アサド大統領「アレッポは勝利していた…。シリアは勝利していた…」(2020年2月17日)

シリアのアサド大統領は、シリア軍がアレッポ市北西郊外一帯を解放したのを受けて、国民向けのテレビ演説を行った。

8分間にわたる演説のなかで、アサド大統領は、「戦いにおける勝利は戦争の勝利を意味しない。これは軍事的な論理において言えることだが…、愛国的な論理において、勝利とは不屈の抵抗の始まりとともに始まるのだ。この論理に基づけば、抵抗の初日においてすら、アレッポは勝利していたし…、シリアは勝利していた…。我々みなが恐怖に打ち勝っていたのだ」と宣言した。

また、「シリア軍は愛国的な義務を怠ることなく、国民のための軍であり続ける」としたうえで、「戦いのなかで国民と一つになった軍が勝利しなかったことは歴史上一度もない…。我々がアレッポ市をはじめとするシリアの都市で見てきたものがまさにそれた」と述べた。

アサド大統領はさらに、「北からやって来る空疎な音の泡を尻目に、イドリブ県での戦いを続ける」と述べ、トルコの介入に対抗する姿勢を示すとともに、「シリア全土を解放する戦いを続け、テロを根絶し、安定を実現する」と表明した。

https://youtu.be/oJTpp5dZ2p4

AFP, February 17, 2020、ANHA, February 17, 2020、AP, February 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 17, 2020、Reuters, February 17, 2020、SANA, February 17, 2020、SOHR, February 17, 2020、UPI, February 17, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

モスクワで、ロシア・トルコ高官会合が開かれ、イドリブ県の情勢への対応協議(2020年2月17日)

ロシアの首都モスクワで、ロシアとトルコの軍・治安・外交関係高官会合が開かれ、イドリブ県の情勢への対応が協議された。

トルコ外務省は発表した声明によると、会合において、セダト・オナル内務副大臣を代表とするトルコ側代表団は、ロシア側に対して、イドリブ県での緊張緩和のために必要なあらゆる措置を直ちに講じ、人道状況のさらなる悪化を回避する必要があると強調した。

会合ではまた、2018年9月のソチでの両国首脳による合意(非武装地帯設置合意)を実施するための対応についても話し合われた。

トルコ外務省によると、会合は18日にも継続される。

AFP, February 17, 2020、ANHA, February 17, 2020、AP, February 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 17, 2020、Reuters, February 17, 2020、SANA, February 17, 2020、SOHR, February 17, 2020、UPI, February 17, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍はアレッポ県北部とラッカ県北部を砲撃(2020年2月17日)

アレッポ県では、ANHA(2月17日付)によると、トルコ軍が北・東シリア自治局とシリア政府の合同統治下にあるズィヤーラ村(シーラーワー町近郊)、タッル・リフアト市近郊のハルバル村、タッル・ジージャーン村、ハリーサ村、ダイル・ジャマール村、バイナ村、アキーバ村を砲撃した。

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ラッカ県では、ANHA(2月17日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、タッル・アブヤド市近郊のカズアリー村、アイン・イーサー市機能のサイダー村、ムシャイリファ村、アイン・イーサー・キャンプ、M4高速道路沿線一帯を砲撃した

AFP, February 17, 2020、ANHA, February 17, 2020、AP, February 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 17, 2020、Reuters, February 17, 2020、SANA, February 17, 2020、SOHR, February 17, 2020、UPI, February 17, 2020などをもとに作成。

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ロシア・トルコ軍が中止していたハサカ県での合同パトロールを再開(2020年2月17日)

ハサカ県では、ANHA(2月17日付)、シリア人権監視団によると、ロシア軍とトルコ軍がダルバースィーヤ市からアブー・ラースィーン(ザルカーン)町に至る国境地帯で合同パトロールを実施した。

両国の合同パトロールは、10日にイドリブ県タフタナーズ航空基地に対する攻撃でトルコ軍兵士5人が死亡して以降、トルコ側が参加を拒否し、実施されていなかった。

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イドリブ県ダーナー市で若者が新たな武装集団を結成、トルコ占領下のアレッポ県アアザーズ市ではアレッポ市西北郊外の奪還を求めるデモ(2020年2月17日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月17日付)によると、ダーナー市の若者が、ダーナー殉教者旅団の名で新たな武装集団を結成し、シリア・ロシア軍に対して徹底抗戦を続ける意思を表明した。

また、同市の別の若者も、革命アンサール大隊の名で新たな武装集団を結成したと発表した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域の拠点都市アアザーズ市で17日晩、アレッポ市西部および北部郊外の奪還を求める抗議デモが行われた。

AFP, February 17, 2020、ANHA, February 17, 2020、AP, February 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 17, 2020、Reuters, February 17, 2020、SANA, February 17, 2020、SOHR, February 17, 2020、UPI, February 17, 2020などをもとに作成。

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シリア軍と関係機関は反体制派支配地域からの住民の脱出を促すためアレッポ市西とサラーキブ市東に「人道回廊」を設置(2020年2月17日)

