ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領が電話会談:イドリブ県情勢への対応で食い違う見解(2020年2月21日)

ロシア大統領府は声明を出し、ヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が21日晩に電話会談を行い、イドリブ県情勢への対応について協議したと発表した。

声明によると、プーチン大統領は会談で、過激派による敵対行為が続いていることに重大な懸念を表明、シリアの主権尊重と領土の一体性の必要を強調、緊張緩和、停戦、テロの脅威軽減を実現するため、イドリブ県情勢に対処するための政府間の協議を活性化することをエルドアン大統領と合意した。

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一方、トルコ大統領府も声明を出し、イドリブ県でシリア政府が攻撃を停止し、人道危機を終わらせる必要があることを強調したと発表した。

エルドアン大統領はまた、ソチでの合意を完全実施することで、イドリブ県の問題を解決すべきだとプーチン大統領に伝え、イドリブ県をめぐってこれまでに発効したすべての合意を遵守することを合意したという。

エルドアン大統領は、会談に先立って、「我々は会談の結果に基づいて我々の姿勢を決定する」と述べていた。

AFP, February 21, 2020、ANHA, February 21, 2020、AP, February 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 21, 2020、Reuters, February 21, 2020、SANA, February 21, 2020、SOHR, February 21, 2020、UPI, February 21, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍・国民軍はシリア軍拠点が設置されているハサカ県タッル・タムル町近郊に潜入し、シリア軍と交戦(2020年2月21日)

ハサカ県では、ANHA(2月21日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、タッル・タムル町近郊に展開するシリア軍の拠点を砲撃、シリア軍が応戦した。

シリア人権監視団によると、国民軍が、シリア軍拠点が設置されているダルダーラ村一帯に潜入、交戦になったという。

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ラッカ県では、ANHA(2月21日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、タッル・アブヤド市近郊のカズアリー村を砲撃した。

AFP, February 21, 2020、ANHA, February 21, 2020、AP, February 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 21, 2020、Reuters, February 21, 2020、SANA, February 21, 2020、SOHR, February 21, 2020、UPI, February 21, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県、アレッポ県北部で前日に続いてシリア・ロシア軍の攻撃に抗議するデモ(2020年2月21日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ市で、前日に引き続き抗議デモが行われ、シリア・ロシア軍の攻撃に抗議した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のアアザーズ市、バーブ市で前日に引き続き抗議デモが行われ、シリア・ロシア軍の攻撃に抗議した。

https://www.facebook.com/syriahro/posts/10158618566788115

https://www.facebook.com/syriahro/posts/10158618566788115

 

AFP, February 21, 2020、ANHA, February 21, 2020、AP, February 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 21, 2020、Reuters, February 21, 2020、SANA, February 21, 2020、SOHR, February 21, 2020、UPI, February 21, 2020などをもとに作成。

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SANA:シリア軍戦闘機がイドリブ県ナイラブ村の反体制派拠点に対して行ったピンポイント爆撃の写真・映像を公開(2020年2月21日)

SANA(2月21日付)は、シリア軍戦闘機がイドリブ県ナイラブ村に対する爆撃で、トルコ軍の支援を受ける「テロ組織」の拠点をピンポイントで破壊したと伝え、航空写真やビデオを公開した。

https://youtu.be/5ZSo9aZz-z4


AFP, February 21, 2020、ANHA, February 21, 2020、AP, February 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 21, 2020、Reuters, February 21, 2020、SANA, February 21, 2020、SOHR, February 21, 2020、UPI, February 21, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県でシリア軍とトルコ軍・「決戦」作戦司令室が砲撃戦(2020年2月21日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がナイラブ村一帯、ダーディーフ村一帯、アーフィス村一帯に展開するトルコ軍と、その支援を受けるシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室の拠点を砲撃、トルコ軍と「決戦」作戦司令室がこれに応戦し、砲撃戦となった。

同監視団によると、シリア軍地上部隊はまた、M4高速道路沿線のフライカ村、マルジュ・ズフール村、バーラ村、ダイル・サンバル村、イフスィム町、カフルナブル市、マストゥーマ村を砲撃した。

SANA(2月21日付)も、シリア軍が、クマイナース村、アルバイーン山、アリーハー市一帯、カフルナブル市、ハーッス村で活動を続ける「決戦」作戦司令室の拠点に対して集中的に攻撃を加えたと伝えた。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機は、サルミーン市、クマイナース村、アリーハー市、アルバイーン山を爆撃、シリア軍戦闘機もザーウィヤ山などを爆撃した。

