シリア・ロシア軍はイドリブ県への爆撃を続け、子供3人を含む市民5人が死亡(2019年8月20日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が爆撃を激化させてから111日目を迎えた8月20日、シリア・ロシア軍は同地への攻撃を継続、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は95回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」70発を投下、ロシア軍も40回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は980発におよんだ。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より11人(民間人5人(うち女性0人、子供3人)、シリア軍兵士1人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて3,674人となった。

うち、950人が民間人(女性172人、子供240人を含む)、1,254人がシリア軍兵士、1,460人が反体制武装集団戦闘員。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルルーマー村、ハザーリーン村、ラカーヤー村、ヒーシュ村、タッル・タルイー村、マアッラト・ハルマ村、タッル・ジャアファル村、タッフ村、タマーニア町、バスィーダー村、ジャルジャナーズ町、タッル・マンス村、カフルサジュナ村、タフターヤー村、クファイル村、ジスル・シュグール市に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでタマーニア町、ヒーシュ村、ラカーヤー村およびその一帯、ダイル・シャルキー村、ジャルジャナーズ町、ガドファ村、タッル・タルイー村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もガドファ村、マアッラト・ヌウマーン市、ダイル・シャルキー村、タマーニア町、ヒーシュ村、カフルナブル市、スィフヤーン村、タッフ村、ブナイン村、アルマナーヤー村一帯、バスィーダー村を爆撃した。

これにより、ガドファ村で市民1人、ヒーシュ村で子供1人を含む2人、カフルナブル市で男性2人、マアッラト・ヌウマーン市で男性2人、ブナイン村で子供1人が死亡した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカフルハムラ村を砲撃し、子供1人が死亡した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村一帯に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が同地を砲撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を32件(ラタキア県16件、アレッポ県15件、イドリブ県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を6件(イドリブ県1件、ハマー県5件)確認した。

AFP, August 20, 2019、ANHA, August 20, 2019、AP, August 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 20, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 20, 2019、Reuters, August 20, 2019、SANA, August 20, 2019、SOHR, August 20, 2019、UPI, August 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍はハマー県ムーリク市のトルコ軍監視所を包囲、トルコ外相は「撤退の意思はない」と表明(2019年8月20日)

ステップ・ニュース(8月20日付)、シリア人権監視団などによると、シリア軍がハマー県北部とイドリブ県ハーン・シャイフーン市を制圧したことを受け、緊張緩和地帯設置合意に基づいて同県ムーリク市近郊に設置されていたトルコ軍の監視所(第9監視所)はシリア軍によって完全に包囲された。

その処遇は不明だが、同地には反体制武装集団が依然として残留しているという。

なお、TRT(8月20日付)は、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣が、包囲を受けている監視所に関して、「トルコはハマー県の第9監視所をどこにも撤退させる意思はない」と述べたと伝えた。

チャヴシュオール外務大臣はまた、シリア政府に対して「火遊びをすべきではない」、「我々は我が軍の安全を守るため必要なあらゆることをする」と警告した。

AFP, August 20, 2019、ANHA, August 20, 2019、AP, August 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 20, 2019、Reuters, August 20, 2019、SANA, August 20, 2019、SOHR, August 20, 2019、TRT, August 20, 2019、UPI, August 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャーム解放機構、国民解放戦線などからなる反体制派はハマー県北部とイドリブ県ハーン・シャイフーン市から撤退、シリア軍は400平方キロメートルの地域を1日で制圧(2019年8月20日)

ステップ・ニュース(8月20日付)、シリア人権監視団などによると、シリア軍とロシアの支援を受ける民兵が、19日深夜から20日未明にかけてイドリブ県ハーン・シャイフーン市で反体制武装集団と激しく交戦、早朝までに同市を完全制圧した。

ハーン・シャイフーン市はM5高速道路沿いに位置する反体制武装集団の拠点都市。

シリア軍は19日、同市に進攻、北部と北東部の複数の街区を制圧していた。

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構、トルコの支援を受ける国民解放戦線、バラク・オバマ前米政権の支援を受けていた「穏健な反体制派」のイッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室は、シリア軍による砲撃、シリア・ロシア両軍による爆撃を受けて、ハーン・シャイフーン市の放棄を決断、これを受けてシリア軍が同地を完全制圧した。

「必勝」作戦司令室はまた、ハーン・シャイフーン市以南に位置するカフルズィーター市、ラターミナ町、ムーリク市、ラハーヤー村、ラトミーン村、マアルカバ村など県北部一帯からも撤退した。

これにより、シリア政府は、緊張緩和地帯第1ゾーン内のハマー県北部の反体制派支配地域全域約400平方キロメートルを掌握した。

シリア政府が1日にこれだけの広大な地域を奪還するのは異例。

AFP, August 20, 2019、ANHA, August 20, 2019、AP, August 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 20, 2019、Reuters, August 20, 2019、SANA, August 20, 2019、SOHR, August 20, 2019、UPI, August 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領は統一ロシアの使節団と会談(2019年8月20日)

