トルコ軍と国民軍は北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃、シリア民主軍が応戦(2020年2月4日)

アレッポ県では、ANHA(2月4日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のカシュタアール村に設置されているロシア軍の拠点を砲撃した。

砲撃による被害状況は不明。

ANHAやシリア人権監視団によると、トルコ軍と国民軍はまた、マーリキーヤ村、シャワーリガ村、シャワーリガ砦、マルアナーズ村、スーガーニカ村、アキーバ村、タッル・マディーク村、シャフバー・ダム、ハルバル村、シャイフ・イーサー村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がジャラーブルス市近郊のムフスィンリー村を砲撃し、子ども1人が負傷した。

また、マンビジュ市西のサイヤード丘一帯でシリア民主軍と国民軍が交戦した。

さらに、国民軍はトゥーハール村一帯でシリア軍兵士を狙撃し、1人を殺害した。

これに対して、シリア民主軍はトルコ占領下のアフリーン市を砲撃し、住民1人が死亡した。

このほか、アフリーン解放軍団は声明を出し、3日にトルコ占領下のシャッラー村近郊のマリーミーン村、マーリア市で反体制武装集団を攻撃し、戦闘員4人を殺害したと発表した。

AFP, February 4, 2020、ANHA, February 4, 2020、AP, February 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 4, 2020、Reuters, February 4, 2020、SANA, February 4, 2020、SOHR, February 4, 2020、UPI, February 4, 2020などをもとに作成。

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シリア軍はイドリブ県サラーキブ市一帯の20カ村以上を新たに制圧(2020年2月4日)

イドリブ県では、SANA(2月4日付)によると、シリア軍は、サラーキブ市一帯でシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)との戦闘を続け、M4およびM5高速道路沿線の22カ村を新たに解放した。

マルディーフ村、タッル・マルディーフ村、トゥワイル・タウィール・ハリーブ村、バリーサ村、ハマーダート村、ウンム・シャルシューフ村、タッル・スルターン村、ミンタール村、ハシャーヒーシュ村、ラーキム丘、ラーキム村、ワスィータ丘、ワスィータ村、タウィール山、放棄された大隊基地、ムシャイリファ村、タウィール・シャイフ村、シューハ村、ラアス・アイン村、フィルドゥース丘など。

一方、シリア人権監視団も、シリア軍が反体制武装集団が撤退した20カ村を新たに制圧したと発表した。

20カ村は以下の通り:シャイフ・イドリース村、ブジュガース村、ライヤーン村、タッル・ルンマーン村、バーリーサー村、ハマーマート村、タッル・スルターン村、ウンム・シャルシューフ村、ハシャーヒーシュ村、タッル・イブラーヒーム村、タウィール山、放棄された大隊基地、バリーサ村、ワスィータ村、クワイリス村、タッル・アガル村、ムシャイリファ村、タウィール・ハリーブ村、ラーキム村、ジュダイダト・ハトラ村。

一方、SANAは、反体制武装集団がワスィータ村、ラーキム村、バリーサ村、タッル・アガル村を奪還したとの一部情報を否定した。

SANAはさらに、シリア軍筋の話として、サラーキブ市およびタッル・トゥーカーン村一帯の解放をめざすシリア軍部隊が、同地の住民の脱出を阻止し続ける武装集団に武器の引き渡し投降するよう最後通告を行ったと伝えた。

なお、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がサルミーン市およびその一帯、サラーキブ市一帯、アリーハー市、ムサイビーン村などを、シリア軍戦闘機がナイラブ村、サルミーン市を、ヘリコプターが同地一帯を爆撃した。

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アレッポ県では、SANA(2月4日付)によると、シリア軍がアレッポ市西部・南部郊外のザフラー協会地区、ラーシディーン第4地区、カースティールー地区、ライラムーン地区、ハーン・アサル村、ズィルバ村で活動を続けるシャーム解放機構などの反体制武装集団に対して重点的な砲撃を行った。

一方、ANHA(2月4日付)は、トルコ軍がアレッポ県アフリーン郡で活動する国民軍の戦闘員をシリア・ロシア軍の攻撃が続くイドリブ県やアレッポ県西部郊外への派遣を続けていると伝えた。

同サイトによると、トルコ軍はまた、アフリーン市やジンディールスなどで活動するサマルカンド大隊の戦闘員ら数十人をアレッポ市西部郊外に派遣したという。

また、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がM5高速道路沿線一帯を爆撃した。

他方、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がシリア軍との戦闘の末、カルアジーヤ村、ハミーラ村を奪還した。

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シリア人権監視団によると、一連の戦闘でシリア軍兵士19人、反体制武装集団26人が死亡した。

これにより、1月24日以降の死者数は、シリア軍347人、「イランの民兵」の外国人戦闘員10人、反体制武装集団戦闘員368人となった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を27件(イドリブ県8件、ラタキア県12件、アレッポ県1件、ハマー県6件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を27件(イドリブ県8件、ラタキア県12件、アレッポ県1件、ハマー県6件)確認した。

AFP, February 4, 2020、ANHA, February 4, 2020、AP, February 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 4, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 4, 2020、Reuters, February 4, 2020、SANA, February 4, 2020、SOHR, February 4, 2020、UPI, February 4, 2020などをもとに作成。

