シャーム解放戦線はアンサール・タウヒードに移籍したウズベク人元司令官ら3人をイドリブ市で逮捕(2020年6月17日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構がイドリブ市内で、ウズベク人元司令官を含む3人を拘束した。

このウズベク司令官はシャーム解放機構を離反し、新興のアル=カーイダ系組織の一つアンサール・タウヒードに参加していた。

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シャーム解放機構に近いイバー・ネット(6月16日付)は、「決戦」作戦司令室の監督のもと、シャーム解放機構の教練キャンプで新規戦闘員の教練が終了したと伝え、その写真を公開した。


「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

AFP, June 17, 2020、ANHA, June 17, 2020、AP, June 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 17, 2020、Reuters, June 17, 2020、SANA, June 17, 2020、SOHR, June 17, 2020、UPI, June 17, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍はハサカ県カスル・ディーブ村に再び基地設置を試みるも、住民はこれを拒否(2020年6月17日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、装甲車8輌からなるロシア軍部隊がマーリキーヤ(ダイリーク)市近郊のカスル・ディーブ村に入り、基地を設置しようとしたが、住民がこれを拒否、ロシア軍部隊は撤退を余儀なくされた。

ロシア軍は6月初めにも基地の設置を試みていたが、住民の反対を受けて断念していた。

https://www.facebook.com/syriahro/posts/10159088950448115

AFP, June 17, 2020、ANHA, June 17, 2020、AP, June 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 17, 2020、Reuters, June 17, 2020、SANA, June 17, 2020、SOHR, June 17, 2020、UPI, June 17, 2020などをもとに作成。

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シリア外務在外居住者省はシーザー・シリア市民保護法を「悪党の行為に至るレベル」と酷評(2020年6月17日)

外務在外居住者省の公式筋は、米国のシーザー・シリア市民保護法が6月17日に発動されたのを受けて声明を出し、「米政権がすべての国際法や国際慣習を逸脱し…、悪党の行為に至るレベル」と非難する一方、「ホワイト・ハウスにおける犯罪のプロどもが自らの頓挫した計略を復活させることをシリア国民は許さない」と強調した。

AFP, June 17, 2020、ANHA, June 17, 2020、AP, June 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 17, 2020、Reuters, June 17, 2020、SANA, June 17, 2020、SOHR, June 17, 2020、UPI, June 17, 2020などをもとに作成。

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ポンペオ米国務長官はカイザー・シリア市民保護法の発動を宣言、アサド大統領、アスマー夫人、マーヒル・アサド少将ら39の個人・団体を制裁対象に指定したと発表(2020年6月17日)

マイク・ポンペオ米国務長官は声明を出し、ドナルド・トランプ大統領が2020年度国防権限法案に署名してから180日が経た6月17日に、同権限法に盛り込まれていたシーザー・シリア市民保護法(略称シーザー法)が発動したと発表した。

ポンペオ国務長官はまた、米財務省と国務省が、シーザー法と大統領令第13894号(2019年10月14日施行)に従い、経済的・政治的な圧力をかけ、アサド体制の収入を絶ち、それが戦争やシリア国民の大量虐殺に拠出されるのを食い止める持続的なキャンペーンの開始するため、39の個人・団体を制裁対象に指定したと付言した。

制裁対象に指定されたのは、バッシャール・アサド大統領、アスマー・アフラス夫人(大統領令第13894号2(a)(i)(A)および2(a)(ii)の適用対象)、ムハンマド・ハムシュー氏、ファーティミーユーン旅団(第13894号2(a)(i)(D)の適用対象)、マーヒル・アサド氏、ガッサーン・アリー・ビラール氏、サーミル・ダーナ氏(第13894号2(a)(i)(A)の適用対象)、ブシュラー・アサド氏、マナール・アサド氏、アフマド・サービル・ハムシュー氏、アムル・ハムシュー氏、アリー・ハムシュー氏、ラーニヤ・ダッバース氏、スマイマ・ハムシュー氏(第13894号2(a)(ii)の適用対象)など。

ポンペオ国務長官はまた、今後数週間、数ヶ月、アサド体制を支援し、国連安保理決議第2254号に基づく和平・政治プロセスを妨害する個人・団体に対して追加制裁を続けるとしたうえで、「アサドとその体制がシリア国民に対する無用で野蛮な戦争を止め、シリア政府が国連安保理決議第2254号に基づく政治プロセスに同意するまで」、制裁を継続すると強調した。

