2012年末以降のシリアでの化学兵器使用回数は336回、うち98%はシリア軍とロシアの支援を受ける「虎部隊」などの親政権民兵によるもの(2019年2月17日)

『ワシントン・ポスト』(2月17日付)は、「虎」の愛称で知られ、ロシア軍の支援を受け、各地でダーイシュ(イスラーム国)や反体制武装集団の掃討戦を主導してきたスハイル・ハサン准将の部隊、通称「虎部隊」が化学兵器を保有し、それを使用してきたと報じた。

同紙は、ドイツのグローバル公共政策研究所(GPPI)の調査結果に基づき、シリアではGPPIがが分析を開始した2012年12月23日以降、神経ガスや塩素ガスなどの化学兵器の使用が336回確認されているとしたうえで、このうちの98%シリア軍と親政権民兵によるもので、そのなかにハサン准将が指揮する「虎部隊」も含まれていると指摘した。

AFP, February 19, 2019、ANHA, February 19, 2019、AP, February 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 19, 2019、al-Hayat, February 20, 2019、Reuters, February 19, 2019、SANA, February 19, 2019、UPI, February 19, 2019、The Washington Post, February 17, 2019などをもとに作成。

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ラカメラ米陸軍中将「シリア政府、ロシアと同盟を結んだ場合、ワシントンはシリア民主軍への軍事支援を停止せざるを得ない」(2019年2月17日)

有志連合司令官を務める米陸軍のポール・ラカメラ中将は、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に対して「シリア政府、ロシアと同盟を結んだ場合、ワシントンはシリア民主軍への軍事支援を停止せざるを得ない」と述べた。

シリア民主軍がシリア政府やロシアと同盟を結んだらどうするかとの質問に対して、ラカメラ中将は「そのときは、我々は断交するだろう。なぜなら、彼らが我々とつながりのない体制、ないしはロシアのもとに復帰することになるからだ…。こうしたことが起こったら、我々は彼らの協力者ではなくなるだろう…。彼らが我々の協力者であれば、教練、武器支援を継続する」と述べた。

ロイター通信(2月17日付)が伝えた。

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これに対して、シリア民主軍のマズルーム・コバネ最高司令官は18日、記者団に対して、「米国に1,000から1,500人の部隊をシリアに残留させ、ダーイシュ(イスラーム国)との戦いを支援して欲しい」と述べ、支援継続を呼びかけた。

スプートニク・ニュース(2月18日付)が伝えた。

AFP, February 18, 2019、ANHA, February 18, 2019、AP, February 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 18, 2019、al-Hayat, February 19, 2019、Reuters, February 18, 2019、SANA, February 18, 2019、Sputnik News, February 18, 2019、UPI, February 18, 2019などをもとに作成。

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アサド大統領が全国地方自治体議長との全体会合で演説:「祖国は「商品」ではない。盗人の者ではなく、国民という真の所有者のものだ…。地方自治拡充を通じて市民の参加、バランスのとれた開発を実現する」(2019年2月17日)

アサド大統領は首都ダマスカスで開催された全国地方自治体議長との全体会合で演説した。

https://www.youtube.com/watch?v=6-_bIW-pxHA&feature=youtu.be

SANAが、演説の全文(https://www.sana.sy/?p=896762)、英語訳(https://www.sana.sy/en/?p=158819)、映像(https://www.youtube.com/watch?v=6-_bIW-pxHA&feature=youtu.be)を配信した。

演説でのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

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「地方自治体の経験は、市民が自治における役割を強め、自分たちが暮らす地域の未来を描く決定に貢献することをめざす重要な試みだった…。いかなる試みも良い面と悪い面がある。時の経過のなかで、考え方を発展させる必要が生じ、法改正の必要が生じた。2011年法律107号(改正地方自治法)の施行は、自治体に独立性を付与し、分権の幅を拡げることで…、地方自治の効率性を向上させるうえで重要な措置だった」。

「政令第107号を完全実施するために想定されていた移行期間は5年だった。だが、法律施行は期せずしてシリアに対する戦争開始と重なってしまい、法律の完全実施が延期された。選挙も延期された。多くの地域が国家の支配の外に置かれてしまったことがその本質的な帰結だった。しかし、現地情勢が改善し、(統一地方)選挙も実施された今日、我々は地方行政における重要な好機、本質的転換点を前にしている…。だが、政令第107号を通じて何をめざすのかが分からなければ、この機会を活かすことはできない」。

