シャーム解放機構は「決戦」作戦司令室以外の作戦司令室の設置を禁じる(2020年6月26日)

シャーム解放機構の軍事部門は声明を出し、「決戦」作戦司令室の指揮下に軍事活動を統合するため、同司令室以外の作戦司令室の設置、同司令室の裁定に基づかない軍事組織の結成を禁止すると発表した。


「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

また、軍事分野での貢献を望む者は「決戦」作戦司令室を通じてこれを行うよう呼びかけた。

声明は「堅固に持せよ」作戦司令室と「決戦」作戦司令室を主導するシャーム解放機構の武力衝突を受けたもので、これにより「決戦」作戦司令室は「堅固に持せよ」作戦司令室の存在を否定するかたちとなった。

AFP, June 26, 2020、ANHA, June 26, 2020、AP, June 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2020、Reuters, June 26, 2020、SANA, June 26, 2020、SOHR, June 26, 2020、UPI, June 26, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構と「堅固に持せよ」作戦司令室が停戦合意(2020年6月26日)

新興のアル=カーイダ系組織のフッラース・ディーン機構が主導する「堅固に持せよ」作戦司令室は声明を出し、23日に激化したイドリブ県アラブ・サイード村、ルージュ平原一帯でのシャーム解放機構との戦闘に関して、最近設置した検問所の撤去に関して、チェチェン人戦闘員からなるジュヌード・シャームとコーカサスの兵の仲介のもとに交渉に応じる用意があると表明した。

「堅固に持せよ」作戦司令室はまた声明で、シャーム解放機構が逮捕したアブー・サーリフ・ウズベキー氏(本名シロジディン・ムフタロフ)、アブー・マーリク・タッリー氏(本名ジャマール・アイニーヤ)などの逮捕者の身柄の取り扱いを協議するための司法委員会を設置し、交渉を行うことを求めた。

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この声明および25日の地元住民による仲介を受け、シャーム解放機構と「堅固に持せよ」作戦司令室は停戦合意を交わした。

停戦合意の骨子は以下の通り:

1. アラブ・サイード村、ルージュ平原一帯での戦闘を停止し、同地に設置した検問所や監視所を撤去する。
2. アラブ・サイード村の「同志住民」(フッラース・ディーン機構メンバーのこと)は、私用の武器を携帯して同地にとどまることを認められる。
3. アラブ・サイード村から退去を希望する者(フッラース・ディーン機構メンバー)は、私用の武器を携帯して同地を去ることを認める。
4. 「トルキスタンの同志」から告発を受けている「同志」(フッラース・ディーン機構メンバー)について、「トルキスタンの同志」に身柄を引き渡し、法廷で審理を行う。
5. フッラース・ディーン機構はアラブ・サイード村にある本部を閉鎖し、今後同地に検問所を設置しないことを誓約する。

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なお、23日以降の戦闘では、「堅固に持せよ」作戦司令室側の戦闘員18人、シャーム解放機構の戦闘員11人、合計29人が死亡した。

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停戦合意を交わしたシャーム解放機構は、アラブ・サイード村からルージュ平原に至る街道に軽火器・中火器を携帯した戦闘員を展開させ、街道を再開した。

一方、「堅固に持せよ」作戦司令室を主導するフッラース・ディーン機構は、アラブ・サイード村にある本部を閉鎖し、同地から撤退した。

しかし、シャーム解放機構は合意の数時間後、ジスル・シュグール市北のハマーマ村およびその一帯にある「堅固に持せよ」作戦司令室の検問所複数カ所とサルマダー市にある本部を攻撃した。

これに対して、フッラース・ディーン作戦司令室は声明を出し、「あからさまな裏切り行為」と非難した。

AFP, June 26, 2020、ANHA, June 26, 2020、AP, June 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2020、Reuters, June 26, 2020、SANA, June 26, 2020、SOHR, June 26, 2020、UPI, June 26, 2020などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県ブサイラ市で武装集団がシリア民主軍メンバー1人を殺害(2020年6月26日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局傘下のダイル・ザウル民政評議会の統治下にあるブサイラ市で武装集団が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍メンバー1人に発砲し、撃たれたメンバーは死亡した。

AFP, June 26, 2020、ANHA, June 26, 2020、AP, June 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2020、Reuters, June 26, 2020、SANA, June 26, 2020、SOHR, June 26, 2020、UPI, June 26, 2020などをもとに作成。

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カーミシュリー市近郊のタッル・アウダ村で住民が抗議デモを行い、米国とトルコによる占領や米国のシーザー・シリア市民保護法に異議を唱える(2020年6月26日)

ハサカ県では、SANA(6月26日付)によると、カーミシュリー市近郊のタッル・アウダ村で住民が抗議デモを行い、米国とトルコによる占領や米国のシーザー・シリア市民保護法に異議を唱えた。

AFP, June 26, 2020、ANHA, June 26, 2020、AP, June 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2020、Reuters, June 26, 2020、SANA, June 26, 2020、SOHR, June 26, 2020、UPI, June 26, 2020などをもとに作成。

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保健省は13人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、6人が完治、1人が死亡したと発表(2020年6月26日)

保健省は13人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、6人が完治、1人が死亡したと発表した。

死亡したのは呼吸器系の不調を訴えて病院で診断を受けていた男性。

これにより、6月26日現在の同地での感染者数は計255人、うち死亡したのは8人、回復したのは102人となった。

SANA(6月26日付)が伝えた。

AFP, June 26, 2020、ANHA, June 26, 2020、AP, June 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2020、Reuters, June 26, 2020、SANA, June 26, 2020、SOHR, June 26, 2020、UPI, June 26, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県などでシリア軍と「決戦」作戦司令室が砲撃戦(2020年6月26日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから113日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるルワイハ村、バイニーン村、スフーフン村、フライフィル村、ハルーバ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、「決戦」作戦司令室はスフーフン村一帯でシリア軍兵士1人を狙撃し、殺害した。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌15輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室とシリ軍がマナーラ村(タンジャラ村)一帯で交戦した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がトルコマン山一帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(イドリブ県2件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, June 26, 2020、ANHA, June 26, 2020、AP, June 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 26, 2020、Reuters, June 26, 2020、SANA, June 26, 2020、SOHR, June 26, 2020、UPI, June 26, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民34人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は581,152人に(2020年6月26日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月26日付)を公開し、6月25日に難民34人(うち女性10人、子供17人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民34人(うち女性10人、子供17人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は581,152人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者185,904人(うち女性55,910人、子ども94,537人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,706,751人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は810,432人(うち女性243,186人、子供413,028人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 26, 2020をもとに作成。

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