シャーム解放機構のジャウラーニー指導者はイドリブ県での戦闘へのトルコ軍の介入を容認(2020年2月14日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者は、地元のメディア関係者との懇談のなかで、イドリブ県での戦闘へのトルコ軍の介入を容認した。


ジャウラーニー指導者は13日に「北部解放区」某所で行われた懇談のなかで、「戦いのなかで何かに賭けたり、依存するかどうかは、我々の内面的な力次第であるとともに、革命における公の利益に資するそれ以外のあらゆる機会に対して投資は行われる」と述べ、トルコ軍の介入を暗に容認した。

ジャウラーニー指導者はまた「解放区にあるエネルギーはこの攻撃を撃退するに十分だ。最近の革命諸派の連携は、これまでになくうまくいっていると明言したい。だが、同時に、我々はさらなる軍事組織を必要としている」と付言した。

イバー・ネット(2月14日付)などが伝えた。

AFP, February 14, 2020、ANHA, February 14, 2020、AP, February 14, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 14, 2020、Reuters, February 14, 2020、SANA, February 14, 2020、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, February 14, 2020、SOHR, February 14, 2020、UPI, February 14, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ外務省報道官はシリア人民議会がアルメニア人大虐殺を認定する決議を採択したことを「虐殺の限りを尽くした体制の偽善と茶番」と非難(2020年2月14日)

トルコのハミ・アクソイ外務省報道官は、13日にシリアの人民議会が20世紀初頭のオスマン帝国でのアルメニア人大虐殺を認定する決議を採択したことに関して、「老若男女を問わずにありとあらゆる虐殺の限りを尽くし、何百万という人々を追い出し、化学兵器を使用することで知られている体制の偽善と茶番」と非難した。

AFP, February 14, 2020、ANHA, February 14, 2020、AP, February 14, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 14, 2020、Reuters, February 14, 2020、SANA, February 14, 2020、SOHR, February 14, 2020、UPI, February 14, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県北部、シャーム解放機構支配下のイドリブ県でシリア・ロシア軍の攻撃反対、トルコ軍介入支持を訴えるデモ(2020年2月14日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のアアザーズ市で金曜日の集団礼拝後に抗議デモが行われ、参加者はシリア・ロシア軍の攻撃反対を訴えた。

https://www.facebook.com/syriahro/videos/181385946420768/?t=0

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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月14日付)によると、ダーナー市、サルマダー市、カフル・ヤフムール村でも抗議デモが行われ、参加者はトルコ国旗を掲げ、トルコ軍の軍事作戦支持を訴えた。

AFP, February 14, 2020、ANHA, February 14, 2020、AP, February 14, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 14, 2020、Reuters, February 14, 2020、SANA, February 14, 2020、SOHR, February 14, 2020、UPI, February 14, 2020などをもとに作成。

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RTはトルコ軍部隊がマアッラト・ヌウマーン市近郊でM5高速道路を封鎖したと伝え、映像を公開(2020年2月14日)

RT(2月14日付)は、トルコ軍部隊がイドリブ県マアッラト・ヌウマーン市近郊でM5高速道路を封鎖したと伝え、その映像を公開した。

https://www.youtube.com/watch?v=d7TWjwPqNOs&feature=emb_err_watch_on_yt

SANA(2月14日付)は、シリア軍がアレッポ市から首都ダマスカスに至るM5高速道路全線の安全を確保したと伝えていた。

AFP, February 14, 2020、ANHA, February 14, 2020、AP, February 14, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 14, 2020、Reuters, February 14, 2020、SANA, February 14, 2020、SOHR, February 14, 2020、UPI, February 14, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍・国民軍はハサカ県、ラッカ県を砲撃(2020年2月14日)

ハサカ県では、ANHA(2月14日付)、SANA(2月14日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・タムル町近郊のタウィール村タウィール村、タッル・タウィール村、アブー・ラースィーン(ザルカーン)町一帯を砲撃した。

トルコ軍はまた、スッカリーヤ村に設置された通行所からアブー・ラースィーン町方面に車列を侵入させた。

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ラッカ県では、ANHA(2月14日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がアイン・イーサー市近郊のディブス村、ハーリディーヤ村、アイン・イーサー・キャンプ、M4高速道路沿線を砲撃した。

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アレッポ県では、アフリーン解放軍団が声明を出し、トルコ占領下のアアザーズ市に近いカフルハーシル村、カフル・カルビーン村でトルコの支援を受ける国民軍に所属するシャーム戦線、北部自由人の戦闘員3人を殺害したと発表した。

