サウジアラビアとUAEのメディアが、イドリブ県へのトルコ軍の侵攻に反対するキャンペーン(2020年2月28日)

UAE71(2月28日付)は、サウジアラビアとUAEのメディアが、イドリブ県へのトルコ軍の侵攻に対峙するロシアとアサド政権を支持するキャンペーンを共同で行っていると伝えた。

UAEの女性作家のヌーラー・ムタイリー氏は、ドナルド・トランプ米大統領がトルコのイドリブ県での軍事作戦に理解を示していることに関して、「私たちアラブの作家は、イドリブ県に対して戦争を仕掛けている(レジェップ・タイイップ・)エルドアン(大統領)を支持するとのトランプ大統領の発言を読みました。それはダーイシュ(イスラーム国)、ヌスラ、シャーム解放機構などのようなテロ組織を直接支援するようなものです。あなた(トランプ大統領)はそうした印象を与えたくないはずです」と批判した。

またサウジアラビアの『ウカーズ』紙も、「エルドアン主義の衰退」と題した作家のジャミール・ズィヤービー氏の論説を掲載した。

ズィヤービー氏はこのなかで、「トルコで起きていることから見て取れるエルドアンのヘゲモニーは、彼が信じている政治的イスラームのイデオロギー、かつてトプカプ宮殿の権威に服していた地域を再び支配したいというあからさまな欲求ゆえに、トルコのEU加盟をかつてないほど遠ざけてしまった」としたうえで、「トルコ大統領はこの地域の紛争での影響力を行使するすべての機会を逸した…。シリアでも失敗し、その代わりにイランが躍進した」と批判した。

AFP, February 28, 2020、ANHA, February 28, 2020、AP, February 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 28, 2020、Reuters, February 28, 2020、SANA, February 28, 2020、SOHR, February 28, 2020、UAE71, February 28, 2020、UPI, February 28, 2020などをもとに作成。

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トルコで欧州に渡ることを希望するシリア難民の移動を阻止しないよう命令が発出されことを受けて、シリア難民が地中海岸に向かう(2020年2月28日)

アナトリア通信(2月28日付)は、27日にトルコの憲兵隊、海岸警備隊、国境警備隊に対して、欧州に渡ることを希望するシリア難民の移動を阻止しないよう命令が発出されたことを受けて、欧州との国境に向かって移動するシリア難民の写真やビデオを公開した。

この難民(不法滞在者)は、チャナッカレ県アイヴァジュック郡の地中海岸に到着、ギリシャのレスボス島を経由して、西欧諸国に移住しようとしているという。

https://twitter.com/anadoluajansi/status/1233289480582443009?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1233289480582443009&ref_url=https%3A%2F%2Feldorar.com%2Fnode%2F148938

https://twitter.com/anadoluajansi/status/1233282494688043008?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1233282494688043008&ref_url=https%3A%2F%2Feldorar.com%2Fnode%2F148938%20https://eldorar.com/sites/default/files/styles/696×367/public/er1_4x8xkaaifqg.jpg?ezimgfmt=rs:635×340/rscb28/ng:webp/ngcb28

AFP, February 28, 2020、Anadolu Ajansı, February 28, 2020、ANHA, February 28, 2020、AP, February 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 28, 2020、Reuters, February 28, 2020、SANA, February 28, 2020、SOHR, February 28, 2020、UPI, February 28, 2020などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領とトランプ米大統領が電話会談でイドリブ県情勢への対応について協議(2020年2月28日)

米国務省は声明を出し、イドリブ県ザーウィヤ山地方に対する爆撃でトルコ軍兵士33人が死亡したことに関して、「NATOの同盟国であるトルコを支持し、アサド体制、ロシア、そしてイランが支援する勢力に不快な攻撃を停止するよう呼びかける」としたうえで、「我々はこの危機においてトルコを支援するより良い方法についての選択しを検討している」発表した。

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トルコ大統領府は声明を出し、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とドナルド・トランプ米大統領が電話会談を行い、二国間および中東地域にかかる諸問題、とりわけイドリブ県の情勢への対応について協議したと発表した。

会談で、エルドアン大統領は、トルコ軍に対するシリア軍の攻撃を非難、2018年9月のソチでのロシア・トルコ首脳会談での合意(非武装地帯設置合意)が定める非武装地帯からシリア軍を浄化する決意を表明したという。

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NATOのヤンス・ストルテンベルグ事務総長は加盟国大使との会合を開き、イドリブ県ザーウィヤ山地方に対する27日の爆撃でトルコ軍兵士33人が死亡したことへの対応を協議した。