シリア軍と関係機関は、アレッポ県アレッポ市西に位置するミーズナーズ村とイドリブ県サラーキブ市東に位置するムジャイリズ村に「人道回廊」を設置し、反体制派の支配下にあるアレッポ県北西部やイドリブ県からシリア政府支配地域への避難を希望する住民の移動の安全を確保した。

SANA(2月17日付)が伝えた。

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アレッポとダマスカス、カイロを結ぶ旅客便が19日に就航再開(2020年2月17日)

アリー・ハンムード運輸大臣は声明を出し、2月19日からアレッポ国際空港への首都ダマスカスおよびエジプトのカイロからの旅客便の就航を再開すると発表した。

シリア軍がアレッポ市北部・東部を解放し、同市一帯の安全が完全に確保されたことを受けた決定で、これに伴い8年間にわたって利用停止となっていたアレッポ国際空港が再開されることになる。

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シリア軍武装部隊総司令部はアレッポ市西部および北部農村地帯の数十町村を解放したと正式に発表(2020年2月17日)

シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、アレッポ市西部および北部農村地帯の数十町村を解放したと正式に発表した。

解放されたのは、シャイフ・アリー村、第46中隊基地、アウラム・クブラー町、アウラム・スグラー村、カフルナーハー村、カフルダーイル村、カフルハムラ村、バシュナトラ村、バービース村、マアーッラト・アルティーク村、ウワイジル村、フライターン市、ハイヤーン町、アナダーン市、バヤーヌーン町、アレッポ市ライラムーン地区など。

シリア軍はまた、アレッポ市西のミズナーズ村とイドリブ県サラーキブ市東のムジャイリズ村に通行所(人道回廊)を設置し、反体制派支配地域からシリア軍によって解放された地域への住民の移動の安全を確保したと付言した。

 

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SANA(2月17日付)によると、アレッポ市内では、住民が街頭で同市北西一帯の解放を祝った。

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シリア軍はトルコ軍監視所が設置されているアレッポ県北西のシャイフ・アキール山を制圧(2020年2月17日)

アレッポ県では、SANA(2月17日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構、国民解放戦線などからなる「決戦」作戦司令室と戦闘を続け、バスラトゥーン村、フール村、アンジャーラ村を新たに制圧した。

シリア軍はまた、16日に制圧したカフルハムラ村、フライターン市、アナダーン市を結ぶ街道(アレッポ・アアザーズ街道)に展開した。

ANHA(2月17日付)によると、シリア軍はさらに、「決戦」作戦司令室との戦闘の末、トルコ軍監視所が設置されているシャイフ・アキール山を完全制圧した。

このほか、シリア人権監視団によると、シリア軍はカブターン・ジャバル村、バーラー村も制圧したが、反体制武装集団はその後、カブターン・ジャバル村を奪還したという。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がアターリブ市、カフル・アンマ村、シャイフ・バラカート山、ダーラト・イッザ市、同市とタルマーニーン村を結ぶ街道沿線一帯、イルハーブ村、カフル・ヌーラーン村、アブザムー町を爆撃し、アブザムー町で子ども1人と女性1人が死亡した。

シリア軍戦闘機もサッルーム村一帯を爆撃した。

ホワイト・ヘルメットは声明を出し、ロシア軍戦闘機がダーラト・イッザ市内のフィルドゥース病院とカナーナ病院を爆撃し、住民多数が負傷したと発表した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がカフルナブル市、ラーミー村、ブサンクール村、アリーハー市、タカード村、シリア軍戦闘機がアリーハー市一帯を爆撃した。

シリア軍地上部隊もダーナー市を砲撃し、住民1人が死亡した。

一方、トルコ軍はサルマダー市とダーナー市の間に位置するバルダクリー村、アリーハー市近くのムウタリム村に新たな拠点を設置した。

同監視団によると、これにより、トルコ軍がシリア領内に設置した監視所の数は36カ所となった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を24件(イドリブ県6件、ラタキア県9件、アレッポ県4件、ハマー県5件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を10件(イドリブ県3件、ラタキア県0件、アレッポ県7件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 17, 2020、ANHA, February 17, 2020、AP, February 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 17, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 17, 2020、Reuters, February 17, 2020、SANA, February 17, 2020、SOHR, February 17, 2020、UPI, February 17, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民677人と国内避難民(IDPs)1,704人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は555,021人、2019年以降帰還したIDPsは784,301人に(2020年2月17日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月17日付)を公開し、2月16日に難民677人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは205人(うち女性62人、子供105人)、ヨルダンから帰国したのは472人(うち女性142人、子供241人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は555,021人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者175,754人(うち女性53,121人、子ども89,931人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者379,267人(うち女性113,825人、子ども193,418人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,570,303人(うち女性1,971,091人、子供3,350,855人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は784,301人(うち女性235,604人、子供400,271人)となった。

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一方、国内避難民1,704人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは1,704人(うち女性709人、子ども611人)、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は53,049人(うち女性17,494人、子供22,748人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,321,645人(うち女性400,053人、子供666,514人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 17, 2020をもとに作成。

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