120台からなる米軍の車列がハサカ県、ラッカ県の展開地域からイラク国境に向かう(2019年2月20日)

スプートニク・ニュース(2月21日付)は、シリアに駐留していた米軍の戦車、装甲車、ハンヴィー(HMMWV)、四輪駆動車、対空兵器や移動式住宅を積んだ車輌約120台からなる車列が20日晩、ハサカ県とラッカ県内の展開地域からハサカ県のアームーダー市を経由して、イラク国境に向かったと伝えた。

この車列に合わせて、米主導の有志連合は同地上空に航空機を旋回させるとともに、街道の電気を遮断したという。

スプートニク・ニュースによると、米軍はこうした撤退行動を繰り返しており、19日にもラッカ県タブカ市上空を米軍ヘリコプターが重点的に旋回し、同地一帯からの撤退の支援を行ったほか、2月10日にも、タブカ市の本営から米軍の車輌約30輌が撤退したという。という。

AFP, February 21, 2019、ANHA, February 21, 2019、AP, February 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 21, 2019、al-Hayat, February 22, 2019、Reuters, February 21, 2019、SANA, February 21, 2019、Sputnik News, February 21, 2019、UPI, February 21, 2019などをもとに作成。

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北・東シリア自治局支配下のアリーマ町(アレッポ県)近郊の村々をトルコの支援を受ける反体制武装集団が砲撃(2019年2月20日)

アレッポ県では、ANHA(2月21日付)によると、北・東シリア自治局支配下のアリーマ町近郊のクール・ユフーク村、クルト・ワイラーン村(シャイフ・ナースィル村)、カーウカリー村を、反体制武装集団が砲撃した。

これに対して、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するバーブ軍事評議会は、クルト・ワイラーン村(シャイフ・ナースィル村)で反体制武装集団と交戦した。

トルコの占領地域に隣接するアリーマ町一帯ではロシア軍憲兵隊がパトロール活動を行っている。

AFP, February 21, 2019、ANHA, February 21, 2019、AP, February 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 21, 2019、al-Hayat, February 22, 2019、Reuters, February 21, 2019、SANA, February 21, 2019、UPI, February 21, 2019などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構のジャウラーニー指導者が2日前のイドリブ市での爆発事件で重態、トルコ国内の国立病院に搬送され手術を受けるも昏睡状態に?(2019年2月20日)

スプートニク・ニュース(2月20日付)やシリア政府寄りのSNSアカウントは、トルコの医療筋の話として、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者(本名ムハンマド・フサイン・シャルア)が、18日にイドリブ市で発生した連続爆破事件で重傷を負い、トルコのハタイ県アンタキア市にある国立病院に搬送されたと伝えた。

この連続爆破事件は、ジャウラーニー氏が乗った車を狙ったもの。

同医療筋は「爆破による残骸を頭部に受けて、脳挫傷となった男性が病院に搬送され、頭部の外科手術を受けた…。負傷したこの人物はテロリストのアブー・ムハンマド・ジャウラーニーだ…。ジャウラーニーは集中治療室に搬送され、重篤で昏睡状態だ」と語っている。

https://www.facebook.com/sy.Administration/photos/a.691878870890138/2066760623401949/?type=3&theater

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なお、イドリブ県およびその周辺の反体制派支配地域(非武装地帯第1ゾーン)で軍事・治安権限を掌握しているシャーム解放機構に自治を委託されているシリア救国内閣(ファウワーズ・ヒラール首班)は19日の声明で、18日のイドリブ市内での連続爆破事件に関して「予備調査は、犯罪者アサド体制の細胞とその協力者たちの指紋を検出した。事件は、解放区の住民の間に恐怖をかき立てようとするものだ」とし、シリア政府の関与を疑っていた。

AFP, February 20, 2019、ANHA, February 20, 2019、AP, February 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 20, 2019、al-Hayat, February 21, 2019、Reuters, February 20, 2019、SANA, February 20, 2019、UPI, February 20, 2019などをもとに作成。

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PYDと共闘するシャンマル部族長のジャルバー氏が駐留シリア軍司令部を訪問し、アサド政権への支持を表明(2019年2月20日)

ハサカ青年連合はフェイスブックのアカウントで、西クルディスタン移行期部民局(ロジャヴァ)ジャズィーラ地区の共同執政官を務めていたシャンマル部族長のハミーディー・ダッハーム・ハーディー・ジャルバー氏が、ラタキア県フマイミーム航空基地にあるシリア駐留ロシア空軍司令部を訪問したと伝え、その映像を公開した。