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ロシアのラヴロフ外務大臣「トルコは反体制派とヌスラ戦線を分けるという取り組みを履行できていない」(2020年2月4日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は記者会見で、イドリブ県に進入したトルコ軍部隊をシリア軍が砲撃し、多数が死傷したことに関して、「遺憾ながら、現段階で、トルコ側はイドリブ県の問題を根本的に解決するための取り組みの一部を遵守できていない」と批判した。

ラブロフ外務大臣は「トルコは、政治プロセスの一環として、トルコに協力し、シリア政府と対話する準備があるシリアの武装反体制諸派を、ヌスラ戦線(シャーム解放機構)と分けることができていない」としたうえで、「トルコ軍がイドリブ県に展開し、シリア軍と交戦しているとの情報があり、我々は事態を中止している」と付言した。

一方、3日のシリア軍によるトルコ軍への砲撃については「トルコ軍はイドリブ県の緊張緩和地帯内の拠点複数カ所に事前通告なく入ったため、我々はシリア軍にそのことを通知できなかった。そのために(シリア軍による)砲撃が行われ、それに対する(トルコ軍の)報復が行われた」と述べた。

RT(2月4日付)が伝えた。

AFP, February 4, 2020、ANHA, February 4, 2020、AP, February 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 4, 2020、Reuters, February 4, 2020、RT, February 4, 2020、SANA, February 4, 2020、SOHR, February 4, 2020、UPI, February 4, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:650人の難民が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は543,737人に(2020年2月4日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月4日付)を公開し、2月3日に難民650人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは173人(うち女性52人、子供88人)、ヨルダンから帰国したのは477人(うち女性143人、子供243人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は543,737人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者172,244人(うち女性52,067人、子ども88,139人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者371,493人(うち女性111,491人、子ども189,453人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,569,742人(うち女性1,970,923人、子供3,350,568人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 773,017人(うち女性232,216人、子供394,514人)となった。

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一方、国内避難民3人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは3人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した3人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は46,980人(うち女性15,044人、子供20,602人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,315,576人(うち女性397,603人、子供664,368人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 4, 2020をもとに作成。

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ヒムス製油所、エブラ・ガス工場、ライヤーン・ガス工場が何者かの砲撃を受ける(2020年2月3日)

ヒムス県では、SANA(2月4日付)が、石油鉱物資源省筋の話として伝えたところによると、ヒムス製油所、エブラ・ガス工場、ライヤーン・ガス工場が3日深夜に、何者かの砲撃を受け、火災が発生、物的被害が生じた。

AFP, February 4, 2020、ANHA, February 4, 2020、AP, February 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 4, 2020、Reuters, February 4, 2020、SANA, February 4, 2020、SOHR, February 4, 2020、UPI, February 4, 2020などをもとに作成。

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米軍ヘリコプターがハサカ県タッル・タムル町上空からロシア軍ヘリコプターを排除、ロシア軍は米軍が設置した検問所を迂回してパトロールを敢行(2020年2月3日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米軍のヘリコプター複数機がカスラク村に設置されている基地を離陸し、タッル・タムル町方面に向かい、同地上空を旋回していたロシア軍ヘリコプター3機を排除した。

米軍ヘリコプターはロシア軍ヘリコプターをラアス・アイン(スィリー・カーニヤ)市上空まで追尾し、タッル・タムル町から遠ざけたという。

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一方、地上では、タッル・タムル町に駐留するロシア軍のパトロール部隊が、M4高速道路沿線のハリータ村近郊に米軍が設置していた検問所を迂回し、パトロールを敢行した。

ロシア軍のパトロール部隊は、米軍車輌10台が展開していた検問所を、舗装されていない脇道を通って迂回したという。

進行を阻止された。

なお、ロシア軍パトロール部隊は1月29日、同地で米軍部隊に進行を妨害され、一触即発となったが、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が間に入り、事なきを得ていた。

AFP, February 3, 2020、ANHA, February 3, 2020、AP, February 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2020、Reuters, February 3, 2020、SANA, February 3, 2020、SOHR, February 3, 2020、UPI, February 3, 2020などをもとに作成。

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シリア軍の攻撃を受けて、トルコ軍はアレッポ県アイン・アラブ市一帯でのロシアとの合同パトロール実施を拒否(2020年2月3日)

アレッポ県では、ANHA(2月3日付)によると、トルコ軍がアイン・アラブ(コバネ)市東部の国境地帯で予定していたロシア軍との合同パトロールの実施を拒否した。

イドリブ県でのシリア軍の砲撃でトルコ軍兵士4人が死亡したことを受けたもの。

この日、ロシア軍憲兵隊の装甲車6機とヘリコプター2機が合同パトロールを実施するため、1時間以上にわたって国境でトルコ軍部隊を待ったが、トルコ軍部隊はシリア領内に入るのを拒否、ロシア軍部隊はパトロールを実施せずにアイン・アラブ市内の基地に帰着した。

AFP, February 3, 2020、ANHA, February 3, 2020、AP, February 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2020、Reuters, February 3, 2020、SANA, February 3, 2020、SOHR, February 3, 2020、UPI, February 3, 2020などをもとに作成。

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ロシア国防省はホワイト・ヘルメットがアレッポ県西部でシリア軍の化学兵器攻撃を偽装する準備をしていると発表(2020年2月3日)

