ロシア・トルコ国防省共同声明「イドリブ県の非武装地帯の治安を拡充するため断固たる措置を講じる」(2019年2月11日)

ロシアとトルコの国防省は共同声明を出し、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構がイドリブ県およびその周辺地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)の軍事・治安権限を掌握したことに関して、「両国の諜報機関および軍部隊の協力を継続し、イドリブ県に持続的な平和と安定を実現することの重要性と必要性を確認した…。イドリブ県の非武装地帯の治安を拡充するため断固たる措置を講じる」と発表した。

共同声明はトルコの首都アンカラでの両国国防省の代表級会合を受けて発表されたもの。

アナトリア通信(2月11日付)が伝えた。

AFP, February 11, 2019、Anadolu Ajansı, February 11, 2019、ANHA, February 11, 2019、AP, February 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 11, 2019、al-Hayat, February 12, 2019、Reuters, February 11, 2019、SANA, February 11, 2019、UPI, February 11, 2019などをもとに作成。

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米軍中央司令部のヴォーテル司令官「シリア駐留米軍の地上部隊は数週間以内に撤退を開始する」(2019年2月11日)

米軍中央司令部(CENTCOM)のジョゼフ・ヴォーテル司令官(大将)は、「シリア駐留米軍の地上部隊は数週間以内に撤退を開始するだろう」と述べた。
ヴォーテル司令官は「人員の移送は、装備の移送よりも簡単だ。だから、我々は今、必要ではなくなった物資や装備の撤収を試みている…。撤退については、我々がそれを望む限り、正しい方針だと考えている」と述べた。

ロイター通信(2月11日付)が伝えた。

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なお『ウォール・ストリート・ジャーナル』(2月8日付)は、米政府の複数の情報筋の話として、米軍が3月半ばまでに部隊の大部分を撤退させ、完全撤退は4月末になるだろうと伝えた。

AFP, February 11, 2019、ANHA, February 11, 2019、AP, February 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 11, 2019、al-Hayat, February 12, 2019、Reuters, February 11, 2019、SANA, February 11, 2019、UPI, February 11, 2019、The Wall Street Journal, Februrary 8, 2019などをもとに作成。

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ロシアのリャブコフ外務副大臣「シリアへのイスラエルの攻撃を非難しているが、このことはイスラエルの安全保障に関心を払う必要がないことを意味しない」(2019年2月11日)

ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務副大臣は、イスラエルによるシリアへの越境攻撃を非難しつつ、イスラエルの安全保障を重視していると述べた。

リャブコフ外務副大臣は「ロシアはイスラエルの安全を望んでおり、それが最重要課題だとみなしている…。ただし、これは、シリア領内のイラン関連の標的などに対する…イスラエルの違法な攻撃について話しているわけではないし、こうした攻撃が法律にかなっていて、正当化されるものだなどと言っているのでもない…。我々はシリアへのイスラエルの攻撃を非難している。それは非合法だ。しかし、このことは我々はイスラエルの安全保障に関心を払う必要がないと考えていることを意味しない」と述べた。

スプートニク・ニュース(2月11日付)が伝えた。

AFP, February 11, 2019、ANHA, February 11, 2019、AP, February 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 11, 2019、al-Hayat, February 12, 2019、Reuters, February 11, 2019、SANA, February 11, 2019、Sputnik News, February 11, 2019、UPI, February 11, 2019などをもとに作成。

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トルコの占領下にあるバーブ市東部でYPG主体のシリア民主軍に所属するバーブ軍事評議会とトルコの支援を受ける反体制武装集団が交戦(2019年2月11日)

アレッポ県では、ANHA(2月11日付)によると、トルコの占領下にあるバーブ市東部のジュブラト・ハムラ村で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するバーブ軍事評議会とトルコの支援を受ける反体制武装集団が交戦した。

一方、アフリーン解放軍団は10日にトルコの占領下にあるアアザーズ市近郊のカフル・カルビーン村で反体制武装集団のパトロール部隊に対して時限爆弾で攻撃を行ったと発表した。