アサド大統領はシリアを訪問中の統一ロシアの使節団と会談した。

会談では、ドミトリー・サーブリン連邦議会下院(ドゥーマ)議員を団長とする使節団が、イドリブ県での最近のシリア軍の勝利に祝意を示すとともに、こうした勝利を通じてシリア全土で治安と安定が回復することを確信していると表明した。

これに対して、アサド大統領は、トルコなど諸外国によるテロ支援にもかかわらず、国民と軍の不屈の精神によって勝利が実現していると答えた。

会談ではまた、社会、化学、文化といった分野での両国間関係の深化について意見を交わした。

SANA(8月20日付)が伝えた。

AFP, August 20, 2019、ANHA, August 20, 2019、AP, August 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 20, 2019、Reuters, August 20, 2019、SANA, August 20, 2019、SOHR, August 20, 2019、UPI, August 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍の爆撃を受けたトルコ軍の車列はイドリブ県ヒーシュ村近郊に再集結(2019年8月20日)

トルコの支援を受ける国民解放戦線を主導するシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団に近いムハッラル・ネット(8月20日付)は、19日のシリア軍による爆撃でイドリブ県マアッラト・ヌウマーン市近郊で足止めを食っていたトルコ軍の車列が、ヒーシュ村近郊に再集結している、と伝えた。

AFP, August 20, 2019、ANHA, August 20, 2019、AP, August 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 20, 2019、Reuters, August 20, 2019、SANA, August 20, 2019、Shabaka al-Muharrar al-I’lamiya, August 20, 2019、SOHR, August 20, 2019、UPI, August 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアのラヴロフ外務大臣「緊張緩和地帯に対するいかなるテロ攻撃をも抑え込むとトルコに通告済」(2019年8月20日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は首都モスクワでの記者会見で、シリア情勢について言及、そのなかで「ロシア軍はイドリブ県の緊張緩和地帯に駐留している…。トルコ側に対して、ロシアは緊張緩和地帯に対するいかなるテロ攻撃をも抑え込むと通告済みである」と述べた。

AFP, August 20, 2019、ANHA, August 20, 2019、AP, August 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 20, 2019、Reuters, August 20, 2019、SANA, August 20, 2019、SOHR, August 20, 2019、UPI, August 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのチャヴシュオール外務大臣はシリア国民連合使節団と会談(2019年8月20日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、ツイッターの公式アカウント(https://twitter.com/mevlutcavusoglu)を通じて、シリア革命反体制勢力国民連立(シリア国民連合)の使節団と会談し、「イドリブ県に対する攻撃を停止させ、事態を収束することを約束した」ことを明らかにした。

AFP, August 20, 2019、ANHA, August 20, 2019、AP, August 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 20, 2019、Reuters, August 20, 2019、SANA, August 20, 2019、SOHR, August 20, 2019、UPI, August 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国務省報道官はトルコ軍車列に対するシリア軍の爆撃を非難(2019年8月20日)

米国務省のモーガン・オータガス報道官は19日にツイッターのアカウント(https://twitter.com/statedeptspox?lang=ja)を通じて、「アサド政権とその同盟者たちはイドリブ県で発効した停戦にただちに立ち返るべきだ。市民や人道・インフラ分野の活動家に対する野蛮な攻撃が続いた末に、トルコ軍の車列が今日(19日)、容赦のない爆撃によって標的となった。我々はこうした暴挙を非難する。止めねばならない」と綴った。

**

米国防総省のショーン・ロバートソン報道官は報道向け声明を出し、「ロシアとアサド政権は無謀な空爆を直ちに止めねばならない」と表明した。

AFP, August 20, 2019、ANHA, August 20, 2019、AP, August 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 20, 2019、Reuters, August 20, 2019、SANA, August 20, 2019、SOHR, August 20, 2019、UPI, August 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから351人、ヨルダンから733人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年8月20日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月20日付)を公開し、8月19日に難民1,084人が新たに帰国したと発表した。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/photos/a.1492313031011448/2414031145506294/?type=3&eid=ARBKxyXmkNWbp4IvDXxUZiYP6rQ8j4iKNwT5e2etUSe1U_KoRscWT-o4UWJViDuDzMNNusthm3vEUYqd&__xts__%5B0%5D=68.ARAenrSPWPglhmoV9TjB0Vz1nLDK7KKddq0FWVESh60MmLOqy2fBKzHTYiNEAoAnMmIgSMagVrMLYMD144hR6oCVKd0hNaGClSNsd0uL_l_lbLjXiSBHpVUAb2NTcUvwvjFxmEt_07QtB_45_LpqcGeWkXA5yZNAauYcP3dvAb0FRQ738c_qKw6uU6TSqV-L5g7J_9EMN_TyY3ZA0e3fJZdxoia8qiIG8nNkFlFqUcDygjcDUxU_mNBpBr7LZIaVO1eR-xUPiGLmifrQ-Ozb0KC7G5TqvRcey0QieN2cHrJhnoeo76cOo4mbJrZC_lzUrFYjZwoGgym95CbJAFPigfTlq-Xi&__tn__=EHH-R

