シャーム解放機構、国民解放戦線などからなる「必勝」作戦司令室はシリア軍による攻撃再開に備え、住民に前線からの退去を求める(2019年8月3日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)、トルコの後援を受ける国民解放戦線、「穏健な反体制派」として知られるイッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室は声明を出し、シリア政府支配地域に接する緊張緩和地帯境界地域に住む民間人に避難を続けるよう呼びかけた。

声明は、シリア軍とシリア軍事革命諸勢力代表団(アスタナ会議に参加する反体制派の代表団)がロシア・トルコの仲介により停戦合意(8月2日0:00発効)を交わしたのを受けたもの。

声明では、緊張緩和地帯境界地域に住む民間人に対して、戦闘員への攻撃の可能性があるため、前線地域に留まらないよう警告している。

AFP, August 3, 2019、ANHA, August 3, 2019、AP, August 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 3, 2019、Reuters, August 3, 2019、SANA, August 3, 2019、SOHR, August 3, 2019、UPI, August 3, 2019などをもとに作成。

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国民解放戦線報道官はアレッポ市内で「イランの民兵」と「ロシア」が交戦し、「ロシア」が同地を完全撤退したと主張(2019年8月3日)

国民解放戦線報道官のアブドゥッサラーム・アブドゥッラッザーク大尉(ヌールッディーン・ザンキー運動)は、ツイッターのアカウント(https://twitter.com/abdulslamabdul7/)で、アレッポ市のハムダーニーヤ地区で「イランの民兵」と「ロシア」が激しく交戦、後者がアレッポ市から完全撤退したと綴った。

アブドゥッラッザーク大尉によると、戦闘では「イランの民兵」が機関銃や迫撃砲を使用し、双方に多数の死傷者が出た末、「ロシア」は撤退を決定し、3日までにアレッポ市内に展開していた部隊は、航空機で同地を後にしたという。

https://twitter.com/abdulslamabdul7/status/1157364926949842946?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1157364926949842946&ref_url=https%3A%2F%2Feldorar.com%2Fnode%2F138728

AFP, August 3, 2019、ANHA, August 3, 2019、AP, August 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 3, 2019、Reuters, August 3, 2019、SANA, August 3, 2019、SOHR, August 3, 2019、UPI, August 3, 2019などをもとに作成。

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トルコ占領下のバーブ市近郊とアアザーズ市近郊で反体制武装集団を狙った爆発が発生し、戦闘員2人が死亡(2019年8月3日)

アレッポ県では、ANHA(8月3日付)によると、トルコ占領下のバーブ市内北部にある学校近くで、シャーム軍団の戦闘員の車を狙った爆発が発生し、戦闘員1人が死亡、3人が負傷した。

また、トルコ占領下のアアザーズ市近郊のトゥルクマーン・バーリフ村で、トルコの支援を受ける国民軍傘下の憲兵隊幹部の車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、1人が死亡、1人が負傷した。

一方、トルコの支援を受けるいわゆる「ユーフラテスの盾」作戦司令部所属組織が、トルコ占領下のウーラーシュリー村から北・東シリア自治局支配下のマンビジュ市西方のカーウカリー村に向かって発砲、女性1人が負傷した。

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ハサカ県では、ANHA(8月3日付)によると、北・東シリア自治局支配下のシャッダーディー市でオートバイに仕掛けられた爆弾が爆発した。

AFP, August 3, 2019、ANHA, August 3, 2019、AP, August 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 3, 2019、Reuters, August 3, 2019、SANA, August 3, 2019、SOHR, August 3, 2019、UPI, August 3, 2019などをもとに作成。

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ヒムス県のシャイーラート航空基地で「技術的なミス」により爆発が発生し、多数が死亡(2019年8月3日)

ヒムス県では、SANA(8月3日付)によると、シャイーラート航空基地で爆発が発生し、多数が死亡した。

爆発は利用期限が過ぎた弾薬を搬出し、新たな弾薬に交換しようとしていた際に、技術的ミスにより発生したという。

AFP, August 3, 2019、ANHA, August 3, 2019、AP, August 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 3, 2019、Reuters, August 3, 2019、SANA, August 3, 2019、SOHR, August 3, 2019、UPI, August 3, 2019などをもとに作成。