これに対して、トルコ軍は、カフルルースィーン村から戦車、装甲車など20輌を新たに進入させ、マストゥーマ村近郊に展開した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がアターリブ市、ダーラト・イッザ市一帯、カフル・ヌーラーン村、タカード村、シャイフ・スライマーン村、アブザムー町、タワーマ村を爆撃した。

SANA(2月21日付)も、シリア軍がアターリブ市一帯、ダーラト・イッザ市一帯で活動を続けるシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室の拠点に対して集中的に攻撃を加えたと伝えた。

一方、シリア軍とシャーム解放機構はアンジャーラ村近郊で捕虜・遺体交換を行った。

シャーム解放機構は「イランの民兵」の遺体一体を、シリア軍は戦闘員2人を引き渡したという。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を35件(イドリブ県16件、ラタキア県10件、アレッポ県5件、ハマー県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を6件(イドリブ県6件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 21, 2020、ANHA, February 21, 2020、AP, February 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 21, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 21, 2020、Reuters, February 21, 2020、SANA, February 21, 2020、SOHR, February 21, 2020、UPI, February 21, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民960人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は558,758人に(2020年2月21日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月21日付)を公開し、2月20日に難民960人が新たに帰国したと発表した。

https://syria.mil.ru/images/11-bul-refugees-09012019-1000-new-en.jpg

このうちレバノンから帰国したのは232人(うち女性70人、子供118人)、ヨルダンから帰国したのは728人(うち女性218人、子供371人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は558,758人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者176,811人(うち女性53,439人、子ども90,470人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者381,947人(うち女性114,629人、子ども194,785人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,568,303人(うち女性1,970,491人、子供3,349,835人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 788,038人(うち女性236,726人、子供402,177人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 21, 2020をもとに作成。

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トルコはイドリブ県へのシリア・ロシア軍の進行を阻止するため米国にパトリオット・ミサイル2基の配備を要請(2020年2月20日)

ブルームバーグ(2月20日)はトルコの匿名高官の話として、トルコがイドリブ県に対するシリア・ロシア軍の進軍を阻止するために、米国に対してパトリオット・ミサイル2基を配備するよう要請したと伝えた。

同匿名高官は、パトリオット・ミサイルが配備された暁には、米軍はF-16戦闘機を投入して、シリア政府への攻撃を行うことになるだろうと付言している。

AFP, February 20, 2020、ANHA, February 20, 2020、AP, February 20, 2020、Bloomberg, February 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 20, 2020、Reuters, February 20, 2020、SANA, February 20, 2020、SOHR, February 20, 2020、UPI, February 20, 2020などをもとに作成。

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アル=カーイダ、トルコの支配下にあるイドリブ県、アレッポ県北部でトルコの軍事作戦を支持するデモ(2020年2月20日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ市で、金曜日の集団礼拝後に、トルコによる軍事作戦、国境開放、国連の介入を訴えるデモが発生、住民数十人が参加した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるアアザーズ市で、金曜日の集団礼拝後に、トルコによる軍事作戦支持、体制打倒、「シリア革命」継続を訴えるデモが発生した。

AFP, February 20, 2020、ANHA, February 20, 2020、AP, February 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 20, 2020、Reuters, February 20, 2020、SANA, February 20, 2020、SOHR, February 20, 2020、UPI, February 20, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県バーブ市近郊で武装集団どうしが略奪品の密輸をめぐって衝突、2人死亡(2020年2月20日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のバーブ市近郊の大スッカリーヤ村とジュッブ・ナアサーン村を結ぶ街道に設置された通行所で、国民軍に所属する武装集団どうしが、略奪品の密輸をめぐって衝突し、交戦となり、戦闘員2人が死亡した。

交戦したのは、アル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動と末裔軍。

AFP, February 20, 2020、ANHA, February 20, 2020、AP, February 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 20, 2020、Reuters, February 20, 2020、SANA, February 20, 2020、SOHR, February 20, 2020、UPI, February 20, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍はアレッポ県、ハサカ県、ラッカ県を砲撃(2020年2月20日)

アレッポ県では、ANHA(2月20日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市、イルシャーディーヤ村、カフル・アントゥーン村、シャワーリガ村、マルアナーズ村、マーリキーヤ村を砲撃した。

