シャアバーン大統領府政治報道補佐官「シリア軍はハマー県北部のムーリク市近郊に設置されているトルコ軍の検問所を撤去できる」(2019年8月23日)

ブサイナ・シャアバーン大統領府政治報道補佐官はレバノンのマヤーディーン(8月23日付)のインタビューに応じ、そのなかで、ハマー県北部のムーリク市近郊に設置されているトルコ軍の検問所をシリア軍が撤去するだろうと述べた。

シャアバーン補佐官は「ムーリク市近郊のトルコ軍監視所は包囲されている。シリア軍はこの拠点を撤去し、テロリストを排除することができる」と述べた。

また「トルコは、アスタナ合意に基づいて配置した監視所を、彼ら自身がテロリストと呼んでいる連中に武器を運ぶ拠点に変えてしまった…。シリア国内の一部を占領するための拠点だ…。トルコはアスタナ合意を遵守していない。ヌスラ戦線(シャーム解放機構)に武器をやりとりし、領土を占領し、シリア国民に対して犯罪を行ってきた」と批判した。

AFP, August 24, 2019、ANHA, August 24, 2019、AP, August 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 24, 2019、Qanat al-Mayadin, August 24, 2019、Reuters, August 24, 2019、SANA, August 24, 2019、SOHR, August 24, 2019、UPI, August 24, 2019などをもとに作成。

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米中央軍は、YPG主体のシリア民主軍がトルコ国境地帯に設置していた軍事要塞を撤去したと発表(2019年8月23日)

米中央軍はツイッターのアカウント(https://twitter.com/centcom)で、「米国防長官とトルコ国防大臣がシリア北東部の安全保障について協議してから24時間を経ずして、シリア民主軍(人民防衛隊(YPG)主体)は8月22日、軍事要塞複数カ所を撤去した。これは、安全保障対策の枠組みを支持するというシリア民主軍の姿勢を示している」と発表し、その写真を公開した。

AFP, August 24, 2019、ANHA, August 24, 2019、AP, August 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 24, 2019、Reuters, August 24, 2019、SANA, August 24, 2019、SOHR, August 24, 2019、UPI, August 24, 2019などをもとに作成。

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ハマー県北部の自治を担っていたとされる反体制派は同地に民間人など1人もおらず、政府が設置した人道回廊を「劇場」だと非難(2019年8月23日)

ハマー県北部のカフルズィーター市とラターミナ町の自治を担っていたとされる地元評議会は、反体制派系サイトのザマーン・ワスル(8月23日付)に対して、22日に同地の住民をシリア政府支配地域に避難させるために政府がスーラーン町に人道回廊を設置したことに関して、ウソだと反論した。

ラターミナ町の評議会は、「町には民間人は1人もいない。住居と公共施設は95%以上が破壊されてしまっている」としたうえで「政権が、ハマー市に住んでいるシャッビーハを連れてきて作り出そうとしている劇場は、一連の嘘の1幕以外の何ものでもなく、自分たちの陰謀を正当化しようとする試みに過ぎない」と非難した。

カフルズィーター市の評議会も「アサド政権はスーラーン市に人道回廊を設置し、市内から出れずにいた民間人を避難させると言い張っている。しかし、我々は、2011年から政権とその同盟者どもが爆撃を続け、90%以上が破壊されてしまった市内に民間人など1人もいないことを確認している」と述べた。

また「市内に留まっていた最後の市民も、犯罪者である政権軍とシャッビーハが迫っていると感じ、数日前に退去した」と付言した。

AFP, August 23, 2019、ANHA, August 23, 2019、AP, August 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2019、Reuters, August 23, 2019、SANA, August 23, 2019、SOHR, August 23, 2019、UPI, August 23, 2019、Zaman al-Wasl, August 23, 2019などをもとに作成。

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(2019年8月23日)# # # # #

トルコのチャヴシュオール外務大臣はハマー県ムーリク市近郊のトルコ軍監視所包囲を頑なに否定、エルドアン大統領はシリア軍のイドリブ県進攻を安全保障上の脅威と警告(2019年8月23日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は訪問先のレバノンの首都ベイルートでのジュブラーン・バースィール外務大臣との共同記者会見で、ハマー県ムーリク市近郊にあるトルコ軍の監視所(第9監視所)がシリア軍に包囲されていることに関して、これを頑なに否定した。

チャヴシュオール外務大臣は「我が国の監視所は包囲されていない。誰にも我が軍を包囲することなどできない。シリア政府は我が国の検問所の北方で反体制派と戦闘している」としたうえで、監視所を撤退させるつもりがないと改めて強調した。

