アサド大統領は第3期人民議会選挙を前に党員に文書で訓示を与える(2020年6月15日)

バッシャール・アサド大統領は、7月19日に投票が予定されている第3期人民議会の選挙戦が本格化するのを前に、自らが党首(中央指導部書記長)を務める与党のバアス党の党員に向けて文書で訓示を与え、そのなかで一般党員の投票を通じて党の候補者を選ぶと発表した。

「啓発」(イスティイナース)と名づけられたこのプロセスは党史上初めての試み。

バアス党はこれまで、指導部が人民議会選挙の立候補者を選んできたが、第3期人民議会選挙では、一般党員が候補者に投票を行い、その結果を踏まえて指導部が候補者リストを作成することが決定された。

訓示の主な内容は以下の通り:

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「(人民議会選挙の候補者を選ぶための)党内選挙は常に、党の政治活動の重要な場面の一つである…。党における民主的経験を進化させる方途であり、党とその支持基盤の間の健全な関係を作り出す基礎である」。

「我らが党は、長く豊かな歴史と経験を有する古くから続く政党である。国民的、そして民族的な場での数年にわたる闘争がその経験を豊かなものとしてきた…。この年月は、思想、犠牲、そして建設といった輝かしいいくつもの場面において祝福を受けてきた。しかし、党は過ちを免れることはできなかった。それは、他の多くの政党において生じたものではあったが、幾つかの段階において党の役割を減退させ、別の段階においては党のイメージを損ねた。また、党の愛国的な責務を果たすことを一部党員が避け、有能な党員の多くが失われた。彼らは、こうした過ちが党の道徳、価値観、そしておそらくは目標からの乖離だと考えた」。

「古くから続く多くの政党は、現状に屈せず、変化に迎合はしない。優先事項の変更は基礎を廃するものではない。軍事的、経済的な種々の戦争、そして心理戦を戦うには、強力な教義が必要である。そして教義には思考が必要で、思考には、教義の維持・発展を支える組織が必要である」。

「我々は今日もなお、何よりもまず意識を歪め、価値観や原理原則を打ち砕こうとする複雑な戦争のただ中にある。この戦争は我々にこれまで以上の責務を課している。我らの祖国は絶大な危機や困難に直面し、世界中の主要な諸政党が思想や能力面での衰退の危機に直面している。にもかかわらず、我らが党は、諸々の脅威や困難な状況に対峙するためだけでなく、自体の精神や要請に応えるため、自らの能力を再び強化している」。

「党内選挙はこうしたことを確認するために続けられてきた。同志たちは党内の様々な場で、洗練された民主的方法で、そして自らが責務を担っていることを意識して、候補者を選んできた」。

「あなた方は今日、我らが党の支持基盤に身を置き、より広範な人民諸階層を代表し、その要求を代弁することで、党の力を確固たるものにする責務を担っている」。

「人民議会選挙の候補者を決定するための「啓発」プロセスという試みは、バアス(復興)の原動力、発展、適用力、そして未来への展望を明確に示すことに他ならない。これは、党の活動の仕組みを刷新するうえで重要なステップであり、党の同志たちは、透明性と責任をもって、自らの選択、候補者を決める機会を得ることとなる。さらに、党の同志一人一人がこのプロセスに参加することで、党がこうした責務を果たすことができるより有能な党員を選ぶことに資する。そして、人民議会選挙において、党の同志がこの「啓発」に引き続き積極的に参加することが、課せられた責務となるのだ」。

「正しい選択肢は、望ましい結果をもたらすことだ。適任者を選び、愛国的でないことを勘定に入れてはならない。狭量な忠誠心、客観的でない考慮、そして党の愛国的で民族的な教義になじまない感情を廃して選ぶべきだ」。

シリア・ニュース(6月15日付)などが伝えた。

AFP, June 15, 2020、ANHA, June 15, 2020、AP, June 15, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 15, 2020、Reuters, June 15, 2020、SANA, June 15, 2020、SOHR, June 15, 2020、Syria News, June 15, 2020、UPI, June 15, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県でダーイシュと思われる武装集団がタヤーナ村の村長を処刑(2020年6月15日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局ダイル・ザウル民政評議会の支配下にある県東部のタヤーナ村にある「人民庁舎」(村長舎)をダーイシュ(イスラーム国)と思われる武装集団が襲撃し、職員を1カ所に集め村長を銃殺した。

AFP, June 15, 2020、ANHA, June 15, 2020、AP, June 15, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 15, 2020、Reuters, June 15, 2020、SANA, June 15, 2020、SOHR, June 15, 2020、UPI, June 15, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍とトルコ軍が米主導の有志連合が違法に基地を設置しているルマイラーン町に近い国境地帯で合同パトロール(2020年6月15日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍とトルコ軍が米主導の有志連合が違法に基地を設置しているルマイラーン町に近い国境地帯で合同パトロールを実施した。