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停戦発効から2日目を迎え、シリア・ロシア軍は爆撃を控えるが、各所で散発的な戦闘が発生、シリア軍兵士1人が死亡(2019年8月3日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア軍とシリア軍事革命諸勢力代表団(アスタナ会議に参加する反体制派の代表団)の停戦がロシア・トルコの仲介により発効してから2日目を迎え、シリア・ロシア軍の爆撃は行われなかったが、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の戦闘は続いた。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より1人(民間人0人、シリア軍兵士1人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて2,917人となった。

うち、865人が民間人(女性160人、子供215人を含む)、983人がシリア軍兵士、1,069人が反体制武装集団戦闘員。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がラターミナ町、カフルズィーター市、ザカート村、ムスタリーハト・アファーミヤー村などを砲撃した。

これに対して、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団はジャビーン村近郊でシリア軍の戦車をミサイルで破壊したほか、タッル・フワーシュ村を砲撃した。

反体制武装集団はまた、ハークーラ村でシリア軍兵士を狙撃し、殺害した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がカッサービーヤ村一帯を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府支配下のアレッポ市ナイル通り地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾した。

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ダルアー県では、ハウラーン自由人連合のフェイスブック/アカウント(HFL)によると、国防隊が人民諸委員会の支援を受けてサナマイン市の北部地区への進入を試み、市内に留まっている反体制活動家たちと戦闘になった。

AFP, August 3, 2019、ANHA, August 3, 2019、AP, August 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 3, 2019、HFL, August 3, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 3, 2019、Reuters, August 3, 2019、SANA, August 3, 2019、SOHR, August 3, 2019、UPI, August 3, 2019などをもとに作成。

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シリアのアル=かーイダと目されるシャーム解放機構はアスタナ13会議に参加する反体制派とシリア政府の停戦に従うと暗に表明(2019年8月2日)

イドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンの軍事・治安権限を握るシリアのアル=カーイダのシャーム解放機構は声明を出し、8月2日0:00に発効したシリア政府とシリア軍事革命諸勢力代表団の停戦合意に関して、「犯罪者である政権が90日以上にわたり北部解放区に軍事攻撃を続けた末に昨日(木曜日)に停戦すると発表し、その失敗と挫折を宣言した」と発表、「北部解放区の都市や町に何らかの砲撃、攻撃があれば、我々の側から停戦は破棄され、我々は報復権を有する」と発表した。

AFP, August 2, 2019、ANHA, August 2, 2019、AP, August 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 2, 2019、Reuters, August 2, 2019、SANA, August 2, 2019、SOHR, August 2, 2019、UPI, August 2, 2019などをもとに作成。

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トルコが後援する国民解放戦線はアスタナ13会議に参加する反体制派とシリア政府の停戦に従うと表明(2019年8月2日)

トルコが後援する国民解放戦線は声明を出し、8月2日0:00に発効したシリア政府とシリア軍事革命諸勢力代表団(アスタナ13会議における反体制武装集団の代表)の停戦合意に関して、イドリブ県を中心とする反体制派支配地域を掌握しようとする軍事攻勢に失敗した「彼ら(シリア政府とロシア)の側から停戦を宣言してきた」としたうえで、「我々は武器を安め、我らムジャーヒディーンが負傷者を癒やし、家族を避難させ、今後に備える機会を与えるともに、我々の敵が考えるあらゆる愚行に対抗するために引き金に手をかけ続ける」と表明した。

AFP, August 2, 2019、ANHA, August 2, 2019、AP, August 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 2, 2019、Reuters, August 2, 2019、SANA, August 2, 2019、SOHR, August 2, 2019、UPI, August 2, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃(2019年8月2日)

アレッポ県では、ANHA(8月2日付)によると、トルコ軍とその支援を支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のバルーニーヤ村、ハルバル村、シャイフ・イーサー村を砲撃し、住宅などが被害を受けた。

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一方、アフリーン解放軍団が声明を出し、31日にシーラーワー町近郊のキーマール村でトルコ軍の拠点2カ所に対する攻撃を行い、トルコ軍兵士3人を殺害、4人を負傷させたと発表した。

ANHA(8月2日付)が伝えた。

AFP, August 2, 2019、ANHA, August 2, 2019、AP, August 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 2, 2019、Reuters, August 2, 2019、SANA, August 2, 2019、SOHR, August 2, 2019、UPI, August 2, 2019などをもとに作成。

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ジャアファリー国連シリア代表「トルコは1万人以上をシリア各所に駐留させている。この占領は敵対行為であり、シリアは報復権を有する」(2019年8月2日)

