シリア軍第5軍団の兵士がサイダー町(ダルアー県)にあるアサド大統領の写真を破り、抗議の意思を表明(2020年6月29日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍第5軍団の兵士複数人が、サイダー町にあるアサド大統領の写真を破り、抗議の意思を示した。

26日のマハッジャ町でのシリア軍部隊と第5軍団での戦闘で負傷していたサイダー町出身の兵士が29日に死亡したのを受けたもの。

AFP, June 29, 2020、ANHA, June 29, 2020、AP, June 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2020、Reuters, June 29, 2020、SANA, June 29, 2020、SOHR, June 29, 2020、UPI, June 29, 2020などをもとに作成。

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トルコがリビアに派遣したシリア人傭兵(国民軍戦闘員)約3,200人が契約期間の終了を受けて、シリア北部に帰還(2020年6月29日)

シリア人権監視団は、トルコがリビアに派遣していたシリア人傭兵(国民軍戦闘員)約3,200人が契約期間の終了を受けて、シリア北部のトルコ占領地に帰還したと発表した。

シリア人傭兵は、ハリーファ・ハフタル将軍率いるリビア国民軍と戦うため、トルコによってリビアに派遣されていた。

同監視団によると、リビアに派遣されたシリア人傭兵は15,100人に上る。

そのなかには14~18歳の少年300人もおり、彼らのほとんどはスルターン・ムラード師団に所属しているという。

また、リビアに派遣された傭兵のうち約400人は欧州への渡航が目当てて、既に違法なルートを通じて欧州に密入国したという。

なお、リビアでの戦闘で死亡が確認されているシリア人傭兵は432人、うち30人が18歳以下の少年である。

AFP, June 29, 2020、ANHA, June 29, 2020、AP, June 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2020、Reuters, June 29, 2020、SANA, June 29, 2020、SOHR, June 29, 2020、UPI, June 29, 2020などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県ガラーニージュ市で、シリア民主軍が拘置している逮捕者の釈放を求める抗議デモ(2020年6月29日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局支配下のガラーニージュ市で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が拘置している逮捕者の釈放を求める抗議デモが発生した。

 

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の支配下にあるハサカ県にあるスィナーア刑務所(グワイラーン刑務所)に収監中のダーイシュ(イスラーム国)・メンバーが家族との面会や公正な裁判を訴えて暴動を起こした。

暴動発生を受け、同地上空には米主導の有志連合のヘリコプターが飛来し、警戒活動にあたった。

AFP, June 29, 2020、ANHA, June 29, 2020、AP, June 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2020、Reuters, June 29, 2020、SANA, June 29, 2020、SOHR, June 29, 2020、UPI, June 29, 2020などをもとに作成。

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アレッポ県ではトルコ軍の砲撃で住民1人死亡(2020年6月29日)

アレッポ県では、ANHA(6月29日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、バーブ市近郊に展開する北・東シリア自治局バーブ軍事評議会が展開するブワイヒジュ村を砲撃、住民1人が死亡、1人が負傷した。

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ラッカ県では、ANHA(6月29日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊のクーバルラク村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍がシャルカーク村一帯で単独パトロールを実施した。

AFP, June 29, 2020、ANHA, June 29, 2020、AP, June 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2020、Reuters, June 29, 2020、SANA, June 29, 2020、SOHR, June 29, 2020、UPI, June 29, 2020などをもとに作成。

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第3期人民議会選挙:立候補者辞退受付続く(2020年6月29日)

最高司法選挙委員会(選挙管理委員会)のサーミル・ザムズィーク委員長は声明を出し、各県の支部が、7月19日に投票が予定されている第3期人民議会選挙の立候補者の立候補辞退届けの受付を続けていると発表した。

立候補辞退届け受付期間は7月11日(選挙法第44条が定める投票日の7日前)まで続く。

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ダマスカス県は、7月19日に投票が予定されている第3期人民議会選挙の立候補者の写真、宣伝、選挙綱領などを掲示する場所を、総選挙法(2014年施行)に従って決定した。

県が定めた場所以外に掲示した場合は、50,000~100,000シリア・ポンドの罰金が、壁に落書きをした場合は100,000~200,000シリア・ポンドの罰金(洗浄にかかる費用別)が科せられる。