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トルコ大統領府は声明を出し、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がロシアのヴラジミール・プーチン大統領と電話会談を行い、シリア情勢について意見を交わしたと発表した。

声明によると、会談でエルドアン大統領は「シリア軍による攻撃とイドリブ県での停戦違反は、甚大な人道危機をもたらす」としたうえで、それが「問題解決への努力を阻害し、トルコの安全保障への真の脅威となっている」と警鐘を鳴らした。

AFP, August 23, 2019、ANHA, August 23, 2019、AP, August 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2019、Reuters, August 23, 2019、SANA, August 23, 2019、SOHR, August 23, 2019、UPI, August 23, 2019などをもとに作成。

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親政権系のメディアはハマー県ムーリク市近郊のトルコ軍監視所をバックに記念撮影するシリア軍兵士の画像を公開(2019年8月23日)

アキトTV(8月23日付)などトルコの複数のメディアは、ハマー県北部のムーリク市近郊に設置されているトルコ軍の監視所(第9監視所)が、シリア軍によって包囲されたと伝えた。

また、シリア・トゥルー・チューブ(8月23日付)など親政権系のメディアは、この監視所をバックに記念撮影するシリア軍兵士の画像を公開した。

AFP, August 23, 2019、Akit TV, August 23, 2019、ANHA, August 23, 2019、AP, August 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2019、Reuters, August 23, 2019、SANA, August 23, 2019、SOHR, August 23, 2019、Syria True Tube, August 23, 2019、UPI, August 23, 2019などをもとに作成。

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アフガン人民兵組織のファーティミーユーン旅団の戦闘員約100人がダイル・ザウル県からアレッポ県に移動(2019年8月23日)

ジュルフ・ニュース(8月23日付)は、複数の地元筋の話として、ダイル・ザウル県内に展開していたアフガン人民兵組織のファーティミーユーン旅団の戦闘員約100人が、イラン・イスラーム革命防衛隊が用意した装甲車輌数十輌に乗って、アレッポ県に移動したと伝えた。

AFP, August 23, 2019、ANHA, August 23, 2019、AP, August 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2019、Jurf news, August 23, 2019、Reuters, August 23, 2019、SANA, August 23, 2019、SOHR, August 23, 2019、UPI, August 23, 2019などをもとに作成。

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ダーイシュがダイル・ザウル県でシリア軍と交戦、YPG主体のシリア民主軍を襲撃(2019年8月23日)

ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(8月23日付)が複数の地元筋の話として伝えたところによると、ダーイシュ(イスラーム国)がブーカマール市近郊の砂漠地帯でシリア軍部隊と交戦した。

また、アアマーク通信(8月23日付)によると、ダーイシュはズィーバーン町近郊の街道で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍を襲撃し、2人を殺害、1人を負傷させた。

AFP, August 23, 2019、ANHA, August 23, 2019、AP, August 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2019、Reuters, August 23, 2019、SANA, August 23, 2019、SOHR, August 23, 2019、UPI, August 23, 2019などをもとに作成。

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ハマー県ムハルダ市で県北部の解放を祝うデモが行われ、住民らが参加(2019年8月23日)

ハマー県では、SANA(8月23日付)によると、県北部のムハルダ市の中心街でシリア軍による県北部の解放を祝うデモ行進・集会が開かれ、住民らが参加した。

AFP, August 23, 2019、ANHA, August 23, 2019、AP, August 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2019、Reuters, August 23, 2019、SANA, August 23, 2019、SOHR, August 23, 2019、UPI, August 23, 2019などをもとに作成。

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シリア・ロシア軍はイドリブ県への爆撃を続ける(2019年8月23日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が爆撃を激化させてから114日目を迎えた8月23日、シリア・ロシア軍は同地への攻撃を継続、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は85回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」78発を投下、ロシア軍も55回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は800発におよんだ。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より5人(民間人7?人(うち女性0人、子供1人)、シリア軍兵士は0人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて3,763人となった。

うち、983人が民間人(女性174人、子供244人を含む)、1,281人がシリア軍兵士、1,499人が反体制武装集団戦闘員。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でタマーニア町、カフルナブル市、マアッラト・ハルマ村、カフルサジュナ村、カフルルーマー村、ガドファ村、ジャルジャナーズ町、ダイル・シャルキー村、タッフ村、タッル・マンス村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでマアッラト・ヌウマーン市、ガドファ村、ジャルジャナーズ町、カフルサジュナ村、バスィーダー村、マアッル・シャマーリーン村、ダイル・シャルキー村、タッフ村、ヒーシュ村、ハーミディーヤ村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もタマーニア町、タッフ村、タフターヤー村、ハーン・シャイフーン市一帯、ガドファ村、ジャルジャナーズ村、カフルジャジュナ村、ラッファ村を爆撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でICARDA、バルクーム村、バウワービーヤ村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県北東部の戦闘地域を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を30件(アレッポ県13件、ヒムス県1件、ラタキア県16件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を4件(イドリブ県)確認した。