ANHA(2月14日付)が伝えた。

AFP, February 14, 2020、ANHA, February 14, 2020、AP, February 14, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 14, 2020、Reuters, February 14, 2020、SANA, February 14, 2020、SOHR, February 14, 2020、UPI, February 14, 2020などをもとに作成。

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トルコの庇護を受ける国民解放戦線がアレッポ県西部でシリア軍ヘリコプターを撃墜、対するシリア軍はアウラム・スグラー村、アウラム・クブラー町を制圧(2020年2月14日)

アレッポ県では、SANA(2月14日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室との戦闘の末、アウラム・スグラー村を制圧した。

シリア人権監視団によると、シリア軍はまたアウラム・クブラー町を制圧したという。

これにより、シリア軍はアターリブ市の南東3キロの地点にまで到達した。

これに対して、トルコ軍はアターリブ市に装甲車や兵員輸送車数十両を新たに派遣、同地一帯に部隊を展開させた。

また、シリア人権監視団によると、アレッポ市西のカブターン・ジャバル村一帯に展開するトルコ軍が「樽爆弾」による爆撃のために同地上空に飛来したシリア軍ヘリコプターを撃墜し、乗組員2人が死亡した。

ドゥラル・シャーミーヤ(2月14日付)が、複数の現地情報筋の話として伝えたところによると、死者は2人ではなく、ターリク・リヤード・アリー大尉、バッシャール・イーサー大尉、ミーラード・スライマーン軍曹の3人。

これに関して、スプートニク・ニュース(2月14日付)は、アターリブ市一帯に展開するシャーム解放機構が地対空ミサイルを発射し、ヘリコプターを撃墜したと伝えた。

また、RT(2月14日付)は複数の地元筋の話として、ヘリコプターがダーラト・イッザ市近郊のトルコ軍監視所から発射された携帯式の地対空ミサイルによって撃墜されたと伝えた。

だが、その後、トルコの庇護を受ける国民解放戦線が声明を出し、ヘリコプターを撃墜したと発表した。

声明文は以下の通り:

「ヘリコプターと戦闘機が我らが民間人に対して行う虐殺への報復として、そしてまた彼らが爆発性の高い「樽爆弾」で女性、子ども、そして民間人が多くいる町や村を無差別に狙い、何脈万という無垢の人々を死に至らしめているがゆえ、国民解放戦線の防空大隊は犯罪者体制軍のヘリコプター1機をアレッポ市西部郊外上空で狙い、これを撃墜した」。


トルコ軍によるヘリコプター撃墜を受けて、シリア軍は戦闘機・ヘリコプターによる爆撃を中止した。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(2月14日付)によると、反体制武装集団は、アレッポ市西部郊外のフルサーン協会、クルトバ丘を奪還した。

一方、ロシア軍はこの間、アウラム・クブラー町、第46中隊基地一帯、マアッラータ村、アターリブ市、カブターン・ジャバル村、ラドワーン協会地区などを爆撃し、マアッラータ村では子ども2人と女性1人を含む5人が死亡した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がトルコのハタイ県(シリア領アレキサンドレッタ地方)に近いサルマダー市を砲撃した。

これに対して、トルコ軍の戦車、装甲車など約100輌からなる増援部隊がカフルルースィーン村に違法に設置されている通行所からシリア領内に入り、M4高速道路沿線のアリーハー市近郊に展開するとともに、ザーウィヤ山地方ダイル・サンバル村近郊に新たな拠点を設置した。

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シリア人権監視団によると、一連の戦闘でシリア軍兵士14人、反体制武装集団戦闘員19人が死亡した。

一方、トルコ国防省はイドリブ県とアレッポ県でシリア軍兵士63人を無力化したと発表した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を18件(イドリブ県4件、ラタキア県7件、アレッポ県3件、ハマー県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームによる停戦違反確認の報告はなかった。

AFP, February 14, 2020、ANHA, February 14, 2020、AP, February 14, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 14, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 14, 2020、Reuters, February 14, 2020、SANA, February 14, 2020、SOHR, February 14, 2020、UPI, February 14, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民859人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は551,967人に(2020年2月14日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月14日付)を公開し、2月13日に難民859人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは224人(うち女性67人、子供114人)、ヨルダンから帰国したのは635人(うち女性191人、子供324人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は551,967人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者174,319人(うち女性52,689人、子ども89,198人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者377,648人(うち女性113,339人、子ども192,592人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,569,742人(うち女性1,970,923人、子供3,350,568人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 781,247人(うち女性234,686人、子供398,712人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 14, 2020をもとに作成。

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