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SANA(6月29日付)が伝えた。

AFP, June 29, 2020、ANHA, June 29, 2020、AP, June 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2020、Reuters, June 29, 2020、SANA, June 29, 2020、SOHR, June 29, 2020、UPI, June 29, 2020などをもとに作成。

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ハサカ市のシリア穀物公社県支部とハサカ電力公社の職員が、シリア民主軍による施設接収に抗議するデモを実施(2020年6月29日)

ハサカ県では、SANA(6月29日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ市グワイラーン地区にあるシリア穀物公社ハサカ県支部、ヌシューワ地区にあるハサカ電力公社の職員が、27日に人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍による施設接収に抗議するデモを行った。

デモは2日連続。

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同じくハサカ県では、SANA(6月29日付)によると、カーミシュリー市近郊のブワイル・ブーアースィー村の住民が、米軍とトルコ軍の占領と米国のシーザー・シリア市民保護法に抗議するデモを行った。

AFP, June 29, 2020、ANHA, June 29, 2020、AP, June 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2020、Reuters, June 29, 2020、SANA, June 29, 2020、SOHR, June 29, 2020、UPI, June 29, 2020などをもとに作成。

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保健省は政府支配地域で新たに13人の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表(2020年6月29日)

保健省は政府支配地域で新たに13人の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表した。

これにより、6月29日現在の同地での感染者数は計269人、うち死亡したのは9人、回復したのは102人となった。

SANA(6月29日付)が伝えた。

AFP, June 29, 2020、ANHA, June 29, 2020、AP, June 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2020、Reuters, June 29, 2020、SANA, June 29, 2020、SOHR, June 29, 2020、UPI, June 29, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がイドリブ県M4高速道路沿線の2カ所に新たな拠点設置(2020年6月29日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから116日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャンナーン村一帯を砲撃した。

シリア軍はまた、「決戦」作戦司令室がダーディーフ村近郊でシリア軍の重機1輌を攻撃、これを破壊したことへの対抗措置として、バイニーン村およびその近郊の森林地帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

なお、「決戦」作戦司令室が27日深夜から28日未明にかけて行った砲撃で、シリア軍複数人が死傷したという。

一方、トルコ軍は、M4高速道路沿線のムハムバル村近郊の2カ所に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は69カ所となった。
(シリア人権監視団の計算だと65)

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:

監視所

イドリブ県:サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市ラーシディーン地区(南)、アイス村(アイス丘)
ハマー県:ムーリク市、シール・マガール村
ラタキア県:ザイトゥーナ村

拠点

イドリブ県:マアッル・ハッタート村、サラーキブ市(3カ所)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(3カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村、アリーハー市、ジャンナト・クラー村、バサーミス村、カイヤーサート村、マルイヤーン村、マアッラータ村、タフタナーズ市、マンタフ村、ムハムバル村(2カ所)
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラ・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

なおこのほかにも、トルコ軍はM4高速道路沿線に監視ポスト14カ所を設置している。

トルコ軍はまた、兵站物資を積んだ車輌30輌を、カフル・ルースィーン村に違法に設置している国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(イドリブ県2件、ラタキア県3件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, June 29, 2020、ANHA, June 29, 2020、AP, June 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 29, 2020、Reuters, June 29, 2020、SANA, June 29, 2020、SOHR, June 29, 2020、UPI, June 29, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民43人と国内避難民(IDPs)17人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は581,257人、2019年以降帰還したIDPsは65,965人に(2020年6月29日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月29日付)を公開し、6月28日に難民43人(うち女性13人、子供22人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民43人(うち女性13人、子供22人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は581,257人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者186,009人(うち女性55,941人、子ども94,591人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,784,967人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は810,537人(うち女性243,217人、子供413,082人)となった。

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一方、国内避難民17人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは17人(うち女性3人、子供12人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した17人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は17人(うち女性3人、子供12人)だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は65,965人(うち女性23,013人、子供27,149人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,334,561人(うち女性405,572人、子供670,8915人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 29, 2020をもとに作成。

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