6, 2019、Reuters, February 5, 2019、SANA, February 5, 2019、UPI, February 5, 2019などをもとに作成。

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米国務省副報道官「米国はシリアで拘束されたダーイシュの外国人メンバーや支持者を出身国に引き取るよう求めている」(2019年2月4日)

米国務省のロバート・パラディーノ副報道官は声明を出し、米国がシリアで拘束されたダーイシュ(イスラーム国)の外国人メンバーや支持者を出身国に引き取るよう求めていることを明らかにした。

パラディーノ副報道官は、米軍がシリアから撤退したら、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍はダーイシュ・メンバーを収監している拘置所を守ることができないと警鐘を鳴らしているとしたうえで「米国は諸外国に対して、シリア民主軍が拘束した各国の国民を送還・起訴するよう呼びかけている」と述べた。

AFP(2月4日付)が伝えた。

AFP, February 4, 2019、ANHA, February 4, 2019、AP, February 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 4, 2019、al-Hayat, February 5, 2019、Reuters, February 4, 2019、SANA, February 4, 2019、UPI, February 4, 2019などをもとに作成。

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トルコ大統領府報道官「トルコとシリアの諜報機関間のコニュミケーションはアサドの正統性を承認していることを意味しない」(2019年2月4日)

トルコのイブラヒム・カリン大統領府報道官は、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が3日にTRTのインタビューで「トルコはシリア政府と「低級レベル」での関係と連絡を維持している」と発言したことに関して、「トルコとシリアの諜報機関間のコニュミケーションはアサドの正統性を承認していることを意味しない」と念を押した。

カリン報道官は「シリア政府への我々の姿勢は明白で、我々にとっては正統性を失っている。彼(アサド)はシリアの国土統一を維持できない」と付言した。
アナトリア通信(2月4日付)が伝えた。

AFP, February 4, 2019、Anadolu Ajansı, February 4, 2019、ANHA, February 4, 2019、AP, February 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 4, 2019、al-Hayat, February 5, 2019、Reuters, February 4, 2019、SANA, February 4, 2019、UPI, February 4, 2019などをもとに作成。

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サウジアラビアのジュバイル外務担当国務大臣はシリアからのすべての外国軍部隊の撤退を主唱(2019年2月4日)

サウジアラビアのアーディル・ジュバイル外務担当国務大臣は、シリア問題への対応を協議するための欧州アラブ諸国外相会議に出席するために訪れたベルギーのブリュッセルで、シリアからのすべての外国軍部隊の撤退を主唱した。

ジュバイル外務担当国務大臣は「我々はアラブ同胞諸国と国連安保理決議第2254号の実施成果を協議する…。我々はシリアの独立、統合が維持されているか、外国の部隊が排除されたか、その結果を注視する」と述べた。

アラビーヤ・チャンネル(2月4日付)が伝えた。

AFP, February 4, 2019、ANHA, February 4, 2019、Alarabia, February 4, 2019、AP, February 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 4, 2019、al-Hayat, February 5, 2019、Reuters, February 4, 2019、SANA, February 4, 2019、UPI, February 4, 2019などをもとに作成。

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トルコ占領下のジャラーブルス市(アレッポ県)にある反体制派の刑務所でヒムス県出身の青年が拷問で殺害される(2019年2月4日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月4日付)が複数の活動家の話として伝えたによると、トルコの占領下にある県北東部ユーフラテス川河畔の国境地帯に位置するジャラーブルス市の中央刑務所で、拘束中のヒムス県出身の青年が拷問で死亡した。

拷問で死亡したのは、ヒムス県タラフ村出身のムハンマド・ディヤーブ・カースィム氏。

インターネットを通じて公開されたカースィム氏の遺体には拷問による傷跡が残っているという。

カースィム氏はシリア軍の兵士で1ヶ月前に兵役期間を終えて、ヒムス市バーバー・アムル地区に転居、18日同地に滞在後、アレッポ県を経由してトルコに移住したいという家族の求めに応じて、トルコの支援を受ける反体制武装集団の支配下にあるジャラーブルス市に向かった。

だが、ジャラーブルス市で拘束され、ジャラーブルス中央刑務所に収監、そこで「健康状態が急激に悪化」し、病院に搬送、その翌日に再び刑務所に戻され、死亡したという。

AFP, February 4, 2019、ANHA, February 4, 2019、AP, February 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 4, 2019、al-Hayat, February 5, 2019、Reuters, February 4, 2019、SANA, February 4, 2019、UPI, February 4, 2019などをもとに作成。

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ロシア軍憲兵隊はマンビジュ市(アレッポ県)北東部に加えて、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するタッル・リフアト市一帯でのパトロール活動拡大を決定(2019年2月4日)