「(改正)地方自治法がめざす本質とは、地方自治体に地域の経済、建設、文化、福祉を発展させる権限を付与することで、地域間の開発バランスを実現することだ。つまり、さまざまな事業、雇用創出、福祉提供を通じた負担軽減を通じて、市民の生活水準を向上させることに貢献することだ」。

「みなさん(地方自治体議長)がそれぞれの地域で日々の細かな行政を行う時、中央の機関は監視の役割を果たすかたちに移行し、日々の細かな行政に時間を費やすことなく、包括的、そして戦略的な政策にこれまで以上に没頭できる機会を得ることになる…。地方における開発事業を立ち上げ、国家の開発戦略事業と統合していく…。それは、金融資源、人的資源の双方に理想的な投資を行い、開発プロセスの時間が短縮されることを意味する…。地方自治体は、祖国の隅々に行き届いているがゆえに、社会の詳細を知る能力をもっとも有している。また、統計データを提供するもっとも重要な出所でもある。なぜなら、我々は常に数字を通じて問題を把握しているからだ」。

「この法律のもう一つの重要な側面は、地方社会の開発への参加を拡大することだ…。市民はまた、地方行政機関の活動を監視し、支障となるあらゆる障害を是正する。これは、市民が国家機関とともに意思決定への参加を拡大させることを意味している」。

「我々は常に、上意下達で(問題の)解決を求めている…。おそらく下層(地方自治体)は戦術的な(戦略的でなく)解決策を提案する能力が(上層より)高い。上層と下層の協調(シャラーカ)は、戦争状態において…我々の問題のほとんどすべてを解決することになるだろう。ここにおいて、市民は、単なる批判者から、問題を解決するために批判する参加者、責任者となる。愛国的な責任を担うことで、人間と土地のつながりが育まれ、祖国への帰属意識が育まれる。同時に、社会を構成する集団間の対話を拡大することで…集団間の調和がもたらされる…。協調(シャラーカ)は…民主主義実践においてもっとも重要なことの一つだ。それは民主主義思想を発展させる。包括的、持続的、そして組織に基づいた対話がなければそれは実現し得ない」。

「テロを支援する諸外国の研究センターがシリアに対する戦争の最中に発表した研究は…、「包括的分権制」を採用させようとするものだった。それは我々が今話している分権制ではなく、政令第107号がめざしているものではない。「包括的分権制」は国家権力を完全に弱体化させ、国家を周縁に追いやり…、主権を弱化させ…、結果として社会を分割し、祖国を地理的に分割するものだ」。

「周知の通り、(シリア)分割の試みは…古くからある試みで、シリア領内にとどまらず、この地域のほとんどの国に及んでいる…。だが、この目論みは、社会的分断がなければ成就し得ない。そしてシリアに社会的分断は存在しない…。しかし、我々の敵は、教訓を学んではいない…。シリアでは戦時中に何度も大きな変化が起きた…。国際情勢にも変化は生じた。だが、決して変わらない真実が二つあった。第1は、米主導の西側諸国がシリアだけでなく、世界に対して行う覇権の目論みだ。第2は、我が国民の抵抗の意志だ。それは確固たるかたちで続き、強さを増した…。テロは今日、一つずつ居場所を失い、解放された多くの都市や村で数百万のシリア人が安全を取り戻している。少しの土地が解放される度に、敵は撃破され、少しの土地が浄化される度に、手先、裏切り者、傭兵がうめき声をあげている…。彼らを世話してきた連中が見捨てたのだという…。手先どもよ、どうして彼らが見捨てたというのか彼らはゲーム・ルールにしっかりと従っているだけだ」。