なお、財務省によると、今回制裁対象となったのは以下39の個人・団体

アスマー・アサド
ブシュラー・アサド
マナール・アサド
ラーニヤ・ラスラーン・ダッバース
サーミル・ダーナー准将(第4師団)
アーディル・アンワル・アラビー
ハーリド・ズバイディー
ガッサーン・アリー・ビラール(第4師団)
スマイマ・サービル・ハムシュー
アフマド・サービル・ハムシュー
アリー・ムハンマド・ハムシュー
アムル・ムハンマド・ハムシュー
ナズィール・アフマド・ムハンマド・ジャマールッディ^ン
ナーディル・カライー
バッシャール・アサド
マーヒル・アサド
ムハンマド・ハムシュー

アンマール個人会社LLC
キンマ開発計画LLC
アート・ハウスGmbH
ダマスカス・ブンヤーン証券会社
キャッスル・ホールディングGmbH
ダマスカス・シャーム・マネージメントLLC
エブラー・ホテル
シリア軍第4師団
グランド・タウン観光都市
カルイー工業
ミールザー社
ラーマーク開発人道計画LLC
ダマスカス・ラワーヒド株式会社
タマイユズLLC
テレフォーカス・コンサルタントInc
テレフォーカスSAL
タイミート商事LLC
アジュニハ株式会社
ズバイディー・ワ・カルイーLLC
ファーティミーユーン旅団

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イドリブ県では高校学校修了試験の受験を希望する生徒の反体制派支配地からシリア政府支配地域への移動見られず(2020年6月17日)

イドリブ県では、SANA(6月17日付)によると、教育省が、外務在外居住者省などの関係機関および国連関連機関と連携して、ハマー県で実施される高校学校修了試験の受験を希望する生徒を受け入れるために、シリア政府支配下のサラーキブ市と反体制派支配下のアリーハー市を結ぶM4高速道路上のタルマバ村に通行所を設置してから17日で4日目を迎えた。

だが、イドリブ県を支配する「テロ組織」が生徒の移動を阻止し続けているため、4日連続で生徒の移動はなかった。

AFP, June 17, 2020、ANHA, June 17, 2020、AP, June 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 17, 2020、Reuters, June 17, 2020、SANA, June 17, 2020、SOHR, June 17, 2020、UPI, June 17, 2020などをもとに作成。

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保健省は政府支配地域で新たに1人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者1人が死亡したしたと発表(2020年6月17日)

保健省は政府支配地域で新たに1人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者1人が死亡したしたと発表した。

死亡したのはクナイトラ県ジュダイダト・ファドル町の70代の女性で、心臓病、糖尿病などを患っていた。

一方、新たに感染が確認されたのも女性だが、感染経路は不明だという。

これにより、6月17日現在の同地での感染者数は計178人、うち死亡したのは7人、回復したのは78人となった。

SANA(6月17日付)が伝えた。

AFP, June 17, 2020、ANHA, June 17, 2020、AP, June 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 17, 2020、Reuters, June 17, 2020、SANA, June 17, 2020、SOHR, June 17, 2020、UPI, June 17, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県でシリア軍が住民を、トルコ軍憲兵隊がIDPsを射殺(2020年6月17日)

英国を拠点に活動する反体制系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから104日目となる6月17日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がザーウィヤ山地方のフライフィル村を砲撃、反体制武装集団と交戦した。

シリア軍はまた、タフタナーズ市東部に展開する部隊が、住民を狙撃し、殺害した。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌20輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

また、トルコ軍憲兵隊が国境地帯で、マアッラト・ヌウマーン市出身の国内避難民(IDPs)に向けて発砲し、子供1人が死亡、女性1人と子供1人が負傷した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(イドリブ県0件、ラタキア県0件、アレッポ県3件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県0件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認した。

AFP, June 17, 2020、ANHA, June 17, 2020、AP, June 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 17, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 17, 2020、Reuters, June 17, 2020、SANA, June 17, 2020、SOHR, June 17, 2020、UPI, June 17, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民23人と国内避難民(IDPs)1人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は580,889人、2019年以降帰還したIDPsは65,891人に(2020年6月17日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月17日付)を公開し、6月16日に難民23人(うち女性7人、子供12人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民23人(うち女性7人、子供12人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は580,889人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者185,641人(うち女性55,832人、子ども94,401人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,706,751人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は810,169人(うち女性243,108人、子供412,892人)となった。

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一方、国内避難民1人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは1人(女性1人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した1人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は1人(女性1人)だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は65,891人(うち女性22,996人、子供27,106人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,334,487人(うち女性405,555人、子供670,872人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 17, 2020をもとに作成。

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