シリア軍がカフルヌブーダ町(ハマー県)で反体制武装集団戦闘員30人以上殲滅する一方、マアッラト・ヌウマーン市(イドリブ県)を爆撃、民間人12人が死亡(2019年5月22日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯第1ゾーンでは、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから23日目となる5月22日、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が激しく交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より114人(民間人23人、兵士・反体制武装集団戦闘員91人)増えて630人となった。

うち、204人が民間人(女性41人、子供39人を含む)、390人がシリア軍兵士および反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は80回、投下した「樽爆弾」の数は57発を記録、ロシア軍戦闘機も爆撃を行った。
また、シリア軍地上部隊が発射した砲弾は530発以上にのぼった。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でフバイト村に5回、ハーン・シャイフーン市およびその一帯に5回、サラーキブ市に4回、マアッラト・ハルマ村とその一帯に3回、カフルサジュナ村に3回、ジスル・シュグール市、アービディーン村、スフーフン村、バーラ村、イシュタブリク村、シャイフ・ムスタファー村、アイン・ラールーズ村一帯、マガッル・ハマーム村、アリーハー市、カフルルーマー村一帯、アミーカ村、トゥラムラー村にそれぞれ2回の爆撃を行う一方、ヘリコプターがフバイト村に「樽爆弾」12発、アービディーン村、バアルブー村、スフーフン村にそれぞれ2発を投下した。

ロシア軍もマアッラト・ヌウマーン市に対して爆撃を行った。

シリア軍はまた、地上部隊がハーン・シャイフーン市、マアッラト・マーティル村、マアッラト・ハルマ村、アルマナーヤー村、ダイル・サンバル村を砲撃した。

同監視団によると、シリア軍戦闘機によるマアッラト・ヌウマーン市への爆撃で子供1人を含む民間人12人が、サラーキブ市への爆撃で民間人5人が、ジスル・シュグール市への爆撃で子供1人が、マアッラト・ハルマ村への爆撃で民間人2人が、シリア軍ヘリコプターによるスフーフン村への「樽爆弾」での爆撃で民間人1人が死亡した。

一方、SANA(5月22日付)によると、シリア軍がシリア政府支配下の県北部への攻撃を続けるシャーム解放機構などの反体制武装集団と交戦した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルヌブーダ町およびシャフシャブー山一帯に30回、ムーリク市、シール・マガール村、ハウワーシュ村にそれぞれ2回の爆撃を行う一方、ヘリコプターがカフルヌブーダ町とその一帯(シャフシャブー山一帯)に「樽爆弾」27発、アンカーウィー村、フワイジャ村にそれぞれ3発、マイダーン・ガザール村に2発を投下した。

シリア軍はまた地上部隊がカフルズィーター市、ラターミナ町、アルバイーン村、ザカート村、シャフルナーズ村、サフリーヤ村、マイダーン・ガザール村、フワイジャ村、アンカーウィー村、ザクーム村を砲撃、反体制武装集団もスカイラビーヤ市各所を砲撃した。

同監視団によると、シリア軍戦闘機によるハウワーシュ村への爆撃で民間人1人が死亡した。

また、カフルヌブーダ町では、シリア軍が敷設した地雷の爆発により、イッザ軍などの反体制武装集団の戦闘員17人が死亡した。

さらにシャフシャブー山に面するガーブ平原、カフルヌブーダ町などでのシリア軍との戦闘で反体制武装集団の戦闘員18人が死亡した。

戦闘ではシリア軍側も15人が死亡した。

一方、SANA(5月22日付)によると、シリア軍がシリア政府支配下の県北部への攻撃を続けるシャーム解放機構などの反体制武装集団と交戦した。

他方、イッザ軍司令官のムスタバー・バックール大佐はドゥラル・シャーミーヤ(5月22日付)に対して、カフルヌブーダ町内の複数拠点を解放することに成功し、シリア軍戦車、装甲車などを破壊したと主張した。

国民解放戦線報道官のムスタファー・ナージー大尉も、ドゥラル・シャーミーヤ(5月22日付)に対して、カフルヌブーダ町での戦闘でシリア軍戦車複数輌を破壊したと主張した。

シャーム解放機構も同地でシリア軍装甲車を破壊したと主張している。

なお、シャーム解放機構は、カフルヌブーダ町を制圧したと発表したが、ロシア国防省はこれをただちに否定した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村に2回の爆撃を行う一方、ヘリコプターも同地に「樽爆弾」4発を投下した。

また、同地ではシリア軍と反体制武装集団が交戦、シリア軍兵士4人が死亡した。

シャーム解放機構に近いイバー・ネット(5月22日付)によると、シリア軍はカッバーナ村近郊のクナイバ丘の攻略を試みたが、シャーム解放機構が撃退、多数の兵士を殺傷したという。

**

アレッポ県、シリア人権監視団によると、シリア軍がダクマーク村を砲撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を18件(アレッポ県1件、ラタキア県11件、ハマー県6件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を12件(アレッポ県1件、ラタキア県2件、ハマー県9件)確認した。

AFP, May 22, 2019、ANHA, May 22, 2019、AP, May 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 22, 2019、al-Hayat, May 23, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 22, 2019、Reuters, May 22, 2019、SANA, May 22, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, May 22, 2019、SOHR, May 22, 2019、UPI, May 22, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アスマー大統領夫人がハマー市にある義肢センターを訪問(2019年5月22日)

大統領府は、アスマー・アフラス大統領夫人が、ハマー市にある義肢センターを訪問したと発表、その映像や写真をフェイスブックの公式アカウントで公開した。

https://www.facebook.com/SyrianPresidency/posts/2414896615220823?__xts__%5B0%5D=68.ARB8Vu528G-rI_A9LPjL3jZ5gDYuIGe9ATL2j7VXiQKhaIzl8NrNPkwN6X9mQe8JNlkVqqq-VAikkGd2VerjLIgW_CSsmB3A0RWaWIovQM5SugUaPux_Ey7DYQphwKyqD68wh8ewTGGc5lWYEXa59-zn7P2EqYOt059OBYk2yEyiWAYShBjXCuShEOZ6wx00hD8rxPlS5i8pngY94LE8rXv6CAmosFO-HRb976sCKJyygyBl270mFOta51llGu7CZLLi8a0MEgWg_rgUfBvcgQavQK5Nez0ElKOVxcx8PqxOlh4-1a_5iZrx7s1Vbfgg3wLOBb9bEuMpelOW_F5A4qIzlg&__tn__=-R

https://www.youtube.com/watch?v=6eScPGxBmMY&feature=youtu.be&fbclid=IwAR24C9XrfcVK9UgHe8BpadYdbFV05A-legeSezZD9vTlMA8osAv4ImAz4iE

