国際司法会議所(ゲルニカ37)はマフルーフに滞在先を提供しないようUAEに呼びかける(2020年5月5日)

英国のロンドンに本部を置く国際司法会議所(ゲルニカ37)は声明を出し、シリアのアサド政権の犯罪を支援、荷担してきたラーミー・マフルーフ氏を訴追するよう国際社会に呼びかけた。

声明によると、マフルーフ氏は、現在UAEに滞在していると思われ、米財務省による制裁にもかかわらず、シリア社会の破壊と数十万もの無垢の市民の殺戮において重要な役割を果てしてきたと考えられており、UAEに対して、国際法を遵守し、彼に滞在先を与えないよう呼びかけた。

AFP, May 6, 2020、ANHA, May 6, 2020、AP, May 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 6, 2020、Guernica 37, May 6, 2020、Reuters, May 6, 2020、SANA, May 6, 2020、SOHR, May 6, 2020、UPI, May 6, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

フォード前駐シリア米大使「マフルーフの語りは、アサド大統領がムハーバラートの惨めな者どもを満足させ続けなければならないと考えていることを思い起こさせる」(2020年5月5日)

ロバート・フォード前駐シリア米大使は『シャルク・アウサト』紙(5月5日付)に「マフルーフ一族の邸宅での晩餐」と題したコラムを寄稿し、そのなかで、ラーミー・マフルーフ氏が経営に深く関与しているシリアテルとMTNに対する追徴課税に関して、治安機関がアサド大統領の支配を維持しており、そのことがマフルーフ氏への粛清の理由だとの見方を示した。

フォード前大使は「シリアの支配エリート内の分裂が近く政治移行をもたらすことは思わない」とする一方、「バッシャールと結婚以前、ロンドンのJP・モーガン投資銀行でマネージャーを務めていたアスマー・アサド(アフラス)は…ラーミーのトリックに対応する能力がある」、「マーヒル・アサドの取り巻きの一人であるビジネスマンのハドル・ターヒルが一部経済部門でラーミー・マフルーフと競おうとしているという分析にも注目している」と指摘した。

そのうえで「治安機関はバッシャールに忠誠を誓う影のような存在だ。フェイスブックを通じたラーミー(・マフルーフ)の語りは、バッシャールがムハーバラートの惨めな者どもを満足させ続けなければならないと考えていることを思い起こさせる」と締めくくった。

AFP, May 6, 2020、ANHA, May 6, 2020、AP, May 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 6, 2020、Reuters, May 6, 2020、SANA, May 6, 2020、al-Sharq al-Awsat, May 5, 2020、SOHR, May 6, 2020、UPI, May 6, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍の車列がシリア領内に進入し、カスラク村(ハサカ県)の基地に向かう(2020年5月5日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、兵站物資などを積んだ米軍の車列がイラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に進入し、カスラク村にある米軍基地に向かった。


AFP, May 5, 2020、ANHA, May 5, 2020、AP, May 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2020、Reuters, May 5, 2020、SANA, May 5, 2020、SOHR, May 5, 2020、UPI, May 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県で正体不明の武装集団がトルコの後援を受けるシャーム自由人イスラーム運動、シャーム軍団を襲撃(2020年5月5日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、正体不明の武装集団がフーア市近郊にあるシャーム自由人イスラーム運動の砲台を襲撃し、戦闘となった。

この戦闘で武装集団のメンバー複数人が負傷した。

また、イドリブ市とマアッラトミスリーン市を結ぶ街道では、別の武装集団がシャーム軍団の車輌を盗もうとして、これを襲撃した。

シャーム自由人イスラーム運動とシャーム軍団はいずれもトルコが後援する国民解放戦線(シリア国民軍)に所属している。

AFP, May 5, 2020、ANHA, May 5, 2020、AP, May 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2020、Reuters, May 5, 2020、SANA, May 5, 2020、SOHR, May 5, 2020、UPI, May 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ占領下のアフリーン市で、トルコ軍兵士7人の新型コロナウイルス感染が確認(2020年5月5日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にある「オリーブの枝」地域の中心都市アフリーン市で、トルコ軍兵士7人が新型コロナウイルスに感染していることが確認された。

感染は、アフリーン市内のトルコ軍基地で兵士らに対して行われたPCR検査で確認され、基地は封鎖されたという。

AFP, May 5, 2020、ANHA, May 5, 2020、AP, May 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2020、Reuters, May 5, 2020、SANA, May 5, 2020、SOHR, May 5, 2020、UPI, May 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコがリビアに派遣したシリア人傭兵(国民軍)の数は7,850人に(2020年5月5日)