このうちレバノンから帰国したのは351人(うち女性105人、子供179人)、ヨルダンから帰国したのは733人(うち女性220人、子供374人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は363,111人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者115,078人(うち女性34,679人、子ども58,615人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者248,033人(うち女性74,443人、子ども126,485人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 592,391人(うち女性177,780人、子供302,022人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,634,214人(うち女性1,990,264人、子供3,383,449人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 20, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア・シリア軍は国連が提供するGPS座標を利用して、医療機関を意図的に爆撃か?(2019年8月19日)

『フォーリン・ポリシー』(8月19日付)は、国連が反体制派支配地域に医療施設のGPS座標をロシア政府と共有していると伝えた。

目的は、ロシア・シリア両軍が「誤爆しないようにするため」だという。

だが、実際にこのシステムは機能しておらず、シリア国内で活動するシリア・米医療協会(SAMS)によると、国連の支援リストに記載されているイドリブ県内に医療施設14カ所が爆撃によって狙われているという。

同誌は「言い換えると、ロシアとシリア政府は爆撃に際して、どこにこれらの施設があるのかを正確に知っていたことになる」とし、国連が提供する情報をもとに、シリア・ロシア軍が国連から得たGPS座標をもとに、医療関連施設を狙っていると暗に疑っている。

AFP, August 22, 2019、ANHA, August 22, 2019、AP, August 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2019、Foreign Policy, August 22, 2019、Reuters, August 22, 2019、SANA, August 22, 2019、SOHR, August 22, 2019、UPI, August 22, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアのプーチン大統領は、イドリブ県でのシリア軍によるトルコ軍車列爆撃について言及せず(2019年8月19日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、フランスの首都パリでのエマニュエル・マクロン大統領との会談の冒頭、シリア情勢に言及、「ロシアはイドリブ県でテロリストを殲滅しようとするシリア軍の取り組みを支持する」と述べた。

プーチン大統領はまた「イドリブ県の90%はいわゆる「テロリスト」の支配下にあり、トルコはこの地域を無人偵察機で監視している…。ロシアもイドリブ県から世界の他の地域に戦闘員が移動している動きを監視しているが、これは極めて重大な問題だ」と付言した。

シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などからなる反体制武装集団を支援するためにシリア領内に入ったトルコ軍の車列がシリア軍の爆撃を受けたことについては言及しなかった。

AFP, August 19, 2019、ANHA, August 19, 2019、AP, August 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2019、Reuters, August 19, 2019、SANA, August 19, 2019、SOHR, August 19, 2019、UPI, August 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍の大規模車列がハーン・シャイフーン市方面に向けて南下、シリア軍がこれを爆撃(2019年8月19日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、バーブ・ハワー国境通行所を通じて、トルコ軍の車列がシリア領内に進入し、マアッラト・ヌウマーン市を経由し、アレッポ市とハマー市を結ぶM5高速道路を通って、シリア・ロシア軍の猛攻が続くハーン・シャイフーン市、ハマー県ムーリク市方面に向かった。

車列は、戦車7輌、装甲車6輌を含む車輌25台からなる大規模部隊。

しかし、ANHA(8月19日付)、ドゥラル・シャーミーヤ(8月19日付)などによると、シリア軍戦闘機がマアッラト・ヌウマーン市近郊のマアッル・ハッタート村でこの車列を爆撃し、南下を阻止した。

この爆撃で、車列に随行していた国民解放戦線に所属するシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団の戦闘員(ムハンマド・フサイン・カースィム氏)が死亡した。

一方、トルコ国防省は声明を出し、「イドリブ第9監視所(ハマー県シール・マガール村)に向かっていた我が軍の車列が爆撃を受け、民間人3人が死亡、12人が負傷した」と発表、「攻撃は…ロシアと我々の合意、協力、対話に反するもので、我々はこれを厳しく非難する」と表明した。

ムーリク市は、近郊にトルコ軍監視所が設置されているが、カフルズィーター市、ラターミナ町、そしてイドリブ県ハーン・シャイフーン市とともにシリア・ロシア軍の猛攻撃を受けており、包囲の危機に直面している。