シリア政府代表団の団長を務めるバッシャール・ジャアファリー国連シリア代表は、アスタナ13会議閉幕後の記者会見で、2018年9月のソチでのロシア・トルコ首脳会談での合意(非武装地帯設置などにかかる合意)をトルコが履行するのを際限なく待つことはないとしたうえで、シリア国民がイドリブ県でのテロ根絶を求めていると述べた。

ジャアファリー国連代表は、ロシア、イランなどとの協議内容が閉幕声明に適切に反映されているとしたうえで、トルコにロシア・トルコ首脳会談での合意を履行し、非武装地帯からの重武装の撤去、そして戦闘員、とりわけ外国人戦闘員の退去を求めた。

ジャアファリー国連代表はまた、トルコが現在、シリア領内各所に1万655人の将兵、戦車166輌、装甲車278輌、武装車輌73台、対戦車ミサイル発射台41基を配置していると指摘、緊張緩和地帯に12の監視所、280人の憲兵を配置することのみを定めたアスタナ会議の合意に違反していると非難、シリアはこうした占領を敵対行為をみなし、シリアはこれに報復する権利を有すると主張した。


SANA(8月2日付)やANHA(8月2日付)が伝えた。

AFP, August 2, 2019、ANHA, August 2, 2019、AP, August 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 2, 2019、Reuters, August 2, 2019、SANA, August 2, 2019、SOHR, August 2, 2019、UPI, August 2, 2019などをもとに作成。

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ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使「我々はクルド勢力とシリア政府の対話を支持している。この点がほかの当事者の姿勢と異なる」(2019年8月2日)

ロシア代表団の団長を務めるアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使は、アスタナ13会議閉幕後の記者会見で、イドリブ県の大部分が「テロリスト」に掌握され、数十万の市民が人質に取られていると指摘した。

ラヴレンチエフ特使は、会議において、シリア国内での「テロとの戦い」について重大な関心が寄せられたとしたうえで、イドリブ県の大部分が「テロリスト」に掌握され、数十万の市民が人質に取られていると指摘した。

また、米国をはじめとする西側諸国に対して、ダーイシュ(イスラーム国)に対する「テロとの戦い」を口実にシリアに駐留することを止め、違法な駐留部隊を撤退させるよう求めた。

さらに、国際社会は難民と国内避難民の帰還を促すべきだと述べた。

一方、北・東シリア自治局の存在については、「我々はシリア政府と彼らの対話を支持している。この点がほかの当事者の姿勢と異なる」と述べた。

SANA(8月2日付)やANHA(8月2日付)が伝えた。

AFP, August 2, 2019、ANHA, August 2, 2019、AP, August 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 2, 2019、Reuters, August 2, 2019、SANA, August 2, 2019、SOHR, August 2, 2019、UPI, August 2, 2019などをもとに作成。

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アスタナ13会議が閉幕し、シャーム解放機構などのテロ組織の完全根絶と、クルド民族主義勢力による分離主義的アジェンダの拒否などを確認(2019年8月2日)

カザフスタンの首都ヌルスルターンで8月2日に開幕したアスタナ13会議は2日の日程を終え、会議の保障国であるロシア、トルコ、イランが閉幕声明を発表し、閉会した。

閉幕声明の骨子は以下の通り:


1. アスタナ会議の保障国であるロシア、トルコ、イランは、イドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンで民間人を含む犠牲者が出ていることに遺憾を表明し、民間人を保護するための実質的な措置を講じることで合意した。

2. シリアのアル=カーイダであるシャームの民のヌスラ戦線(現シャーム解放機構)が緊張緩和地帯第1ゾーンで影響力を増大させていることに懸念を表明する。

3. シリアの主権、独立、領土の統一性と保全を遵守する。

4. 国連憲章および、イスラエルによるゴラン高原の併合を非難・拒否した国連安保理決議第497号を含む国連安保理での諸決議を遵守する。

5. ダーイシュ(イスラーム国)、ヌスラ戦線、アル=カーイダとダーイシュとつながりのあるすべての組織・個人などのテロ組織を完全に根絶するまで協力を続ける。

6. 2018年9月のソチでのロシア・トルコ首脳会談での合意(非武装地帯などにかかる合意)を含む一連の合意を実施し、イドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンで事態収拾を図ることの必要を強調する。

7. ユーフラテス川以東地域(ジャズィーラ地方)に関して、シリアの主権と領土保全に抵触する分離主義的アジェンダを拒否する。

8. 国連安保理決議第2254号および、2018年1月のソチでのシリア国民対話大会での決定を踏まえて、制憲委員会設置など、シリア人による政治プロセスを推進させる。