一方、米主導の有志連合は、大型トレーラー約200輌をスィーマルカー国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

AFP, June 15, 2020、ANHA, June 15, 2020、AP, June 15, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 15, 2020、Reuters, June 15, 2020、SANA, June 15, 2020、SOHR, June 15, 2020、UPI, June 15, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県で国民解放戦線の司令官が何者かに殺害される(2020年6月15日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコの後援を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)に所属するシャームの鷹旅団傘下の鷹(スクール)軍のユースフ・フサイン・マジュラーニー司令官(アブー・フサイン)が、サルジャ村で正体不明の武装集団の発砲を受けて死亡した。

またマジュラーニー司令官に同行していたハンサー旅団司令官のアフマド・シャイフ(アブー・ウサーマ)氏も負傷した。

一方、シャーム解放機構が国民解放戦線のメンバー1人をサルキーン市近郊の検問所で逮捕した。

逮捕されたのはマアッラト・ヌウマーン市出身のメンバー。

逮捕の理由は不明。

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ダルアー県東カラク村でイランの排斥を求める落書きが見つかる(2020年6月15日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、東カラク村で内の学校などの壁で「イランの占領に反対、出て行け」「逮捕者(釈放)か、戦争かだ」などと書かれた落書きが発見された。

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トルコ軍と国民軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃(2020年6月15日)

アレッポ県では、ANHA(6月15日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるバーブ市の燃料市場で爆発が発生し、住民1人が死亡、4人が負傷した。

AFP, June 15, 2020、ANHA, June 15, 2020、AP, June 15, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 15, 2020、Reuters, June 15, 2020、SANA, June 15, 2020、SOHR, June 15, 2020、UPI, June 15, 2020などをもとに作成。

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国民軍はリビアでの戦闘で死亡したメンバーを葬るための専用の墓地を建設(2020年6月15日)

ANHA(6月15日付)は、シリア・アフリーン人権機構の複数の情報筋の話として、トルコの支援を受ける国民軍が、リビアでの戦闘で死亡した戦闘員をアレッポ県アフリーン郡ジンディールス区のヤラーンクーズ村の墓地に埋葬している、と伝えた。

この墓地は戦闘員専用の墓地で、住民の埋葬は許されていないという。


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トルコ占領下のハサカ県ラアス・アイン市近郊でトルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍の住民に対する振る舞いに抗議するデモが発生、住民がトルコ軍装甲車に投石(2020年6月15日)

ハサカ県では、SANA(6月15日付)によると、ラアス・アイン市近郊のジャマールー村とムライキーズ村の住民が、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍の住民に対する振る舞いに抗議するデモを行い、タイヤを燃やすなどして道路を封鎖し、路上でトルコ軍の装甲車に投石するなどして抗議の意思を示した。

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保健省は4人の新型コロナウイルス感染者が完治したと発表(2020年6月15日)

保健省は4人の新型コロナウイルス感染者が完治したと発表した。

これにより、6月15日現在の同地での感染者数は計177人、うち死亡したのは6人、回復したのは78人となった。

SANA(6月15日付)が伝えた。

AFP, June 15, 2020、ANHA, June 15, 2020、AP, June 15, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 15, 2020、Reuters, June 15, 2020、SANA, June 15, 2020、SOHR, June 15, 2020、UPI, June 15, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍がイドリブ県ザーウィヤ山地方を爆撃(2020年6月15日)

英国を拠点に活動する反体制系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから102日目となる6月15日、ロシア軍戦闘機がイドリブ県ザーウィヤ山地方のサルジーラー村一帯を爆撃した。

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同じくイドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がザーウィヤ山地方のバーラ村、フライフィル村、バイニーン村、ダイル・サンバル村、スフーフン村を砲撃した。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ貨物車輌10輌を、カフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所から新たに進入させた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアンカーウィー村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(イドリブ県1件、ラタキア県1件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, June 15, 2020、ANHA, June 15, 2020、AP, June 15, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 15, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 15, 2020、Reuters, June 15, 2020、SANA, June 15, 2020、SOHR, June 15, 2020、UPI, June 15, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民28人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は580,832人に(2020年6月15日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月15日付)を公開し、6月14日に難民28人(うち女性8人、子供15人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民28人(うち女性8人、子供15人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は580,832人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者185,584人(うち女性55,815人、子ども94,372人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,706,751人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は810,112人(うち女性243,091人、子供412,863人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 15, 2020をもとに作成。

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