**

ANHA(8月19日付)が複数の地元筋の情報として伝えたところによると、この爆撃により車列が足止めを食ったことを受け、トルコ軍は別の車列をバーブ・ハワー国境通行所からシリア領内に進入させ、ハーン・シャイフーン市方面に向かわせた。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月19日付)によると、トルコ軍の車列は2回にわたり、シリア領内に入り、最初の車列はM5高速道路沿いに新たな監視所を設置し、シリア軍が反体制派の兵站路を遮断しないようにすることが、後続の車列はこれを支援することが目的だったという。

**

シリアの外務在外居住者省の情報筋は、SANA(8月19日付)に対して、トルコ軍車列の進入を「あからさまな主権侵害」と非難した。

また、クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)に近いANHA(8月19日付)は、M5高速道路沿いに新たな監視所を設置する試みが、ロシア、イランとトルコが交わした緊張緩和地帯設置合意に違反するものだと批判した。

**

SANA(8月19日付)やスプートニク・ニュース(8月19日付)は、シリア軍の爆撃を受けた車列が、イドリブ県南部やハマー県北部で活動を続けるシャーム解放機構などの戦闘員らの退路を確保するために進入したとしたうえで、実際にサラーキブ市でシャーム解放機構の戦車2輌を匿ったと伝えた。

AFP, August 19, 2019、ANHA, August 19, 2019、AP, August 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2019、Reuters, August 19, 2019、SANA, August 19, 2019、SOHR, August 19, 2019、Sputnik News, August 19, 2019、UPI, August 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍はイドリブ県南部の反体制派の拠点都市ハーン・シャイフーン市に突入、市内北部と東部の複数の街区を制圧、M5高速道路を寸断(2019年8月19日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が爆撃を激化させてから110日目を迎えた8月19日、シリア・ロシア軍は同地への攻撃を継続、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は70回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」30発を投下、ロシア軍も50回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は600発以上におよんだ。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より71人(民間人5人(うち女性0人、子供0人)、シリア軍兵士25人、反体制武装集団戦闘員41人)増えて3,663人となった。

うち、950人が民間人(女性172人、子供237人を含む)、1,253人がシリア軍兵士、1,460人が反体制武装集団戦闘員。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と親政権民兵がハーン・シャイフーン市内への進攻を開始し、シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などらなる「必勝」作戦司令室との激しい交戦の末、市内北部と東部の複数の街区を制圧した。

同地制圧は、反体制武装集団の撤退を受けたものだという。

ムラースィルーン(8月19日付)によると、これにより、シリア軍はアレッポ市とハマー市を結ぶM5高速道路を寸断することに成功した。

シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がヒーシュ村、マアッラト・ヌウマーン市、ハーン・シャイフーン市、タマーニア町、マアッルシューリーン村、ハーミディーヤ村、マアッラト・ハルマ村、タフターヤー村、マウカ村、ジャバーラー村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターで県南部各所に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もヒーシュ村、マアッラト・ヌウマーン市、ダイル・シャルキー村、カフルナブル市、ハーン・シャイフーン市を爆撃した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でラターミナ町、カフルズィーター市、ムーリク市に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県北部および北西部の戦闘地域を砲撃した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカッバーナ村一帯を砲撃した。

ロシア軍もカッバーナ村一帯を爆撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を36件(アレッポ県13件、ラタキア県20件、イドリブ県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を9件(アレッポ県5件、ハマー県4件)確認した。

AFP, August 19, 2019、ANHA, August 19, 2019、AP, August 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 19, 2019、Murasilun, August 19, 2019、Reuters, August 19, 2019、SANA, August 19, 2019、SOHR, August 19, 2019、UPI, August 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュ・メンバー多数がトルコの支援を受けてアフリーン郡(アレッポ県)で活動する殉教者バドル旅団に合流(2019年8月19日)

クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)に近いANHA(8月19日付)は、トルコの占領下にあるアレッポ県アフリーン市の独自情報筋の話として、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバー多数が、トルコの支援を受け、同地で活動する反体制武装集団の一つ殉教者バドル旅団に合流したと伝えた。

殉教者バドル旅団は、ダイル・ザウル県出身者を中心の構成されており、最近まで東部自由人連合に所属していた。

AFP, August 19, 2019、ANHA, August 19, 2019、AP, August 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2019、Reuters, August 19, 2019、SANA, August 19, 2019、SOHR, August 19, 2019、UPI, August 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから362人、ヨルダンから677人の難民が帰国、避難民8人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年8月19日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月19日付)を公開し、8月18日に難民1,039人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは362人(うち女性109人、子供185人)、ヨルダンから帰国したのは677人(うち女性203人、子供185人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は362,027人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者114,727人(うち女性34,574人、子ども58,436人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者247,300人(うち女性74,223人、子ども126,111人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 591,307人(うち女性177,455人、子供301,469人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,634,214人(うち女性1,990,264人、子供3,383,449人)。