「お前たち(反体制派)は最初から祖国と自分たち自身を売りに出していたのだ。原理原則を示していたなどとは言わない。なぜなら、お前たちはそもそも原理原則など持ち合わせていないからだ…。お前たちは買われたが、新たな所有者は、お前たちを必要としていた任務を実現できなかったため…割引シーズンを見計らってお前たちを売る決心をしたのだ…。だが買い手は見つからないだろう。おそらくただにしても買い手はいないだろう…。お前たちは売られたが、祖国は売られなかった。なぜなら、祖国は盗人ではなく真の所有者がいるからだ。祖国には国民がおり、彼らは自分達の祖国を魂だと考えている。つまり、それが死ねば自分たちも死ぬと思っている。ブローカーたちは祖国を商品だと思っている…。祖国は魂の如し、という表現を彼らは理解しない。祖国は神聖なり、という言葉の意味も知らない」。

「こうした手先どもは何年たっても、真の国民に帰属しなければ人間に価値を付与するものなどない、という自明の原則を学んでいない。幻想としての国民とは、彼らの病んだ想像の産物だ」。

「戦争が始まった当初言ったことを繰り返そう。彼らが選んだ地平線は閉ざされている。過ちから抜け出る唯一の方法は和解に加わり、武器を棄てることだ…。国民の心は寛容さに富んでおり、戻ってきた者が信用できれば、包み込んでくれる…。一連の出来事から思い起こすべきは、教訓を学び取ることであって、彼らを敵視することではない。教訓と試練こそが、諸民族、諸国民を作り、強さと抵抗力を与えるものだ。シリアは不屈の力を持ち、勇敢に戦争に立ち向かった。これまで以上の強さ、抵抗力を備えることになろう。この力をもっとも良く表しているのが我が武装部隊である。彼ら(武装部隊)のおかげで、そして彼らと共に予備部隊、さらには同盟国、友好国、アラブ諸国がいてくれたおかげで、祖国のほとんどの場所からテロリストを駆逐できた。国民の深い愛国心に基づく広範な支援がなければ実現できなかったことを我々はみな承知している」。

「さまざまな社会集団からなる国民の意志が一つになっていなかったら祖国が火のなかに落ちるのを防ぐことはできなかった。この事実こそ、シリアで起こっていることが内戦、宗教・宗派、エスニック集団間の対立だと見せ掛けようとしてきた敵の作り話を反駁するものだ。我々が確かに理解しているのは、戦争が我々シリア人とテロとの間で行われてきたということだ。我々はともに勝利したのであって、我々のなかの誰かに勝利したのではない。勝利は、テロ(リスト)に対するものであり、国籍とは関係ない。多くのシリア人が自爆テロを行い、反逆を犯した。だが、そうした者はシリア社会のいかなる階層も代表していない。彼らは犯罪の側面を代表しているだけだ…。価値、原理原則、そして道徳が欠如していたために生じ、犯罪、過激化、汚職を招いたのだ。祖国を解体しようとする国内外の敵に対する燃料となるような祖国への帰属意識がなかったためだ」。

「シリア人はこの戦争で二つの苦しみを味わった…。数百万のシリア人がテロによって国外に難民として逃れることを余儀なくされ…多大な困難、難民としての屈辱、さらには政治的、金銭的、身体的な搾取に苦しんできた…。国家が…国内避難民の痛みや苦しみを軽減し、テロから解放された自分たちの村や都市に帰還する一方…、国外の難民の苦しみを終わらせる唯一の道は帰国することだ。だが、難民問題に関与する複数の国が…彼らの帰国を妨害している」。

「難民問題は、戦争が始まる1年ほど前から準備されていた。多くの近隣諸国に難民キャンプが準備されていたのだ。当時の目的は人道危機を作り出し、難民を増加させ、シリアの国家を非難することだった」。

「過去数年において発生した多数の難民は、テロを支援する国の首脳やいわゆる(人道支援)団体の幹部が最大限利用し、投資してきたものだった…。彼らは人道支援を送ったが、周知の通り…、そうした支援はテロリスト、そしてシリア人の避難先となった国の高官らに対して行わていた…。欧米諸国、西側諸国、そしてテロ支援諸国の高官らは、説得力のない取るに足らない理由で難民が帰国することにあからさまに異議を唱えきた…。長年にわたって外国で居住してきた在外シリア人を取引材料として利用し、彼らは指名手配されており、シリアに帰国したら逮捕されると吹聴した…。多くのシリア人が、こうした噂を恐れて、過去数年間にわたってシリアに帰国しなかった。冒険と称してシリアに入り、逮捕されなかったことが信じられないシリア人もいたほどだ」。