AFP, May 22, 2019、ANHA, May 22, 2019、AP, May 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 22, 2019、al-Hayat, May 23, 2019、Reuters, May 22, 2019、SANA, May 22, 2019、SOHR, May 22, 2019、UPI, May 22, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

UNHCR報道官:シリア政府の支配下に復帰した2018年7月以降、ダルアー県で少なくとも380人が逮捕・拘束されている(2019年5月22日)

UNHCR(国際連合難民高等弁務官事務所)のマルタ・フルタド報道官は、ダルアー県がシリア政府の支配下に復帰した2018年7月以降、同地で少なくとも380人が逮捕・拘束されていると発表した。

このうちの150人は拘束から数日で釈放されたが、少なくとも230人は依然として拘束されているという。

フルタド報道官は「ダルアー県では多くの家族が失踪、ないしは拘束された親族について限られた情報しか得ておらず、まったく情報が掴めていない者もいる」と述べた。

AFP, May 22, 2019、ANHA, May 22, 2019、AP, May 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 22, 2019、al-Hayat, May 23, 2019、Reuters, May 22, 2019、SANA, May 22, 2019、SOHR, May 22, 2019、UPI, May 22, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコの支援を受ける反体制武装集団がアレッポ県北部でバーブ軍事評議会の拠点を砲撃(2019年5月22日)

アレッポ県では、ANHA(5月22日付)によると、トルコの支援を受ける反体制武装集団が、バーブ市近郊のウーラーシュリーヤ村にあるバーブ軍事評議会(人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属)の拠点を重火器・中火器で攻撃、バーブ軍事評議会がただちに応戦、武装集団と交戦した。

AFP, May 22, 2019、ANHA, May 22, 2019、AP, May 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 22, 2019、al-Hayat, May 23, 2019、Reuters, May 22, 2019、SANA, May 22, 2019、SOHR, May 22, 2019、UPI, May 22, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア・ロシアは、米軍駐留によって帰国が阻まれているルクバーン・キャンプの難民が1日に7人から10人死亡していると発表(2019年5月22日)

国外難民帰還調整委員会はロシア当事者和解調整センターは共同声明を出し、米主導の有志連合の占領下にあるヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に隣接するヨルダン国境のルクバーン・キャンプの難民の状況に関して、深刻な水、食糧不足が続き、劣悪な衛生環境のなかで、子供を中心に1日に7人から10人が死亡していると発表した。

4~5万人が収容されていたとされるキャンプの難民のうち、1万2967人は、両調整委員会の活動の甲斐あって、シリア政府支配地域への帰還を果たしているが、帰還を希望する難民は今も、米軍の支援を受ける「テロ集団」からキャンプを去るために金銭を要求されているという。

両調整委員会は米国に、ルクバーン・キャンプ、そして北・東シリア自治局の支配下にあるハサカ県のフール・キャンプに収容されている避難民の帰還を妨害しないよう呼びかけている。

AFP, May 22, 2019、ANHA, May 22, 2019、AP, May 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 22, 2019、al-Hayat, May 23, 2019、Reuters, May 22, 2019、SANA, May 22, 2019、SOHR, May 22, 2019、UPI, May 22, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから314人、ヨルダンから707人の難民が帰国、避難民11人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年5月22日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月22日付)を公開し、5月21日に難民1,021人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは314人(うち女性95人、子供162人)、ヨルダンから帰国したのは707人(うち女性253人、子供429人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は230,938人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者80,707人(うち女性24,360人、子ども41,079人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者150,231人(うち女性44,099人、子ども76,606人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 460,218人(うち女性135,688人、子供230,481人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

**

一方、国内避難民11人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは11人(うち女性5人、子供4人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は29,791人(うち女性8,674人、子供12,715人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,298,387人(うち女性391,233人、子供656,481人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 22, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アフリーン解放軍団はトルコ占領下のアレッポ県北西部で反体制武装集団戦闘員9人を殺害(2019年5月21日)

アレッポ県では、アフリーン解放軍団が声明を出し、トルコの実質占領下にあるアフリーン郡シャッラー村近郊のマシュアラ村で19日、反体制武装集団と交戦し、戦闘員8人を殺害、また20日にシーラーワー町近郊のバースータ村で東部自由人連合の拠点を爆破し、戦闘員1人を殺害したと発表した。

ANHA(5月21日付)が伝えた。

AFP, May 21, 2019、ANHA, May 21, 2019、AP, May 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 21, 2019、al-Hayat, May 22, 2019、Reuters, May 21, 2019、SANA, May 21, 2019、SOHR, May 21, 2019、UPI, May 21, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア・ロシア軍はイドリブ県などへの爆撃を再開、シリアのアル=カーイダとトルコの支援を受ける反体制派はハマー県北部で大規模攻撃(2019年5月21日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯第1ゾーンでは、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから22日目となる5月21日、シリア・ロシア軍の爆撃が再開され、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の戦闘も続いた。

シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機による爆撃回数は26回、投下した「樽爆弾」の数は14発を記録、ロシア軍戦闘機も8回の爆撃を行った。

また、シリア軍地上部隊が発射した砲弾は400発以上にのぼった。

これにより、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より6人(民間人0人、兵士・反体制武装集団戦闘員6人)増えて516人となった。

うち、180人が民間人(女性41人、子供38人を含む)、336人がシリア軍兵士および反体制武装集団戦闘員。

一方、クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)に近いANHA(5月21日付)は、複数の活動家の話として、トルコ軍がシャーム解放機構を教練するために緊張緩和地帯第1ゾーンに設置されているイドリブ県に増援部隊を派遣したと伝えた。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がサフリーヤ村を2回爆撃した。

また地上部隊が、カフルズィーター市、ラターミナ町、ザカート村、シャフルナーズ村、サフリーヤ村、マイダーン・ガザール村、フワイジャ村を砲撃した。

これに対して、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団はスカイラビーヤ市一帯を砲撃した。

両者は、カフルヌブーダ町一帯、ムガイル村、ハミーラート村、タッル・フワーシュ村、フワイズ村で、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団で激しく交戦した。