**

一方、国内避難民8人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは6人(女性1人、子供4人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは2人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は44,757人(うち女性14,416人、子供20,403人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,303,821人(うち女性393,478人、子供659,949人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した2人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 19, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍はイドリブ県でシリア軍から爆撃を受けた直後、シリア軍ではなくアレッポ県のYPGを砲撃(2019年8月19日)

トルコ国防省は、ツイッターの公式アカウント(https://twitter.com/tcsavunma/)を通じて、声明を出し、車列がシリア軍戦闘機に狙われたこと直後に、アレッポ県北部に設置されているトルコ軍の部隊が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市一帯の人民防衛部隊(YPG)の拠点複数カ所を砲撃したと発表した。

この砲撃は、タッル・リフアト市一帯で活動するYPGが「ユーフラテスの盾」地域を攻撃していることへの対抗措置だという。

AFP, August 19, 2019、ANHA, August 19, 2019、AP, August 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2019、Reuters, August 19, 2019、SANA, August 19, 2019、SOHR, August 19, 2019、UPI, August 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリアのアル=カーイダに自治を委託されているシリア救国内閣は増加する国内避難民を保護する措置を決定、収容キャンプを増設(2019年8月18日)

イドリブ県を中心とする反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)における軍事・治安権限を握るシリアのアル=カーイダことシャーム解放機構に自治を委託されているシリア救国内閣(ファウワーズ・ヒラール首班)は緊急会合を開催し、シリア・ロシア軍の攻撃で増加を続ける国内避難民(IDPs)を保護するための一連の決定を下した。

シャーム解放機構に近いイバー・ネット(8月18日付)が伝えた。

シリア救国内閣が決定したのは、IDPsの発生に便乗した家賃の値上げを規制する措置、賃貸契約の契約破棄や立ち退きを規制する措置。

シリア救国内閣はまた、これと合わせてトルコとの国境に近い複数カ所に、1,000世帯を収容できるIDPsのための新たなセンターを開設した。

AFP, August 18, 2019、ANHA, August 18, 2019、AP, August 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 18, 2019、Reuters, August 18, 2019、SANA, August 18, 2019、SOHR, August 18, 2019、UPI, August 18, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国連使節団がルクバーン・キャンプに入り、避難民の生活状態、シリア政府支配地域への帰還の是非について調査(2019年8月18日)

国連の使節団が、シリア赤新月社とともに、米主導の有志連合の占領下にあるヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプに入り、キャンプ内で国内避難民(IDPs)の生活状況や、キャンプからシリア政府支配地域への帰還の是非についての意識調査を実施した。

キャンプの総務政治関係委員会の代表を務めるというシュクリー・シハーブ氏が、イナブ・バラディー(8月18日付)に述べたところによると、使節団がキャンプに到着したのは17日。

IDPsの実態調査を行う一方で、人道支援の搬入などについて総務政治関係委員会と協議したという。

この協議には、ヒムス県タドムル市部族評議会、地元評議会の代表も参加し、今月末までに人道支援を搬入することが合意されたという。

AFP, August 18, 2018、ANHA, August 18, 2019、AP, August 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 18, 2019、‘Inab Baladi, August 18, 2019、Reuters, August 18, 2019、SANA, August 18, 2019、SOHR, August 18, 2019、UPI, August 18, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ラッカ市、カーミシュリー市で北・東シリア自治局の治安部隊を狙った爆破事件が発生する一方、ラッカ県のシリア軍を拠点をダーイシュが襲撃(2019年8月18日)

ラッカ県では、「ラッカは沈黙によって惨殺される」(8月18日付)によると、北・東シリア自治局傘下のラッカ民政評議会所属の総合治安部隊のハファール・ジャマール司令官が乗った車が、ラッカ市内で何者かの襲撃を受け、ジャマール司令官が死亡、随行していた4人が負傷した。

**

ラッカ県では、ジュルフ・ニュース(8月18日付)によると、県東部の砂漠地帯に設置されたシリア軍拠点2カ所が、ダーイシュ(イスラーム国)の襲撃を受け、兵士5人が死亡、数十人が負傷した。

**

ハサカ県では、SANA(8月18日付)によると、北・東シリア自治局とシリア政府が共同支配するカーミシュリー市のアルバウィーヤ地区で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民多数が負傷した。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月18日付)によると、爆発はアルバウィーヤ地区の男子工業学校近くに設置されている北・東シリア自治局のアサーイシュの検問所を狙ったもので、隊員1人が死亡、複数が負傷した。

AFP, August 18, 2019、ANHA, August 18, 2019、AP, August 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 18, 2019、Jurf News, August 18, 2019、Raqqa-sl, August 18, 2019、Reuters, August 18, 2019、SANA, August 18, 2019、SOHR, August 18, 2019、UPI, August 18, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコとその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃(2019年8月18日)