ロシア国防省はラタキア県フマイミーム航空基地に設置されているロシア当事者和解調整センターがアレッポ県のマアーッラト・アルティーク村の複数の住民から収集した収集した情報として、ホワイト・ヘルメットがシャーム解放機構の支援を受けて、同村で「テロリストの親族」200人あまりを参加させて、シリア軍による有毒ガス攻撃を偽装する準備をしていると発表した。

同センターによると、ホワイト・ヘルメットは、撮影を予定している現場にトラック2台に積んだ化学物質400リットルを搬入したという。

AFP, February 3, 2020、ANHA, February 3, 2020、AP, February 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2020、Reuters, February 3, 2020、SANA, February 3, 2020、SOHR, February 3, 2020、UPI, February 3, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍はシリア政府と北・東シリア自治局が共同支配するアレッポ県北部、ラッカ県北部、ハサカ県北部を激しく砲撃(2020年2月3日)

アレッポ県では、ANHA(2月3日付)によると、トルコ軍が早朝から、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市とその近郊(シャフバー地区)のマルアナーズ村、マーリキーヤ村、アルカミーヤ村、タッル・アジャール村、カフル・アントワーン村、タナブ村、イルシャーディーヤ村、ダイル・ジャマール村、アキーバ村、バイナ村、スーガーニカ村、シャイフ・イーサー村、アイン・ダクナ村、バイルーニーヤ村、シャイフ・ヒラール村、カフル・ナースィフ村、シャワーリガ村、シャワーリガ砦を複数回にわたって砲撃し、アキーバ村では住民1人が死亡した。

また、砲撃と前後して、トルコ軍の戦闘機複数機が同地上空に飛来した。

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ラッカ県では、ANHA(2月3日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がアイン・イーサー市近郊のハーリディーヤ村、フーシャーン村シリア軍部隊が進駐する第93旅団基地、M4高速道路沿線一帯を砲撃した。

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ハサカ県では、ANHA(2月3日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、タッル・タムル町近郊のウンム・カイフ村を砲撃した。

AFP, February 3, 2020、ANHA, February 3, 2020、AP, February 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2020、Reuters, February 3, 2020、SANA, February 3, 2020、SOHR, February 3, 2020、UPI, February 3, 2020などをもとに作成。

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シリア・ロシア軍のイドリブ県への攻撃で1月24日以降19万人のIDPsが発生、SANAは反体制派がシリア政府支配地域への住民の脱出を阻止していると伝える(2020年2月3日)

シリア人権監視団は、シリア軍がサラーキブ市、ナイラブ村、イドリブ市に接近したのを受け、住民の避難はさらに加速、1月24日以降の避難者数は19万人に達していると発表した。

なお、1月半ば以降に発生した国内避難民(IDPs)数は28万人以上、12月初め以降は72万人に達しているという。

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一方、SANA(2月5日付)は、イドリブ県アブー・ズフール町近郊、同県フバイト村、アレッポ県ハーディル村の3カ所に1月13日に設置された人道回廊に関して、反体制武装集団が住民の脱出を阻止し続け、「人間の盾」として利用している、と伝えた。

AFP, February 3, 2020、ANHA, February 3, 2020、AP, February 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2020、Reuters, February 3, 2020、SANA, February 3, 2020、SOHR, February 3, 2020、UPI, February 3, 2020などをもとに作成。

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シリア軍はトルコ軍の報復にもかかわらず、イドリブ県の4カ村を新たに制圧、サラーキブ市西1キロの地点でM4高速道路を寸断することに成功(2020年2月3日)

イドリブ県では、SANA(2月5日付)、シリア人権監視団によると、シリア軍は、サラーキブ市西に展開したトルコ軍を砲撃する一方、同地に対する攻撃を続け、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室の支配下にあったジャウバース村、サーン村、タルナバ村を新たに制圧した。

シリア人権監視団によると、シリア軍はまたナイラブ村も制圧した。

シリア軍はこれによって、アレッポ市とラタキア市を結ぶM4高速道路をサラーキブ市の西1キロの地点で寸断することに成功した。

シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊の進軍を航空支援するかたちで、ロシア軍戦闘機がタフタナーズ市、タフタナーズ航空基地、サラーキブ市、サルミーン市、アリーハー市一帯、ナイラブ村、ビンニシュ市、マストゥーマ村を爆撃した。

また、シリア軍戦闘機はアリーハー市一帯、サルミーン市、サラーキブ市、ナイラブ村、タッル・スルターン村、アーフィス村、クマイナース村を爆撃、ヘリコプターもサラーキブ市およびその一帯、サルミーン市、ナイラブ村、マンタフ村、アリーハー市一帯を「樽爆弾」で爆撃した。

これに対して、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室はナイラブ村、タルナバ村を制圧したシリア軍部隊に対して砲撃を加えた。

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アレッポ県では、SANA(2月5日付)によると、シリア軍が、シャーム解放機構などの反体制武装集団が活動を続けるアレッポ市西部・南部郊外、マンスーラ村、カフルダーイル村、アターリブ市に対して重点的に砲撃を行った。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がアターリブ市、アンジャーラ村一帯、カナーティル村、カマーリー村、アルナーズ村、カフルナーハー村およびその一帯を爆撃した。

ロシア軍の爆撃で、カフルナーハー村では国内避難民(IDPs)が乗っていた車が被弾し、子ども4人と女性3人を含む9人が、アルメニア協会(場所不明)ではIDPsの子ども2人と女性1人が、カフルナーハー村郊外では2人が死亡した。

