ムスタファー・トゥラース元国防大臣の次男のマナーフ氏は政治移行を目的とする軍事評議会の設置を提唱(2020年5月12日)

ムスタファー・トゥラース元国防大臣の次男で、アサド大統領の「親友」と目されつつも、政権を離反したマナーフ・トゥラース氏は、クッルナー・シュラカー(5月14日付)のインタビューに応じ、シリアでの政治移行について定めている国連安保理決議第2554号に則った活動を目的とする「軍事評議会」の結成に意欲を示した。

トゥラース氏は次のように述べた。

国外にいる士官6人と国内にいる6人によって構成される士官12人の軍事評議会を設置すべきだ…。この評議会は、シリアにおける政治以降を規定している国連安保理決議第2254号の精神が実施させることを保障する任務などを担うことになる。

評議会はすべてのシリア国民を代表する自由な国会選挙の実施を監視し、憲法草案の起草を推し進める。この草案がシリア国民一人一人の市民権を基礎とした社会契約の起点となる。

評議会はまた、シリア国民やそのほかの民兵の間に拡散してしまっている違法な武器を回収し、それを国家のみが保有する。

そして、シリア国民どうしの殺戮や復習を回避するために持続的な努力を払う。

https://www.facebook.com/all4syria.org/photos/a.465386180262145/1906241529509929/?type=3&theater

AFP, May 14, 2020、ANHA, May 14, 2020、AP, May 14, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 14, 2020、Reuters, May 14, 2020、SANA, May 14, 2020、SOHR, May 14, 2020、UPI, May 14, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア民間軍事会社ワグナー・グループの傭兵やシリア人民兵を乗せたと思われる旅客機がリビアへ(2020年5月12日)

フライト・アウェアーは、シャーム・ウィング社のSAW351便が11日午後10時57分にラタキア県のバースィル・アサド国際空港(フマイミーム航空基地)を離陸、12日12時49分にリビア東部のベイダ町近郊の空港に着陸したことを明らかにした。

トルコのボスポラス監視団によると、SAW351が着陸したのは、ベンガジ市の東約78キロの距離に位置するハーディム航空基地。

SAW351は、シリア人戦闘員や、ロシアの民間軍事会社ワグナー・グループの傭兵を乗せて、ダマスカス国際空港を離陸したのち、バースィル・アサド国際空港を経由して、リビアに向かったと見られるという。

AFP, May 12, 2020、ANHA, May 12, 2020、AP, May 12, 2020、Bosphorus Observer, May 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 12, 2020、Flight Aware, May 12, 2020、Reuters, May 12, 2020、SANA, May 12, 2020、SOHR, May 12, 2020、UPI, May 12, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県のM4高速道路でロシア・トルコ軍の合同パトロール部隊が住民の妨害を受ける(2020年5月12日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月12日付)やシリア人権監視団によると、ロシア軍とトルコ軍がアレッポ市とラタキア市を結ぶM4高速道路で合同パトロールを実施した。

両軍合同部隊はタルナバ村を出発し、アリーハー市近郊に向かってパトロールを実施した。

しかし、アリーハー市近郊で、住民らが道路を封鎖し、パトロール部隊の通行を妨害した。

パトロール部隊に対峙した住民のなかには、白衣を来た女性の一団もおり、彼女らはロシア軍装甲車にタマゴや石を投げる一方、「ロシアは私たちの敵、バッシャール・アサドは私たちの敵」などと言って、抗議の意思を示した。

また抗議行動が行われた現場近くでは、爆発が発生した。

爆発が何によるものかは不明。

しかし、ロシア、トルコ両国の国防省ともに、部隊が妨害を受けたことについてはコメントを出していない。

https://www.facebook.com/100991374764472/videos/553404368707937/

 

AFP, May 12, 2020、ANHA, May 12, 2020、AP, May 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 12, 2020、Reuters, May 12, 2020、SANA, May 12, 2020、SOHR, May 12, 2020、UPI, May 12, 2020などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県南西部でシリア軍とダーイシュが交戦、8人死亡(2020年5月12日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ヒムス県のバシャリー山に隣接する砂漠地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)とシリア軍が激しく交戦し、ダーイシュ戦闘員3人とシリア軍兵士5人が死亡した。

