米軍ヘリコプターがロシア軍憲兵隊が駐留するハサカ県北東部に飛来(2020年5月3日)

ハサカ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月3日付)によると、米主導の有志連合のヘリコプターがシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・タムル町一帯の上空に飛来し、監視活動を行った。

ハーブール(5月3日付)などによると、米軍のヘリコプター2機が、ロシア軍憲兵隊が展開するタッル・タムル町一帯の上空を1時間以上にわたり旋回し続けたという。

米軍ヘリコプターの派遣は2日にカーミシュリー市東で米軍の部隊がロシア軍憲兵隊によって通行を阻止されたのを受けたもの。

AFP, May 3, 2020、ANHA, May 3, 2020、AP, May 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2020、al-Khabur, 、Reuters, May 3, 2020、SANA, May 3, 2020、SOHR, May 3, 2020、UPI, May 3, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局が管理するハサカ市の刑務所でダーイシュ・メンバーが暴動(2020年5月3日)

ハサカ県では、ANHA(5月3日付)によると、北・東シリア自治局が管理するハサカ市グワイラーン地区にあるスィナーア刑務所(グワイラーン刑務所)で、拘留中のダーイシュ(イスラーム国)メンバーが暴動を起こしたが、内務治安部隊(アサーイシュ)がこれを鎮圧した。

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のキーヌー・ガブライール報道官が発表した声明によると、暴動は2日晩から3日まで続いたが、内務治安部隊、テロ撲滅部隊、米主導の有志連合が介入し、最終的には暴動を首謀したメンバーとの交渉の末に鎮圧した。

AFP, May 3, 2020、ANHA, May 3, 2020、AP, May 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2020、Reuters, May 3, 2020、SANA, May 3, 2020、SOHR, May 3, 2020、UPI, May 3, 2020などをもとに作成。

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治安機関はロシア軍部隊を伴って、シリアテルの経営陣・技術者を家宅捜索し、逮捕(2020年5月3日)

シリア人権監視団は、政府の治安機関が、アサド大統領のいとこでビジネスマンのラーミー・マフルーフ氏が取締役会長を務める携帯電話会社のシリアテルの経営陣と技術者28人以上を逮捕したと発表した。

複数の情報筋によると、逮捕はロシアの指示によるもので、治安機関はロシア軍部隊を伴って、経営陣と技術者の自宅を家宅捜索、その身柄を拘束したという。

なお、同監視団によると、逮捕に先立って、経営陣や技術者らはこれまで自由に行うことができていた基地局への出入りを3週間以上にわたって禁じられていたという。

AFP, May 3, 2020、ANHA, May 3, 2020、AP, May 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2020、Reuters, May 3, 2020、SANA, May 3, 2020、SOHR, May 3, 2020、UPI, May 3, 2020などをもとに作成。

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大統領のいとこのマフルーフ氏が2度目となるビデオ・メッセージを配信、治安当局がシリアテルの社員を逮捕したと非難(2020年5月3日)

アサド大統領のいとこでビジネスマンのラーミー・マフルーフ氏は、フェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/RamiMakhloufSY/)を通じてビデオ・メッセージを配信した。

https://www.facebook.com/RamiMakhloufSY/videos/2385706211722607/

マフルーフ氏がビデオ・メッセージを配信するのは4月30日に続いて2度目。

「信者への支援は、我々の責務だった」と題された10分にわたるメッセージのなかで、マフルーフ氏は、自身が取締役会長を務めるシリアテルと、経営に大きく関わっているMTNの携帯電話会社2社への追徴課税納付要請が不当であることを次のように訴えるとともに、治安機関がシリアテルの社員が逮捕されたことを批判した。

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「非常に困難な状況下でSNS上に私が登場するのはこれが2回目だ。多くの人がなぜSNSに登場するのかと尋ねてきた。この問題は非常にセンシティブだ。冗談でもなければ、人気とりでもない。それ以上だ。長年にわたる仕事に関わる問題だ。これらの仕事、そしてこれらの企業が、多くを捧げてきた人道的な活動、つまりラーマーク(開発)人道(プロジェクト民間持株会)社の名のもとで行われてきたものが屈服させられた。私は以前にこのことについて話したが、そのことを再び話すのは、あなたが何を持っているかを知っているからだ。私にはもう制御できないことが諸々あって、それを失えば、私の意思を超えてしまう。私は今、受け入れられないかたちで、そして残念ながら非人道的なかたちでの圧力に晒されている。諜報機関は我が社の社員を逮捕し始めた。これらの諜報機関がラーミー・マクルーフの会社にやって来るなどと誰が考えていただろう。私がこれらの機関の最大の支持者で、戦争中にもっとも奉仕してきたにもかかわらずだ。残念ながら、状況は変わった。