AFP, August 23, 2019、ANHA, August 23, 2019、AP, August 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 23, 2019、Reuters, August 23, 2019、SANA, August 23, 2019、SOHR, August 23, 2019、UPI, August 23, 2019などをもとに作成。

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シリア軍はイドリブ県ハーン・シャイフーン市、ハマー県北部(カフルズィーター市、ラターミナ町、ムーリク市など)を制圧したと正式に発表(2019年8月23日)

軍武装部隊総司令部は声明を出し、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構、トルコの支援を受ける国民解放戦線、「穏健な反体制派」と目されるイッザ軍の活動拠点だったイドリブ県南部のハーン・シャイフーン市、ハマー県ムーリク市、ラターミナ町、サイヤード丘、貯蔵施設群、ワーディー・アンズ、ワーディー・アサル、カフルズィーター市、ラトミーン村、マアルカバ村、ラハーヤー村(西ラハーヤー村、東ラハーヤー村)、ファース丘、ラトミーン丘、ワーディー・ハスマイン、ワーディー・カスマイン、カアブ・ファルスを解放し、爆発物の撤去など同地の浄化を完了したと発表した。

https://youtu.be/lbuIQI98FlM

シリア軍は19日に反体制武装集団の撤退を受けて同地を制圧していたが、これを正式に認めたのはこの声明が初めて。

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SANA(8月24日付)は、シリア軍によって浄化が完了した地域の写真を公開した。

カフルズィーター市
ムーリク市
ハーン・シャイフーン市
サイヤード丘

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SANA(8月23日付)はまた、シリア軍がハーン・シャイフーン市近郊で、シャーム解放機構が作った地下トンネルを発見したと伝え、ビデオ映像と写真を公開した。

AFP, August 23, 2019、ANHA, August 23, 2019、AP, August 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2019、Reuters, August 23, 2019、SANA, August 23, 2019、SOHR, August 23, 2019、UPI, August 23, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから128人、ヨルダンから1,024人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年8月23日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月23日付)を公開し、8月22日に難民1,451人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは427人(うち女性128人、子供218人)、ヨルダンから帰国したのは1,024人(うち女性307人、子供522人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は367,100人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者116,426人(うち女性35,084人、子ども59,303人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者250,674人(うち女性75,235人、子ども127,832人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。
45カ国で難民登録したシリア人の数は6,634,214人(うち女性1,990,264人、子供3,383,449人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 596,380人(うち女性178,977人、子供304,057人)となった。

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一方、国内避難民の帰宅は行われず、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は35,237人(うち女性10,920人、子供16,188人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,303,833人(うち女性393,479人、子供659,954人)とままだった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 23, 2019をもとに作成。

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ホワイト・ヘルメット:シリア・ロシア軍の爆撃で民間人は「未曾有の危機」に晒されている(2019年8月22日)

ホワイト・ヘルメットは声明を出し、イドリブ県やハマー県に対するシリア・ロシア軍の爆撃により、民間人が「未曾有の危機」に晒されていると警鐘を鳴らした。

ホワイト・ヘルメットは声明で「ハマー県北部および北西部、イドリブ県南部一帯での断続的な爆撃と軍事作戦に警鐘を鳴らす。これによって今や、多くの民間人が避難民となり、最低限の生活必需品もないままに農地の木陰に身を寄せざるを得ない状態に置かれている…。シリアの民間人は今や未曾有の危機のもとにある…。そのほとんどが少なく見積もっても2度、3度は避難している」と警鐘を鳴らした。

そのうえで、「シリア・ロシア連合軍にこうした悲劇の直接の責任がある。ホワイト・ヘルメットの病院、医療拠点、支援救急センターが爆撃を受けている」と非難、国際社会の諸機関に対して、自らの責任を全うし、こうした攻撃を停止させるよう呼びかけた。

AFP, August 22, 2019、ANHA, August 22, 2019、AP, August 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2019、Reuters, August 22, 2019、SANA, August 22, 2019、SOHR, August 22, 2019、UPI, August 22, 2019などをもとに作成。

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アル・モニター:シリア北東部でのトルコと米国による安全地帯設置は3段階からなる(2019年8月22日)