AFP, May 12, 2020、ANHA, May 12, 2020、AP, May 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 12, 2020、Reuters, May 12, 2020、SANA, May 12, 2020、SOHR, May 12, 2020、UPI, May 12, 2020などをもとに作成。

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フーア市でシャーム自由人イスラーム運動によるIDPs強制退去に抗議するデモ(2020年5月12日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月12日付)やシリア人権監視団によると、フーア市で前日に、トルコの支援を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)に所属するシャーム自由人イスラーム運動が市内の住居を拠点化するため、ヒムス県から避難し、同市の民家に居を構えていた国内避難民(IDPs)の一家を強制退去させたことに抗議するデモが発生した。

退去を強いられたのは、未亡人と孤児4人からなるヒムス市出身の一家。

これに対して、シャーム自由人イスラーム運動は空に向けて実弾を発射し、デモ参加者を強制排除した。

一方、シャーム解放機構は、トルコ国境に近いサルマダー市西にあるマラーム・キャンプで避難生活を送るハマー県出身の住民3人を逮捕、携帯電話や通信機器を押収し、連行した。

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トルコ占領下のジャラーブルス市(アレッポ県)で、国民軍北部旅団の戦闘員が撃たれて死亡(2020年5月12日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のジャラーブルス市で、国民軍に所属する北部旅団の戦闘員が自宅前で何者かに撃たれて死亡した。

一方、アフリーン解放軍団は声明を出し、5日から11日にかけて、トルコ占領下のアレッポ県ジンディールス町近郊、シーラーワー町近郊、マーリア市近郊、アフリーン市で、トルコの支援を受ける国民軍の拠点やパトロール部隊を攻撃し、6人を殺害、3人を負傷させたと発表した。

ANHA(5月12日付)が伝えた。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がアイン・イーサー市近郊の国内避難民(IDPs)キャンプ一帯の農村地帯を砲撃、農地で火災が発生した。

AFP, May 12, 2020、ANHA, May 12, 2020、AP, May 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 12, 2020、Reuters, May 12, 2020、SANA, May 12, 2020、SOHR, May 12, 2020、UPI, May 12, 2020などをもとに作成。

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ハサカ県住民が米軍パトロール部隊の前に立ちはだかり、進行を阻止(2020年5月12日)

ハサカ県では、SANA(5月12日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・タムル町近郊のダシーシャ村とカーヒラ村の住民が、農具を片手に街道に立ちふさがり、米軍装甲車からなるパトロール部隊の進行を阻止し、これを退却させた。

シリア人権監視団によると、米軍のパトロール部隊に対峙したのは、親政権の農夫と国防隊隊員。

AFP, May 12, 2020、ANHA, May 12, 2020、AP, May 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 12, 2020、Reuters, May 12, 2020、SANA, May 12, 2020、SOHR, May 12, 2020、UPI, May 12, 2020などをもとに作成。

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シリア軍はハマー県、イドリブ県などを砲撃(2020年5月12日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから68日目となる5月12日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がガーブ平原のアンカーウィー村、カーヒラ村を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がザーウィヤ山地方のハルーバ村、カフル・ウワイド村、スフーフン村を砲撃した。

一方、トルコ軍は、兵站物資などを積んだ車輌35輌からなる車列を、カフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

AFP, May 12, 2020、ANHA, May 12, 2020、AP, May 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 12, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 12, 2020、Reuters, May 12, 2020、SANA, May 12, 2020、SOHR, May 12, 2020、UPI, May 12, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年5月12日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月12日付)を公開し、5月11日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は579,123人。

内訳は、レバノンからの帰還者183,875人(うち女性55,298人、子ども93,497人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,770,561人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は808,053人(うち女性242,474人、子供411,938人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 12, 2020をもとに作成。

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