ジェフリー米国務省シリア問題担当特使「我々はアサドが去らねばならないとも、ロシアが撤退しなければならないとも言っていない」(2020年6月23日)

ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使はワシントンDCの中東研究所が主催したインターネットでのビデオ会議で、シリア情勢について「我々はアサドが去らねばならないとは言っていない」と述べた。

ジェフリー特使は「我々はアサドが去らねばならないとは言っていない。我々はアサドとその政府に振る舞いを改めねばならないと言っている。またロシアが撤退しなければならないとも言っていない…。米国は2011年の状況に戻りたいだけだ。当時はシリアにはロシア軍もイラン軍もいなかった…。米国がロシアのシリア駐留にいつも反対してきたのは事実だが、ロシアに撤退を説得しようとすることが我々の政策ではない」と述べた。

AFP, June 23, 2020、ANHA, June 23, 2020、AP, June 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2020、Reuters, June 23, 2020、SANA, June 23, 2020、SOHR, June 23, 2020、UPI, June 23, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍ドローンがアイン・アラブ市近郊(アレッポ県)を爆撃し、女性3人を含む5人死亡(2020年6月23日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍の無人航空機(ドローン)が北・東シリア自治局とシリア政府の共同統治下のアイン・アラブ(コバネ)市近郊のハルナジュ村の上空に飛来し、北・東シリア自治局傘下のスィタール女性大会が主催する会合が行われていた民家を爆撃、中にいた女性3人を含む5人が死亡した。

トルコ軍はまた、北・東シリア自治局とシリア政府の共同統治下にあるタッル・リフアト市一帯とマンナグ航空基地一帯を砲撃した。

AFP, June 23, 2020、ANHA, June 23, 2020、AP, June 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2020、Reuters, June 23, 2020、SANA, June 23, 2020、SOHR, June 23, 2020、UPI, June 23, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構による「堅固に持せよ」作戦司令室幹部逮捕を受けて、両者がイドリブ市一帯で激しく交戦(2020年6月23日)

「堅固に持せよ」作戦司令室は声明を出し、シャーム解放機構にアブー・マーリク・タッリー氏の即時釈放を求めるとともに、要求を受け入れなければ、その責任を負わせるとして報復を示唆した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が、アティマ村でアブー・フサーム・ビリーターニー氏を逮捕した。

逮捕は、「堅固に持せよ」作戦司令室に参加しているジハード調整を率いるアブー・アブド・アシュダー氏を支援し、「堅固に持せよ」作戦司令室に参加したのが理由。

ビリーターニー氏はシリア北西部の「解放区」で学校や慈善協会を設立・指導するなど、支援分野の重要人物とみなされている。

ビリーターニー氏の逮捕を受けて、アティマ村では女性と子供が釈放を求めるデモを行った。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「堅固に持せよ」作戦司令室を主導する新興のアル=カーイダ系組織のフッラース・ディーン機構がイドリブ市西にあるシャーム解放機構の検問所(クーンサルーワ検問所)を襲撃し、これを制圧した。

これに対して、シャーム解放機構もイドリブ市近郊にある「堅固に持せよ」作戦司令室の検問所を襲撃、交戦した。

AFP, June 23, 2020、ANHA, June 23, 2020、AP, June 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2020、Reuters, June 23, 2020、SANA, June 23, 2020、SOHR, June 23, 2020、UPI, June 23, 2020などをもとに作成。

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政府支配下のブスラー・シャーム市(ダルアー県)で「イランの民兵」の退去や逮捕者釈放を求めるデモ(2020年6月23日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ブスラー・シャーム市で「イランの民兵」の退去や逮捕者釈放を求めるデモが発生し、住民数百人が参加した。

AFP, June 23, 2020、ANHA, June 23, 2020、AP, June 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2020、Reuters, June 23, 2020、SANA, June 23, 2020、SOHR, June 23, 2020、UPI, June 23, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のタッル・ハラフ村(ハサカ県)での爆発で住民3人を含む8人死亡(2020年6月23日)

ハサカ県では、シリア人権監視団やSANA(6月23日付)によると、トルコ占領下のラアス・アイン市近郊のタッル・ハラフ村で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民3人を含む8人が死亡、15人が負傷した。

また、ANHA(6月23日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、タッル・タムル町近郊のタウィーラ村を砲撃した。

AFP, June 23, 2020、ANHA, June 23, 2020、AP, June 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2020、Reuters, June 23, 2020、SANA, June 23, 2020、SOHR, June 23, 2020、UPI, June 23, 2020などをもとに作成。

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イスラエル軍と思われる戦闘機がシリア中部と南部にある「イランの民兵」の拠点を攻撃し7人が死亡(2020年6月23日)

SANA(6月23日付)は、シリア軍筋の話として、23日午後9時17分、ヒムス県タドムル市の東方および北東方面から敵の飛翔体複数機が飛来、ダイル・ザウル県カバージブ村一帯とヒムス県スフナ市一帯にあるシリア軍の拠点複数カ所にミサイル攻撃を行う一方、スワイダー県サルハド市近郊の拠点も攻撃を受けたと伝えた。

軍筋によると、この攻撃でシリア軍兵士2人が死亡、多数が負傷し、物的被害が出た。

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シリア人権監視団によると、イスラエル軍戦闘機がヒムス県スフナ市とダイル・ザウル県ダイル・ザウル市を結ぶ街道沿線に配置されている「イランの民兵」の拠点複数カ所を攻撃し、軍事拠点1カ所を破壊、同拠点に駐留していた民兵5員が死亡、多数が負傷した。