アル・モニター(8月22日付)は、トルコと米国がシリア北東部の国境地帯で設置に向けて準備を続けている「安全地帯」に関して、詳細な設置の手順を明らかにした。

同サイトによると、設置の手順は以下3段階からなるという:

1. 国境線から幅5キロの安全地帯を設置し、米・トルコ両軍が合同パトロールを実施する。同地に駐留している人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は撤退する一方、合同パトロールを行うトルコ軍部隊は、シリア民主軍に傘下で活動していた各地の軍事評議会が支配する居住地域に進入しない旨遵守する。
2. この安全地帯の南側に幅9キロの安全ベルトを設置し、シリア民主軍は同地から重火器を撤去する。トルコ軍は同地への進駐は行わない。
3. 幅9キロの安全ベルトをさらに南側に4キロ拡大する。これにより安全地帯の総幅を18キロとする。

AFP, August 22, 2019、ANHA, August 22, 2019、AP, August 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2019、Reuters, August 22, 2019、SANA, August 22, 2019、SOHR, August 22, 2019、UPI, August 22, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍は、米・トルコによる安全地帯設置に向けた準備が加速するなか、トルコ国境で進めていた塹壕、土塁の建設を中止(2019年8月22日)

シリア人権監視団が信頼できる複数の消息筋の情報として発表したところによると、人民防衛部隊(YPG)主体のシリア民主軍が、トルコ国境に面するハサカ県ラアス・アイン市一帯での塹壕、土塁の建設作業を中止した。

建設作業は19日に停止され、トルコと米国の合意に基づいて、ユーフラテス川東岸からティグリス川西岸にいたる全長約400キロの国境地帯に幅約20キロ、30キロとも言われる「安全地帯」が設置されるのに備えた動きだという。

同監視団によると、この動きと並行して、米主導の有志連合の部隊が、ハサカ県タッル・アルカム村から、マブルーカ村、ラッカ県スルーク町を経由し、タッル・アブヤド市にいたる対トルコ国境地帯でパトロールを行った。

AFP, August 22, 2019、ANHA, August 22, 2019、AP, August 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2019、Reuters, August 22, 2019、SANA, August 22, 2019、SOHR, August 22, 2019、UPI, August 22, 2019などをもとに作成。

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シリア軍は反体制派支配下のイドリブ県内に設置されているトルコ軍監視所を砲撃(2019年8月22日)

イドリブ県では、シリア人権監視団やANHA(8月22日付)によると、シリア軍戦闘機は、マアッラト・ヌウマーン市東のサルマーン村近郊にあるトルコ軍監視所(第8監視所)を爆撃した。

爆撃で基地に物的被害が出たという。

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ロイター通信(8月22日付)は、トルコの高官2人の話として、シリア軍が北西部に設置されているトルコ軍の監視所1カ所に向けて発砲したと伝えた。

シリア軍が発砲したとされる監視所は明らかにされなかったが、2人の高官によると、死傷者は出なかったという。

AFP, August 22, 2019、ANHA, August 22, 2019、AP, August 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2019、Reuters, August 22, 2019、SANA, August 22, 2019、SOHR, August 22, 2019、UPI, August 22, 2019などをもとに作成。

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北・東シリア自治局の支配下にあるシュハイル村(ダイル・ザウル県)で何者かが車を襲撃し、住民2人死亡(2019年8月22日)

アレッポ県では、アフリーン解放軍団がトルコ占領下のヴィーラート・カーディー村、キーマール村で20日と21日にトルコの支援を受ける反体制武装集団の拠点を爆破し、戦闘員2人を殺害したと発表した。

ANHA(8月22日付)が伝えた。

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ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(8月22日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるシュハイル村で何者かが車を襲撃し、乗っていた住民2人が死亡、多数が負傷した。

AFP, August 22, 2019、ANHA, August 22, 2019、AP, August 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2019、Reuters, August 22, 2019、SANA, August 22, 2019、SOHR, August 22, 2019、UPI, August 22, 2019などをもとに作成。

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シリア政府は反体制派が放棄したハマー県北部やイドリブ県南部の住民の避難を促すための人道回廊を設置(2019年8月22日)

外務在外居住者省公式筋は、「テロ集団」の活動に対する市民の苦難を鑑み、その軽減のため、ハマー県北部のスーラーン町に人道回廊を設置したと発表した。

同公式筋によると、人道回廊を通じてシリア政府支配地域に避難する市民には避難住居、食糧、医療などのすべてが提供されるという。

人道回廊は、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構、トルコの支援を受ける国民解放戦線、「穏健な反体制派」と目されているイッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室がイドリブ県南部の要衝ハーン・シャイフーン市およびハマー県北部から撤退したことを受けた措置。