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ハサカ県では、ANHA(2月20日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、タッル・タムル町近郊を砲撃した。

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ラッカ県では、ANHA(2月20日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、アイン・イーサー市近郊のフーシャーン村を砲撃した。

AFP, February 20, 2020、ANHA, February 20, 2020、AP, February 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 20, 2020、Reuters, February 20, 2020、SANA, February 20, 2020、SOHR, February 20, 2020、UPI, February 20, 2020などをもとに作成。

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首都ダマスカスで18日続いて爆弾テロ、2人負傷(2020年2月20日)

ダマスカス県では、SANA(2月20日付)によると、中心街のマルジャ地区で、車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、通行人2人が負傷した。

首都ダマスカスでは、18日にも爆弾テロが発生している。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーリム市で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、2人が負傷した。

AFP, February 20, 2020、ANHA, February 20, 2020、AP, February 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 20, 2020、Reuters, February 20, 2020、SANA, February 20, 2020、SOHR, February 20, 2020、UPI, February 20, 2020などをもとに作成。

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SANAはシリア軍が解放したアレッポ市北のハイヤーン町、フライターン市に帰宅した住民の様子を伝える(2020年2月20日)

アレッポ県では、SANA(2月20日付)によると、シリア軍によって解放されたアレッポ市北西のハイヤーン町、フライターン市の住民が徐々に帰宅を開始していると伝え、その写真を公開した。

AFP, February 20, 2020、ANHA, February 20, 2020、AP, February 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 20, 2020、Reuters, February 20, 2020、SANA, February 20, 2020、SOHR, February 20, 2020、UPI, February 20, 2020などをもとに作成。

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スワイダー市でアレッポ市北・西郊外の解放を祝う集会(2020年2月20日)

スワイダー県では、SANA(2月20日付)によると、スワイダー市の県庁前で、アレッポ市北部および西部郊外の解放を祝う集会が行われ、住民らが参加した。

AFP, February 20, 2020、ANHA, February 20, 2020、AP, February 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 20, 2020、Reuters, February 20, 2020、SANA, February 20, 2020、SOHR, February 20, 2020、UPI, February 20, 2020などをもとに作成。

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アル=カーイダとトルコ軍はイドリブ県ナイラブ村奪還に向けた作戦を実施するも失敗、トルコ軍兵士2人死亡(2020年2月20日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月20日付)、SANA(2月20日付)、シリア人権監視団などによると、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室が、2月3日にシリア軍によって制圧されたM4高速道路沿線上のナイラブ村の奪還を目的とする大規模作戦の開始を発表、同地に侵攻した。

作戦開始に合わせて、トルコ軍も、ナイラブ村東西に設置している拠点から、シリア政府支配下のサラーキブ市、アーフィス村、マアーッラト・ウルヤー村を砲撃した。


「決戦」作戦司令室は、作成開始とともにナイラブ村に突入し、シリア軍部隊との激し交戦の末、その大部分を制圧した。

だが、戦闘でトルコ軍兵士2人が死亡、3人が負傷、数時間の戦闘の後に、「決戦」作戦司令室はナイラブ村一帯から撤退した。

トルコ国防省はツイッターのアカウントを通じて声明を出し、トルコ軍部隊が爆撃を受け、兵士2人が死亡、5人が負傷したと発表した。

これに対して、トルコ軍もシリア軍兵士50人を殲滅、戦車5輌、兵員輸送用の装甲車2輌、武装したピックアップ・トラック2輌、大砲1門を破壊したという。


トルコ軍は、カフルルースィーン村に違法に設置された国境通行所から戦車、装甲車など55輌からなる増援部隊を新たに派遣、ナイラブ村西に設置している拠点を強化した。

なお、戦闘では、シリア軍兵士11人、「決戦」作戦司令室側戦闘員14人が死亡した。

一方、ロシア軍戦闘機は、マアーッラト・ナアサーン村、シャフシャブー山一帯を爆撃し、マアーッラト・ナアサーン村では住民1人が死亡した。

このほか、反体制武装集団はマダーヤー村一帯のシリア軍拠点を砲撃した。

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アレッポ県では、ロシア軍戦闘機がタワーマ村、タカード村、カフル・ヌーラーン村、アターリブ市一帯、ダーラト・イッザ市一帯を爆撃、シリア軍地上部隊もアターリブ市を砲撃した。

