サウト・アースィマ:ロシアはシリア政府と和解した元戦闘員をリビアでの戦闘に参加させるために募集(2020年2月13日)

反体制派系サイトのサウト・アースィマ(2月13日付)は、複数の地元筋の話として、ロシアが今年に入って、ダマスカス郊外県ドゥーマー市などで、シリア政府との和解に応じた元反体制武装集団メンバーに募集をかけ、ハリーファ・ハフタル司令官率いる国民軍を支援するためにリビアでの戦闘に参加させようとしていると伝えた。

同地元筋によると、ロシアは募集に際して、月収800米ドルを支給し、リビアで3ヶ月間戦闘に参加した後に、1ヶ月の休暇を保証するという条件を出しているという。

募集に応じた若者は、シリア駐留ロシア軍司令部が設置されているラタキア県のフマイミーム航空基地から「ロシアの友人」であることを証明する身分証を支給されるという。

なお、25人が2月の第1週に、ダマスカス国際空港からベンガジに向かったという。

AFP, February 13, 2020、ANHA, February 13, 2020、AP, February 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 13, 2020、Reuters, February 13, 2020、SANA, February 13, 2020、Sawt al-‘Asima, February 13, 2020、SOHR, February 13, 2020、UPI, February 13, 2020などをもとに作成。

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マムルーク国民安全保障会議議長がエジプトを極秘訪問(2020年2月13日)

サウジアラビア日刊紙の『ハリージュ・ジャディード』(2月13日付)は、エジプト外交筋の話として、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長が諜報、治安、外交担当者らを随行し、数日前に極秘でエジプトを訪問し、同国高官とシリア情勢への対応を協議したと伝えた。

同外交筋によると、マムルーク議長は、首都カイロを訪問し、1月13日にロシアの首都モスクワで行われたシリア・ロシア・トルコの治安関係者による三カ国会合の結果について報告するなどしたという。

AFP, February 13, 2020、ANHA, February 13, 2020、AP, February 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 13, 2020、al-Khalij al-Jadid, February 13, 2020、Reuters, February 13, 2020、SANA, February 13, 2020、SOHR, February 13, 2020、UPI, February 13, 2020などをもとに作成。

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イスラエル軍がダマスカス空港一帯の「イランの民兵」拠点をミサイル攻撃(2020年2月13日)

シリア人権監視団によると、ダマスカス郊外県で、イスラエル軍のミサイル攻撃によると思われる爆発が複数回にわたって発生した。

攻撃は、貨物機(所属不明)がダマスカス国際空港に飛来したのを受けて実施され、ダマスカス国際空港・サイイダ・ザイナブ町間にある「イランの民兵」の拠点が狙われた。

シリア軍防空部隊が迎撃したが、ミサイル複数発が着弾、イラン人士官4人、士官2人を含むシリア軍兵士3人が死亡したという。

一方、SANA(2月13日付)は、シリア軍筋の話として、13日午後11時45分に占領下ゴラン高原上空から飛来したミサイルをシリア軍防空部隊が迎撃、多数を撃破したと伝えた。

 

サウト・アースィマ(2月14日付)によると、攻撃は5回にわたって行われ、ダマスカス国際空港一帯のほか、キスワ市近郊の第91旅団基地などが標的となった。

AFP, February 13, 2020、ANHA, February 13, 2020、AP, February 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 13, 2020、Reuters, February 13, 2020、SANA, February 13, 2020、Sawt al-‘Asima, February 14, 2020、SOHR, February 13, 2020、UPI, February 13, 2020などをもとに作成。

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ジェフリー米国務省シリア問題担当特使「イドリブ県でトルコ軍にさらなる諜報と軍事物資を提供する」(2020年2月13日)

トルコを訪問中のジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使は、イドリブ県へのシリア・ロシア軍の攻勢に関して、「米国はNATO(北大西洋条約機構)の枠組みのなかで、イドリブ県でのトルコへの支援方法について検討している。ここでの優先事項は、トルコ軍にさらなる諜報と軍事物資を提供するだ」と述べた。

