イスラエルのネタニヤフ首相「アサド大統領はイランに足場を与え続ければ、自らの体制を危険に晒すことになる」(2020年6月30日)

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、訪問中のブライアン・フック米国務省上級政策顧問との会談後の共同記者会見で、「アサド大統領は、自国領内でイランに足場を与え続け、イスラエルに対する新たな戦線を開こうとするなら、自らの体制を危険に晒すことになるだろう」と述べた。

ネタニヤフ首相はまた「イスラエルはイランがシリアで大規模に軍事的プレゼンスを許しはしない。我々は必要なあらゆることを行い、イランが核兵器を開発するのを阻止する」と付言した。

AFP, June 30, 2020、ANHA, June 30, 2020、AP, June 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2020、Reuters, June 30, 2020、SANA, June 30, 2020、SOHR, June 30, 2020、UPI, June 30, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍はスハイル・ハサン准将指揮下の第25特殊任務師団の副司令官を交代(2020年6月30日)

ドゥラル・シャーミーヤ(6月30日付)、オリエント・ニュース(6月30日付)などは、親政府系の複数のSNSの情報をもとに、ユーヌス・アリー・ムハンマド大佐が、「トラ」の愛称で知られるスハイル・ハサン准将を司令官とする第25特殊任務師団の副司令官に任命されたと伝えた。

ムハンマド大佐は、今年初めのイドリブ県での第25特殊任務師団の作戦を監督した士官の一人。

また、第25特殊任務師団の副司令官を務めていたサーリフ・アブドゥッラー准将は、第16師団の司令官に任命されたという。

この人事は、ロシア軍司令部によるもの。

第25特殊任務師団は、「トラ部隊」として知られていたハサン准将の部隊を母体として2018年8月に正式に発足した部隊。

同部隊は改称前からロシア軍の支援を受けてきたが、ムハンマド大佐の副司令官は、ロシア軍が同部隊に対する監督や支援を強化する狙いがあると見られる。

また、アブドゥッラー准将が司令官となった第16師団も、最近になってロシア軍によって新たに発足した部隊。

AFP, June 30, 2020、ANHA, June 30, 2020、AP, June 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2020、Orient News, June 30, 2020、Reuters, June 30, 2020、SANA, June 30, 2020、SOHR, June 30, 2020、UPI, June 30, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

フォンテジェスEU外務・安全保障政策上級代表「シリアにおける有意義な選挙とは新憲法のもとで行われるものだけ」(2020年6月30日)

ジョセップ・ボレル・フォンテジェスEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は『シャルク・アウサト』(6月30日付)のインタビューに応じ、そのなかで「シリアにおける有意義な選挙とは、国連安保理決議第2254号に基づき、新憲法のもとで行われるものだけだ」と述べた。

フォンテジェス上級代表はまた「アサド政権が自らの行動を明確に改め、政治プロセスを真摯且つ建設的に遵守する姿勢を示さなければ、制裁は科され続けることになる…。これはシリアの問題に関するEUの広範な路線と分かつことのできない一部分をなしている…。こうした措置の背後にある目的とは、シリアの政府に圧力をかけて弾圧行為を停止させ、国連のもと、安保理決議第2254号に従って、危機解決に必要な持続的な和平について交渉を行うことにある…。EUは真の政治移行が行われた場合にのみ、シリア復興に参加する」と付言した。

AFP, June 30, 2020、ANHA, June 30, 2020、AP, June 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2020、Reuters, June 30, 2020、SANA, June 30, 2020、al-Sharq al-Awsat, June 30, 2020、SOHR, June 30, 2020、UPI, June 30, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアのヴェルシニン外務副大臣は「米国のシーザー法はシリア経済を麻痺させ、一般の市民に被害が及んでいる」と非難(2020年6月30日)

ベルギーの首都ブリュッセルで、22日に開幕していた国連とEUの共同開催による第4回ブリュッセル会議(「シリアと地域の未来の支援に向けた会議」)で最終日となる30日、上級閣僚級会合が開催された。

**

会合に参加したロシアのセルゲイ・ヴェルシニン外務副大臣は、米国のシーザー・シリア市民保護法に言及、「シリア経済を麻痺させ、一般の市民に被害が及んでいる」と非難した。

フェルシニン時間は「この法律や制裁はシリアの市民を保護するためだというが、実際にはシリア経済を麻痺させ、シリアの一般人に打撃を与えている…。シリア経済は数年にわたるテロ攻撃で甚大な被害に苦しんでいる…。制裁は事態を困難にし、その悪影響は、ドナーの寄付や人道分野に対する制裁除外では払拭できない」と述べた。

**

トルコノメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣はイドリブ県を中心とする緊張緩和地帯の情勢に言及、3月5日にロシアとトルコが交わした停戦合意を継続する必要があると述べた。

チャヴシュオール外務大臣はまた、新型コロナウイルスの感染拡大によってシリア人の被害が倍増したと付言、シリア人の痛みを解消するには持続的な政治解決を実現する必要があると強調した。

**

ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使は電話会議システムを通じて、国連安保理決議第2254号を刷新する必要があるとしたうえで、それが実現しない場合深刻な人道危機が生じると警鐘を鳴らした。

ジェフリー特使はまた、同決議に基づいた停戦を呼びかけてきたゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表を支援すると表面した。