ロシア軍憲兵隊のユセプ・ママトフ報道官ロシア軍憲兵隊のヴラジミール・イヴァノヴスキー司令官は、アレッポ県北部に駐留している憲兵隊のパトロール地域を拡大すると発表した。

RT(2月4日付)によると、ロシア軍憲兵隊は、北・東シリア自治局の支配下にあるマンビジュ市北東部での活動を継続する一方、アレッポ市北のタッル・リフアト市一帯地域でもパトロール活動を開始するという。

AFP, February 4, 2019、ANHA, February 4, 2019、AP, February 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 4, 2019、al-Hayat, February 5, 2019、Reuters, February 4, 2019、RT, February 4, 2019、SANA, February 4, 2019、UPI, February 4, 2019などをもとに作成。

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ライアン有志連合報道官(米軍大佐)は米軍によるシリア軍砲台への爆撃に関して「シリア民主軍が狙われた。彼らには自衛権がある」と正当化(2019年2月4日)

有志連合の報道官を務める米軍のショーン・ライアン大佐は、有志連合がダイル・ザウル県南東部ユーフラテス川西岸のブーカマール市西のスッカリーヤ村近郊にあるシリア軍の砲台を爆撃したとのSANA(2月3日付)の報道に関して、ロイター通信(2月4日付)に対して、「協力部隊(人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のこと)が相手から狙われた。彼らには自衛権がある」と述べた。

AFP, February 4, 2019、ANHA, February 4, 2019、AP, February 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 4, 2019、al-Hayat, February 5, 2019、Reuters, February 4, 2019、SANA, February 4, 2019、UPI, February 4, 2019などをもとに作成。

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シリア政府と北・東シリア自治局が共同支配するハサカ市西ヌシューワ地区で爆発(2019年2月4日)

ハサカ県では、ANHA(2月4日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局が共同支配するハサカ市西ヌシューワ地区で爆発が発生した。

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アレッポ県では、アフリーン解放軍団が、2日にマーリア市近郊のタッル・マーリド村でトルコの支援を受ける反体制武装集団の拠点複数カ所を攻撃し、戦闘員5人を殺害したと発表した。

ANHA(2月4日付)が伝えた。

AFP, February 4, 2019、ANHA, February 4, 2019、AP, February 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 4, 2019、al-Hayat, February 5, 2019、Reuters, February 4, 2019、SANA, February 4, 2019、UPI, February 4, 2019などをもとに作成。

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ハマー県、イドリブ県、アレッポ県でシリア軍と反体制武装集団が交戦(2019年2月4日)

ハマー県では、SANA(2月4日付)によると、反体制武装集団が県北部の緊張緩和地帯(ガーブ平原一帯)を砲撃し、住民2人が負傷した。

これに対して、シリア軍はジャナービラ村、ウスマーン丘方面からシリア政府支配地域に潜入しようとした反体制武装集団を撃退した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍はウスマーン丘、バーナ村、サフル丘一帯を砲撃した。

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イドリブ県では、SANA(2月4日付)によると、シリア軍が県南部のタッフ村一帯から緊張緩和地帯に潜入しようとした反体制武装集団を迎撃した。

シリア軍はまたビダーマー町、ナージヤ村一帯のトルキスタン・イスラーム党の拠点を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍はタッル・スルターン村を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ジャズラーヤー村一帯でシリア軍とトルコの支援を受ける反体制武装集団が交戦した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(ラタキア県4件、イドリブ県2件、アレッポ県1件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を13件(アレッポ県3件、ハマー県8件、イドリブ県2件)を確認した。

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シャーム解放機構に近いイバー・ネット(2月4日付)は、シャーム解放機構がテレグラムを通じて、特殊部隊の新規戦闘員教練の修了式の写真を公開したと伝えた。

AFP, February 4, 2019、ANHA, February 4, 2019、AP, February 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 4, 2019、al-Hayat, February 5, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 4, 2019、Reuters, February 4, 2019、SANA, February 4, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, February 4, 2019、UPI, February 4, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから359人、ヨルダンから801人の難民が帰国、避難民256人が帰宅(2019年2月4日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月4日付)を公開し、2月3日に難民1,160人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは359人(うち女性108人、子供183人)、ヨルダンから帰国したのは801人(うち女性240人、子供409人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は123,029人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者51,004人(うち女性15,428人、子ども25,930人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者72,025人(うち女性21,633人、子ども36,718人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 352,309人(うち女性105,719人、子供179,570人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民256人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは22人(うち女性9人、子供10人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは231人(うち女性78人、子供102人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は7,826人(うち女性2,680人、子供3,465人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,276,422人(うち女性385,239人、子供647,231人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 4, 2019をもとに作成。

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