設置された人道回廊には、同地域からシリア政府支配地域に避難する住民を収容・移送するため、大型旅客バス多数やシリア赤新月社の救援チームが派遣された。

SANA(8月22日付)が伝えた。

AFP, August 22, 2019、ANHA, August 22, 2019、AP, August 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2019、Reuters, August 22, 2019、SANA, August 22, 2019、SOHR, August 22, 2019、UPI, August 22, 2019などをもとに作成。

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シリア・ロシア軍はイドリブ県などへの爆撃を続ける(2019年8月22日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が爆撃を激化させてから113日目を迎えた8月22日、シリア・ロシア軍は同地への攻撃を継続、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は90回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」100発を投下、ロシア軍も45回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は700発におよんだ。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より23人(民間人4人(うち女性1人、子供1人)、シリア軍兵士11人、反体制武装集団戦闘員8人)増えて3,758人となった。

うち、976人が民間人(女性174人、子供243人を含む)、1,281人がシリア軍兵士、1,499人が反体制武装集団戦闘員。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でマアッルシューリーン村、タッル・マンス村、ダイル・シャルキー村、ジャルジャナーズ町、ハルバ村、サルマーン村一帯、カフルサジュナ村、タッフ村、タマーニア町、ハーミディーヤ村、カフルナブル市に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでカフルルーマー村、ファッティーラ村、ヒーシュ村、タッフ村、タフターヤー村、ダイル・ガルビー村、タッル・マンス村、ガドファ村、ジャルジャナーズ町、サフヤーン村、カフルサジュナ村、ラッファ、ハルバ村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県南東部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もガドファ村、ハーミディーヤ一帯、タマーニア町、サルマーニーヤ村、ドゥワイル・アクラード村を爆撃した。

一方、SANA(8月22日付)によると、シリア軍はハーン・シャイフーン市東のタルイー丘一帯で制圧地域を拡大した。

なお、ドゥラル・シャーミーヤ(8月22日付)によると、この2日間のロシア軍の爆撃で、ジャルジャナーズ町のラフマーン・モスクとアリー・ブン・アビー・ターリブ・モスク、タッフ村のナスル・モスク、ダイル・シャルキー村の大モスク、ウマル・ブン・アブドゥルアズィーズ・モスクが破壊され、シリア軍の「樽爆弾」投下により、タッル・マンス村の大モスクとガドファ村の大モスクが被害を受けた。

このほか、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(8月22日付)によると、シャーム解放機構の治安機関が、アーフィス村近郊での爆発物敷設に関与していた諜報機関の工作員グループを摘発した。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(8月22日付)によると、国民解放戦線はハーン・シャイフーン市内の民家から家財道具などを略奪し、持ち出そうとしていたシリア軍の車輌1台を重火器で攻撃し、兵士多数を殺傷した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村一帯に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターで同地に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が同地を砲撃した。

ロシア軍も同地を爆撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(8月22日付)によると、シリア軍とロシアの支援を受けた親政権民兵がクバイナ丘一帯に進軍を試みたが、シャーム解放機構がこれを撃退した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でバウワービーヤ村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県南部および西部の戦闘地域を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を31件(ラタキア県14件、アレッポ県12件、イドリブ県4件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を7件(イドリブ県)確認した。

AFP, August 22, 2019、ANHA, August 22, 2019、AP, August 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 22, 2019、Reuters, August 22, 2019、SANA, August 22, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, August 22, 2019、SOHR, August 22, 2019、UPI, August 22, 2019などをもとに作成。

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ロシアとトルコは緊急会合で停戦とハーン・シャイフーン市の処遇を協議(2019年8月21日)

トルコの支援を受ける国民解放戦線のアブー・スブヒー・ナッハース政治局長は、シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室がイドリブ県ハーン・シャイフーン市、ハマー県北部を放棄したことを受け、トルコ・ロシア両国の高官が緊急会合を開いたことを明らかにした。

ナッハース政治局長によると、会合はイドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンでの停戦、ハーン・シャイフーン市の処遇を協議するのが目的で、反体制派は会合の結果を待っている状態だという。

イナブ・バラディー(8月21日付)が伝えた。

これに関して、ラタキア県フマイミーム航空基地の駐留ロシア軍のアレクサンドル・イヴァノフ報道官は、会合の目的が停戦とハーン・シャイフーン市の処遇を協議することにあることを認めた。