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ラタキア県では、シリア・アラブ・テレビ(2月3日付)によると、シリア駐留ロシア軍司令部が設置されているフマイミーム航空基地に接近した無人航空機2機をシリア軍防空部隊が撃墜した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サナマイン市で軍事情報局とシリア政府との和解に応じた元反体制武装集団のメンバーが交戦した。

戦闘は、同市で先日、元メンバー1人が殺害されたことを受けたもの。

また、ムザイリーブ町で武装集団が住民1人を殺害、ダルアー市でもシリア政府との和解に応じた元反体制武装集団メンバー1人が何者かに撃たれて死亡した。

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シリア人権監視団によると、一連の戦闘でシリア軍兵士30人、反体制武装集団戦闘員34人が死亡した。

これにより、1月24日以降の戦闘での死者はシリア軍兵士328人、「イランの民兵」の外国人戦闘員10人、反体制武装集団342人となった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を35件(イドリブ県8件、ラタキア県17件、アレッポ県2件、ハマー県8件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を5件(イドリブ県0件、ラタキア県0件、アレッポ県5件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 3, 2020、ANHA, February 3, 2020、AP, February 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 3, 2020、Reuters, February 3, 2020、SANA, February 3, 2020、SOHR, February 3, 2020、UPI, February 3, 2020などをもとに作成。

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ロシアはトルコ側の「警告無視」がシリア軍の攻撃を招いたと指摘する一方、爆撃でシリア軍に報復したとするエルドアン大統領の発表を否定(2020年2月3日)

ラタキア県フマイミーム航空基地に設置されているロシア当事者和解調整センターは声明を出し、イドリブ県でのシリア軍によるトルコ軍部隊への砲撃に関して、ロシア軍の警告を無視してトルコ軍が進軍したことが理由だと発表した。

声明において、センターは「トルコ軍部隊が2月2日夜から3日にかけて、ロシア軍の警告を無視して、イドリブ県の緊張緩和地帯内を移動した。それゆえに、サラーキブ市西の地域でテロリストを攻撃していたシリア政府軍の発表を受け…、トルコ軍兵士多数が負傷した」としたうえで、「ロシア軍とトルコ軍司令部は衝突を回避するために絶えず連絡を取り合っており、負傷者をトルコ領内に搬送するための措置を講じた」と発表した。

また「イドリブ県の緊張緩和地帯上空では、ロシア航空宇宙軍が絶えず監視活動を行っており、トルコ軍戦闘機は当時シリアの領空を侵犯していなかった。また、シリア軍の拠点に対する爆撃も記録されてない」と付言した。

AFP, February 3, 2020、ANHA, February 3, 2020、AP, February 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2020、Reuters, February 3, 2020、SANA, February 3, 2020、SOHR, February 3, 2020、UPI, February 3, 2020などをもとに作成。

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シリア軍はイドリブ県に増派されたトルコ軍部隊を砲撃し兵士10人以上を殺傷、トルコ軍も反撃しシリア軍兵士数十人を殺害(2020年2月3日)

トルコ国防省は声明を出し、シリア軍がイドリブ県のトルコ軍拠点複数カ所を砲撃し、兵士4人が死亡、9人が負傷したと発表した(トルコ国防省はその後、死者数が6人に増えたと発表)。

これに対して、トルコ軍は砲撃で応戦したと発表した。

なお、シリア人権監視団によると、トルコ軍側の死者は兵士7人と民間職員1人の合わせて8人。

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シリア人権監視団によると、シリア軍が狙ったのはサラーキブ市西のタルナバ村に展開していたトルコ軍部隊の拠点1カ所。

トルコ軍は2日、戦車や兵員輸送車320輌からなる部隊をイドリブ県カフルルースィーン村に違法に設置されている国境通行所から5回に分けてシリア領内に侵入させ、アレッポ市西部郊外やM4高速道路沿線に配置していた。

シリア人権監視団によると、トルコ軍はまた、3日にも、カフルルースィーン村の国境通行所を通じて、戦車や兵員輸送車など100輌からなる増援部隊をシリア領内に進入させた。

部隊は3つの車列に分けられてシリア領内に入ったという。

なお、トルコ軍が部隊を派遣したイドリブ県、アレッポ県では、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構、トルコが後援する国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室がシリア・ロシア軍の激しい攻撃に晒され、後退を続けていた。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はウクライナ訪問に先立ってイスタンブール国際空港で記者会見を開き、イドリブ県でシリア軍の攻撃によってトルコ軍兵士多数が死傷したことへの報復として、シリア国内各所を砲撃し、シリア軍兵士数十人を殺害したと発表した。

エルドアン大統領は「トルコ軍のF-16戦闘機複数機、さらには砲兵部隊が、シリア政府側の標的40カ所を攻撃し、政府軍兵士30~35人が無力化した」と述べた。

トルコ軍部隊は、シリア政府側の標的46カ所に対して122発の砲弾と100発の迫撃砲弾を撃ち込んだという。

エルドアン大統領はまた「トルコはイドリブ県に駐留する部隊への攻撃への報復を続ける…。シリア政府はこの手の卑劣な攻撃を通じて自らの決意を試すことになる…。自分たちが大きな過ちを犯したことを知るだろう」と付言した。