ストルテンベルグ事務総長は会合後に記者会見を開き、トルコを支持するとともに、ロシアとシリア政府に無差別爆撃・攻撃を停止し、国際法を尊重するよう呼びかけた。

またシリア紛争の政治的解決に向けた国連主導の取り組みに参加するよう両国に呼びかけた。

AFP, February 28, 2020、ANHA, February 28, 2020、AP, February 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 28, 2020、Reuters, February 28, 2020、SANA, February 28, 2020、SOHR, February 28, 2020、UPI, February 28, 2020などをもとに作成。

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アカル国防大臣はトルコ軍兵士33人が死亡したイドリブ県での爆撃についてのロシアの主張に反論(2020年2月28日)

トルコのフルシ・アカル国防大臣は、イドリブ県ザーウィヤ山地方に対する27日の爆撃でトルコ軍兵士33人が死亡したことに関するロシア国防省の説明に反論した。

アカル国防大臣は「このこの攻撃が行われたとき、我が軍部隊以外には武装集団はいなかった…。我が軍が最初に標的になってから警告したにもかかわらず、攻撃は救急車輌にも及んだ」と述べた。

アカル国防大臣はまた、この攻撃でトルコ軍兵士33人が死亡したことを明らかにしたうえで、報復として「我々はシリア軍拠点200カ所以上に対して、無人航空機や重火器で爆撃・砲撃を行い…、ヘリコプター5機、戦車23輌、兵士309人、ブーク防空システム(Buk-M1-2)1基を無力化した」と述べた。

AFP, February 28, 2020、ANHA, February 28, 2020、AP, February 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 28, 2020、Reuters, February 28, 2020、SANA, February 28, 2020、SOHR, February 28, 2020、UPI, February 28, 2020などをもとに作成。

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ロシア国防省はトルコ軍がイドリブ県ザーウィヤ山地方でロシアに事前に通告せずにテロ集団とともにいたためにシリア軍の攻撃を受け、兵士33人の死亡を招いたと主張(2020年2月28日)

ロシア国防省は声明を出し、イドリブ県ザーウィヤ山地方に対する27日の爆撃でトルコ軍兵士33人が死亡したことに関して、ロシア軍による攻撃ではないと主張した。

声明において、ロシア国防省は「シリア軍の爆撃で標的となったトルコ軍兵士は、テロ集団の部隊のなかにいたため…、シリア軍の発砲を受けた。トルコ政府はこの部隊(トルコ軍部隊)の拠点に関してロシア政府に事前に通告はしていなかった。そこに部隊が駐留しているなどとは想定し得なかった」と主張した。

そのうえで「ロシア側はトルコ軍兵士が負傷したとの情報を得て、直ちにシリア軍からの攻撃を停止するための必要なあらゆる措置を講じ、死傷者のトルコへの搬送の安全を確保した」と付言した。

AFP, February 28, 2020、ANHA, February 28, 2020、AP, February 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 28, 2020、Reuters, February 28, 2020、SANA, February 28, 2020、SOHR, February 28, 2020、UPI, February 28, 2020などをもとに作成。

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ダルアー県でシリア軍兵士5人と住民2人が爆発などで死亡(2020年2月28日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サフム・ジャウラーン村で軍事情報局とシリア政府との和解に応じた元反体制武装集団が撃ち合いとなり、軍事情報局の兵士1人が死亡した。

また、ジッリーン村とシャイフ・サアド村を結ぶ街道で、シリア軍の車輌に仕掛けられていた爆弾が爆発し、兵士4人が死亡した。

さらに、ダルアー市内のバアス党本部近くに仕掛けられていた爆弾が爆発し、女性1人と女児1人が死亡した。

AFP, February 28, 2020、ANHA, February 28, 2020、AP, February 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 28, 2020、Reuters, February 28, 2020、SANA, February 28, 2020、SOHR, February 28, 2020、UPI, February 28, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍はシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアレッポ県、ハサカ県、ラッカ県各所を砲撃(2020年2月28日)

アレッポ県では、ANHA(2月28日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるマンビジュ市西のシャイフ・ナースィル村、シュワイハ村を砲撃した。

トルコ軍と国民軍はまた、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市、同市近郊のウンム・フーシュ村に対しても砲撃を行った。

トルコ軍と国民軍はさらに、トルコ占領下のバーブ市近郊に位置する北・東シリア自治局支配下のジャブラト・ハムラー村、フータ村、タッル・トゥーリーン村を砲撃し、住民1人が死亡した。