アレッポ県では、ANHA(8月18日付)によると、トルコとその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のシャワーリガ村、マーリキーヤ村(いずれもアフリーン郡シャッラー村近郊)を砲撃した。

トルコ軍と反体制武装集団はまた、マルアナーズ村、アルカミーヤ村、アイン・ダクナ村、マンナグ村に対しても砲撃を行った。

一方、アフリーン解放軍団は声明を出し、17日にトルコ占領下のアフリーン市、マーリア市近郊、アアザーズ市でシャーム自由人イスラーム運動、シャーム戦線などの検問所、拠点、車輌を攻撃し、6人を殺害したと発表した。

AFP, August 18, 2019、ANHA, August 18, 2019、AP, August 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 18, 2019、Reuters, August 18, 2019、SANA, August 18, 2019、SOHR, August 18, 2019、UPI, August 18, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ占領下のアレッポ県北部で活動する反体制派の増援部隊が、シリアのアル=カーイダなどからなる反体制派を支援するためイドリブ県に到着(2019年8月18日)

トルコ占領下のいわゆる「ユーフラテスの盾」地域と「オリーブの枝」地域(アレッポ県北部)で活動する国民軍は、シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室を支援するため、増援部隊をイドリブ県に派遣、複数の活動家がその車列の写真を公開した。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月18日付)によると、イドリブ県に派遣されたのは、国民軍第1軍団に所属するハムザ師団、東部自由人連合の戦闘員数十人で、装甲車、重火器、中火器、軽火器を装備している。

AFP, August 18, 2019、ANHA, August 18, 2019、AP, August 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 18, 2019、Reuters, August 18, 2019、SANA, August 18, 2019、SOHR, August 18, 2019、UPI, August 18, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍が反体制派の拠点都市ハーン・シャイフーン市に迫るなか、ロシア軍はホワイト・ヘルメットの救急チーム、ウマイヤ朝カリフの廟などを爆撃(2019年8月18日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が爆撃を激化させてから109日目を迎えた8月18日、シリア・ロシア軍は同地への攻撃を継続、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は120回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」40発を投下、ロシア軍も65回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は1,500発におよんだ。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より101人(民間人4人(うち女性0人、子供1人)、シリア軍兵士35人、反体制武装集団戦闘員62人)増えて3,592人となった。

うち、945人が民間人(女性172人、子供237人を含む)、1,228人がシリア軍兵士、1,419人が反体制武装集団戦闘員。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が反体制派の拠点都市の一つハーン・シャイフーン市北西部に進攻し、反体制武装集団と激しく交戦した。

SANA(8月18日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構などからなる反体制武装集団との戦闘の末、ハーン・シャイフーン市西方を新たに制圧した。

ムラースィルーン(8月18日付)によると、シリア軍が制圧したのはハーン・シャイフーン市西のナール丘。

一方、シャーム解放機構のアブー・ハーリド・シャーミー報道官は報道向け声明を出し、シリア軍がハーン・シャイフーン市内に突入したとの一部情報を否定、シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室が、同市西のファキール村一帯でシリア軍、「イランの民兵」、「ロシアの民兵」と激しく交戦中だと発表した。

国民解放戦線のナージー・ムスタファー報道官(大尉)も、シリア軍をハーン・シャイフーン市西方の前線で撃退したと発表した。

なお、シリア人権監視団によると、シリア軍は戦闘機でハーン・シャイフーン市、ラカーヤー村、タッル・タルイー村、カフルサジュナ村、マアッラト・ヌウマーン市、マアッラト・ハルマ村、ハーミディーヤ村、タマーニア町、ヒーシュ村、ハーッス村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでシリア政府支配地域と反体制派支配地域の境界地帯に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もカフルサジュナ一帯、ダイル・シャルキー村、ハザーリーン村、ヒーシュ村、シャイフ・ダーミス村、ハーン・シャイフーン市、タッル・マンス村、ハーミディーヤ村、ハーッス村を爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月18日付)によると、ロシア軍戦闘機はマアッラト・ヌウマーン市を爆撃した後、負傷者の救出に駆けつけたホワイト・ヘルメットの救急チームに対しても爆撃を加え、市民1人を殺害、隊員2人を負傷させたという。

ロシア軍はまたダイル・シャルキー村にあるウマル・ブン・アブドゥルアズィーズ(ウマイヤ朝第8代カリフ)の廟を爆撃した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルズィーター市、ラターミナ町、ムーリク市、ラハーヤー村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県北部および北西部の戦闘地域を砲撃した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯に「樽爆弾」を投下するとともに、地上部隊が同地を砲撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を35件(アレッポ県15件、イドリブ県2件、ラタキア県18件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を11件(イドリブ県2件、ハマー県9件)確認した。