一方、ロシアに対しては「あなた方(ロシア)ではなく、(シリアの)体制が我々の対峙している当事者だ。我々は事態が複雑にならないことを願っている…。トルコ軍士官はあなた方ロシアの士官と密に連絡をとり、これに基づき作戦を継続する」と述べた。

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シリア人権監視団によると、トルコ軍の反撃で、イドリブ県でシリア軍兵士8人、ラタキア県で3人、ハマー県で2人が死亡した。

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エルドアン大統領の発表を受け、トルコ人とアラブ人の活動家がツイッターなどのSNSを通じて、ハッシュタク「#İdlip」のついた英語、アラビア語、トルコ語の書き込みを拡散し、「アサド体制への処罰」を呼びかけた。

AFP, February 3, 2020、ANHA, February 3, 2020、AP, February 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2020、Reuters, February 3, 2020、SANA, February 3, 2020、SOHR, February 3, 2020、UPI, February 3, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民559人と国内避難民(IDPs)1,779が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は772,367人、2019年以降帰還したIDPsは46,977人に(2020年2月3日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月3日付)を公開し、2月2日に難民720人が新たに帰国したと発表した。


このうちレバノンから帰国したのは161人(うち女性48人、子供82人)、ヨルダンから帰国したのは559人(うち女性168人、子供285人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は543,087人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者172,071人(うち女性52,015人、子ども88,051人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者371,016人(うち女性111,348人、子ども189,210人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,569,742人(うち女性1,970,923人、子供3,350,568人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 772,367人(うち女性232,021人、子供394,183人)となった。

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一方、国内避難民1,779人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは1,779人(内女性722人、子ども493人)、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は46,977人(うち女性15,044人、子供20,602人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,315,573人(うち女性397,603人、子供664,368人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 3, 2020をもとに作成。

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国民軍がトルコからの直接の指示を受けてシリア政府支配下のターディフ市一帯(アレッポ県)を攻撃したことへの対抗措置として、ロシア軍戦闘機はトルコ占領下のバーブ市を初めて爆撃(2020年2月2日)

アレッポ県では、国民軍がトルコからの直接の指示を受けて、トルコ占領下のバーブ市に面するシリア政府支配下のターディフ市一帯を攻撃したことへの対抗措置として、ロシア軍戦闘機が1日深夜から2日未明にかけてバーブ市を爆撃した。

ロシア軍戦闘機がトルコ占領地を爆撃するのはこれが初めて。

この爆撃により、バーブ市内のモスクが被弾した。

一方、アフリーン解放軍団が声明を出し、1日に北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊(シャフバー地区)のタッル・ラッハール村および同地に近いレーダー塔に対する国民軍の攻撃に応戦し、戦闘員22人を殺害、10人を負傷させたと発表した。

この戦闘で、アフリーン解放軍団の戦闘員3人も戦士したという。

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、カーミシュリー市東のジュワーディーヤ(ジール・アーガー)村近郊の下アマーラート村にトルコ軍の無人航空機1機が墜落した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がアイン・イーサー市近郊にあるシリア軍の拠点複数カ所を砲撃した。

AFP, February 2, 2020、ANHA, February 2, 2020、AP, February 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2020、Reuters, February 2, 2020、SANA, February 2, 2020、SOHR, February 2, 2020、UPI, February 2, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍はシリア・ロシア軍の攻勢が続くイドリブ県、アレッポ県に戦車、兵員輸送車など300輌以上からなる増援部隊を派遣、ロシア軍が車列近くを爆撃(2020年2月2日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍の戦車、兵員輸送車など約40輌からなる車列がカフルルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に入った。

車列はアレッポ県アレッポ市西部に向かった。

これに対して、ロシア軍戦闘機は、車列が近づいたアレッポ県カフル・ハラブ村近郊を爆撃した。

トルコ軍はこの車列以外にも、4度にわたって大規模な車列をカフルルースィーン村からシリアに進入させ、派遣された車輌は320輌あまりとなった。

増援部隊はアレッポ市とラタキア市を結ぶM4高速道路沿線に設置されているトルコ軍監視所などに向かったという。

AFP, February 2, 2020、ANHA, February 2, 2020、AP, February 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2020、Reuters, February 2, 2020、SANA, February 2, 2020、SOHR, February 2, 2020、UPI, February 2, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県ハーリム町近くの国境前で国外避難を求めるIDPsをトルコ国境警備隊は催涙弾と放水で強制排除(2020年2月2日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーリム市近くの国境の前で、国内避難民(IDPs)が国外への避難を求める抗議デモを行った。

「イドリブからベルリンへ」と銘打ってデモ実施を求めてきた活動家らの呼びかけに呼応したもので、これに対してトルコ国境警備体はシリア領内で抗議を行うIDPsに催涙弾や放水で対応し、デモを強制排除した。

AFP, February 2, 2020、ANHA, February 2, 2020、AP, February 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2020、Reuters, February 2, 2020、SANA, February 2, 2020、SOHR, February 2, 2020、UPI, February 2, 2020などをもとに作成。

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シリア軍はアレッポ県の2カ村とイドリブ県の3カ村を新たに制圧、ロシア・シリア軍の爆撃で民間人15人以上死亡(2020年2月2日)

アレッポ県では、SANA(2月2日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構などからなる反体制武装集団との戦闘の末、アレッポ市南西部のハラサ村、カラースィー村を制圧した。