イスラエル軍はまた、スワイダー県サフン丘地区にある「イランの民兵」も駐留していたシリア軍の通信レーダー拠点1カ所を破壊、シリア軍防空部隊の隊員2人が死亡した。

また、シリア人権監視団(6月28日)によると、イスラエル軍の攻撃は、ハマー県東部のサブーラ町に対しても行われ、住民1人が死亡、3人が負傷した。

AFP, June 23, 2020、ANHA, June 23, 2020、AP, June 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2020、Reuters, June 23, 2020、SANA, June 23, 2020、SOHR, June 23, 2020、June 28, 2020、UPI, June 23, 2020などをもとに作成。

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ムアッリム副首相兼外務在外居住者大臣「シーザー法がシリア国民に与える影響は大きなものだが、我々は制裁には慣れている」(2020年6月23日)

ワリード・ムアッリム副首相兼外務在外居住者大臣は首都ダマスカスの外務在外居住者省で記者会見を開き、米国のシーザー・シリア市民保護法(いわゆるシーザー法)やリビア情勢などについてのシリア政府の姿勢を明らかにした。

記者会見での主な発言は以下の通り:

https://youtu.be/SlOkZyHRAh4

 

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「シーザー法がシリア国民に与える影響は大きなものだが、我々は制裁には慣れている」。

「我々はシーザー法と制裁に対抗するための措置を開始し、これに立ち向かうため、友好国と対話している」。

「シリア国民は、誰であれ憲法の問題に介入することを許さないし、自らの願いに即した国民的な憲法以外を受け入れることはない」。

「この法律(シーザー法)を、我が国の国民経済を復興し、自給自足を実現し、さまざまな分野で友好国や同盟国との協力を深化させるための機会へと転換せねばならない。我々のテロとの戦いが止まることはない」。

「我々はリビア国民軍とリビアの国家機関を支援している、我々はリビアの統一、平和、領土主権を切望している」。

「シリアはエジプトの同胞に寄り添い、彼らの安全保障を支援したい。シリアはエジプトが必要とするすべてに対応する用意ができている」。

「トルコはシリアの領土を占領している。歴史の教訓は我々に教えてくれる。自由と主権のために戦う諸国民が、どれほど時間がかかろうと最終的には勝利するということを」。

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SANA(6月23日付)が伝えた。

AFP, June 23, 2020、ANHA, June 23, 2020、AP, June 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2020、Reuters, June 23, 2020、SANA, June 23, 2020、SOHR, June 23, 2020、UPI, June 23, 2020などをもとに作成。

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イラク国境に面するユーフラテス川西岸のブーカマール市で米国のシーザー・シリア市民保護法に抗議するデモ(2020年6月23日)

ダイル・ザウル県では、SANA(6月23日付)によると、イラク国境に面するユーフラテス川西岸のブーカマール市で、米国のシーザー・シリア市民保護法に抗議するデモが行われた。

AFP, June 23, 2020、ANHA, June 23, 2020、AP, June 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2020、Reuters, June 23, 2020、SANA, June 23, 2020、SOHR, June 23, 2020、UPI, June 23, 2020などをもとに作成。

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保健省は政府支配地域で新たに12人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、11人が完治したと発表(2020年6月23日)

保健省は政府支配地域で新たに12人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、3人が完治したと発表した。

保健省はその後、新型コロナウイルス感染者8人が完治したと発表した。

これにより、6月23日現在の同地での感染者数は計231人、うち死亡したのは7人、回復したのは94人となった。

SANA(6月23日付)が伝えた。

AFP, June 23, 2020、ANHA, June 23, 2020、AP, June 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2020、Reuters, June 23, 2020、SANA, June 23, 2020、SOHR, June 23, 2020、UPI, June 23, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県で新興のアル=カーイダ系組織からなる「堅固に持せよ」作戦がシリア軍拠点を攻撃(2020年6月23日)

英国を拠点に活動する反体制系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから110日目となる6月23日、ロシア軍がイドリブ県の緊張緩和地帯を、トルコ軍がアレッポ県北部のシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配地を、そして所属不明のドローンがトルコ占領地を爆撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「堅固に持せよ」作戦司令室が、シリア政府支配下のハーン・シャイフーン市やマアーッラト・ムーハス村にあるシリア軍の拠点・検問所を砲撃した。

一方、シリア軍はザーウィヤ山地方のスフーフン村、カンスフラ村、ルワイハ村、バイニーン村、ファッティーラ村、ハルーバ村を砲撃した。

他方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌64輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県2件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を2件(イドリブ県2件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

AFP, June 23, 2020、ANHA, June 23, 2020、AP, June 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 23, 2020、Reuters, June 23, 2020、SANA, June 23, 2020、SOHR, June 23, 2020、UPI, June 23, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民29人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は581,052人に(2020年6月23日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月23日付)を公開し、6月22日に難民29人(うち女性9人、子供15人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民29人(うち女性9人、子供15人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は581,052人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者185,804人(うち女性55,880人、子ども94,485人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,706,751人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は810,332人(うち女性243,156人、子供412,976人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 23, 2020をもとに作成。

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