「もちろん、こうしたウソは徐々にではあれ、消え失せ始めているが…、彼ら(欧米諸国)が押しつけようとしている現状には屈服しない…。当然のことながら、我々はテロの世話人どもがシリア難民の惨状を政治的なカードにして、自分たちの利益を実現するために利用するのを認めない」。

私は今日、テロの仕業を理由として祖国を去ったすべての人々に改めて、帰国して、愛国的な義務を果たすよう、そして国家建設に貢献するよう呼びかけたい。祖国は、そこに身を置くすべての国民のものだからだ。それは誠意、魂、智、心に基づく帰属であり、IDやパスポートに基づくものではない…。祖国は今日、すべての国民を必要としている。なぜなら祖国に対する挑戦はあまりに大きいからだ。その筆頭にあげられるのが、病んだ人々を改心させることだ…。憎しみ、無知、価値・道徳喪失を解消することだ…。それには包括的な国民対話が必要だ」。

「対話は必要だが、さまざまな問題提起によって対話が作り出されることと、問題提起によって分裂が作り出されることは違うと明言したい。また、意見を一つにまとめ、懸案問題に対処する必要がある。シリアの偉大な多様性のために、共有しているものを重視しなければならない。我々は多様性の文化を深めねばならない」。

「過ちがあるのなら、我々には批判されることが必要だ。しかし、より重要なのは、批判が客観的であることだ。そのうえでの対話なのだ。対話は常に基本的なものであり、対話ほど有効なものは、いかなる社会、祖国、場所にもない…。我々が問題解決に至ることができるようにするには、感情ではなく、事実に基づいた対話に依拠しなければならない。もちろん、我々は苦しんでいる人が感情的になることを抑えることはできない…。私が批判的に話しているのは、日和見主義者の感情…、SNSで喝采、感動、「いいね」を得ようとする感情のことだ」。

「我々が問題視しているのは、我々が行っている対話ではない。外国から参入してくる者たちとの対話だ。彼らは対話の仕組みに則らず、存在しない問題を作り出し、小さな問題を誇張し、大きな問題を矮小化しする…。もっとも危ういのは、彼らが我々と本当の問題に立ち入った際に、問題の理由をすり替えることにある」。

「我々はまず、「戦争が終わった」などと間違って考えてはならない…。それは市民だけでなく、高官もだ…。戦争は終わっていない。我々は今も四種類の戦争を戦っている。第1は軍事的な戦争であり、我々は現地で大きな成果を目にしている…。第2は(欧米諸国による)制裁にかかわる戦争で、これもほぼ成功裏に事を進めている…。第3の戦争はインターネット、SNS上の戦争で、そこでは相手方の方が先手を言っている…。そして第4の戦争は腐敗した者たちへの戦争だ」。

「最近になって発生した最大の過ち、とりわけプロパン・ガス配給問題をめぐる過ちは関係機関の住民に対するトランスパレンシーが欠如していたことだ。なぜなら、もし私が、情報を得るために市民に対話し、客観的な批判を行うよう求めていたら、彼らは「どのように客観的に話せばいいのか、情報を持ち合わせていない、(インターネット上の)誤った情報にどう対処するのか」と言ったに違いない…。政府の指示が行われ、人民議会で関係者による証言が行われ、市民に対する透明性が完全に確保され、過ちが特定できていただろう」。

「我々は今、いわゆる第4世代のインターネット戦争に直面している。それは愛国的に見えるサイトやページ上で公開される情報に流されてしまうというものだ…。我々は、それを書いた人物が隣の地区に住んでいると考えがちだが、実際は外国のサイトだったりする。市民の信頼を得たうえで、安全保障にかかわる情報を氾濫させ始める…。それによって自分の国に対する信頼が揺らいでしまう。問題なのは、我々はこうした情報を鵜呑みにしてしまうことだ」。

「現状においても最新の警戒が求められる。なぜなら、彼ら(誤った情報を氾濫させる欧米諸国)はまずはテロ行為に失敗し、次に、シリア人の代理人や手先を利用することに失敗したが、シリア社会の内部から混乱を作り出すという第3の計画に移行しようとしている」。