ジェフリー特使はまた、トルコ高官との会談のなかで、米軍派遣を通じたトルコへの支援については話し合われなかったとしたうえで、シリアで米国、ロシア、トルコ、イスラエルといった「大物プレーヤー」が最大限の自制を行っており、これらの国が参加したかたちでの大規模な紛争は起こらないと述べた。

一方、トルコとの関係については、イドリブ県情勢をめぐって多くの合意を交わしたしたうえで、トルコには安全保障と国境を守る権利があると強調した。

AFP, February 13, 2020、ANHA, February 13, 2020、AP, February 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 13, 2020、Reuters, February 13, 2020、SANA, February 13, 2020、SOHR, February 13, 2020、UPI, February 13, 2020などをもとに作成。

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サウジアラビアのジュバイル外務担当国務大臣はトルコによるシリア侵略を非難(2020年2月13日)

サウジアラビアのアーディル・ジュバイル外務担当国務大臣は、記者会見で、トルコによるシリアへの侵略、ソマリア、シリア、そしてリビアの民兵へのトルコの支援に反対すると述べた。

ジュバイル大臣はまた、トルコが支援するシリア人傭兵(国民軍)がリビアに派遣されていることに懸念を表明するとともに、「ハリーファ・ハフタル氏とファーイズ・スィラージュ氏に政治的解決に至る必要があると伝えた」と強調した。

イエメン情勢については、「我々はイエメンで戦争を望んではいなかった。我々はヒズブッラーとフーシー派を静止するために介入したのであって、我々は安定を望んでいるだけだ」と述べた。

AFP, February 13, 2020、ANHA, February 13, 2020、AP, February 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 13, 2020、Reuters, February 13, 2020、SANA, February 13, 2020、SOHR, February 13, 2020、UPI, February 13, 2020などをもとに作成。

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シリア人民議会は20世紀初頭にオスマン帝国でアルメニア人虐殺が行われた事実を認め、これを非難する決議を採択(2020年2月13日)

シリアの人民議会(第2期人民議会第12回通常会第10回会合)は、20世紀初頭にオスマン帝国でアルメニア人虐殺が行われた事実を認め、これを非難する決議を採択した。

決議ではまた、アルメニア人虐殺の事実を否定、ないしは歪めようとするいかなる試みを非難、この虐殺を人道に対するもっとも卑劣な犯罪と断じた。

また、アルメニア国民に同情の意を表明、アルメニア教徒、シリア正教徒、アッシリア教徒などもオスマン帝国による体系的な民族浄化と集団虐殺の犠牲者だったとしたうえで、世界各国の議会、そして世論、国際社会に、この虐殺を非難するために行動するよう呼びかけた。

AFP, February 13, 2020、ANHA, February 13, 2020、AP, February 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 13, 2020、Reuters, February 13, 2020、SANA, February 13, 2020、SOHR, February 13, 2020、UPI, February 13, 2020などをもとに作成。

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ラッカ県でシリア民主軍がトルコ軍・国民軍と交戦、国民軍戦闘員16人を殲滅(2020年2月13日)

ラッカ県では、ANHA(2月13日付)、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍傘下のシリア正教軍事評議会がタッル・アブヤド市近郊のアフマディーヤ村、アフダクー村一帯で、トルコ軍およびその支援を受ける国民軍と交戦、トルコ軍・国民軍が同地を砲撃した。

シリア民主軍はまた、シャルカラーク村の穀物サイロ一帯でトルコ軍・国民軍と交戦し、国民軍戦闘員7人を殺害、2人を捕捉した。

なお同地では、前日夜にも戦闘が発生、国民軍戦闘員9人が死亡したという。

一方、トルコの占領下にあるタッル・アブヤド市近郊のスルーク町の工業地区で爆弾が仕掛けられた車が爆発した。

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ハサカ県では、ANHA(2月13日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・タムル町近郊のクブール・ガラージナ村、ウンム・カイフ村を砲撃した。