AFP, February 11, 2019、ANHA, February 11, 2019、AP, February 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 11, 2019、al-Hayat, February 12, 2019、Reuters, February 11, 2019、SANA, February 11, 2019、UPI, February 11, 2019などをもとに作成。

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米主導の有志連合がダイル・ザウル県バーグーズ村を爆撃し、住民16人死亡(2019年2月11日)

ダイル・ザウル県では、SANA(2月11日付)が複数の住民からの情報として伝えたによると、米主導の有志連合が県南東部のバーグーズ村を爆撃し、子ども7人を含む住民16人が死亡し、住宅などが被害を受けた。

一方、ANHA(2月11日付)によると、バーグーズ村でダーイシュ(イスラーム国)と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が激しく交戦した。

シリア民主軍は爆弾を積んだ自動車によるダーイシュの特攻攻撃を撃退したという。

AFP, February 11, 2019、ANHA, February 11, 2019、AP, February 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 11, 2019、al-Hayat, February 12, 2019、Reuters, February 11, 2019、SANA, February 11, 2019、UPI, February 11, 2019などをもとに作成。

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イスラエル軍がクナイトラ県各所を戦車と無人航空機で越境攻撃(2019年2月11日)

SANA(2月11日付)は、軍情報筋の話として、イスラエル軍の戦車が午後6時30分頃、クナイトラ県ジュバーター・ハシャブ村近郊のドゥフール丘、ダルアイヤー丘、ハーリド丘のシリア軍監視所などを越境砲撃、午後7時50分頃に同軍の無人航空機1機がクナイトラ市のクライトラ病院と治安部隊の拠点1カ所をミサイル攻撃した。

攻撃により、物的被害が生じたが、死傷者はなかったという。

スプートニク・ニュース(2月11日付)によると、イスラエル軍が撃った砲弾は、ジュバーター・ハシャブ村近郊の森林に着弾したという。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(2月11日付)は、複数の活動家の話として、砲撃はヒズブッラーの戦闘員に対して行われたと伝えた。

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その後13日になって、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は自身のツイッターのアカウント(https://twitter.com/netanyahu)を通じて、クナイトラ病院に進駐しているイランの部隊を攻撃したと綴った。

AFP, February 11, 2019、ANHA, February 11, 2019、AP, February 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 11, 2019、al-Hayat, February 12, 2019、Reuters, February 11, 2019、SANA, February 11, 2019、Sputnik News, February 11, 2019、UPI, February 11, 2019などをもとに作成。

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シリア軍はハマー県、イドリブ県で反体制武装集団と交戦(2019年2月11日)

ハマー県では、SANA(2月11日付)によると、シリア軍がジャナービラ村一帯の反体制武装集団拠点を砲撃した。

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イドリブ県では、SANA(2月11日付)によると、シリア軍がフバイト村方面からシリア政府支配地域に潜入しようとした反体制武装集団を迎撃した。

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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月11日付)によると、ジャースィム市で地雷が爆発し、シリア軍兵士2人が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(イドリブ県1件、ラタキア県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を16件(ハマー県5件、イドリブ県2件、アレッポ県2件、ラタキア県7件)を確認した。

AFP, February 11, 2019、ANHA, February 11, 2019、AP, February 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 11, 2019、al-Hayat, February 12, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 11, 2019、Reuters, February 11, 2019、SANA, February 11, 2019、UPI, February 11, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから282人、ヨルダンから766人の難民が帰国、避難民70人が帰宅(2019年2月11日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月11日付)を公開し、2月10日に難民1,048人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは282人(うち女性85人、子供144人)、ヨルダンから帰国したのは766人(うち女性230人、子供391人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は130,452人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者53,407人(うち女性16,151人、子ども27,157人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者77,045人(うち女性23,140人、子ども39,278人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 359,732人(うち女性107,949人、子供183,357人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民70人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは70人(うち女性21人、子供37人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は8,116人(うち女性2,770人、子供3,597人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,276,712人(うち女性385,329人、子供647,363人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 11, 2019をもとに作成。

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