AFP, August 18, 2019、ANHA, August 18, 2019、AP, August 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 18, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 18, 2019、Murasilun , August 18, 2019、Reuters, August 18, 2019、SANA, August 18, 2019、SOHR, August 18, 2019、UPI, August 18, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから312人、ヨルダンから647人の難民が帰国、避難民0人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年8月18日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月18日付)を公開し、8月17日に難民959人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは312人(うち女性94人、子供159人)、ヨルダンから帰国したのは647人(うち女性194人、子供330人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は360,988人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者114,365人(うち女性34,465人、子ども58,251人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者246,623人(うち女性74,020人、子ども125,766人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 590,268人(うち女性177,143人、子供300,939人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,634,214人(うち女性1,990,264人、子供3,383,449人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 18, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県ブーカマール市近郊のイラン・イスラーム革命防衛隊の拠点が所属不明の航空機の爆撃を受ける(2019年8月17日)

ダイル・ザウル県では、ユーフラテス・ポスト(8月17日付)によると、所属不明の航空機が、県南東部のブーカマール市近郊のイラン・イスラーム革命防衛隊の拠点の一つに対して爆撃を行った。

この爆撃で「イランの民兵」多数が死傷、ブーカマール市のムシャーハダ地区にあるクドス病院に死傷者を搬送する車輌複数が目撃されたという。

AFP, August 17, 2019、ANHA, August 17, 2019、AP, August 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 17, 2019、Euphrates Post, August 17, 2019、Reuters, August 17, 2019、SANA, August 17, 2019、SOHR, August 17, 2019、UPI, August 17, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍士官「イドリブ県はトルコの保護下にある…。監視所は撤退させない」(2019年8月17日)

イドリブ県のマアッラト・ヌウマーン市近郊に設置されたトルコ軍監視所に駐留するトルコ軍士官は、同県南部に対するシリア・ロシア軍の攻勢に関して、「イドリブ県はトルコの保護下にある」と述べた。

この士官は「トルコ軍監視所は確固たるもので、決して移転はしない。たとえ事態がさらに悪化しようとも、どの監視所も撤退させない…。監視所はロシアとの合意に基づき、シリア軍がイドリブ県に進軍するのを阻止するために設置された」と強調した。

アナトリア通信(8月17日付)が伝えた。
https://eldorar.com/sites/default/files/styles/696×367/public/79741020171108101040580.jpg?itok=7KKNg9IN

AFP, August 17, 2019、Anadolu Ajansı, August 17, 2019、ANHA, August 17, 2019、AP, August 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 17, 2019、Reuters, August 17, 2019、SANA, August 17, 2019、SOHR, August 17, 2019、UPI, August 17, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ジェフリー米国務省シリア問題担当特使「安全地帯が設置されれば、YPGは対トルコ国境地帯から遠ざけられる」(2019年8月17日)

ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使はワシントンDCにあるアスペン研究所でのフォーラムで、シリア北東部での「安全地帯」設置に向けてトルコと合同作戦センターを開設したことに関して言及、米国が全面支援を続ける人民防衛部隊(YPG)を国境地帯から遠ざける、と述べた。

ジェフリー特使は「米国とトルコが行っている役割には違いがある…。YPGは米国の同盟者であり、米国とトルコは逆の立場をとっている。…YPGはクルディスタン労働者党(PKK)から派生しており、トルコは彼らを「テロリスト」とみなしている。これに対して、我々は彼らシリア自民が「テロリスト」だとは思っていない…。YPGは米国のテロ・ブラックリストにも国連のリストにも記載されていない。トルコは我が国そして同盟国にこの組織との関係を絶つよう要請している…。「安全地帯」が設置されれば、YPGは対トルコ国境地帯から遠ざけられるだろう」と述べた。

AFP, August 17, 2019、ANHA, August 17, 2019、AP, August 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 17, 2019、Reuters, August 17, 2019、SANA, August 17, 2019、SOHR, August 17, 2019、UPI, August 17, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

チュニジア大統領選挙における最有力候補のズバイディー国防大臣は在ダマスカス大使館再開を公約として掲げる(2019年8月17日)

チュニジア大統領選挙における最有力候補のアブドゥルカリーム・ズバイディー国防大臣はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/AbdelkrimZbidi/)で、シリアとの関係について「ダマスカスに我が国の大使館を再開する」という公約を発表した。

https://www.facebook.com/AbdelkrimZbidi/posts/362976191309835?__xts__%5B0%5D=68.ARCMxOaLT9wwqnZgznVuUSPIl0zTdL6g5kV3iMsVtAh0tTGFw3njlQyXZeN1XpGAPqxohc8QgwzNW-G15qyiwdUzgwrC6jQhmXtnGQWc5kOmmfPQ3DC0owgAXSjRy1ZsmI8TCOFFSg_swgCNGxyPJjEaaPPLlqLyyvZAp5j-XO9_YFU12BoOrs3kedRSiG4YfLs8_nxP0yLJmxn7Q9UJF5Qp_nvKgseyx6lHDKFXr6IKfz73rgS_QUbnhckUCtmdxasljOlOA-xbux1CUUEBhlNubN6Q2sq8UWTZyNZhAakxXNHpLParBV-ZOmqF265hnnhVxaVooFoE3deo_sv1bt0&__tn__=-R