一方、シリア民主軍は12日のタッル・タムル町近郊のアリーシャ村、カースィミーヤ村、ダーウーディーヤ村での戦闘で国民軍の戦闘員9人を殺害したと発表した。

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アレッポ県では、ANHA(2月13日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のハルバル村、シャイフ・イーサー村、マルアナーズ村、マーリキーヤ村、シャワーリガ村、シャワーリガ砦、スムーカ村、シャフバー・ダムを砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍憲兵隊がアイン・アラブ市一帯の国境地帯でのパトロールを単独で実施した。

トルコ軍は参加を拒否した。

AFP, February 13, 2020、ANHA, February 13, 2020、AP, February 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 13, 2020、Reuters, February 13, 2020、SANA, February 13, 2020、SOHR, February 13, 2020、UPI, February 13, 2020などをもとに作成。

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シリア軍がアレッポ県カフルジューム村、アレッポ市ムハンディスィーン第1および第2地区を新たに制圧、トルコ軍の砲撃とロシア軍の爆撃続く(2020年2月13日)

アレッポ県では、SANA(2月13日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構などからなる反体制武装集団との戦闘の末、カフルジューム村、アレッポ市西部郊外のムハンディスィーン第1および第2地区を制圧した。

シリア人権監視団によると、シリア軍はまた、アレッポ市郊外のザフラト・マダーイン地区、CHEMCO地区を制圧した。

SANA、シリア人権監視団などによると、シリア軍はアウラム・クブラー町、アウラム・スグラー村一帯で反体制武装集団と戦闘を続けた。

一方ロシア軍戦闘機は、トルコ軍の拠点が新たに設置された第46中隊基地一帯、トルコ軍監視所が設置されているシャイフ・アキール山に近いカブターン・ジャバル村、カフルナーハー村、イッビーン村を爆撃し、カブターン・ジャバル村では住民が負傷した。

シリア軍も第46中隊基地一帯に進軍し、同地を砲撃した。

ロシア・シリア軍の攻勢に対して、第46中隊基地に展開するトルコ軍はカフル・ハラブ村、ミズナーズ村、シャイフ・アリー村にあるシリア軍拠点を砲撃した。

トルコ軍はまた、ジーナ村に新たな拠点を設置した。

シャーム解放機構などからなる反体制武装集団も、トルコ軍の砲撃支援を受けて、シリア軍に反撃、ムハンディスィーン第2地区とアウラム・スグラー村の複数カ所を奪還した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サラーキブ市一帯に展開するトルコ軍が同地のシリア軍拠点を砲撃した。

また、トルコ軍がマアッラトミスリーン市東部に新たな拠点を設置した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を24件(イドリブ県4件、ラタキア県8件、アレッポ県3件、ハマー県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を2件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 13, 2020、ANHA, February 13, 2020、AP, February 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 13, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 13, 2020、Reuters, February 13, 2020、SANA, February 13, 2020、SOHR, February 13, 2020、UPI, February 13, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民844人と国内避難民(IDPs)1,383人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は551,108人、2019年以降帰還したIDPsは51,345人に(2020年2月13日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月13日付)を公開し、2月12日に難民844人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは251人(うち女性75人、子供128人)、ヨルダンから帰国したのは593人(うち女性178人、子供302人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は551,108人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者174,095人(うち女性52,622人、子ども89,084人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者377,013人(うち女性113,148人、子ども192,268人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,569,742人(うち女性1,970,923人、子供3,350,568人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 780,388人(うち女性234,428人、子供398,274人)となった。

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一方、国内避難民1,383人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは1,383人(うち女性502人、子ども471人)、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は51,345人(うち女性16,785人、子供22,137人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,319,941人(うち女性399,344人、子供665,903人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 13, 2020をもとに作成。

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