しかし、ドゥラル・シャーミーヤ(2月2日付)などは、反体制武装集団がシリア軍による制圧の数時間後にハラサ村とズィーターン村を奪還したと伝えた。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がアウラム・クブラー町、カマーリー村、ハーン・アサル村、バルクーム村、アターリブ市、M5高速道路沿線を爆撃し、アウラム・クブラー町では住民3人が、アターリブ市では女性1人が死亡した。

シリア軍戦闘機およびヘリコプターもアレッポ市西部・南部郊外一帯を爆撃した。

また、SANAによると、アレッポ市西部郊外での戦闘を取材していたイランのアーラム・チャンネルの女性特派員1人とカウサル・チャンネルのカメラマン1人が負傷した。

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イドリブ県では、SANA(2月2日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構、国民解放戦線(国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室との戦闘の末、アンカラーティー村、カフルバッティーフ村、ダーディーフ村を制圧した。

カフルバッティーフ村については、シリア人権監視団が1日にシリア軍によって制圧されたと発表していた。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(2月2日付)によると、シャームか一法機構はアレッポ市南部郊外での戦闘でシリア軍の最新鋭戦車T90を捕獲した。

また、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がサラーキブ市、カフルバッティーフ村一帯、ダーディーフ村を爆撃した。

シリア軍戦闘機も、マストゥーマ村、アルバイーン山、ザーウィヤ山各所、サラーキブ市およびその一帯、ビンニシュ市近郊、M4高速道路沿線を爆撃し、ヘリコプターもサルミーン市を「樽爆弾」で爆撃した。

この爆撃で、マストゥーマ村では住民1人が、ビンニシュ市近郊では子ども1人が、サルミーン市では子ども4人と女性3人を含む8人が死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タファス市で、医師が何者かによって撃たれて死亡した。

またシャジャラ町でも、シリア政府との和解に応じた元反体制武装集団戦闘員1人が何者かに撃たれて死亡した。

さらに、ナーフィア村でも1人が何者かによって撃たれて死亡した。

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ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センターのユーリ・ボレンコフ・センター長(中将)は声明を出し、同基地を攻撃しようとした無人航空機複数機を撃破したと発表した。

無人航空機はシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の支配下にあるイドリブ県から飛来してきたという。

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一連の戦闘で、シリア軍兵士26人、反体制武装集団戦闘員47人が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を32件(イドリブ県6件、ラタキア県16件、アレッポ県2件、ハマー県8件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を7件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県6件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 2, 2020、ANHA, February 2, 2020、AP, February 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 2, 2020、Reuters, February 2, 2020、SANA, February 2, 2020、SOHR, February 2, 2020、UPI, February 2, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:919人の難民が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は542,367人に(2020年2月2日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月2日付)を公開し、2月1日に難民919人が新たに帰国したと発表した。


このうちレバノンから帰国したのは217人(うち女性65人、子供110人)、ヨルダンから帰国したのは702人(うち女性211人、子供358人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は542,367人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者171,910人(うち女性51,967人、子ども87,969人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者370,457人(うち女性110,180人、子ども188,925人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,569,742人(うち女性1,970,923人、子供3,350,568人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 771,647人(うち女性231,805人、子供393,816人)となった。

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一方、国内避難民3人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは3人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した3人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は45,198人(うち女性14,322人、子供20,109人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,313,794人(うち女性396,881人、子供663,875人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 2, 2020をもとに作成。

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米軍がダイル・ザウル県とハサカ県の基地拡張を開始(2020年2月1日)

トルコのアナトリア通信(2月1日付)は、米軍がハサカ県のウマル油田とハサカ県のタッル・バイダル村に違法に設置している基地の拡張を開始したと伝えた。

複数の地元筋の話によると、基地拡張は人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が支援するなかで行われているという。

AFP, February 1, 2020、ANHA, February 1, 2020、AP, February 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2020、Reuters, February 1, 2020、SANA, February 1, 2020、SOHR, February 1, 2020、UPI, February 1, 2020などをもとに作成。

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サウジアラビアの使節団がシリア東部を訪問、シリア民主軍傘下のアラブ人民兵への資金援助と教練に同意(2020年2月1日)

反体制派系のハーブール(2月1日付)は、複数の地元筋の話として、サウジアラビアの使節団が数日前、米軍の護衛を受けて、北・東シリア自治局の支配下にあるハサカ県に入ったと伝えた。

使節団の訪問は、アラブ系部族の部族長や名士と会談し、シリア東部でのイランの影響力に対抗する武装勢力の創設に資金援助を行うため。

サウジアラビアの使節団は米国の関係者とともに、シリア政府と北・東シリア自治局が共同支配するハサカ市のハーブール公園でアラブ系部族の代表と会談、使節団は、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の傘下で活動するサナーディード軍(シャンマル部族のハミーディー・ダッハーム・ハーディー・ジャルバー部族長が指揮)、シリア民主軍と一線を画して活動するシリア・エリート部隊(アフマド・ウワイヤーン(アースィー)・ジャルバー氏が率いるシリア・ガド潮流の民兵)への資金援助と教練支援を行うことに同意したという。