「我々が実際に取り組んでいる問題とは何か。第1に物資を充分に供給できるようにすること、第2に独占を抑えること、そして(第3に)価格を抑えること、この三つが我々が取り組んでいる基本的な問題だ…。問題は三つのレベルに分かれている。第1は、制裁の問題であり、外国からどのように製品を調達するかだ…。第2のレベルは、どのように各県に配分するかだ…。第3のレベルは…汚職、他人の権利の侵害、エゴ、詐欺などだ」。

「戦争状態という現状を抜きにしたとして、我々が直面しているすべての問題は、それに対処するための法律はあるが、(法律を適用する)基準や仕組みがない…。基準や仕組みがなければ、何の問題も解決はできない。それゆえ、我々は対話のなかでプラクティカルにならねばならない」。

「苦しみは解決策を検討するための根拠であり、起点だが、事実を覆い隠すことの根拠には決してならない…。戦争、テロ、制裁がある一方、道徳の欠如、エゴ、汚職があるというのが事実だ…。この事実の一部は我々が意図していないものではある…。だが、我々が責任を負わねばならない。インフラ復興ではなく、復興の一環としての知性の復興、自己の改革こそが大いなる挑戦なのだ」。

「我々にとってもっとも困難なのは、破壊された思想的インフラに対処しなければならないということだ。大いなる知性、知恵、真剣さ、想像力を駆使して対処しなければならないことは困難を伴うだろう。しかし、もしそれに失敗すれば…、敵が襲来する機会を未来に与えることになろう」。

「シリアの未来はシリア人だけが決定する。友好国はアドバイスや支援をしてくれるだけでいい。国連は憲章に従い、主権を象徴するのであれば歓迎される…。ソチでの大会に基づく政権委員会をめぐる問題もまさにこの枠組みに従うべきものである。憲法は国の命運を決するものであり、いかなる取引も…受け付けない。そうすれば、戦争以上の代償を払うことになる。独立を守るために国民が戦争を行ったのに、この独立を譲歩するような解決がなされるというのは理に適っていない。つまり、敵対する国々がシリア国籍を有するその手先を介して目的を実現しようとすることは、制憲委員会の設置であれ、その運営の仕組みを課す試みであれ、決して許されない」。

「アスタナ会議において…、テロ支援国…、そしてシリア国籍を有するその手先は、すべての仮面を脱ぎ去り、手の内をさらけ出した…。そのもっとも卑劣な一例が…、制憲委員会設置をめぐる議論で、そこにはシリア政府の姿勢を代表するものと、そうでない者がいる」。

「我々は、国家がシリア国民の大多数を代表しているとの姿勢を示しているがゆえに、そもそも代表を派遣などしていない…。これに対して、相手方は、自分たちが国家に同意しないシリア国民だと考えている…。しかし、実際のところ、彼らはトルコの代わりに話しているに過ぎない。彼えらはシリアの当事者を代表していないし、自分たち自身も代表はしていないのだ」。

「祖国を守った者とは、国民の不屈の精神であり、国民が武装部隊を抱いてきたのだ。武装部隊はあなた方が彼ら英雄たちを抱かなければ、成果を実現できなかっただろう」。

「共謀してシリアを貶めようとしてきた敵はこれまでの段階でことごとく失敗してきた。テロリストに依存することに失敗し、政治プロセスで手先に依存することに失敗した。彼らは今や第3段階に移行し、北部におけるトルコの手先を活性化させようとしている。2018年にトルコの手先が…アフリーン郡(アレッポ県)で部隊を動員したように、今度は北部および東部のそれ以外に地域に対しても脅威を及ぼそうとしている。「同胞団劇場」での見せ物はともかくとして、(レジェップ・タイイップ・)エルドアン(大統領)は、事件を起こそうとしている。怒ったり、興奮したり、脅迫したり、我慢し始めたりと。これは大いに問題だが、実際のところ、米国の小さな雇われ人の行動に過ぎない」。