AFP, August 21, 2019、ANHA, August 21, 2019、AP, August 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 21, 2019、‘Inab Baladi, April 21, 2019、Reuters, August 21, 2019、SANA, August 21, 2019、SOHR, August 21, 2019、UPI, August 21, 2019などをもとに作成。

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米国防総省報道官「シリアで化学兵器が使用される、あるいは使用を裏づける何らかの証拠があれば、我々は報復する」(2019年8月21日)

米国防総省のショーン・ロバートソン報道官は、シリア情勢に関して「化学兵器が使用される、あるいは使用を裏づける何らかの証拠があれば、我々による報復が行われることになる」と述べた。

ロバートソン報道官はまた、イドリブ県に対するシリア・ロシア軍の攻撃に関して「無謀な行為、この地域に深刻な人道的危機をもたらしかねない」としたうえで「シリア政府とロシアが、人道活動家を標的とすること止め、イドリブ県に人道支援が届くことを許さねばならないと見ている」を非難した。

フッラ・チャンネル(8月21日付)が伝えた。

AFP, August 21, 2019、ANHA, August 21, 2019、AP, August 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 21, 2019、Alhurra, August 21, 2019、Reuters, August 21, 2019、SANA, August 21, 2019、SOHR, August 21, 2019、UPI, August 21, 2019などをもとに作成。

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アフリーン解放軍団はトルコ占領下のアアザーズ市近郊で反体制武装集団の戦闘員3人を殺害したと発表(2019年8月21日)

アレッポ県では、アフリーン解放軍団が声明を出し、トルコの占領下にあるアアザーズ市近郊のカフルハーシル村で18日に反体制武装集団と交戦し、戦闘員3人を殺害したと発表した。

ANHA(8月21日付)が伝えた。

AFP, August 21, 2019、ANHA, August 21, 2019、AP, August 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 21, 2019、Reuters, August 21, 2019、SANA, August 21, 2019、SOHR, August 21, 2019、UPI, August 21, 2019などをもとに作成。

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武器を棄て当局に投降していたヒムス県出身の115人の免罪手続きが終了(2019年8月21日)

ヒムス県では、SANA(8月21日付)によると、武器を棄て当局に投降していた県出身の115人の免罪手続きが終了し、社会復帰を果たした。

AFP, August 21, 2019、ANHA, August 21, 2019、AP, August 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 21, 2019、Reuters, August 21, 2019、SANA, August 21, 2019、SOHR, August 21, 2019、UPI, August 21, 2019などをもとに作成。

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シリア・ロシア軍はM5高速道路上の拠点都市マアッラト・ヌウマーン市一帯を激しく攻撃、ロシア軍の爆撃で病院が利用不能に(2019年8月21日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が爆撃を激化させてから112日目を迎えた8月21日、シリア・ロシア軍は同地への攻撃を継続、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は100回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」75発を投下、ロシア軍も55回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は850発以上におよんだ。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より61人(民間人22人(うち女性1人、子供2人)、シリア軍兵士16人、反体制武装集団戦闘員31人)増えて3,735人となった。

うち、972人が民間人(女性173人、子供242人を含む)、1,270人がシリア軍兵士、1,491人が反体制武装集団戦闘員。

なお、ドゥラル・シャーミーヤ(8月21日付)によると、シリア・ロシア軍の攻撃は20日夜から断続的に続いたという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でM5高速道路上の拠点都市マアッラト・ヌウマーン市、タマーニア町、ジャルジャナーズ町、ガドファ村、マアッルシューリーン村、タッフ村、ダイル・シャルキー村、タッル・マンス村、マアッラト・スィーン村、バシーリーヤ村、ハザーリーン村、ブサンクール村灌木地帯、サラーキブ市に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでヒーシュ村、シャイフ・ダーミス村、スィフヤーン村、ラカーヤー村、マアッルシューリーン村、タマーニア町、タフターヤー村、バスィーダー村、カフルサジュナ村、ジャルジャナーズ町、ガドファ村、マアッラト・ヌウマーン市、ダイル・シャルキー村、タッフ村に「樽爆弾」を投下し、タッル・マンス村で女児1人を含む3人が、マアッルシューリーン村で市民1人が死亡した。

またシリア軍は地上部隊が県内の戦闘地域を砲撃し、バシーリーヤ村で子供1人を含む3人が死亡した。

ロシア軍もタマーニア町、タッル・タルイー村、マアッラト・ハルマ村、タッフ村、ダイル・シャルキー村、ダイル・ガルビー村、マアッルシューリーン村、ガドファ村、ジャルジャナーズ町を爆撃し、ダイル・ガルビー村で市民3人が死亡した。