シリア人権監視団は、トルコがハリーファ・ハフタル将軍率いるリビア国民軍と対立を続ける国民合意政府(GNA)を支援するため、シリア人傭兵(国民軍戦闘員)を新たに派遣したと発表した。

同監視団によると、これにより、リビアに派遣された傭兵は、シリア人以外の外国人も含めて7,850人となった。

また、シリア北部にトルコが設置しているキャンプで教練を受ける戦闘員の数は3,000人に達しているという。

なお、リビアでの戦闘で死亡したシリア人傭兵は261人に達しているという。

AFP, May 5, 2020、ANHA, May 5, 2020、AP, May 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2020、Reuters, May 5, 2020、SANA, May 5, 2020、SOHR, May 5, 2020、UPI, May 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ占領下のバーブ市(アレッポ県)での爆発で住民1人死亡(2020年5月5日)

アレッポ県では、ANHA(5月5日付)やSANA(5月5日付)によると、トルコ占領下のバーブ市のファーティマ・ザフラー・モスク近くで、車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民1人が死亡、国民軍の戦闘員多数が負傷した。

シリア人権監視団によると、死亡したのは両替商。

AFP, May 5, 2020、ANHA, May 5, 2020、AP, May 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2020、Reuters, May 5, 2020、SANA, May 5, 2020、SOHR, May 5, 2020、UPI, May 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍、あるいは米主導の有志連合がダイル・ザウル県の「イランの民兵」拠点を爆撃、14人を殺害(2020年5月5日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍が県南東部のクーリーヤ市、サーリヒーヤ村、マヤーディーン市近郊の砂漠地帯にある「イランの民兵」の拠点複数カ所を爆撃し、イラン人とイラク人14人が死亡した。

一方、ダイル・ザウル24(5月5日付)は、米主導の有志連合とも思われる所属不明の戦闘機複数機が県南東部にある「イランの民兵」の拠点複数カ所を激しく爆撃し、ラフバ城に近いマヤーディーン市一帯、バクラス村、マヤーディーン砂漠、ブーカマール砂漠、ブーカマール市近郊などで爆音が聞こえたと伝えた。

AFP, May 5, 2020、ANHA, May 5, 2020、AP, May 5, 2020、Dayr al-Zawr 24, May 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2020、Reuters, May 5, 2020、SANA, May 5, 2020、SOHR, May 5, 2020、UPI, May 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

M4高速道路でのロシア・トルコ軍合同パトロール部隊が初めてアリーハー市郊外に到達(2020年5月5日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから61日目となる5月5日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(イドリブ県0件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍とトルコ軍は、3月5日の停戦合意に従い、アレッポ市とラタキア市を結ぶM4高速道路で合同パトロールを実施した。

合同部隊は、タルナバ村を出発、ムサイビーン村を経由して、アリーハー市郊外までの区間をパトロールした。

合同パトロール部隊がアリーハー市郊外にまで到達したのは今回が初めて。

一方、シリア政府支配地域に面するアーフィス村ではトルコ軍部隊が掩体壕を新設した。

これに対して、サラーキブ市北の設置されている検問所に駐留するシリア軍がトルコ軍の重機(ブルドーザー)を砲撃、これを破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、治安機関が地元の名士らに対して、ムザイリーブ町のムザイリーブ区庁舎を4日に襲撃し、職員9人を殺害した「テロ集団」の司令官を5日中に引き渡すよう要求、これに応じない場合は同地に進攻すると最後通告を出した。

これを受けて、事態悪化を懸念したロシアが地元名士と面談し、地元名士にリーダーを探し出し、その身柄引き渡すことを約束させた。

一方、ジュビーブ村(スワイダー県)とウンム・ワラド村を結ぶ街道では、離反兵が何者かの襲撃を受けて、殺害された。

 

AFP, May 5, 2020、ANHA, May 5, 2020、AP, May 5, 2020、Dayr al-Zawr 24, May 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 5, 2020、Reuters, May 5, 2020、SANA, May 5, 2020、SOHR, May 5, 2020、UPI, May 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年5月5日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月5日付)を公開し、5月4日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は578,773人。

内訳は、レバノンからの帰還者183,525人(うち女性55,198人、子ども93,447人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,711,790人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は808,053人(うち女性242,474人、子供411,938人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 5, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.