公開された映像のなかで、クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)と共闘してきたジャルバー氏は、アサド政権を全面支持すると表明、シリア国内の部族に対して、自身に倣うよう呼びかけた。

ジャルバー氏はまた、ロシアの姿勢については「シリアの領土を保全しようとするもの」と高く評価した。

https://www.facebook.com/HASAKHNNEWS/videos/411691656246571/

AFP, February 20, 2019、ANHA, February 20, 2019、AP, February 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 20, 2019、al-Hayat, February 21, 2019、Reuters, February 20, 2019、SANA, February 20, 2019、UPI, February 20, 2019などをもとに作成。

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アフリーン解放軍団はトルコの占領地域でハムザ師団と交戦(2019年2月20日)

アレッポ県では、アフリーン解放軍団が声明を出し、17日にアフリーン市近郊のバースータ村・カルズィーラ村間の地域でハムザ師団と交戦し、戦闘員3人を殺害したと発表した。

一方、ANHA(2月20日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団はシーラーワー町近郊のスーガーニカ村を砲撃し、住民4人が負傷した。

このほか、トルコの支援を受ける反体制武装集団はバーブ市東部のカーウカリー村を砲撃、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するバーブ軍事評議会がこれに応戦、交戦した。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(2月20日付)によると、トルコの占領下にあるジャラーブルス市で、同国の支援を受ける国民軍と憲兵隊が麻薬密輸業者の摘発を行った。

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YPG主体のシリア民主軍はダイル・ザウル県南東部にあるダーイシュ最後の支配地からダーイシュ・メンバーの家族ら1,200人あまりを「解放」(2019年2月20日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(2月20日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)最後の支配地であるバーグーズ村でダーイシュによって退去を禁じられてきた住民約1,200人を新たに「解放」した。

解放された住民は貨物トラック15台に分乗し、バーグーズ村から移送された。

いずれもダーイシュによって「人間の盾」として利用されてきた人々で、そのほとんどがダーイシュ戦闘員の家族で、負傷している者もいるという。

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『ハヤート』(2月22日付)は、イラク軍の複数の情報筋の話として、ダイル・ザウル県バーグーズ村で活動を続けていたダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員が、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と身柄の投降に関する合意を交わし、150人以上が20日晩に投降した、と伝えた。

投降した戦闘員のほとんどはイラク人。

合意では、500人以上がシリア民主軍に投降する予定だという。

同紙によると、バーグーズ村には依然として戦闘員400人ほどが籠城を続けているという。

有志連合の報道官を務める米軍のショーン・ライアン大佐は、シリア民主軍がバーグーズ村に留まっていた「民間人」の退去についてダーイシュと交渉してきたことを認めたが、シリア民主軍からの正式な発表はない。

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ヒムス市と周辺農村地帯出身の元反対武装集団メンバー130人が当局に投降し、免罪手続きを済ませ、社会復帰(2019年2月20日)

ヒムス県では、SANA(2月20日付)によると、ヒムス市で同市と周辺農村地帯出身の元反対武装集団メンバー130人が当局に投降し、免罪手続きを済ませ、社会復帰を果たした。

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シリア軍はハマー県でシャーム解放機構の拠点を砲撃(2019年2月20日)

ハマー県では、SANA(2月20日付)によると、シリア軍がズィヤーラ町、カブル・フィッダ村、シャリーア村でシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

シリア軍はまた、アルバイーン村一帯からシリア政府支配地域に潜入しようとした反体制武装集団を迎撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(2月20日付)によると、シリア軍の砲撃はラターミナ町一帯以外では行われなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(アレッポ県2件、イドリブ県1件、ラタキア県3件、ハマー県5件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を19件(アレッポ県14件、ラタキア県1件、ハマー県4件)を確認した。

AFP, February 20, 2019、ANHA, February 20, 2019、AP, February 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 20, 2019、al-Hayat, February 21, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 20, 2019、Reuters, February 20, 2019、SANA, February 20, 2019、UPI, February 20, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから104人、ヨルダンから648人の難民が帰国、避難民418人が帰宅(2019年2月20日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月20日付)を公開し、2月19日に難民752人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは104人(うち女性32人、子供53人)、ヨルダンから帰国したのは648人(うち女性194人、子供330人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は139,516人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者55,355人(うち女性16,737人、子ども28,150人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者56,560人(うち女性16,560人、子ども28,831人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 368,796人(うち女性110,669人、子供187,979人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民418人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは40人(うち女性14人、子供16人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは355人(うち女性136人、子ども134人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは23人(うち女性7人、子ども10人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は9,070人(うち女性3,117人、子供3,978人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,277,666人(うち女性385,676人、子供647,744人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 20, 2019をもとに作成。

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