これに関して、ドゥラル・シャーミーヤ(5月21日付)などは、シャーム解放機構とトルコの支援を受ける国民解放戦線が、5月8日にシリア軍によって制圧されたカフルヌブーダ町に対して大規模攻撃を行ったと伝えた。

攻撃では、シャーム解放機構が爆弾を積んだ車を特攻させ、シリア軍兵士多数を殺傷し、タッル・フワーシュ村、ハミーラート村などを奪還したという。

ただし、RT(5月21日付)によると、シリア軍はこの攻撃を撃破したという。

一方、SANA(5月21日付)によると、シリア軍がシャフシャブー山(イドリブ県)に面するガーブ平原のサフリーヤ村、カルーティーヤ村を通るシャーム解放機構の兵站戦を砲撃した。

このほか、国民解放戦線はジューリーン村にあるシリア軍の基地を砲撃したと発表した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がフバイト村を8回、ハーン・シャイフーン市を6回、ウライニバ村、アービディーン村、ヒーシュ村、ナキール村をそれぞれ2回爆撃し、ヘリコプターがアービディーン村、フバイト村、カッサービーヤ村に「樽爆弾」をそれぞれ4発、マガッル・ハマーム村に2発を投下した。

ロシア軍戦闘機もカッサービーヤ村、マガッル・ハマーム村をそれぞれ2回爆撃した。

シリア軍地上部隊はさらに、ハーン・シャイフーン市やダイル・サンバル村を砲撃した。

一方、SANA(5月21日付)によると、シリア軍がバアルブー村、アービディーン村、フバイト村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃、これを破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(5月21日付)によると、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が、アレッポ市のマサーキン・サビール地区、シャイハーン交差点地区に着弾し、住民6人が負傷した。

これに対して、シリア軍は直ちにアレッポ市南部郊外の砲撃地点を砲撃し、反体制武装集団の戦闘員複数人を負傷させたという。

ANHA(5月21日付)によると、砲撃を行ったのはシャーム解放機構。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がアレッポ市ラーシディーン地区、ICARDA地区をそれぞれ2回爆撃した。

**

ラタキア県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月21日付)によると、シャーム解放機構がクルド山地方のクナイカ丘一帯を砲撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(アレッポ県1件、ラタキア県8件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を19件(アレッポ県6件、イドリブ県4件、ラタキア県2件、ハマー県7件)確認した。

AFP, May 21, 2019、ANHA, May 21, 2019、AP, May 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 21, 2019、al-Hayat, May 22, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 21, 2019、Reuters, May 21, 2019、RT, May 21, 2019、SANA, May 21, 2019、SOHR, May 21, 2019、UPI, May 21, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュがハサカ県南部で米主導の有志連合の車列を攻撃、8人が死傷か(2019年5月20日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月21日付)を公開し、5月20日に難民1,020人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは381人(うち女性122人、子供207人)、ヨルダンから帰国したのは639人(うち女性192人、子供326人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は229,917人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者80,393人(うち女性24,026人、子ども40,511人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者149,524人(うち女性44,070人、子ども76,245人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 459,197人(うち女性136,864人、子供232,479人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

**

一方、国内避難民20人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは6人(うち女性3人、子供2人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは6人(うち女性1人、子供4人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは8人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は29,780人(うち女性9,343人、子供13,677人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,298,376人(うち女性391,902人、子供657,000人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した8人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 21, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領はシャーム・イスラーム国際テロ過激派撲滅センターの開設式に出席「我々は戦争が起きたことで、宗教に専心することと宗教を狂信することの違いを区別するようになった」(2019年5月20日)

アサド大統領は、シャーム・イスラーム国際テロ過激派撲滅センターの開設式に出席、ムハンマド・ムハンマド・アブドゥッサッタール・サイイド宗教関係大臣、共和国ムフティーのアフマド・バドルッディーン・ハッスーン師、ダマスカスおよび同郊外県ムフティーのアドナーン・アフフーニー師、ビラード・シャーム・ウラマー連合のムハンマド・タウフィーク・ラマダーン・ブーティー氏らと会談した。

シャーム・イスラーム国際テロ過激派撲滅センターは、宗教関係省所轄の国立研究所で、ウラマーやハティーブの育成、イスラーム法学やアラビア語学の研究、過激思想撲滅に向けた対策の研究などを目的とする。

アサド大統領は開幕式に参加したウラマーらを前に演説を行った。

演説の骨子は以下の通り:

**

「このセンターの活動の本質と関連するいくつかの点について話したい。私がウラマーの前に座って、どのように過激思想やテロと戦うかをあなた方と話すことを予想していなかっただろう。あなた方は数年前からこうした活動を始めてきたからだ。シリア国民はみな、不屈の精神を通じてテロや過激思想と戦っている。勇敢な我が軍も過激思想がもたらすテロと戦ってきた。我が国のウラマーもテロをもたらす過激思想と戦ってきた。だから、私があなた方とここに座って、過激思想の撲滅は、中庸をもって始めらられるとあなた方に言うとは考えてもみなかったと予想している。なぜなら、こうしたことは自明の理だからだ。イスラームは(過激だとの)嫌疑とは無念で、シャームのくにぐには、宗教、社会といった点で歴史的に穏健だ。あるいはこう言いたい。アッラーは我々が中庸のウンマであることを望まれていた。使徒は我々に狂信的にならないよう警告されていた。もちろん、ここでムスリム同胞団の話、そして彼らがイスラームをいかに歪め、そのイメージを破壊したのかを話すつもりはない…」。

「こうしたことは、ほとんどのシリアの市民、アラブ・イスラーム世界の市民やウラマーにとっても自明のことで…、あなた方や我々が知っている情報に留まらない。それ以上のもの、我々が日々暮らすなかで得た真実、詳細、そしてデータなのだ。我々はその結果としてもたらされた負の影響に日々、いやおそらく毎時間苦しんでいる」。

「テロとの戦い、過激思想との戦いはこのセンター発足とともに始まったわけではない。シリアでテロが発生した最初の数ヶ月で既に開始されていたので」。

「我々はシリアで今日、過激思想やテロといった問題をめぐってどのような立ち位置にあるのだろう? センター発足にあたってこのような問いが浮かんだ…。なぜなら、このセンターはテロとの戦いの文脈において拠点をなしているからだ…。我々が拠点にいて、未来に向かって進む場合、我々はどこにいるのかを考えねばならない…。なぜなら未来に向かって計画を立てる場合、現在から出発しなければならないからだ」。