ホワイト・ヘルメットによると、タッル・マンス村に対するロシア軍の爆撃では、ラフマ病院が標的となり、利用不能となったという。

一方、SANA(8月21日付)によると、シリア軍がタマーニア町とハマー県ムーリク市の間に位置するタッル・タルイー村一帯でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月21日付)によると、シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室はハーン・シャイフーン市東に位置する戦略的要衝のタルイー丘一帯でシリア軍と激しく交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でICARDA一帯に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県南西部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もカフル・ハラブ村一帯を爆撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県北東部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もカッバーナ村一帯を爆撃した。

シャーム解放機構に近いイバー通信(8月21日付)によると、シリア軍とヒズブッラーがクバイナ丘に進軍、シャーム解放機構がこれを迎撃した。

同通信によると、この戦闘でシリア軍とヒズブッラー側は25人が死亡、60人あまりが負傷したという。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月21日付)もまた、クバイナ丘一帯で、シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室の軍事筋の話として、同作戦司令室がシリア軍と激しく交戦したと伝えた。

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ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(8月21日付)によると、シリア軍が、ムーリク市に近いトルコ軍の監視所(第9監視所)一帯に対して爆撃・砲撃を行った。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を27件(ラタキア県14件、アレッポ県11件、イドリブ県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を9件(イドリブ県5件、ハマー県3件、アレッポ県1件)確認した。

AFP, August 21, 2019、ANHA, August 21, 2019、AP, August 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 21, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 21, 2019、Reuters, August 21, 2019、SANA, August 21, 2019、SOHR, August 21, 2019、UPI, August 21, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, August 21, 2019などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市およびハマー県北部の支配地域を放棄したことを受け初めて声明を出し、反体制派に戦闘継続を呼びかける(2019年8月21日)

シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構の軍事部門は声明を出し、イドリブ県ハーン・シャイフーン市およびハマー県北部の支配地域を放棄したことに関して、シリア政府を打倒し、その軍事侵攻を頓挫させるまで、戦闘を続けるよう反体制派諸派に呼びかけた。

声明の主な内容は以下の通り:

「我々は苦難に満ちたこの時、歴史上類を見ない勇敢さと犠牲の瞬間を生きており、マスアブ・ブン・ウマイル、タルハト・ブン・ウバイドッラー、サアド・ブン・アビー・・ワカースといった教友に倣い、彼らの犠牲の精神を手本としている若者たちを目にするに至っている。

我々はこうした偉大な犠牲を目にして、ムジャーヒディーンたちが死力を尽くし、ためらうことなく行っている強靱なジハードが行われていることをアッラーに感謝する。

我々はどれほどの傷を負おうと降伏せずに、自らのジハードを続ける。傷を癒やし、準備を続ける。祝福されたこの地を、最後の血の一滴まで守り続ける。

偉大なムジャーヒディーンたちよ、我々は、激しい空爆と破壊にもかかわらず、この戦いのなかでシャームのくにとそこで暮らす民に対するアッラーの助けがどれほどのものであるかを見てきた。損害は僅かであり、我々が受けた傷の何倍もの傷を敵は味わっている。我々はそれゆえ、持っている武器をさらに強く握りしめ…、絶望せず、勝利を確信せねばならない」。

AFP, August 21, 2019、ANHA, August 21, 2019、AP, August 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 21, 2019、Reuters, August 21, 2019、SANA, August 21, 2019、SOHR, August 21, 2019、UPI, August 21, 2019などをもとに作成。

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ホワイト・ヘルメットなどイドリブ県で活動する7団体が、イドリブ県に対するシリア・ロシア軍の攻撃を「ジェノサイド」、「戦争犯罪」と非難、国連安保理に介入を求める(2019年8月20日)

シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県内で活動する7つの団体が共同声明を出し、イドリブ県に対するシリア・ロシア軍の攻撃を「ジェノサイド」、「戦争犯罪」と非難、国連安保理にこうした行為を停止させるため直ちに介入するよう求めた。

共同声明を出したのは、イドリブ県政治評議会、イドリブ衛生局、ホワイト・ヘルメット(シリア民間防衛隊)、イドリブ教育養育局、革命シリア連合、シリア女性連合、イドリブ職業組合連合。

AFP, August 21, 2019、ANHA, August 21, 2019、AP, August 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 21, 2019、Reuters, August 21, 2019、SANA, August 21, 2019、SOHR, August 21, 2019、UPI, August 21, 2019などをもとに作成。

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国民解放戦線に所属するシャーム自由人イスラーム運動の総司令官はハマー県北部とイドリブ県ハーン・シャイフーン市放棄について「戦闘の必要に応じて、一部の地域に進軍、解放することもあれば、別の地域から撤退することもある」と弁明(2019年8月20日)