シリア軍の砲撃で住民1人が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を37件(イドリブ県9件、ラタキア県10件、アレッポ県12件、ハマー県6件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を17件(イドリブ県11件、ラタキア県0件、アレッポ県6件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 20, 2020、ANHA, February 20, 2020、AP, February 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 20, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 20, 2020、Reuters, February 20, 2020、SANA, February 20, 2020、SOHR, February 20, 2020、UPI, February 20, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民860人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は557,798人に(2020年2月20日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月20日付)を公開し、2月19日に難民860人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは284人(うち女性85人、子供145人)、ヨルダンから帰国したのは576人(うち女性173人、子供294人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は557,798人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者176,579人(うち女性53,369人、子ども90,352人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者381,219人(うち女性114,411人、子ども194,414人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,568,303人(うち女性1,970,491人、子供3,349,835人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 787,078人(うち女性236,438人、子供401,688人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 20, 2020をもとに作成。

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ロシアはイドリブ県での戦闘停止を求める安保理議長声明の採択を拒否(2020年2月19日)

国連安保理でシリア情勢への対応を協議する会合が開かれた。

会合ではイドリブ県情勢に議論が集中、トルコのフェリドゥン・ハディ・シュィニルィオール国連大使は「ダマスカスの屠殺(とさつ)人たちは2019年5月1,700人以上の民間人を殺している。こうした違反行為は戦争犯罪、人道に対する犯罪だ」としたうえで、「トルコは、シリア政府に、最近の戦闘で制圧したイドリブ県の緊張緩和地帯から撤退するため、2月末まで猶予を与えている…。もし撤退しなければ、イドリブ県で脅威となっているすべての標的に打撃を与える。監視所は変更しない」と述べた。

一方、ロシアのワシーリー・ネベンジャ国連大使はイドリブ県での停戦を求める議長声明の採択を拒否した。

会合後、ネベンジャ国連大使は「テロとの戦い」を行うシリア政府への支援を続けると強調した。

AFP, February 20, 2020、ANHA, February 20, 2020、AP, February 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 20, 2020、Reuters, February 20, 2020、SANA, February 20, 2020、SOHR, February 20, 2020、UPI, February 20, 2020などをもとに作成。

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ハサカ県の街道で米軍装甲車がロシア軍車列の進行を妨害する映像が公開される(2020年2月19日)

ハサカ県カーミシュリー市東の高速道路で米軍装甲車が走行中のロシア軍の車列の進行を妨げようとする様子を撮影した映像がユーチューブで公開された。

映像を公開したのはSyria TVを名乗る反体制活動家によると思われるアカウント。

スマートフォンで撮影された映像には、ロシア軍ジープの前で蛇行したり、幅寄せしたして、進攻を妨げる米軍装甲車が写っている。

撮影日時は不明。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるラアス・アイン市でオートバイに仕掛けられていた爆弾が爆発した。

また、トルコ軍はタッル・タムル町近郊のハッラース村、マナージール村、シブリーヤ村から撤退した。

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アレッポ県では、ANHA(2月19日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のスーガーニカ村、アキーバ村を砲撃した。

AFP, February 19, 2020、ANHA, February 19, 2020、AP, February 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 19, 2020、Reuters, February 19, 2020、SANA, February 19, 2020、SOHR, February 19, 2020、UPI, February 19, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県では国内避難民(IDPs)が人道支援機関の倉庫を襲撃し、物資を略奪。ダルアー県では支援NGO職員2人が殺害される(2020年2月19日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、バーブ・ハワー国境通行所とマアッラトミスリーン市を結ぶ街道上にある人道支援団体「ナサーイム・ハイル(微風)協会」の倉庫前に押し寄せていた国内避難民(IDPs)数百人が倉庫を襲撃、保管されていた物資を略奪した。

同倉庫近くでは、WFP(世界食糧計画)が、地元評議会の監督のもとにサラーキブ市から避難してきたIDPsに物資を配給していたという。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、現地で人道支援活動にあたっていたオクスファムの職員2人がヤードゥーダ村とムザイリーブ町を結ぶ街道で武装集団の襲撃を受けて、死亡した。

殺害された2人は、学校建設予定地の調査の仕事を終えて帰着する途中だった。

AFP, February 19, 2020、ANHA, February 19, 2020、AP, February 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 19, 2020、Reuters, February 19, 2020、SANA, February 19, 2020、SOHR, February 19, 2020、UPI, February 19, 2020などをもとに作成。