私が以前に投稿したビデオは冗談やゲームだと思っているのだろうか? 私は遊んでいない。私は自らの存在と仕事を危険に晒している。なぜなら、私は求められた命令を果たせないからだ。私は今日、会社から退いて、異議を唱えずに命令に従うように求められた。そのうえで、彼らは、社員や経営者を逮捕すると言って、私に圧力をかけ始めた。私は彼らに言いたい。「こんなことがあってはいけない。これは不公平だ。権力乱用だ。あなた方の権限は、人々が服従するまで圧力をかけるために与えられたのではない。あなた方の権威は、乱用して、利益を得るために与えられたのではない。人々を奉仕させるのではなく、人々に奉仕するために与えられたのだ」。

私は、大統領に介入し、何の権利もないままに資金供出を求められてきた我々の会社に対して正義を行うよう頼んできた。このようにお願いしたのは、支払いを回避するためではなく、困っている人々にお金が行き、それ以外の人のポケットに入らないという条件で、支払うのが目的だったからだ。つまり、意思決定者の取り巻きの介入を止めるように訴えることが目的だった。なぜなら、彼らの介入は、耐えられないものとなり、議論されるべき危険なレベルに達していたからだ。このように続けることはできない。これは不公平だ。これは、私的財産への侵害だ。私は今持っているものを手放すことはできない。なぜなら、それを任されているからだ。だから、これを聴いているすべての人に許して欲しい。なぜ私が持っているものを手放し、この問題を終わらせないのか疑問に思うかもしれない。でも、私は自分のものではないものを手放すことができない。私はそれを任されているだけなのだ。アッラーが私を試しているのだと思わないか? 「人々ではなく、我を恐れよ」。アッラーはそう言わなかったのだろうか? 自分に委託された仕事を守ることが我々の任務ではないのか? 自分の身と地位が無くなることを恐れているだけで、それをあきらめるべきか? だから、これはアッラーからの大きな試練であり、私は主からの試練を受け入れた。苦難が起こることは分かっているし、それはすでに始まっている。

大統領閣下にもう一度お願いします。大統領閣下、諜報機関が人々の自由を侵害し始めています。あなたの国民です。あなたの支持者です。今もあなたとともにあります。誰かに彼らを侵害させるべきではありません。連中を喜ばせることをさせるべきではありません。事態は悪く、危険です。このままでは、国の状況は非常に困難になり、アッラーからの厳しい罰が下るでしょう。なぜなら、我々に今、非常に恐ろしい出来事が近づいているからです。だから、大統領閣下、彼らを信じないでください。

逮捕された人々は、国軍、情報機関、そして全国民にサービスを提供するモバイル・ネットワークの構築に取り組んできました。どうすれば、あなたは彼らをこのように扱えるのですか? どうすれば、あの連中にこう言わせられるのですか? 「ラーミー、お前が退くか、我々がお前の社員全員を逮捕するかだ」。あなたは憲法を守ってきました。我々市民は、国に多くを与えたうえで、あの連中にこんなふうに扱われるべきなのですか? 大統領閣下、どうか、あの連中に法と憲法を違反させないでください。あなたの命令を下してください。

とにかく、私はあの連中から退くよう圧力をかけられています。でも、私は辞めません。私はここにとどまります。誰が私を侵害しようと、こういうだけです。「私は無力だが、崇高にして偉大なるアッラーの他に全能なる力はない」。

大統領閣下、私はあなたに正義を行うようお願いしています。もし私に耳を傾けてくれなければ、私はアッラーにこの国を守り、我々を危険から救うようお願いすることしかできません。それは大問題です。この問題を解決しなければ、私はアッラーに助けを求めます。なぜなら、そうする必要があるからです。あなた方にアッラーの平和、慈悲、祝福がありますように」。