「我々は理論から出発することはできない。今我々が暮らしている現実から出発すべきだ…。ほとんどのシリア人がおそらくこう答えるだろう…。社会における過激思想の兆候は何よりもまず宗派主義的な状況として表れており、こうした過激思想は、かつてないほどに宗派主義的な状況を強めた、と」。

「だが、私は大いなる信頼をもってこう言える。私はこうした意見を尊重はするが、異なった意見を持っている、と…。戦争の当初から宗派主義が利用されてきたことを踏まえると、宗派主義的な反応をするのも至極当然だ。しかし、こうした反応と実際の行動との間には大きな隔たりがある…。こうした意見は不正確で、現実に即していないのだ…。シリア社会の現状は、戦争当初より良くなっているだけでなく、戦争前よりも良くなっている」。

「この戦争は対外戦争だが、そこには国内的要因もあった…。このように考えることで、我々はさまざまな階層からなるシリア人として自らを見つめ直し、これまで以上に互いにコミュニケーションを行い、知り合えるようになった。あなた方はこうした動きのただ中にいたのだ」。

「このような話をするのは、我々が「テロとの戦い」の枠組みのなかでこのセンターが重要なステップを踏み出すにあたって、ゼロから始める訳でも、マイナスから始める訳でもないと言いたいからだ…。現状は戦争前よりも改善されているのだ」。

「我々はまた、戦争を通じて「区別する」ことを学んだ…。「区別する」という言葉で私が意図していることは何か…? 戦争が始まるまで、我々は「宗教に専心すること」(タダイユン)と「宗教を狂信すること」(タアッスブ)を区別できなかった」。

「戦争が起こったことで、我々はその結果を目にした。結果に着目し始めたことで、我々は宗教に専心する人と宗教を狂信する人の違いを区別するようになった。宗教に専心することは建設で、宗教を狂信することが破壊であることを区別し始めた」。

「私は世俗主義を「宗教に専心すること」と対置したことなどない…。信仰と無神論を対置しているのだ…。理由は簡単だ。世俗主義と「宗教に専心すること」は(対立)関係にはなく、また世俗主義と無神論も無関係だからだ…。信仰と無神論は信仰(の有無)に関係がある…。これに対して、世俗主義は行為であり、世俗主義的な教義などというものはないのだ」。

「宗教的過激思想は宗教の産物ではなく、社会の産物だ。過激思想は社会で育まれる社会的産物なのだ…。宗教とは過激思想に与えられる呼称の一つに過ぎず、現象の一つに過ぎない…。過激思想にはさまざまなかたちがあり、その一つが宗教的過激思想なのだ」。

「テロとの戦い、過激思想との戦いは正しい宗教において始められる。我々はそれが自明の理であると考えている…。正しい宗教とは、健全な社会のなかにした見ることはできない…。私は理論化が好きではないので、実際の例をあげると、それがワッハーブ主義だ…。彼ら(ワッハーブ主義者)は宗教を無知によって変貌させ…、宗教を後進性と無知、異常な理解、異常な行為へと変えてしまった」。

「これに対して、シャームのくにぐにの社会は中庸の社会だ…。過去14世紀にわたり、正しいイスラームがもたされてきた」。

「どの社会にも道徳は存在する…。だが、道徳には宗教が必要で、宗教がそれを高めていく…。宗教は道徳を充足させるうえで必要であり、道徳は我々が社会のなかで宗教を維持するために必要なのだ…。正しい宗教にはバランスのとれた社会が必要だ」。

「宗教にはまた、開かれた知性が必要だ…。宗教は広大で深淵であり、閉ざされた知性はシャリーアの表層しか捉えられない。これに対して開かれた知性があれば、その本質、芯を捉えることができる」。

「多くの人が気に留めない重要な点として、宗教と社会におけるそれ以外の帰属の関係がある。どんな人間でも、自分の村、年、家族、宗派、祖国、そして宗教に帰属している。こうした帰属意識のすべてが人間の本質的特性だ…。すべての帰属意識が一つのものなのだ。宗教を裏切る者は、祖国を裏切るし、その逆も然りだ…。宗教に献身することは、祖国に献身することにつながるし、その逆も然りだ。愛国心を高めることは、宗教的帰属を強めることにつながる。宗教だけとうことはあり得ない」。

「最後に意志だ…。意志こそが、あらゆる社会、あらゆる個人を過ちや逸脱から守る唯一のものだ」。

**

SANA(5月20日付)が伝えた。

AFP, May 20, 2019、ANHA, May 20, 2019、AP, May 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 20, 2019、al-Hayat, May 21, 2019、Reuters, May 20, 2019、SANA, May 20, 2019、SOHR, May 21, 2019、UPI, May 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍がシリア領内に「トリプル・タップ」:クナイトラ県各所をミサイル攻撃(2019年5月20日)

ドゥラル・シャーミーヤ(5月20日付)は複数の現地消息筋の話として、イスラエル軍がクナイトラ県のハドル村、ナブア・サフル村、アイン・ヌーリーヤ村、ダマスカス郊外県のタッル・シャフム村、ダルアー県のハーッラ丘一帯をミサイル攻撃したと伝えた。

攻撃は、イランの民兵やヒズブッラーの拠点を狙ったもの。

イスラエル軍による攻撃は18、19日に続き、5月に入って3度目。

一方、スプートニク・ニュース(5月20日付)は、シリア軍筋の話として、シリア軍防空部隊がシルカ自走式高射機関砲や高射砲で、占領下のゴラン高原から飛来した敵の標的を迎撃したと伝えた。

同情報筋によると、ミサイル攻撃は、クナイトラ県のハドル村とダマスカス郊外県のバイト・ジン村の間、ダルアー県ハーッラ丘に隣接するクナイトラ県西部に対して行われたという。

AFP, May 20, 2019、ANHA, May 20, 2019、AP, May 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 20, 2019、al-Hayat, May 21, 2019、Reuters, May 20, 2019、SANA, May 20, 2019、Sputnik News, May 20, 2019、SOHR, May 21, 2019、UPI, May 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ市で新たな反体制武装組織「人民抵抗連隊」結成(2019年5月20日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月20日付)によると、イドリブ市で新たな反体制武装組織「人民抵抗連隊」が結成された。

イドリブ県では、トルコとの国境に面するバーブ・ハワー国境通行所で12日、シューラー評議会を名のる新たな組織が緊急会合を開き、ロシア・シリア軍の反体制派支配地域への攻撃に対処するため「人民抵抗連隊」なる新たな武装集団を結成することを決定していた。