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ロシア大統領府のペスコフ報道官「トルコによるイドリブ県での軍事作戦は最悪のシナリオ」(2020年2月19日)

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、トルコがイドリブ県での軍事作戦を行う意思を示していることに関して「この軍事作戦は最悪のシナリオになる」とする一方、トルコ政府と引き続き連絡を取り続けると述べた。

AFP, February 19, 2020、ANHA, February 19, 2020、AP, February 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 19, 2020、Reuters, February 19, 2020、SANA, February 19, 2020、SOHR, February 19, 2020、UPI, February 19, 2020などをもとに作成。

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反体制派がシリア駐留ロシア軍司令部のあるフマイミーム航空基地一帯に設置されているシリア軍の拠点を攻撃(2020年2月19日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室が、シリア駐留ロシア軍司令部のあるフマイミーム航空基地一帯に設置されているシリア軍の拠点に向けてミサイル4発を打ち込んだのに対して、防空部隊(所属不明)がこれを迎撃した。

ミサイル攻撃による被害は不明だという。

これに関して、SANA(2月19日付)は、シリア軍防空部隊がラタキア県のフマイミーム航空基地に近いジャブラ市に向かって飛来してきた「武装テロ集団」の無人航空機複数機を撃墜したと伝えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がフマイミーム航空基地に対する攻撃を受けて、ジスル・シュグール市、マルアンド村、ナージヤ村、ビダーマー町、バルナース村、サッラト・ズフール村を激しく砲撃した。

SANA(2月19日付)によると、シリア軍はまた、ダイル・サンバル村、マアッラト・ヌウマーン市一帯、ラカーヤー村一帯にあるシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室の拠点を攻撃、これを破壊した。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍は、トルコ軍の拠点が設置されているマアーッラト・ナアサーン村、クマイナース村のほか、ムハムバル村、マンタフ村、ダイル・サンバル村、ラカーヤー村一帯、M4高速道路沿線、アルバイーン山一帯、アリーハー市を爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(2月19日付)によると、爆撃により、タルマーニーン村で2人が死亡した。

これに対して、トルコ軍とシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室が、サラーキブ市やナイラブ村のシリア軍拠点を砲撃した。

トルコ軍はまた、戦車、装甲車など約80輌からなる増援部隊をカフルルースィーン村に違法に設置されている通行所を経由してシリア領内に派遣し、ラタキア県との県境に位置するナビー・アイユーブ丘(峰)、ザーウィヤ山地方のバザーブール村、M4高速道路沿線のブサンクール村に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍の監視所・拠点は以下38カ所となった。

アスタナ9会議(2018年5月)での合意に基づいて設置された監視所:イドリブ県サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)、アレッポ県登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市(南)ラーシディーン地区、アイス村(アイス丘)、ハマー県ムーリク市、シール・マガール村、ラタキア県ザイトゥーナ村

その後に設置された監視所:アレッポ県アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、イドリブ県マアッル・ハッタート村、サラーキブ市、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ハマー県ムガイル村。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がフマイミーム航空基地に対する攻撃を受けて、ガーブ平原各所を激しく砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、トルコ軍の拠点が設置されているカフル・ヌーラーン村、アターリブ市一帯、ダーラト・イッザ市一帯のほか、バーラー村、サッハーラ村、タカード村を爆撃した。

一方、SANA(2月19日付)によると、シリア軍がアターリブ市、カフル・ヌーラーン村、ダーラト・イッザ市一帯、バーラー村一帯、サッハーラ村、タカード村にあるシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室の拠点を砲撃した。

AFP, February 19, 2020、ANHA, February 19, 2020、AP, February 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 19, 2020、Reuters, February 19, 2020、SANA, February 19, 2020、SOHR, February 19, 2020、UPI, February 19, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県の処遇をめぐるロシア・トルコ軍・治安・外交関係高官が決裂(2020年2月18日)

ロシアの首都モスクワで17日から行われていたロシアとトルコの軍・治安・外交関係高官は2日目となる18日も続けられたが、イドリブ県の処遇について合意にいたらないまま閉会した。

アナトリア通信(2月18日付)は、セダト・オナル内務副大臣率いるトルコ側代表団が2時間にわたる会合を終えモスクワを後にしたとしたうえで、ロシア側がシリア政府への支援継続と、シリア北部全域の掌握に固執したと伝えた。