AFP, June 30, 2020、ANHA, June 30, 2020、AP, June 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2020、Reuters, June 30, 2020、SANA, June 30, 2020、SOHR, June 30, 2020、UPI, June 30, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国民軍は新たな武装グループを結成しようとした司令官に禁固5年の有罪判決(2020年6月30日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域および「オリーブの枝」地域で活動する東部殉教者連合のアブー・ハウラ・ムーハサン司令官が、国民軍の命令に従わず、その枠外で新たな武装グループを結成しようとしたとして、国民軍の法廷で禁固5年の有罪判決を下された。

**

ラッカ県では、ANHA(6月30日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊のカズアリー村および同村の穀物サイロ一帯を砲撃した。

AFP, June 30, 2020、ANHA, June 30, 2020、AP, June 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2020、Reuters, June 30, 2020、SANA, June 30, 2020、SOHR, June 30, 2020、UPI, June 30, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍がハサカ県ダイルナー・アーガー村に進駐しようとするも、住民はこれを拒否(2020年6月30日)

ハサカ県では、ANHA(6月30日付)によると、ロシア軍の装甲車や輸送車輌など数十輌からなる部隊が、カーミシュリー市(カーミシュリー国際空港)に設置されている基地を出発し、ジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村一帯の国境でパトロールを実施後、同村近郊のダイルナー・アーガー村に進駐しようとしたが、村人がこれを拒否したため、村の近くに野営所を設営した。

AFP, June 30, 2020、ANHA, June 30, 2020、AP, June 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2020、Reuters, June 30, 2020、SANA, June 30, 2020、SOHR, June 30, 2020、UPI, June 30, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

スィタール女性大会使節団がアイン・アラブ市のロシア軍基地を訪れトルコ軍ドローンの攻撃調査を求めるも門前払い(2020年6月30日)

アレッポ県では、ANHA(6月30日付)によると、北・東シリア自治局傘下のスィタール女性大会の使節団が、23日のトルコ軍無人航空機(ドローン)によるハルナジュ村(アレッポ県)のスィタール女性大会会合に対する爆撃の調査やトルコ軍の撤退を求める書簡を提出するため、アイン・アラブ(コバネ)市にある駐留ロシア軍本部を訪れた。

だが、ロシア軍側は使節団との面談、書簡の受け取りには応じなかった。

AFP, June 30, 2020、ANHA, June 30, 2020、AP, June 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2020、Reuters, June 30, 2020、SANA, June 30, 2020、SOHR, June 30, 2020、UPI, June 30, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ市ではシリア穀物公社県支部とハサカ電力公社の職員が3日連続でシリア民主軍による施設接収に抗議(2020年6月30日)

ハサカ県では、SANA(6月30日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ市グワイラーン地区にあるシリア穀物公社ハサカ県支部、ヌシューワ地区にあるハサカ電力公社の職員が、27日に人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍による施設接収に抗議するデモを行った。

デモは3日連続。

AFP, June 30, 2020、ANHA, June 30, 2020、AP, June 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2020、Reuters, June 30, 2020、SANA, June 30, 2020、SOHR, June 30, 2020、UPI, June 30, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県各所で米国とトルコの占領、シーザー法、電気・水不足に抗議するデモ(2020年6月30日)

ハサカ県では、SANA(6月30日付)によると、カーミシュリー市近郊のハームー村で、米国とトルコの占領、米国のシーザー・シリア市民保護法に抗議するデモが行われ、住民が参加した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局とシリア政府の共同統治下のタッル・ハミース市、アームーダー市で、電気や水の不足に伴う生活難に抗議するデモが行われた。

AFP, June 30, 2020、ANHA, June 30, 2020、AP, June 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2020、Reuters, June 30, 2020、SANA, June 30, 2020、SOHR, June 30, 2020、UPI, June 30, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

保健省は政府支配地域で新たに10人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、3人が完治したと発表(2020年6月30日)

保健省は政府支配地域で新たに10人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、3人が完治したと発表した。

これにより、6月30日現在の同地での感染者数は計279人、うち死亡したのは9人、回復したのは105人となった。

SANA(6月30日付)が伝えた。

AFP, June 30, 2020、ANHA, June 30, 2020、AP, June 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2020、Reuters, June 30, 2020、SANA, June 30, 2020、SOHR, June 30, 2020、UPI, June 30, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がイドリブ県ザーウィヤ山地方で反体制派の拠点複数カ所を一時制圧(2020年6月30日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから117日目を迎えた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のルワイハ村一帯を砲撃、同地に進攻し、激しい戦闘の末に武装集団の拠点複数カ所を制圧した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

その後、「決戦」作戦司令室が反撃、制圧された拠点を奪還した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タッル・シハーブ町で政府との和解に応じた元反体制武装集団のメンバーが何者かによって撃たれて死亡した。

ナスィーブ村近郊で数日前に失踪した別の元反体制武装集団メンバー1人も遺体で発見された。

このほか、ムザイリーブ町での男性2人が何者かの発砲を受けて、死亡した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(イドリブ県2件、ラタキア県1件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を0件(イドリブ県0件、ラタキア県2件、アレッポ県0件、ハマー県1件)確認した。

AFP, June 30, 2020、ANHA, June 30, 2020、AP, June 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 30, 2020、Reuters, June 30, 2020、SANA, June 30, 2020、SOHR, June 30, 2020、UPI, June 30, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.