国民解放戦線に所属するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動のジャービル・アリー・バーシャー総司令官は音声声明を出し、イドリブ県ハーン・シャイフーン市、ハマー県カフルズィーター市、ラターミナ町などを放棄したことに関して「ムジャーヒディーンたちは、シャームの土地の貴重な一部分から撤退した。力を尽くし、これを防衛するエネルギーを使い果たした末のことだ…。戦闘員は、戦闘の必要に応じて、一部の地域に進軍、解放することもあれば、別の地域から撤退することもある…。一部地域からの撤退が戦闘員の意志を挫くことはないし、ロシア、イラン、政権軍に怯えることもない」と弁明した。

AFP, August 20, 2019、ANHA, August 20, 2019、AP, August 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 20, 2019、Reuters, August 20, 2019、SANA, August 20, 2019、SOHR, August 20, 2019、UPI, August 20, 2019などをもとに作成。

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トルコの支援を受ける国民解放戦線の報道官はハマー県北部とイドリブ県ハーン・シャイフーン市放棄について「激しい攻撃が続くなかで撤退するのは当然」と弁明(2019年8月20日)

国民解放戦線のナージー・ムスタファー報道官(大尉)は、テレグラムのアカウント(https://t.me/najemoustafa/)を通じて、イドリブ県ハーン・シャイフーン市、ハマー県カフルズィーター市、ラターミナ町などを放棄したことに関して、「激しい攻撃が続くなかで、我々の部隊が陣地を変更し、その一部から撤退するのは当然だ…。これらの陣地への兵站線を確保することが困難となり、抵抗の継続を可能とするために再展開した」と弁明、「シリア軍に支配地域を明け渡した」との一部批判を否定した。

AFP, August 20, 2019、ANHA, August 20, 2019、AP, August 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 20, 2019、Reuters, August 20, 2019、SANA, August 20, 2019、SOHR, August 20, 2019、UPI, August 20, 2019などをもとに作成。

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シャーム解放機構や国民解放戦線からなる「必勝」作戦司令室はハマー県北部とイドリブ県ハーン・シャイフーン市放棄について「一部地域で撤退したが、アッラーとの誓約を固く守る」と弁明(2019年8月20日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構、トルコの支援を受ける国民解放戦線、バラク・オバマ前米政権の支援を受けていた「穏健な反体制派」のイッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室は声明を出し、イドリブ県ハーン・シャイフーン市、ハマー県カフルズィーター市、ラターミナ町などを放棄したことに関して「一部地域で撤退したが…アッラーとの誓約を固く守る」と弁明、「シャームの土地のすべてを解放するまでジハードと革命の道を邁進する」と表明した。

AFP, August 20, 2019、ANHA, August 20, 2019、AP, August 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 20, 2019、Reuters, August 20, 2019、SANA, August 20, 2019、SOHR, August 20, 2019、UPI, August 20, 2019などをもとに作成。

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新興のアル=カーイダ系組織「信者を煽れ」作戦司令室はフマイミーム航空基地を砲撃し、ロシア軍将官1人を殺害したと発表(2019年8月20日)

新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる「信者を煽れ」作戦司令室は声明を出し、シリア駐留ロシア軍の司令部があるラタキア県のフマイミーム航空基地を砲撃し、ロシア軍将官1人を殺害したと発表した。

殺害したとされる将官はイドリブ県での戦闘を監督する任務についていたとのことだが、殺害の真偽は不明。

AFP, August 20, 2019、ANHA, August 20, 2019、AP, August 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 20, 2019、Reuters, August 20, 2019、SANA, August 20, 2019、SOHR, August 20, 2019、UPI, August 20, 2019などをもとに作成。

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アフリーン解放軍団はトルコ占領下のアアザーズ市近郊(アレッポ県)でトルコ軍兵士1人を殺害したと発表(2019年8月20日)

アレッポ県では、アフリーン解放軍団が声明を出し、18日にトルコ占領下のアアザーズ市近郊でトルコ軍の拠点複数カ所を2度にわたり攻撃し、トルコ軍兵士1人を殺害、3人を負傷させたと発表した。

一方、ANHA(8月20日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマーリキーヤ村、シャワーリガ村、シャワーリガ城跡、マルアナーズ村を砲撃した。

AFP, August 20, 2019、ANHA, August 20, 2019、AP, August 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 20, 2019、Reuters, August 20, 2019、SANA, August 20, 2019、SOHR, August 20, 2019、UPI, August 20, 2019などをもとに作成。

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