シャイフ・ハルドゥーンを名のる司令官によると、人民抵抗連隊は「シリアの解放区における人民革命的義勇運動」で、イドリブ県サラーキブ市を拠点とし、住民を動員し、活動を拡大していく予定だという。

AFP, May 20, 2019、ANHA, May 20, 2019、AP, May 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 20, 2019、al-Hayat, May 21, 2019、Reuters, May 20, 2019、SANA, May 20, 2019、SOHR, May 21, 2019、UPI, May 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ・ロシア国防大臣はイドリブ県での緊張緩和と停戦の方途をめぐって電話会談(2019年5月20日)

トルコ国防省は声明で、フルシ・アカル国防大臣とロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣が電話会談を行い、イドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンの情勢と、2018年9月のソチでの合意(非武装地帯設置にかかる合意)の枠組みに沿ったかたちでの緊張緩和と停戦への方途をめぐって協議したと発表した。

アナトリア通信(5月20日付)が伝えた。

AFP, May 20, 2019、Anadolu Ajansı, May 20, 2019、ANHA, May 20, 2019、AP, May 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 20, 2019、al-Hayat, May 21, 2019、Reuters, May 20, 2019、SANA, May 20, 2019、SOHR, May 21, 2019、UPI, May 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュは5月に入ってYPG主体のシリア民主軍の戦闘員161人を殺害したと発表(2019年5月20日)

ダーイシュ(イスラーム国)に近いアアマーク通信(5月20日付)は、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍との戦闘の成果を図示したインフォグラフィアを公開、5月1日から16日までの期間に、ダイル・ザウル県、ハサカ県、ラッカ県、アレ歩県で合計64回の攻撃を実施、戦闘員161人を殺害、車輌43台を破壊したと伝えた。

AFP, May 20, 2019、ANHA, May 20, 2019、AP, May 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 20, 2019、al-Hayat, May 21, 2019、Reuters, May 20, 2019、SANA, May 20, 2019、SOHR, May 21, 2019、UPI, May 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア国防省は19日にシャーム解放機構がフマイミーム航空基地をロケット弾で攻撃したと発表(2019年5月20日)

ロシア国防省は声明を出し、シャーム解放機構が19日、イドリブ県内の緊張緩和地帯からシリア駐留ロシア軍の司令部があるラタキア県のフマイミーム航空基地に対してロケット弾攻撃を行った。

シャーム解放機構が撃ったロケット弾は6発で、ロシア軍は防空システムでそのすべてを撃破、またロケット弾が発射されたシャーム解放機構の基地を攻撃し、これを破壊した。

AFP, May 20, 2019、ANHA, May 20, 2019、AP, May 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 20, 2019、al-Hayat, May 21, 2019、Reuters, May 20, 2019、SANA, May 20, 2019、SOHR, May 21, 2019、UPI, May 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県などに対するシリア・ロシア軍の爆撃が再び止み、シリア軍の砲撃も限定的に(2019年5月20日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯第1ゾーンでは、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから21日目となる5月20日、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の戦闘は続いたが、シリア・ロシア軍は爆撃を中断、シリア軍による砲撃も限定的なものに留まった。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より18人(民間人7人、反体制武装集団戦闘員7人、シリア軍兵士4人)増えて510人となった。

うち、180人が民間人(女性41人、子供38人を含む)、330人がシリア軍兵士および反体制武装集団戦闘員。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍および親政権民兵とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団がカッバーナ村一帯で交戦した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍および親政権民兵とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団がサフル丘、カラ・ジュルン村、マイダーン・ガザール村、カフルヌブーダ町、ハマーミーヤート村で交戦した。

シリア軍はまた、ラターミナ町、サイヤード村、カフルズィーター市、アルバイーン村に対して砲撃を行った。

一方、SANA(5月20日付)によると、シリア軍がハマーミーヤート村一帯でシャーム解放機構と交戦し、複数の戦闘員を殺傷した。

シリア軍はまた、アルバイーン村、ザカート村、ハスラーヤー村、ラターミナ町にある反体制武装集団の拠点を砲撃した。

他方、ドゥラル・シャーミーヤ(5月20日付)によると、シャーム解放機構がハマーミーヤート村の入口に設置されているシリア軍の拠点複数カ所を攻撃し、兵士9人を殺害した。

また、国民解放戦線は、ブワイダ村一帯に進軍しようとした第5軍団を撃退したと発表した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍および親政権民兵とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団がカッサービーヤ村、トゥラムラー村、フライフィル村、フバイト村、カフル・ウワイド村、アミーカ村、バアルブー村で交戦した。

**

アレッポ県では、ANHA(5月20日付)によると、シャーム解放機構がイフタール直前にアレッポ市を砲撃、砲弾11発がハーリディーヤ地区に着弾し、住民多数が負傷した。

砲弾はまた、ナイル通り地区などにも着弾した。

一方、アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍および親政権民兵とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団がアレッポ市ラーシディーン地区で交戦した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(ラタキア県7件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を5件(ハマー県2件、アレッポ県2件、イドリブ県1件)確認した。

AFP, May 20, 2019、ANHA, May 20, 2019、AP, May 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 20, 2019、al-Hayat, May 21, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 20, 2019、Reuters, May 20, 2019、SANA, May 20, 2019、SOHR, May 21, 2019、UPI, May 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから417人、ヨルダンから746人の難民が帰国、避難民216人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者208人)が帰宅(2019年5月20日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月20日付)を公開し、5月19日に難民1,163人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは417人(うち女性125人、子供213人)、ヨルダンから帰国したのは746人(うち女性194人、子供330人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は228,897人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者80,012人(うち女性24,026人、子ども40,511人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者148,885人(うち女性44,695人、子ども75,919人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 458,177人(うち女性137,864人、子供233,479人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

**

一方、国内避難民216人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは8人(うち女性2人、子供4人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは208人(うち女性65人、子供81人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は29,760人(うち女性4,572人、子供5,687人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,298,356人(うち女性387,131人、子供649,453人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した208人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は208人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 20, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから408人、ヨルダンから559人の難民が帰国、避難民4人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年5月19日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月19日付)を公開し、5月19日に難民967人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは408人(うち女性123人、子供208人)、ヨルダンから帰国したのは559人(うち女性168人、子供285人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は227,734人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者79,595人(うち女性24,026人、子ども40,511人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者148,139人(うち女性32,467人、子ども55,139人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 457,014人(うち女性120,047人、子供203,908人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