AFP, August 17, 2019、ANHA, August 17, 2019、AP, August 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 17, 2019、Reuters, August 17, 2019、SANA, August 17, 2019、SOHR, August 17, 2019、UPI, August 17, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ占領下のアアザーズ市(アレッポ県)で爆発が発生、トルコ軍と反体制派は北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市を砲撃(2019年8月17日)

アレッポ県では、ANHA(8月17日付)によると、トルコの占領下にあるアアザーズ市で車に仕掛けられた爆弾が爆発し、複数の死傷者が出た。

一方、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団は、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市を砲撃した。

この砲撃で、砲弾3発がロシア軍が駐留している拠点1カ所にも着弾したという。

トルコ軍と反体制武装集団はまた、タッル・リフアト市近郊のザイワーン村、タッル・マディーク村に対しても砲撃を行った。

これに対して、アフリーン解放軍団は声明を出し、トルコの占領下にあるマーリア市近郊でトルコの支援を受ける反体制武装集団の拠点複数カ所を攻撃し、戦闘員3人を殺害、2人を負傷させたと発表した。

AFP, August 17, 2019、ANHA, August 17, 2019、AP, August 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 17, 2019、Reuters, August 17, 2019、SANA, August 17, 2019、SOHR, August 17, 2019、UPI, August 17, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県での爆撃・戦闘で106人が死亡(うち民間人33人)する一方、シリア軍はハーン・シャイフーン市近郊の2カ村を制圧(2019年8月17日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が爆撃を激化させてから108日目を迎えた8月17日、シリア・ロシア軍は同地への攻撃を継続、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア軍戦闘機・ヘリコプターによる爆撃回数(「樽爆弾」投下を含む)は135回を記録、ロシア軍も50回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は1,000発以上におよんだ。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より106人(民間人33人(うち女性2人、子供7人)、シリア軍兵士9人、反体制武装集団戦闘員17人)増えて3,491人となった。

うち、941人が民間人(女性172人、子供236人を含む)、1,193人がシリア軍兵士、1,357人が反体制武装集団戦闘員。

**

イドリブ県では、SANA(8月17日付)によると、シリア軍はシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦し、ハーン・シャイフーン市一帯地域を新たに制圧した。

シリア軍が新たに解放したのは、ウンム・ザイトゥーン、アービディーン村。

https://youtu.be/BvpshajwVJU

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機・ヘリコプターがハーン・シャイフーン市、ラカーヤー村、ヒーシュ村、カフルサジュナ村、シャイフ・ムスタファー村、タッル・タルイー村、マアッラト・ハルマ村、マアッルシューリーン村、ダイル・シャルキー村、ハザーリーン村、タマーニア町、アーミリーヤ村、タッル・マンス村一帯を爆撃した。

またシリア軍は地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もマアッラト・ヌウマーン市一帯、カルサア村、ラカーヤー・サジュナ村、ウライニバ村、アービディーン村一帯、タッル・タルイー村、タマーニア町、カフルナブル市一帯、ハザーリーン村、マアッラト・ハルマ村、ヒーシュ村を爆撃した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機・ヘリコプターがラターミナ町を爆撃した。

またシリア軍は地上部隊が県北部および北西部の戦闘地域を砲撃した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカッバーナ村一帯を砲撃した。

ロシア軍がカッバーナ村一帯を爆撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を32件(アレッポ県12件、イドリブ県4件、ラタキア県16件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を10件(イドリブ県3件、ハマー県7件)確認した。

AFP, August 17, 2019、ANHA, August 17, 2019、AP, August 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 17, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 17, 2019、Reuters, August 17, 2019、SANA, August 17, 2019、SOHR, August 17, 2019、UPI, August 17, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから374人、ヨルダンから527人の難民が帰国、避難民2人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年8月17日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月17日付)を公開し、8月16日に難民901人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは374人(うち女性112人、子供191人)、ヨルダンから帰国したのは527人(うち女性158人、子供269人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は360,029人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者114,053人(うち女性34,371人、子ども58,092人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者245,976人(うち女性73,826人、子ども125,436人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 589,309人(うち女性176,855人、子供300,450人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,634,214人(うち女性1,990,264人、子供3,383,449人)。
**
一方、国内避難民2人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは2人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は44,748人(うち女性14,415人、子供20,399人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,303,813人(うち女性393,477人、子供659,945人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した2人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 17, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.