教練は米国の民間軍事会社が請け負うという。

AFP, February 1, 2020、ANHA, February 1, 2020、AP, February 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2020、al-Khabur, February 1, 2020、Reuters, February 1, 2020、SANA, February 1, 2020、SOHR, February 1, 2020、UPI, February 1, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県カッリー町とザルダナー村でシャーム解放機構に対する抗議デモ(2020年2月1日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、カッリー町でシャーム解放機構の退去を求めるデモが発生した。

また、ザルダナー村では、シャーム解放機構が住民2人(国内避難民(IDPs))を拘束したことに抗議するデモが発生した。

AFP, February 1, 2020、ANHA, February 1, 2020、AP, February 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2020、Reuters, February 1, 2020、SANA, February 1, 2020、SOHR, February 1, 2020、UPI, February 1, 2020などをもとに作成。

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トルコがリビアに派遣したシリア人戦闘員(国民軍)は2,900人に、うち欧州に逃亡したのは64人、死亡したのは72人(2020年2月1日)

シリア人権監視団は、トルコによってリビアの首都トリポリに派遣されたシリア人戦闘員(国民軍戦闘員)の数が2,900人に達していると発表した。

トルコ占領下のアレッポ県北部に設置されている教練キャンプでは1,800人が現在もリビアへの派遣に向けた訓練を受けているという。

リビアに派遣されているのは国民軍に所属するムウタスィム旅団、スルターン・ムラード師団、北部の鷹旅団、ハムザ師団、シャーム軍団、スライマーン・シャー師団、サマルカンド旅団の戦闘員。

また、リビアに派遣された後、欧州に逃亡した戦闘員は64人に、首都トリポリ市近郊での戦闘で死亡下戦闘員は72人に達しているという。

AFP, February 1, 2020、ANHA, February 1, 2020、AP, February 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2020、Reuters, February 1, 2020、SANA, February 1, 2020、SOHR, February 1, 2020、UPI, February 1, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県での戦火を逃れてきた住民220人が北・東シリア自治局支配下のマンビジュ郡に入る(2020年2月1日)

アレッポ県では、ANHA(2月1日付)によると、イドリブ県での戦火を避けて同地から避難してきた住民20世帯、220人以上が、北・東シリア自治局支配下のマンビジュ郡に入った。

国内避難民(IDPs)は、イドリブ県を去った後、トルコ占領下の県北部(「オリーブの枝」および「ユーフラテスの楯」地域)に入り、アウン・ダーダート村に設置された通行所を通って、北・東シリア自治局支配地域に入った。

AFP, February 1, 2020、ANHA, February 1, 2020、AP, February 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2020、Reuters, February 1, 2020、SANA, February 1, 2020、SOHR, February 1, 2020、UPI, February 1, 2020などをもとに作成。

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トルコの支援を受ける国民軍のアレッポ県西部への侵攻に対抗し、ロシア軍はハサカ県北部にトルコが設置していた国境通行所を封鎖(2020年2月1日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ県バーブ市およびターディフ市一帯での戦闘発生を受け、国境地帯に展開するロシア軍が、ダルバースィーヤ市とアームーダー市を結ぶ幹線道路沿いの上ハルザ村近郊に設置されていた国境通行所をコンクリート・ブロックで封鎖し、トルコ軍が進入できないようにした。

通行所はトルコ軍が設置し、管理していた。

AFP, February 1, 2020、ANHA, February 1, 2020、AP, February 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2020、Reuters, February 1, 2020、SANA, February 1, 2020、SOHR, February 1, 2020、UPI, February 1, 2020などをもとに作成。

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トルコの支援を受ける国民軍が突如アレッポ県北西のシリア政府支配地域に侵攻、3カ村を制圧、ロシア軍の拠点を占拠(2020年2月1日)

アレッポ県では、シリア人権監視団、ドゥラル・シャーミーヤ(2月1日付)などによると、トルコ占領下のバーブ市に隣接するシリア政府支配下のターディフ市一帯近郊および同地西部に、トルコの支援を受ける国民軍が攻撃し、シリア軍および親政権民兵と交戦した。

攻撃に参加したのは、国民軍に所属する国民解放戦線、スルターン・ムラード師団、シャーム革命家大隊、東部自由人連合、東部軍、シャーム戦線。

攻撃開始と前後して、アレッポ市東部および北部に展開していた国民軍の部隊がバーブ市方面に転戦していた。

攻撃は、トルコからの直接の指示によるもので、「燃えさかる決意」の戦いと名づけられ、国民軍は戦闘の末にシャッアーラ村、タッル・ラッハール村、ハルバシャー村を制圧し、シリア軍兵士複数を捕捉した。

また、東部自由人連合、シャーム戦線、北部特殊任務旅団が、トルコ占領下のバーブ市の南に位置するシリア政府支配下のターディフ市近郊にあるロシア軍の拠点を占拠し、掲げられていたロシア国旗を引きずり降ろした。

戦闘ではシリア軍兵士・民兵7人(国民軍の発表によると12人)と国民軍兵士4人が死亡した。

https://www.facebook.com/syriahro/videos/1026362587741431/

戦闘発生を受けて、ロシア軍戦闘機複数機が同地上空を旋回した。

一方、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊(シャフバー地区)では、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍(東部自由人連合、シャーム戦線)がレーダー塔を砲撃し、アフリーン解放軍団(人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍)がこれを迎撃した。