AFP, May 3, 2020、ANHA, May 3, 2020、AP, May 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2020、Reuters, May 3, 2020、SANA, May 3, 2020、SOHR, May 3, 2020、UPI, May 3, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がアレッポ県北部、ラッカ県北部を砲撃(2020年5月3日)

アレッポ県では、ANHA(5月3日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のカフル・アントゥーン村、イルシャーディーヤ村、マーリキーヤ村、マルアナーズ村、アルカミーヤ村、シャワーリガ村、バイナ村、ダイル・ジャマール村、スーガーニカ村を砲撃した。

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ラッカ県では、ANHA(5月3日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊の村々を砲撃した。

AFP, May 3, 2020、ANHA, May 3, 2020、AP, May 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2020、Reuters, May 3, 2020、SANA, May 3, 2020、SOHR, May 3, 2020、UPI, May 3, 2020などをもとに作成。

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ハミース内閣は定例閣議で国営および民営セクターの経済開発活動再開に向けて計画を策定することを決定(2020年5月3日)

イマード・ハミース内閣は定例閣議で、新型コロナウイルス感染症対策として規制対象となっている国営および民営セクターの経済開発活動の再開について協議し、既に90%実施が完了している事業、優先事業を再開することを決定し、各県の関係部局に対して再開に向けた計画を策定するよう指示した。

ハミース内閣はまた、保健省による新型コロナウイルス感染症対策についての報告を受けるとともに、午後7時から翌朝6時までの外出禁止令を、追って通知があるまでの期間まで延長することを確認した。

SANA(5月3日付)が伝えた。

AFP, May 3, 2020、ANHA, May 3, 2020、AP, May 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2020、Reuters, May 3, 2020、SANA, May 3, 2020、SOHR, May 3, 2020、UPI, May 3, 2020などをもとに作成。

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通信技術省所轄のSY-TRA はマフルーフ氏が経営を主導するMTNのパートナー企業から追徴課税納付を肩代わりすると連絡があったと発表(2020年5月3日)

通信技術省所轄の電気通信電話規制委員会(SY-TRA )は声明を出し、「携帯電話会社MTNのパートナー企業の1つ」であるテレ・インファスト・リミテッド社から、MTNが支払いを求められている追徴課税を負担する用意があるとの連絡があったと発表した。

声明によると、テレインヴェスト・リミテッド社は、SY-TRA がMTNに対して行っている請求内容の妥当性、金額を確認し、近く合意される返済計画に沿って支払いを行うという。

なお、SY-TRA は4月5日を出し、アサド大統領のいとこでビジネスマンのラーミー・マフルーフ氏が取締役会長を務めるシリアテルと、同氏が事実上経営するMTNの携帯電話会社2社に対して、国家に納付されるべき追徴課税2,338億シリア・ポンド(約3億9,000米ドル、日本円で約400億円)の納付期限を5月5日までとすることを決定したと発表していた。

AFP, May 3, 2020、ANHA, May 3, 2020、AP, May 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2020、Reuters, May 3, 2020、SANA, May 3, 2020、SOHR, May 3, 2020、UPI, May 3, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構がカフルタハーリーム町(イドリブ県)に検問所を増設、携帯電話の通話記録をチェックするなどして、住民への締め付けを強化(2020年5月3日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから59日目となる5月3日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を2件(イドリブ県2件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構がカフルタハーリーム町に検問所を増設、携帯電話の通話記録をチェックするなどして、住民への締め付けを強化した。

これは、同町で2日、シリア政府支配地域とを結ぶ通商用の通行所の設置に反対するデモが発生したのを受けたもの。


一方、トルコ軍は、兵站物資などを積んだ車輌30輌からなる車列をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

このほか、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、フライフィル村、カンスフラ村、スフーフン村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

AFP, May 3, 2020、ANHA, May 3, 2020、AP, May 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 3, 2020、Reuters, May 3, 2020、SANA, May 3, 2020、SOHR, May 3, 2020、UPI, May 3, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年5月3日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月3日付)を公開し、5月2日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は578,773人。

内訳は、レバノンからの帰還者183,525人(うち女性55,198人、子ども93,447人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,711,790人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は808,053人(うち女性242,474人、子供411,938人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 3, 2020をもとに作成。

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