**

一方、国内避難民4人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは4人(うち女性2人、子供2人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は29,544人(うち女性3,866人、子供4,771人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,298,140人(うち女性387,096人、子供649,430人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 19, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダルアー県サナマイン市へのシリア軍の封鎖が続くなか、何者かが治安機関本部を砲撃(2019年5月19日)

ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月20日付)によると、サナマイン市にある治安機関の本部に対して何者かがRPG弾を発射した。

事件は、シリア軍がサナマイン市で15日に拘束した3人(反体制武装集団の司令官だったワリード・ザフラ氏の兄弟マジュディー・ザフラ氏とアギード・ザフラ氏、そしてアブー・サーリフを名のる人物)のうちの1人(アギード氏)が拷問で死亡したとの情報が流れたことを受けたもの。

3人の拘束に対して住民が反発し、シリア軍兵士2人が死亡する騒ぎとなるなど、サナマイン市は緊張状態が続いており、シリア軍が同地を封鎖している。

AFP, May 20, 2019、ANHA, May 20, 2019、AP, May 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 20, 2019、al-Hayat, May 21, 2019、Reuters, May 20, 2019、SANA, May 20, 2019、SOHR, May 21, 2019、UPI, May 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリアのアル=カーイダに近いイバー通信がラタキア県でシリア軍が塩素ガス攻撃を行ったと主張、シリア軍はこれを否定(2019年5月19日)

ラタキア県では、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構に近いイバー・ネット(5月19日付)は、シリア軍が早朝、県北部のクルド山地方カッバーナ村近郊のクバイナ丘を塩素ガスを装填した砲弾で攻撃したと伝えた。

イバー・ネットは「ラタキア県北部クルド山のクバイナ丘に対する犯罪者政権と占領者ロシアの民兵による数十回にわたる攻撃の試みが失敗し、同地で戦うジハード戦士が伝説とも言える不屈の抵抗を続けるなか、ヌサイリー軍は塩素ガスで同地を砲撃している」としたうえで、「シリア軍は19日早朝、クバイナ丘への進軍に失敗したことを受け、同地の戦士たちの拠点複数カ所に対して有毒塩素を装填したロケット弾3発で攻撃を行った」と伝えた。

同サイトの特派員によると、この砲撃で反体制派側に死傷者は出なかったが、シリア軍は同地への攻撃を続けているという。

**

イバー・ネットの報道は、反体制派系のイナブ・バラディー、ザマーン・ワスル、SNN、ドゥラル・シャーミーヤなどによって拡散された。

また、ベルギーで活動する反体制派系NGOの「シリア化学兵器違反記録センター」(CVDCS)も声明を出し、クナイバ丘が有毒ガスを装填したロケット弾3発の攻撃を受けたとしたうえで、複数の目撃者の証言として、砲弾が爆発すると、黄色の煙が上がり、塩素のような刺激臭がしたと発表した。

また、同センターの声明によると、この攻撃後に負傷者4人の治療にあたった医師も、目の充血や呼吸困難といった症状を発症していたと証言しているという。

**

これに対して、シリア軍武装部隊総司令部は、ラタキア県カッバーナ村でシリア軍が化学兵器を使用したとの情報が「捏造された虚偽の報道であり、事実無根」だと否定した。

シリア軍筋は、SANA(5月19日付)に対して、「敗北を喫した後にしてきたように、テロ集団とその配下にある一部メディアは、シリア・アラブ軍がカッバーナ村で化学兵器を使用したとする捏造されたウソのニュースを拡散した…。こうした報道の一切を否定するとともに…、テロとの戦いに邁進すると強調したい」と述べた。

ロシア外務省高官筋もこの情報を否定した。

**

なお、シリア人権監視団によると、ラタキア県では、シリア軍がカッバーナ村およびクルド山一帯を砲撃した。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(5月19日付)、イバー・ネット(5月19日付)によると、ラタキア県では、シリア軍がクバイナ丘を砲撃し同地に進攻し、シャーム解放機構が応戦した。

AFP, May 19, 2019、ANHA, May 19, 2019、AP, May 19, 2019、CVDCS, May 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 19, 2019、al-Hayat, May 20, 2019、‘Inab Baladi, May 19, 2019、Reuters, May 19, 2019、SANA, May 19, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, May 19, 2019、SOHR, May 19, 2019、UPI, May 19, 2019、Zaman al-Wasl, May 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍側による停戦発表にもかかわらず、ロシア軍はイドリブ県、ハマー県への爆撃を再開(2019年5月19日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯第1ゾーンに対するシリア・ロシア軍の激しい爆撃・砲撃は20日目を迎えた。

18日のシリア軍側による停戦発表で、中断していた爆撃・砲撃は再開され、ロシア軍がイドリブ県、ハマー県への爆撃を加え、イドリブ県、ハマー県でシリア軍と反体制武装集団が交戦した

シリア人権監視団によると、これにより、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より11人(民間人10人、兵士・戦闘員1人)増えて492人となった。

うち、173人が民間人(女性39人、子供34人を含む)、312人がシリア軍兵士および反体制武装集団戦闘員。

ノールス研究センターによると、シリア軍側の犠牲者は170人(うち士官40人)にのぼり、そのほとんどが、スハイル・ハサン准将の指揮下にある民兵(いわゆる第5軍弾)、パレスチナ人民兵のクドス旅団、そしてマーヒル・アサド少将が実質司令官を務める第4師団の将兵だという。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がカフルナブル市およびその一帯を8回爆撃した。

この爆撃で、女性1人と子供1人を含む3人が死亡、市内のサイイダ・ミリヤム病院が狙われ、同病院が物的被害を受け、利用不能となった。

またシリア軍がハーン・シャイフーン市、カフルナブル市、フバイト村など県南部および西部一帯を砲撃し、女性1人と子供人を含む7人が死亡した。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月19日付)によると、ロシア軍の爆撃により、カフルナブル市で女性と子供を含む8人が死亡、多数が負傷、ハーン・シャイフーン市で3人が死亡した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がザイズーン村を2回爆撃した。

シリア軍がカストゥーン村、アンカーウィー村、マイダーン・ガザール村、ハウラター村、ザイズーン村、ジャドラーヤー村、サフン村を砲撃し、女性1人と女児1人を含む3人が死亡した。

これに対して、シャーム解放機構は、カルカート村灌木地帯のシリア軍拠点を砲撃した。

一方、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構に近いイバー・シャーミーヤ(5月19日付)によると、シャーム解放機構がカルカート村灌木地帯、マイダーン・ガザール村に進軍しようとしたシリア軍を要撃した。