これに対して、トルコ側は、ソチでの合意に基づいて、シリア軍側が戦闘を停止し、撤退しなければ、軍事作戦を行うと答えたという。

トルコのイブラヒム・カリン大統領府報道官は会合の決裂を受けて、報道向け声明を出し、「イドリブ県での我々の主な目的はソチ合意の復活であり、同県におけるトルコ軍監視所の変更は考えれないことだ」と述べた。

カリン報道官はまた「我々はイドリブ県の民間人を保護するため、増援部隊の派遣を続ける。我が軍が攻撃を受けた場合、我々は最近行ったのと同じように、もっとも強硬な手段で報復する」と付言した。

AFP, February 18, 2020、Anadolu Ajansı, February 18, 2020、ANHA, February 18, 2020、AP, February 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 18, 2020、Reuters, February 18, 2020、SANA, February 18, 2020、SOHR, February 18, 2020、UPI, February 18, 2020などをもとに作成。

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イスラエルの民間衛星画像企業ISIは13日のミサイル攻撃で破壊されたとされるイラン・イスラーム革命防衛隊の施設の衛星写真を公開(2020年2月18日)

イスラエルの民間衛星画像企業イメージサット・インターナショナル(ISI)は、13日にイスラエル軍が行ったミサイル攻撃による被害情報を撮影した衛星写真を公開した。

『エルサレム・ポスト』(2月18日付)やイディオト・アハロノト(2月18日付)によると、写真で破壊が確認された施設は、ダマスカス国際空港近くに設置されているイラン・イスラーム革命防衛隊の兵站拠点、司令部、武器弾薬庫だという。

AFP, February 18, 2020、ANHA, February 18, 2020、AP, February 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 18, 2020、The Jerusalem Post, February 18, 2020、Reuters, February 18, 2020、SANA, February 18, 2020、SOHR, February 18, 2020、UPI, February 18, 2020、Yedioth Ahronoth, February 18, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍はラッカ県、アレッポ県、ハサカ県への砲撃を続ける(2020年2月18日)

ラッカ県では、ANHA(2月18日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるアイン・イーサー市近郊のアイン・イーサー穀物サイロ、シャルカラーク、タッル・アブヤド市近郊のクーバルラク村、アフドゥーラク村、ビールカヌー村、アリーダ村、フーリーヤ村を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(2月18日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村、マーリキーヤ村、シャワーリガ村、クワンディー・マーズィン村を砲撃した。

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ハサカ県では、ANHA(2月18日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・タムル町近郊のウンム・カイフ村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、カーミシュリー市工業地区で爆発が発生した。

AFP, February 18, 2020、ANHA, February 18, 2020、AP, February 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 18, 2020、Reuters, February 18, 2020、SANA, February 18, 2020、SOHR, February 18, 2020、UPI, February 18, 2020などをもとに作成。

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首都ダマスカスで爆弾テロ発生(2020年2月18日)

ダマスカス県では、SANA(2月18日付)によると、バーブ・ムサッラー地区で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民5人が負傷した。

1人は重態。

シリア人権監視団によると、少なくとも1人が死亡したという。

AFP, February 18, 2020、ANHA, February 18, 2020、AP, February 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 18, 2020、Reuters, February 18, 2020、SANA, February 18, 2020、SOHR, February 18, 2020、UPI, February 18, 2020などをもとに作成。

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シリア政府下のハサカ県カーミシュリー市、アレッポ市、ダイル・ザウル市でアレッポ市北部・西部郊外の解放を祝う集会で米軍の撤退が求められる(2020年2月18日)

ハサカ県では、SANA(2月18日付)によると、カーミシュリー市近郊のヒルバト・アンムー村で、ターイー部族やガナーマ部族などのアラブ部族の部族長や地元名士の呼びかけで、シリア軍による「テロとの戦い」継続支持とシリア領内からの米軍の撤退を求めるデモが行われ、多数の住民が参加した。

デモを主導したターイー部族のアブドゥッラッザーク・ターイー部族長は、デモ参加者を前に、シリア軍によるアレッポ県北部・東部郊外解放に祝意を示すとともに、アレッポ県西部とイドリブ県での「テロとの戦い」を支持、シリア全国土をテロリストのその支援国から解放するよう訴えた。