9. 国連および人道機関に人道支援の増加、インフラ復旧などへの支援強化を求める。

なお、アスタナ13会議には、イラクとレバノンが初めてオブザーバーを参加させ、閉幕声明では、両国の参加に歓迎の意が表された。

アスタナ14会議は10月開催をめざすという。

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『シャルク・アウサト』(8月3日付)は、複数の外交筋の話として、会議では、トルコがシャーム解放機構、ダーイシュ(イスラーム国)、そしてアル=カーイダやダーイシュとつながりがある組織の殲滅に向けた協力の強化をロシアに確約、これに対してロシアは緊張緩和地帯境界地帯に配置されているトルコ軍の12の監視所の安全を保証したと伝えた。

AFP, August 2, 2019、ANHA, August 2, 2019、AP, August 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 2, 2019、Reuters, August 2, 2019、SANA, August 2, 2019、al-Sharq al-Awsat, August 3, 2019、SOHR, August 2, 2019、UPI, August 2, 2019などをもとに作成。

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反体制武装集団はアサド前大統領の生地であるカルダーハ市近郊のバシュラーマー村を砲撃し、市民1人が死亡、3人が負傷(2019年8月2日)

ラタキア県では、SANA(8月2日付)によると、緊張緩和地帯第1ゾーンでの停戦発効(2日0:00)の約7時間後の2日早朝、反体制武装集団がイドリブ県のシャフシャブー山一帯から地中海方面に向けてロケット弾5発を発射、うち1発がハーフィズ・アサド前大統領の生地であるカルダーハ市近郊のバシュラーマー村に着弾し、市民1人が死亡、3人が負傷した。

AFP, August 2, 2019、ANHA, August 2, 2019、AP, August 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 2, 2019、Reuters, August 2, 2019、SANA, August 2, 2019、SOHR, August 2, 2019、UPI, August 2, 2019などをもとに作成。

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停戦合意の発効を受け、シリア・ロシア軍は爆撃を停止するも、ハマー県、イドリブ県で散発的戦闘が発生(2019年8月2日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから93日目となる8月2日、シリア軍とシリア軍事革命諸勢力代表団(アスタナ会議に参加する反体制派の代表団)の停戦がロシア・トルコの仲介により発効したことを受け、シリア・ロシア軍は爆撃を停止したが、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の戦闘は続き、双方が撃った砲撃は410発におよんだ。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より1人(民間人1人、シリア軍兵士は0人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて2,196人となった。

うち、856人が民間人(女性160人、子供215人を含む)、982人がシリア軍兵士、1,069人が反体制武装集団戦闘員。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカフルズィーター市、ザカート村、ラハーヤー村、アルバイーン村、ラターミナ町、ラトミーン村、シャリカ村を砲撃した。

これに対して反体制武装集団はジューリーン村、タッル・フワーシュ村、フワイズ村、カルカート村を砲撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(8月2日付)は、シリア軍が停戦合意に違反し、ラトミーン村、ザカート村、アルバイーン村、ザイズーン村、カフルズィーター市を砲撃し、市民1人が負傷したと伝えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がシャッアーラ村、ムシャイリファ村、ハーン・シャイフーン市、カッサービーヤ村、フバイト村を砲撃、イウジャーズ村、ムシャイリファ村一帯で反体制武装集団と交戦した。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月2日付)は、シリア軍が停戦合意に違反し、ビダーマー町を砲撃したが、これに対してシャーム解放機構は応戦しなかったと伝えた。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 2, 2019をもとに作成。

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アスタナ会議に出席する反体制派「シリア軍事革命諸勢力代表団」幹部はカザフスタンで記者会見を開き、北・東シリア自治局への敵意を露わにする(2019年8月1日)

シリア軍事革命諸勢力代表団は8月2日と3日にカザフスタンの首都ヌルスルターンで開催されるロシア、トルコ、イラン仲介によるアスタナ13会議に参加するのに先だって、ヌルスルターンで会合を開き、その後記者会見を行った。

記者会見に臨んだのは、シリア革命反体制勢力国民連立のアブドゥルハリーム・バッシャール副代表、アラブ部族評議会のラーミー・ドゥーシュ議長、アフリーン地区評議会のサイード・スライマーン議長。

北・東シリア自治局とシリア政府の関係に関して,バッシャール氏は、シリア政府がシリア民主軍との間に、クルド人の革命への参加阻止、クルド・アラブ抗争の煽動などで合意したと主張、シリア民主軍がラッカ県、ダイル・ザウル県、アレッポ県マンビジュ郡で殺戮、暴行を行うことでアラブ人とクルド人の関係が悪化したと断じた。