「トルコが設置しようとしている安全地帯は…戦争が起こった最初の時からトルコが作ると言ってきたものだ。8年前は設置を呼びかけていたのではなく、米国に懇願していた…。だが、米国は、それを認めなかった…。なぜか、当時はテロリストが思い描いた通りに働いていたからだ。トルコは必要なかった…。アレッポ市解放後…、事態は(米国にとって)悪化した…。米国のために戦ってくれるグループはイドリブ県と一部地域にしか残っていない。この期におよんで、トルコの役割は必要になるだろうか。だが、我々にとって…、いかなる侵入者も敵であり、いかなる占領者であれ、敵として対処する」。

「我々にとって問題なのは…、外国、西側、米国、トルコとかかわりを持つシリア人がいることだ。我々の問題とは、トルコがシリアに侵攻し始めることに根拠を与えようとする者たちがいることだ。諸々の出来事(シリアでの危機)が起こった当初に立ち返ると、こうした連中は街頭に出て、自由、尊厳、民主主義を求めてきた。だがその後、武装グループとなって「自由シリア軍」を名のるようになり、そしてさらに、ヌスラ(戦線)がやって来ると、寝返り、ヒゲを蓄えて、ヌスラ(戦線)となった。ダーイシュ(イスラーム国)が来ると、また寝返り、ヒゲを蓄えた。ダーイシュが役割を終え…、米国がテロと戦っているように見せかけることを決定し、米国の命令に従って活動する最後のグループが登場すると、彼らは寝返り、このグループと行動を共にした」。

「米国に賭けたこうした連中に我々はこう言おう。米国はお前たちを守ることはないし、お前たちのことを心に留めることもない…。お前たちをポケットの中に入れて、手持ちのドルと合わせて取引材料にするだけだ。米国は取引を始めた。自分たちの国を守り、抵抗する準備をしなければ、オスマン時代の奴隷と同じだ。君たちを守ってくれるのは国家だけだ。シリア・アラブ軍以外に君たちを守ってはくれない」。

AFP, February 17, 2019、ANHA, February 17, 2019、AP, February 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 17, 2019、al-Hayat, February 18, 2019、Reuters, February 17, 2019、SANA, February 17, 2019、UPI, February 17, 2019などをもとに作成。

 

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ジェフリー米国務省シリア問題担当特使「米軍が撤退する地域をシリア政府が取り戻すことを受け入れない」(2019年2月17日)

ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使は「米国は米軍が撤退する地域をシリア政府が取り戻すことを受け入れない」と述べた。

アラビーヤ・チャンネル(2月17日付)が伝えた。

AFP, February 17, 2019、Alarabia, February 17, 2019、ANHA, February 17, 2019、AP, February 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 17, 2019、al-Hayat, February 18, 2019、Reuters, February 17, 2019、SANA, February 17, 2019、UPI, February 17, 2019などをもとに作成。

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シリア諜報機関のトップであるマムルーク国民安全保障会議議長がロシアの仲介でトルコを極秘訪問か?(2019年2月17日)

レバノン紙『ムドン』(2月17日付)は、複数の匿名筋の話として、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長(シリアの諜報機関のトップ)がトルコを極秘訪問し、同国諜報機関幹部らと会談したと伝えた。

同紙によると、ロシアが、ラタキア県にあるフマイミーム航空基地を定期訪問したマムルーク議長を、民間のクルーザーに乗せてトルコのアンタルヤ市に移送、同地で6時間にわたりトルコ諜報機関の幹部らと会談したという。

会合の内容については明らかにされなかったという。

AFP, February 17, 2019、ANHA, February 17, 2019、AP, February 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 17, 2019、al-Hayat, February 18, 2019、al-Mudun, February 17, 2019、Reuters, February 17, 2019、SANA, February 17, 2019、UPI, February 17, 2019などをもとに作成。

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トランプ米大統領は英仏独などが自国出身のダーイシュ戦闘員を受け入れなければ、釈放すると脅迫(2019年2月17日)

ドナルド・トランプ米大統領はツイッターのアカウント(https://twitter.com/realDonaldTrump/)で、英国、フランス、ドイツをはじめとする欧州諸国に対して、シリア国内で拘束されている自国出身のダーイシュ(イスラーム国)のメンバーの身柄を引き取らなければ、彼らを釈放する、と脅迫した。