これに対して、SANA(5月19日付)は、反体制武装集団がシリア軍によって制圧されたハマーミーヤート村一帯を砲撃、これに対してシリア軍が反撃したと伝えた。

シリア軍はまた、フワイズ村、カルカート村一帯で活動するシャーム解放機構の拠点を砲撃したという。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を14件(ラタキア県11件、ハマー県2件、イドリブ県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を9件(アレッポ県1件、ラタキア県3件、ハマー県5件)確認した。

AFP, May 19, 2019、ANHA, May 19, 2019、AP, May 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 19, 2019、al-Hayat, May 20, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 19, 2019、Nors for Studies, May 19, 2019、Reuters, May 19, 2019、SANA, May 19, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, May 19, 2019、SOHR, May 20, 2019、UPI, May 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が北・東シリア自治局とシリア政府が共同統治するタッル・リフアト市郊外を砲撃(2019年5月19日)

アレッポ県では、ANHA(5月19日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府が共同統治するタッル・リフアト市郊外のマルアナーズ村、マーリキーヤ市(シャッラー村近郊)を砲撃した。

また、トルコの支援を受ける反体制武装集団は同地近郊のクワンディー・マーズィン村の農場を焼き討ちにした。

**

一方、北・東シリア自治局の支配下にある県東部のマンビジュ市中心街の商店前に仕掛けられた地雷2発が相次いで爆発した。

死傷者はなかった。

AFP, May 19, 2019、ANHA, May 19, 2019、AP, May 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 19, 2019、al-Hayat, May 20, 2019、Reuters, May 19, 2019、SANA, May 19, 2019、SOHR, May 20, 2019、UPI, May 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国の影響下にあるヨルダン国境地帯のルクバーン・キャンプから難民数十世帯が新たに帰還(2019年5月19日)

SANA(5月19日付)によると、米主導の有志連合の占領下にあるヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプに身を寄せていたシリア難民数十世帯が、新たにスフナ市南部のジュライギーム通行所を通過し、シリアに帰国した。

AFP, May 19, 2019、ANHA, May 19, 2019、AP, May 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 19, 2019、al-Hayat, May 20, 2019、Reuters, May 19, 2019、SANA, May 19, 2019、SNN, May 19, 2019、SOHR, May 20, 2019、UPI, May 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局の支配下にあるラッカ市で内務治安部隊の車を狙った爆弾テロが発生し、3人が負傷(2019年5月18日)

ラッカ県では、ANHA(5月18日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるラッカ市タイヤール地区の街道脇に仕掛けられていた爆弾が爆発し、内務治安部隊の車が爆発に巻き込まれ、隊員3人が負傷した。

AFP, May 18, 2019、ANHA, May 18, 2019、AP, May 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 18, 2019、al-Hayat, May 19, 2019、Reuters, May 18, 2019、SANA, May 18, 2019、SOHR, May 18, 2019、UPI, May 18, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコの支援を受ける反体制武装集団が北・東シリア自治局とシリア政府の共同統治下にあるタッル・リフアト市一帯を砲撃(2019年5月18日)

アレッポ県では、ANHA(5月18日付)によると、トルコが実質占領するカフルハーシル村とアアザーズ市で活動する反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同統治下にあるタッル・リフアト市一帯を20発以上の砲弾で砲撃した。

これに対し、アフリーン解放軍団が声明を出し、タッル・リフアト市近郊のマンナグ村、アイン・ダクナ村一帯でトルコ軍およびその支援を受ける反体制武装集団と交戦、多数の戦闘員を殲滅したと発表した。

トルコ軍と反体制武装集団は15日から同地への攻撃を強めていたという。

AFP, May 18, 2019、ANHA, May 18, 2019、AP, May 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 18, 2019、al-Hayat, May 19, 2019、Reuters, May 18, 2019、SANA, May 18, 2019、SOHR, May 18, 2019、UPI, May 18, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍はシリア領内に「ダブル・タップ」:シリア軍は前日に続いてイスラエルのミサイルを迎撃(2019年5月18日)

SANA(5月18日付)は軍消息筋の話として、シリア軍防空部隊がクナイトラ県方面から飛来した複数の「未確認飛翔体」を迎撃、これを撃破したと伝えた。

シリア人権監視団によると、「未確認飛翔体」はイスラエル軍戦闘機複数機が占領下のゴラン高原から発射したミサイルで、シリア軍航空部隊の迎撃で少なくとも1発が撃破され、2発がクナイトラ県の第90旅団基地一帯に着弾した。

イスラエル軍によるミサイル攻撃は2日連続。

AFP, May 18, 2019、ANHA, May 18, 2019、AP, May 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 18, 2019、al-Hayat, May 19, 2019、Reuters, May 18, 2019、SANA, May 18, 2019、SOHR, May 18, 2019、UPI, May 18, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア人権監視団によると、シリア軍による停戦発表を受け、シリア・ロシア軍の爆撃は止み、戦闘も小康状態に入ったが、各地で爆撃、交戦が続いているとの報道も(2019年5月18日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯第1ゾーンでは、シリア軍側が72時間の一時停戦に入ったと発表したことを受け、シリア・ロシア軍の爆撃は止み、シリア軍と反体制武装集団の戦闘も、ハマー県北部とラタキア県北部の一部を除いて小康状態となった。

シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターによる「樽爆弾」、戦闘機による爆撃、ロシア軍による爆撃はいずれも確認されなかった。

だが、イドリブ県南部、ハマー県北部では、国民解放戦線やイッザ軍が停戦拒否の姿勢を示したこともあり、シャーム解放機構、トルキスタン・イスラーム党を含む反体制武装集団と、シリア軍、親政権民兵による砲撃戦、戦闘が続いた。

これにより、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より7人(民間人7人、兵士・戦闘員0人)増えて481人となった。

うち、163人は民間人(女性37人、子供32人を含む)、308人がシリア軍兵士および反体制武装集団戦闘員。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、カルカート村灌木地帯でシリア軍、親政権民兵と反体制武装集団が激しく交戦、シリア軍がアルバイーン村、マイダーン・ガザール村を砲撃、反体制武装集団もシリア軍の拠点に砲撃で応戦した。