そのうえで、ユーフラテス川東岸に「安全地帯」を設置しようとするトルコと米国の動きに支持を表明し、シリア民主軍のテロを抑止することでこの地域を安定させ、同地が地元住民からなる評議会によって運営されるべきだと主張した。

制憲委員会に関しては、現在具体的な視点は見られないとしつつ、ロシアとトルコの高官によると、合意はなされ、まもなく設置が発表されると明かした。

だが、一度制憲委員会が設置されれば、シリア政府はこれに反対し、妨害すると主張、シリア政府は政治移行の真のパートナーとはなり得ないと強調した。

ドゥーシュ氏は、ユーフラテス川以東地域の状況について言及、この地域を、クルド人とアラブ人が混住するトルコ国境地帯と、アラブ人のみが暮らす南部地帯(ユーフラテス渓谷、ダイル・ザウル県、ラッカ県など)に分離すべきだと主張した。

そのうえで、アラブ部族評議会はシリア民主軍との共存は不可能だと強調した。

スライマーン氏は、アフリーン郡情勢について言及、シリア民主軍がこの地域の安定を揺るがそうとしていると批判したうえで、ユーフラテス川以東地域でのトルコによる軍事作戦開始と合わせて、アフルーン市でシリア民主軍の活動が活発化しかねないことへの懸念を示した。

クッルナー・シュラカー(8月1日付)が伝えた。

AFP, August 1, 2019、ANHA, August 1, 2019、AP, August 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 1, 2019、Reuters, August 1, 2019、SANA, August 1, 2019、SOHR, August 1, 2019、UPI, August 1, 2019などをもとに作成。

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シリア政府代表団がアスタナ13会議に出席するためにカザフスタン入り(2019年8月1日)

8月2、3日にカザフスタンの首都ヌルスルターンで開催されるアスタナ13会議に出席するため、シリア政府代表団が現地入りした。

バッシャール・ジャアファリー国連シリア代表が率いるシリア政府代表団は、アレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使が代表を務めるロシアの代表団と、アスガル・ハージー外務大臣補(政務担当)率いるのイランの代表団と個別に会談した。

シリア代表団はまた、今回からアスタナ会議に参加することがきまった、イラクの代表団(ハイダル・マンスール駐ロシア・イラン大使が代表)とも会談した。

SANA(8月1日付)が伝えた。

AFP, August 1, 2019、ANHA, August 1, 2019、AP, August 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 1, 2019、Reuters, August 1, 2019、SANA, August 1, 2019、SOHR, August 1, 2019、UPI, August 1, 2019などをもとに作成。

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シリア国民連合広報局長はアスタナ13会議に出席する反体制派「軍事革命諸勢力代表団」が緊張緩和地帯第1ゾーンでの停戦に同意したと発表(2019年8月1日)

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ラマダーン広報局長はツイッターのアカウント(https://twitter.com/ramadansyria)を通じて声明を出し、アスタナ13会議に参加するシリア軍事革命諸勢力代表団が、緊張緩和地帯第1ゾーンでシリア政府側と停戦することに同意したと発表した。

ラマダーン広報局長は「アサド政権が攻撃を停止するとのロシア側の誓約を受け、シリア北部での停戦が今日の深夜(8月1日24:00、8月25日0:00)に開始される」、「イドリブ県および緊張緩和地帯は今日の深夜から停戦に入る。軍事的に失敗したロシアは市民に対するアサドの民兵の攻撃、さらには空爆を停止させると誓約した」と綴った。

(書き込みは8月3日現在確認できない)

AFP, August 1, 2019、ANHA, August 1, 2019、AP, August 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 1, 2019、Reuters, August 1, 2019、SANA, August 1, 2019、SOHR, August 1, 2019、UPI, August 1, 2019などをもとに作成。

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SANAはシリア軍筋の情報としてイドリブ県、ハマー県北部および北西部、アレッポ県西部、ラタキア県北東部からなる緊張緩和地帯第1ゾーンで停戦が「条件付き」で合意されたと伝える(2019年8月1日)

SANA(8月1日付)は、軍情報筋の話として、イドリブ県、ハマー県北部および北西部、アレッポ県西部、ラタキア県北東部からなる緊張緩和地帯第1ゾーンで停戦が合意されたと伝えた。

停戦合意は、2018年9月17日のソチでのロシア・トルコ首脳会談での合意(非武装地帯設置にかかる合意)を条件とする。

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ソチでの合意は以下10項目からなる:

1. イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)を維持するとともに、トルコの監視所を強化、その活動を継続させる。
2. ロシアは、イドリブ県に対する軍事作戦と攻撃の実施を回避し、現状を維持するために必要なあらゆる措置を講じる。
3. 幅15〜20キロからなる非武装地帯(地図1を参照)を設置する。
4. 非武装地帯の境界線については、継続協議をもって画定する。
5. 10月15日までに非武装地帯内からすべての過激なテロ集団を排除する。
6. 10月10日までに非武装地帯から当事者が保有するすべての戦車、多連装ロケット砲、大砲、迫撃砲を撤去する。
7. トルコ軍部隊とロシア軍憲兵隊は、無人航空機を使用して非武装地帯で連携パトロールを実施し、監視活動に取り組む。合わせて、両部隊は、地元住民や物資の自由な移動を保障し、通商経済活動再開のために活動する。
8. 2018年末までにM4高速道路(アレッポ市・ラタキア市間)とM5高速道路(アレッポ市・ハマー市間)の輸送ルートを再開する。
9. イドリブ県の緊張緩和地帯内での停戦を持続させるための措置を講じる。そのために、イラン・ロシア・トルコの合同調整センターの任務を強化する。
10. ロシアとトルコは改めて、シリア国内であらゆるかたちでテロと戦う決意を確認する。

AFP, August 1, 2019、ANHA, August 1, 2019、AP, August 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 1, 2019、Reuters, August 1, 2019、SANA, August 1, 2019、SOHR, August 1, 2019、UPI, August 1, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アスタナ13会議を翌日に控え、シリア・ロシア軍はイドリブ県、ハマー県への砲撃を続ける一方、シリア軍と反体制派が激しく交戦、市民9人を含む55人が死亡(2019年8月1日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから92日目となる8月1日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より55人(民間人9人(うち女性2人、子供4人)、シリア軍兵士25人減少!、反体制武装集団戦闘員31人)増えて2,195人となった。

うち、864人が民間人(女性160人、子供215人を含む)、982人がシリア軍兵士、1,069人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は72回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」53発を投下、ロシア軍も25回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は620発におよんだ。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市、カフルナブル市、マアッラト・ヌウマーン市に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊がジルス・シュグール市を砲撃し、女児2人が死亡した。

ロシア軍もハーン・シャイフーン市、バスィーダー村を爆撃した。

一方、クッルナー・シュラカー(8月1日付)によると、ロシア軍特殊部隊がマアッラト・ヌウマーン市近郊のスィンジャール町一帯に潜入しようとしたが、シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室がこれを撃破した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でムーリク市、カフルズィーター市、ラターミナ町、ラトミーン村、ザカート村、アルバイーン村、ハスラーヤー村一帯に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでムーリク市、カフルズィーター市、ラターミナ町、ザカート村、アルバイーン村、ラトミーン村、ハスラーヤー村一帯に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県北部と北西部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もカフルズィーター市、ラターミナ町を爆撃した。

この戦闘により、シリア軍はハスラーヤー村を制圧した。

クッルナー・シュラカー(8月1日付)によると、ラトミーン村に対するシリア軍の爆撃で市民1人が死亡した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯に「樽爆弾」を投下した。

ロシア軍もカッバーナ村一帯を爆撃した。

一方、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(8月1日付)によると、シャーム解放機構がクバイナ丘一帯でシリア軍の進軍を阻止し、兵士18人を殺害した。

AFP, August 1, 2019、ANHA, August 1, 2019、AP, August 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 1, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 1, 2019、Reuters, August 1, 2019、SANA, August 1, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, August 1, 2019、SOHR, August 1, 2019、UPI, August 1, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから385人、ヨルダンから1,197人の難民が帰国、避難民261人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者261人)が帰宅(2019年8月1日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月1日付)を公開し、7月31日に難民1,582人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは385人(うち女性109人、子供185人)、ヨルダンから帰国したのは1,197人(うち女性357人、子供607人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は333,733人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者107,945人(うち女性20,409人、子ども34,371人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者225,788人(うち女性39,481人、子ども67,059人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 563,013人(うち女性155,711人、子供264,502人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,637,757人(うち女性1,991,327人、子供3,385,256人)。

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一方、国内避難民261人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは261人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は44,736人(うち女性14,413人、子供20,398人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,303,554人(うち女性388,939人、子供652,319人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した261人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は261人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 1, 2019をもとに作成。

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