また、ガナーマ部族の名士の一人ハムナディー・ハムナディー氏は、ハサカ県北東部やダイル・ザウル県のユーフラテス川以東地域に駐留を続ける米軍に撤退とシリア軍の駐留を求め、そのために体系的な抵抗を行う必要を強調した。

デモにはハサカ県知事のジャーイズ・ムーサー氏や県執行局のメンバーも参加した。

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アレッポ県では、SANA(2月18日付)によると、アレッポ市のサアドッラー・ジャービリー広場で、シリア軍によるアレッポ市北部・西部郊外解放を祝う集会が行われ、多数の住民が参加した。

集会には、バアス党中央指導部(旧シリア地域指導部)のヒラール・ヒラール副書記長、イマード・サーラ情報大臣、バアス党中央委員会のアンマール・スィバーイー氏、バアス党アレッポ支部のファーディル・ナッジャール書記長、バアス党アレッポ大学支部のイブラーヒーム・ハディード書記長、アレッポ県警察のイサーム・シャッリー所長らが出席、参加者を前に祝辞を述べた。

ヒラール副書記長らはまた、アレッポ市ザフラー地区、ナスル交差点のシリア軍拠点を視察するとともに、負傷兵らを慰問した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(2月18日付)によると、ダイル・ザウル市のインティサール(勝利)広場で、シリア軍によるアレッポ市北部および西部郊外一帯の解放を祝う集会が開かれ、多数の住民が参加した。

AFP, February 18, 2020、ANHA, February 18, 2020、AP, February 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 18, 2020、Reuters, February 18, 2020、SANA, February 18, 2020、SOHR, February 18, 2020、UPI, February 18, 2020などをもとに作成。

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反体制派の支配下にあるイドリブ県ザーウィヤ山一帯の住民数十人が、人道回廊を通ってシリア政府支配地域に避難(2020年2月18日)

イドリブ県では、SANA(2月18日付)によると、反体制派の支配下にあるザーウィヤ山一帯の住民数十人が、マアッラト・ヌウマーン市東に設置された人道回廊を通ってシリア政府支配地域に避難した。

シリア軍と関係機関はこれとは別に、17日にアレッポ県アレッポ市西に位置するミーズナーズ村とイドリブ県サラーキブ市東に位置するムジャイリズ村に「人道回廊」を設置し、反体制派の支配下にあるアレッポ県北西部やイドリブ県からシリア政府支配地域への避難を希望する住民の移動の安全を確保していた。

また、1月13日にも、イドリブ県のアブー・ズフール町とフバイト村、アレッポ県のハーディル村の3カ所に人道回廊を設置していた。

今回住民を受け入れた人道回廊はアブー・ズフール町に設置された回廊だと思われる。

AFP, February 18, 2020、ANHA, February 18, 2020、AP, February 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 18, 2020、Reuters, February 18, 2020、SANA, February 18, 2020、SOHR, February 18, 2020、UPI, February 18, 2020などをもとに作成。

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シリア・ロシア軍はイドリブ県、アレッポ県西部への攻撃を続け、国内避難民(IDPs)2人を含む5人が死亡(2020年2月18日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がタルマーニーン村を爆撃し、住民3人が死亡、8人が負傷した。

ロシア軍戦闘機はまた、マアーッラト・ナアサーン村一帯を爆撃し、国内避難民(IDPs)の男性1人が死亡、多数が負傷した。

ロシア軍戦闘機はこのほかにも、アリーハー市、ムハムバル村、アルバイーン山一帯を爆撃した。

シリア軍戦闘機もM4高速道路一帯を爆撃、地上部隊がサルミーン市、クマイナース村、ザーウィヤ山一帯を砲撃した。

一方、トルコ軍の戦車、装甲車など約90輌からなる増援部隊がカフルルースィーン村に違法に設置されている通行所からシリア領内に入り、サルミーン市一帯に展開した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がダーラト・イッザ市を爆撃し、同市に避難しようとしていた住民1人が死亡した。

ロシア軍戦闘機はまた、アターリブ市を爆撃した。

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なお、シリア人権監視団やアラビー21(2月18日付)などをもとに、トルコ軍がシリア領内に設置した監視所・拠点を確認すると、2月18日現在、その数は33カ所に達しており、うち12カ所がシリア軍によって包囲されている。

場所は以下の通り:

アスタナ9会議(2018年5月)での合意に基づいて設置された監視所:イドリブ県サルワ村(第1監視所)、タッル・トゥーカーン村(第5監視所)*、サルマーン村(第6監視所)*、ジスル・シュグール市(第12監視所)、アレッポ県登塔者聖シメオン教会跡(第2監視所)、シャイフ・アキール山(第3監視所)*、アナダーン山(第7監視所)*、アレッポ市(南)ラーシディーン地区(第10監視所)、アイス村(アイス丘)(第4監視所)*、ハマー県ムーリク市(第9監視所)*、シール・マガール村(第11監視所)*、ラタキア県ザイトゥーナ村(第8監視所)

その後に設置された監視所:アレッポ県アレッポ市ラーシディーン地区*、ジーナ村、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、イドリブ県マアッル・ハッタート村*、サラーキブ市*、タルナバ村*、ナイラブ村*、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を29件(イドリブ県7件、ラタキア県11件、アレッポ県6件、ハマー県5件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を17件(イドリブ県4件、ラタキア県0件、アレッポ県13件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 18, 2020、ANHA, February 18, 2020、AP, February 18, 2020、Arabi 21, February 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 18, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 18, 2020、Reuters, February 18, 2020、SANA, February 18, 2020、SOHR, February 18, 2020、UPI, February 18, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民1,023人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は556,044人に(2020年2月18日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月18日付)を公開し、2月17日に難民1,023人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは229人(うち女性69人、子供117人)、ヨルダンから帰国したのは794人(うち女性238人、子供405人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は556,044人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者175,983人(うち女性53,190人、子ども90,048人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者380,061人(うち女性114,063人、子ども193,823人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,568,303人(うち女性1,970,491人、子供3,349,835人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 785,324人(うち女性235,911人、子供400,793人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 18, 2020をもとに作成。

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アサド大統領「アレッポは勝利していた…。シリアは勝利していた…」(2020年2月17日)

シリアのアサド大統領は、シリア軍がアレッポ市北西郊外一帯を解放したのを受けて、国民向けのテレビ演説を行った。

8分間にわたる演説のなかで、アサド大統領は、「戦いにおける勝利は戦争の勝利を意味しない。これは軍事的な論理において言えることだが…、愛国的な論理において、勝利とは不屈の抵抗の始まりとともに始まるのだ。この論理に基づけば、抵抗の初日においてすら、アレッポは勝利していたし…、シリアは勝利していた…。我々みなが恐怖に打ち勝っていたのだ」と宣言した。

また、「シリア軍は愛国的な義務を怠ることなく、国民のための軍であり続ける」としたうえで、「戦いのなかで国民と一つになった軍が勝利しなかったことは歴史上一度もない…。我々がアレッポ市をはじめとするシリアの都市で見てきたものがまさにそれた」と述べた。

アサド大統領はさらに、「北からやって来る空疎な音の泡を尻目に、イドリブ県での戦いを続ける」と述べ、トルコの介入に対抗する姿勢を示すとともに、「シリア全土を解放する戦いを続け、テロを根絶し、安定を実現する」と表明した。

https://youtu.be/oJTpp5dZ2p4

AFP, February 17, 2020、ANHA, February 17, 2020、AP, February 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 17, 2020、Reuters, February 17, 2020、SANA, February 17, 2020、SOHR, February 17, 2020、UPI, February 17, 2020などをもとに作成。

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モスクワで、ロシア・トルコ高官会合が開かれ、イドリブ県の情勢への対応協議(2020年2月17日)

ロシアの首都モスクワで、ロシアとトルコの軍・治安・外交関係高官会合が開かれ、イドリブ県の情勢への対応が協議された。

トルコ外務省は発表した声明によると、会合において、セダト・オナル内務副大臣を代表とするトルコ側代表団は、ロシア側に対して、イドリブ県での緊張緩和のために必要なあらゆる措置を直ちに講じ、人道状況のさらなる悪化を回避する必要があると強調した。

会合ではまた、2018年9月のソチでの両国首脳による合意(非武装地帯設置合意)を実施するための対応についても話し合われた。

トルコ外務省によると、会合は18日にも継続される。

AFP, February 17, 2020、ANHA, February 17, 2020、AP, February 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 17, 2020、Reuters, February 17, 2020、SANA, February 17, 2020、SOHR, February 17, 2020、UPI, February 17, 2020などをもとに作成。

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