シリア軍はこのほか、サルマーニーヤ村を砲撃した。

イバー・ネット(5月18日付)によると、シャーム解放機構がカルカート村灌木地帯でシリア士官1人を含むシリア軍兵士を殺害したと伝えた。

また、トルコの支援を受ける国民解放戦線がフワイズ村でシリア軍の装甲車をコルネット・ミサイル、TOW対戦車ミサイルを撃破、その映像を公開した。

一方、SANA(5月18日付)によると、シリア軍がシャフシャブー山に面するガーブ平原に配置されている拠点への攻撃を試みようとしたシャーム解放機構を撃退し、複数の戦闘員を殺傷した。

また、ハウワーシュ村、フワイジャ村一帯で活動する反体制武装集団がフワイズ村の拠点を砲撃したことに対し、シリア軍も砲撃で応戦した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、フバイト村に対するロシア軍戦闘機の爆撃で負傷していた住民1人が死亡した。

一方、NHA(5月18日付)は、シリア人権監視団の発表とは裏腹に、ハマー県北部に移動しようとしていた反体制武装集団の車列を、ロシア軍戦闘機がカフルナブル市、マアッラト・ヌウマーン市、ハーン・シャイフーン市一帯で爆撃したと伝えた。

ANHAによると、ロシア軍戦闘機はまた、シャーム解放機構の拠点に対しても爆撃を行ったという。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(5月18日付)によると、シリア軍は未明にマアッラト・ヌウマーン市、カフルルーマー村、カフルヤディーン村を砲撃し、マアッラト・ヌウマーン市では女性2人と女児1人を含む4人が、カフルルーマー村では2人が死亡した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ジャブラ市近郊で、シリア駐留ロシア軍の司令部があるフマイミーム航空基地に対する無人航空機(ドローン)の爆撃や砲撃と思われる大きな爆発音が聞こえた。

これに関して、SANA(5月18日付)は、反体制武装集団がジャブラ市近郊のシャラーシール村とフワイズ村を砲撃し、住民1人が死亡、複数が負傷したと伝えた。

シリア人権監視団によると、反体制武装集団が撃った砲弾は15発以上。

**

アレッポ県では、ANHA(5月18日付)によると、反体制武装集団が未明にアレッポ市の第3000住宅計画地区を砲撃、シリア軍が応戦した。

また、トルコの支援を受ける反体制武装集団の戦闘員数百人を乗せた車列が、アフリーン市南のガザーウィーヤ村の通行所を経由して、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握る反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)に入り、ハマー県北部、イドリブ県南部の前線に向かった。

ANHA(5月19日付)によると、イドリブ県に入ったのは、アブー・ハサンを名のる司令官が率いるバドル殉教者軍のメンバー110人。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を10件(ラタキア県)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を16件(イドリブ県5件、アレッポ県1件、ハマー県10件)確認した。

AFP, May 18, 2019、ANHA, May 18, 2019、May 19, 2019、AP, May 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 18, 2019、al-Hayat, May 19, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 18, 2019、Reuters, May 18, 2019、SANA, May 18, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, May 18, 2019、SOHR, May 18, 2019、UPI, May 18, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコの支援を受ける国民解放戦線、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構と共闘するイッザ軍はシリア軍側が発表した停戦を拒否(2019年5月18日)

トルコの支援を受ける国民解放戦線のナージー・ムスタファー報道官は、ロシアとトルコが合意したとされる72時間の停戦に関して、ドゥラル・シャーミーヤ(5月18日付)に対して「停戦に関していかなる提案が行われても、国民解放戦線によって一切拒否される」と述べた。

その理由として、ムスタファー報道官は「シリア軍が最近になって占領した地域からの停戦、数十人が犠牲となり、数十万人に避難生活を余儀なくしている無垢の市民への野蛮な砲撃の停止をロシアの停戦が保障していないのが、拒否の理由だ」と強調した。

また、国民解放戦線に所属するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動のジャービル・アリー・バーシャー総司令官も「宗派主義民兵(シリア軍のこと)が占領下村々から撤退しない限りは停戦を拒否する…。我々はアッラーの許しのもと戦いのさなかにある」と表明、戦闘員に戦闘継続を呼びかけた。

**

シャーム解放機構と共闘し、ハマー県北部で戦闘を続けているイッザ軍の司令官の1人マフムード・マフムード大尉はツイッターのアカウント(https://twitter.com/alaza_aza)を通じて「現状において停戦に言及することは、あからさまな反逆行為だ…。それ(停戦)は敵が力を蓄え、隊列を再編するための時間稼ぎだ」と綴り、停戦を拒否する姿勢を示した。

AFP, May 18, 2019、ANHA, May 18, 2019、AP, May 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 18, 2019、al-Hayat, May 19, 2019、Reuters, May 18, 2019、SANA, May 18, 2019、SOHR, May 18, 2019、UPI, May 18, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍前線司令官は「イドリブ県、ハマー県、ラタキア県で72時間の停戦に入った」と述べる一方、反体制派はこれを否定し「停戦協議は継続中で発効していない」と主張(2019年5月18日)

スプートニク・ニュース(5月18日付)は、とシリア軍前線司令官(匿名)の情報として、イドリブ県、ハマー県、ラタキア県で72時間の停戦に入ったと伝えた。

同司令官によると、停戦は今日の深夜(17日24時=18日0時)に発効し、期限は72時間だという。

停戦の理由について、この司令官は明らかにしなかった。

**

イナブ・バラディー(5月18日付)が、国民解放戦線のアブー・スブヒー・ナッハース政治局長の話として伝えたところによると、停戦は、ロシアの要請に基づき、ロシアとトルコの間で協議されているが、協議は継続中で発効はしていないという。

AFP, May 18, 2019、ANHA, May 18, 2019、AP, May 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 18, 2019、al-Hayat, May 19, 2019、‘Inab Baladi, May 18, 2019、Reuters, May 18, 2019、SANA, May 18, 2019、Sputnik News, May 18, 2019、SOHR, May 18, 2019、UPI, May 18, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから321人、ヨルダンから642人の難民が帰国、避難民11人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年5月18日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月18日付)を公開し、5月17日に難民963人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは321人(うち女性32人、子供53人)、ヨルダンから帰国したのは642人(うち女性194人、子供330人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は226,767人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者79,187人(うち女性23,203人、子ども38,762人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者147,580人(うち女性44,303人、子ども75,254人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 456,047人(うち女性136,864人、子供232,479人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

**

一方、国内避難民11人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは8人(うち女性4人、子供3人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは3人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は29,540人(うち女性3,864人、子供4,767人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,298,136人(うち女性387,092人、子供649,426人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した3人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 18, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.