トランプ大統領は次のように綴った。

「米国は英仏独など欧州の同盟国に対して、シリアで捕まえた800人以上のダーイシュ戦闘員を自国に戻し、裁判にかけるように要求している。カリフ制ははもう直ぐ崩壊する。我々が彼らを釈放せざるを得なくなるという選択肢は良いものではない…」。

「米国は、帰国が期待されているこれらのダーイシュの戦闘員が欧州に浸透していくのを見たくはない。我々は多くを行い、多くを費やしている。できる能力を持った者が立ち上がって、引き継ぐ時が来ている。我々はカリフ制に100%勝利したうえで撤退する!」。

 

AFP, February 17, 2019、ANHA, February 17, 2019、AP, February 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 17, 2019、al-Hayat, February 18, 2019、Reuters, February 17, 2019、SANA, February 17, 2019、UPI, February 17, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団がアフリーン郡(アレッポ県)を砲撃(2019年2月17日)

アレッポ県では、ANHA(2月17日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団がアフリーン郡シーラーワー町近郊のスーガーニカ村、バイナ村を砲撃した。

また、シャッラー村では、スルターン・ムラード師団の司令部前で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、複数の戦闘員が死傷した。

AFP, February 17, 2019、ANHA, February 17, 2019、AP, February 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 17, 2019、al-Hayat, February 18, 2019、Reuters, February 17, 2019、SANA, February 17, 2019、UPI, February 17, 2019などをもとに作成。

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UAEのドバイで「ガルフ・フード2019」が開幕、シリアの飲食品企業21社が参加(2019年2月17日)

UAEのドバイで世界総合食品見本市「ガルフ・フード2019」が開幕し、シリアの飲食品企業21社が参加、207平方メートルの専用ブースを開設した。

「ガルフ・フード2019」は21日にまで開催される。

SANA(2月17日付)が伝えた。

AFP, February 17, 2019、ANHA, February 17, 2019、AP, February 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 17, 2019、al-Hayat, February 18, 2019、Reuters, February 17, 2019、SANA, February 17, 2019、UPI, February 17, 2019などをもとに作成。

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シリア軍はイドリブ県、ハマー県への砲撃を続ける(2019年2月17日)

イドリブ県では、SANA(2月17日付)によると、シリア軍がハーン・シャイフーン市一帯の反体制武装集団の拠点を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍はタッルアース村、ジャズラーヤー村、ザンマール町、タウィール・ハリーブ村県東部の無人の大隊基地を砲撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(2月17日付)によると、ハーン・シャイフーン市に対するシリア軍の砲撃で避難民の女性1人が死亡、マアッラト・ヌウマーン市でも女性1人が重傷を負ったという。

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ハマー県では、SANA(2月17日付)によると、シリア軍がラターミナ町一帯にあるイッザ大隊(イッザ軍)の拠点を砲撃した。

シリア軍はまた、ジャイサート村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍はジャナービラ村、カフルヌブーダ町、ジャイサート村、カルアト・マディーク町を砲撃した。

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ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカーなど(2月17日付)によると、ティーム油田近くで爆発が発生し、シリア軍兵士多数が死傷した。

爆発の原因は不明。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(アレッポ県1件、ハマー県4件、ラタキア県1件、イドリブ県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を17件(ハマー県9件、アレッポ県5件、イドリブ県3件)を確認した。

AFP, February 17, 2019、ANHA, February 17, 2019、AP, February 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 17, 2019、al-Hayat, February 18, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 17, 2019、Reuters, February 17, 2019、SANA, February 17, 2019、UPI, February 17, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから173人、ヨルダンから919人の難民が帰国、避難民38人が帰宅(2019年2月17日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月17日付)を公開し、2月16日に難民1,092人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは173人(うち女性52人、子供88人)、ヨルダンから帰国したのは919人(うち女性276人、子供469人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は137,158人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者55,026人(うち女性16,637人、子ども27,982人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者82,132人(うち女性24,666人、子ども41,873人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 366,438人(うち女性109,961人、子供186,777人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民38人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは36人(うち女性15人、子供9人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は8,413人(うち女性2,872人、子供3,716人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,277,009人(うち女性385,431人、子供647,482人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 17, 2019をもとに作成。

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