トルコ軍と国民軍はその後、再びレーダー塔を攻撃、アフリーン解放軍団とともに戦闘に参加していたシリア軍兵士7人が死亡、国民軍側もシャーム戦線の戦闘員4人が死亡した。

トルコ軍と国民軍はまたハルバル村、マルアナーズ村を砲撃した。

このほか、アフリーン解放軍団は声明を出し、1月30日にシャッラー村近郊のダイル・ワクリー村、カズルバーシャー村間の街道でシャーム軍団の車輌を攻撃し、戦闘員3人を殺害した。

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ラッカ県では、ANHA(2月1日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がアイン・イーサー市近郊のハーリディーヤ村を砲撃した。

AFP, February 1, 2020、ANHA, February 1, 2020、AP, February 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2020、Reuters, February 1, 2020、SANA, February 1, 2020、SOHR, February 1, 2020、UPI, February 1, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構のジャウラーニー指導者が精鋭のアサーイブ・ハムラー部隊の「死の忠誠」式に出席する映像が公開される(2020年2月1日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)に近いイバー・ネット(2月1日付)はのアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者の最新映像(https://videos.ebaa.news/watch/xb7AW5vWSs6lQNY)を配信した。

映像は、シャーム解放機構の精鋭部隊のアサーイブ・ハムラー(赤鉢巻)部隊で行われた「死の忠誠(バイアト・マウト)」式で撮影されたもの。

撮影の日時、詳細な場所は不明だが、映像のタイトルは「ザフラー協会突入直前のアサーイブ・ハムラーの特攻自爆戦闘員(インギマースィー)による死の忠誠」とされていることから、2月1日のアレッポ市ザフラー協会へのシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の攻撃直前に撮影されたと思われる。

映像のなかで、ジャウラーニー指導者はと同じ赤い鉢巻きを着用し、沈黙したまま、壇上で戦闘員を見つめている。

AFP, February 1, 2020、ANHA, February 1, 2020、AP, February 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2020、Reuters, February 1, 2020、SANA, February 1, 2020、SOHR, February 1, 2020、UPI, February 1, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構精鋭のアサーイブ・ハムラー部隊がアレッポ市ザフラー地区に侵攻、爆弾を積んだ車3台で自爆攻撃を行うなどして、マーリーヤ交差点、大使徒モスクなどを制圧する一方、シリア軍はイドリブ県の3カ村を制圧(2020年2月1日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構の精鋭部隊であるアサーイブ・ハムラー(赤鉢巻)部隊をはじめとする反体制武装集団が、アレッポ市ザフラー地区に侵攻、爆弾を積んだ車3台で自爆攻撃を行うなどして、マーリーヤ交差点、大使徒モスクなどを制圧した。

戦闘はまた、アレッポ市南のカルアジーヤ村、ハミーラ村でも発生した。

ANHA(2月1日付)によると、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾がアレッポ大学工学部、同建築工学部、大学寮一帯に着弾した。

ANHA、SANA(2月1日付)によると、シリア軍はシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の支配下にあるのカフルハムラ村、アレッポ市ダフラト・アブドゥラッブフ地区、ライラムーン地区、ハーン・トゥーマーン村一帯、ハーリディーヤ村一帯を砲撃した。
一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がハーン・アサル村、フール村、M5高速道路沿線、フール村にあるフダー病院が被弾し、利用不能となった。

シリア軍ヘリコプターもアレッポ市西部・南部郊外各所を「樽爆弾」で爆撃した。

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イドリブ県では、SANA(2月1日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室との戦闘の末、ルーフ村、カムハーナ村を制圧した。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がサラーキブ市、アルバイーン山一帯を、シリア軍戦闘機がサラーキブ市およびその一帯、M5高速道路沿線、M4高速道路沿線、煉瓦工場、アルバイーン山、アリーハー市、マストゥーマ村、タフタナーズ市、ナバーリーズ丘を爆撃し、ナバーリーズ丘では住民1人が死亡した。

シリア軍ヘリコプターもサラーキブ市およびその一帯、アーフィス村を「樽爆弾」で爆撃した。

またシリア軍がサラーキブ市一帯への進攻を続け、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室との戦闘の末、カフルバッティーフ村を制圧した。

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一連の戦闘により、2月1日の1日だけで、シリア軍兵士56人、反体制武装集団戦闘員42人が死亡した。

これにより1月24日以降の死者は、シリア軍および親政権民兵が261人、「イランの民兵」の外国人戦闘員が6人、反体制武装集団が262人となった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を37件(イドリブ県12件、ラタキア県15件、アレッポ県0件、ハマー県10件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を24件(イドリブ県10件、ラタキア県0件、アレッポ県14件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 1, 2020、ANHA, February 1, 2020、AP, February 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 1, 2020、Reuters, February 1, 2020、SANA, February 1, 2020、SOHR, February 1, 2020、UPI, February 1, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:897人の難民が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は541,448人に(2020年2月1日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月1日付)を公開し、1月31日に難民897人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは253人(うち女性76人、子供130人)、ヨルダンから帰国したのは644人(うち女性193人、子供328人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は541,448人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者171,693人(うち女性51,902人、子ども87,859人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者369,755人(うち女性110,969人、子ども188,567人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,569,742人(うち女性1,970,923人、子供3,350,568人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 770,728人(うち女性231,529人、子供393,348人)となった。Ministry of Defence of the Russian Federation, February 1, 2020をもとに作成。

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