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ハサカ県では、ANHA(2月28日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町近郊のタッル・タウィール村を砲撃した。

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ラッカ県では、ANHA(2月28日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、タッル・アブヤド市近郊のカズアリー村、ビールキータク村を砲撃した。

AFP, February 28, 2020、ANHA, February 28, 2020、AP, February 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 28, 2020、Reuters, February 28, 2020、SANA, February 28, 2020、SOHR, February 28, 2020、UPI, February 28, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がイドリブ県、アレッポ県に対して報復攻撃を行い、シリア軍兵士45人を殺害(2020年2月28日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタフタナーズ市およびマアーッラト・ナアサーン村の一帯に設置されているトルコ軍の拠点複数カ所を砲撃、トルコ軍兵士2人が死亡、6人が負傷した。

これに対して、トルコ軍の無人航空機(ドローン)が、アレッポ県東部のズィルバ村、イドリブ県のサラーキブ市、マアッラト・ヌウマーン市近郊などM5高速道路沿線に展開するシリア軍と「イランの民兵」の拠点複数カ所を爆撃し、シリア軍兵士45人とレバノンのヒズブッラーの司令官4人が死亡した。

一方、トルコ国防省は、トルコ軍がシリア軍部隊、戦車、拠点などをピンポイント攻撃した映像を公開した。

映像の日付は27日となっており、攻撃で、シリア軍兵士数十人が死傷、戦車・装甲車多数、パーンツィリS1地対空ミサイル1基を破壊したという。

 

シリア人権監視団によると、シャーム解放機構と国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室が、トルコの砲撃支援を受け、アレッポ県との境に位置するトゥライハ村を攻撃、シリア軍と激しく交戦した。

これに関して、ドゥラル・シャーミーヤ(2月28日付)は、「決戦」作戦司令室の軍事筋の話として、トゥライハ村で60人以上、マルディーフ村で45人以上のシリア軍兵士と「イランの民兵」が死亡したと伝えた。

一方、SANA(2月28日付)が軍情報筋の話として伝えたところによると、シリア軍がサラーキブ市一帯で、トルコから直接支援を受ける「武装テロ組織」の攻撃に対して徹底抗戦を続け、「決戦」作戦司令室の拠点を重点的に砲撃した。

また、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がサラーキブ市および同市一帯、タルナバ村、ザーウィヤ山地方のバイルーン村を爆撃し、サラーキブ市で民間人3人、バイルーン村で女性1人と子ども2人を含む4人が死亡した。

サラーキブ市は26日に「決戦」作戦司令室が奪還を発表していた。

ロシア軍戦闘機はこのほかにも、トルコ軍監視所が設置されているイシュタブリク村、サルマーニーヤ村を爆撃、シリア軍戦闘機もサラーキブ市、サルミーン市、アリーハー市を爆撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がアレッポ市東のサフィーラ市近郊にある科学研究センターを地対地ミサイルで攻撃した。

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ハマー県では、SANA(2月28日付)によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室との戦闘の末、イドリブ県との県境に位置するマンスーラ村、ズィヤーラ町、ヒルバト・ナークース村、タッル・ワースィル村、ザイズーン・ジャディーダ村を制圧した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(2月28日付)によると、「決戦」作戦司令室は27日にシリア軍によって制圧されたクーフキーン村を奪還した。

また、シリア人権監視団によると、トルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)、中国新疆ウィグル自治区出身者を主体とするトルキスタン・イスラーム党の増援部隊、新興のアル=カーイダ系組織のアンサール・タウヒードが、26日にシリア軍によって制圧されたハマー県北西部地域奪還のために合同増援部隊を同地に派遣した。

これを受け、ロシア軍戦闘機はガーブ平原各所を爆撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を21件(イドリブ県13件、ラタキア県11件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を22件(イドリブ県19件、ラタキア県0件、アレッポ県3件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 28, 2020、ANHA, February 28, 2020、AP, February 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 28, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 28, 2020、Reuters, February 28, 2020、SANA, February 28, 2020、SOHR, February 28, 2020、UPI, February 28, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民887人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は564,703人に(2020年2月28日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月28日付)を公開し、2月27日に難民887人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは263人(うち女性79人、子供135人)、ヨルダンから帰国したのは624人(うち女性187人、子供318人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は564,703人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者178,582人(うち女性53,972人、子ども91,375人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者386,121人(うち女性115,880人、子ども196,914人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,568,303人(うち女性1,970,491人、子供3,349,835人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は793,983人(うち女性238,510人、子供405,211人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 28, 2020をもとに作成。

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