エジプトでアラブ諸国の諜報機関トップが初めて一堂に会し「アラブ諜報フォーラム」を開催:シリアからは米国が制裁対象に指定しているフサーム・ルーカー総合情報部長が出席(2021年11月9日)

『アフラーム』(11月9日付)、ヤウム・サービア(11月9日付)などエジプトのメディアは、首都カイロでアラブ諜報フォーラムが開催され、アラブ諸国の諜報機関のトップが一堂に会したと伝えた。

アラブ諸国の諜報機関トップによる会合が開催されるのは今回が初めて。

会合には、アブドゥルファッターフ・スィースィー大統領、アラブ連盟のアフマド・アブー・ガイト事務総長もオンラインで出席し、祝辞を述べた。

会合では、アフガニスタン情勢など中東地域の諜報にかかる諸問題について意見が交わされた。

シリアからは、米国の制裁対象となっているフサーム・ルーカー総合情報部長が出席した。

ルーカー総合情報部長はアレッポ県ハナースィル市出身。

政治治安局ヒムス支部長などを歴任していた。

2020年9月30日に米シーザー・シリア市民保護法に基づいて制裁対象となっていた。





al-Ahram (Bawwaba al-Ahram), November 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, November 12, 2021、al-Yawm al-Sabi’, November 9, 2021などをもとに作成。

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プライス米国務省報道官はアブドゥッラーUAE外務国際協力大臣のシリア訪問とアサド大統領との会談について「関係正常化に向けたいかなる努力に対しても支持を表明しない」と非難(2021年11月9日)

米国務省のネッド・プライス報道官は、アブドゥッラー・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーンUAE外務国際協力大臣のシリア訪問とアサド大統領との会談に関して、記者団らを前にシリア政府との関係正常化を指示しないと述べた。

プライス報道官の発言内容は以下の通り。

我々は会談についての報告、そしてそこから発信されるシグナルに関心を示している。
この政権は、野蛮な独裁者であるバッシャール・アサドとの関係正常化に向けたいかなる努力に対しても支持を表明しないだろう。我々は、この地域の国々にこの体制、そしてバッシャール・アサド本人が過去10年にわたってシリアの人々に行った残虐行為、そしてこの体制が今も人道支援や安全保障への多くのアクセスを拒否していることを慎重に考慮して欲しいと訴えている。
我々はアサド体制との外交関係を正常化させたり進展させたりすることはない。他の国がそうすることを支援することもない。それは、この体制が自国民に行ってきた残虐行為を踏まえたものだ。

US News(11月9日付)などが伝えた。

AFP, November 9, 2021、ANHA, November 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, November 9, 2021、Reuters, November 9, 2021、SANA, November 9, 2021、SOHR, November 9, 2021、US News, November 9, 2021などをもとに作成。

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UAEのアブドゥッラー外務国際協力大臣がシリアを公式訪問し、アサド大統領と会談(2021年11月9日)

アサド大統領はシリアを公式訪問したアラブ首長国連邦(UAE)のアブドゥッラー・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン外務国際協力大臣、ハリーファ・シャーヒーン外務担当国務大臣、アリー・ムハンマド・ハマード・シャーミスィーID市民権税関港湾保安連邦評議会議長と会談した。

SANA(11月9日付)によると、会談では、二国間関係、両国共通の関心分野での二国間関係の発展、基幹部門における新規協力開拓に向けた取り組みの強化、同部門における投資の協力関係強化などについて協議した。

会談ではまた、アラブ地域情勢、国際情勢について意見を交わし、アラブ地域が直面する諸々の問題、課題に対処するための対話と連携を続け、外国の干渉を排除して諸国民の意思の実現をめざすことで合意した。

アサド大統領は会談で、故ザーイド・ビン・スルターン・アール・ナヒヤーン元大統領以来の両国が強固な関係を築いてきたとしたうえで、UAEの客観的且つ正しい政治姿勢をとり、UAEがシリア国民に常に寄り添ってきたと高く評価した。

これに対して、アブドゥッラー外務国際協力大臣は、UAEがシリアでの安定実現に向けた取り組みを支援するとしたうえで、シリアで起きることはすべてのアラブ諸国に影響を与えると指摘、アサド大統領の指導のもと、シリア国民の取り組みによって、シリアは戦争によってもたらされた課題を克服すると応え、シリア国民を常に支える用意があると表明した。

https://www.facebook.com/SyrianPresidency/posts/254508323382155

AFP, November 9, 2021、ANHA, November 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, November 9, 2021、Reuters, November 9, 2021、SANA, November 9, 2021、SOHR, November 9, 2021などをもとに作成。

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米軍の士官多数がM4高速道路沿線のハサカ県タッル・タムル町を秘密裏に訪問し、新基地建設の敷地調査(2021年11月9日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米軍の士官多数が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるM4高速道路沿線のタッル・タムル町を秘密裏に訪問し、新基地建設に適した敷地の調査を行った。

AFP, November 9, 2021、ANHA, November 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, November 9, 2021、Reuters, November 9, 2021、SANA, November 9, 2021、SOHR, November 9, 2021などをもとに作成。

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ロシアのラヴロフ外務大臣「シリアのクルド人に米国にそそのかされないよう説いている」(2021年11月9日)

ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外務大臣は、英カトリック教会のポール・ギャラガー司祭との会談後の記者会見で、シリア情勢について言及、シリアのクルド民族主義勢力は自らがシリアの一部をなしていると感じるべきだと述べた。

ラヴロフ外務大臣は次のように述べた。

我々は、クルド人の代表と緊密に連絡をとり続けており、制憲委員会の活動の枠組みに沿って、新たな政治的枠組みが構築される際に、彼らの正当な利益が考慮されるよう全力を尽くしている。
私は、シリア東部での分離主義的傾向を増長させようとしている米国にそそのかされないようクルド人たちに説いている。こうした計画はシリアの統合を維持することへの関心を逆撫でするものだ。
それは、クルド問題がシリアだけでなく、他の国々にも関係していることを踏まえると、地域全体で炎上させかねない危険なゲームだ。

ノース・プレス・エージェンシー(11月9日付)などが伝えた。

AFP, November 9, 2021、ANHA, November 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, November 9, 2021、North Press Agency, November 9, 2021、Reuters, November 9, 2021、SANA, November 9, 2021、SOHR, November 9, 2021などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県ユーフラテス川西岸のシリア政府支配地上空に所属不明のドローンが飛来し、爆撃を実施(2021年11月9日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるバーグーズ村に面するユーフラテス川西岸のシリア政府支配地上空に所属不明の無人航空機(ドローン)が飛来し、爆撃を実施した。

AFP, November 9, 2021、ANHA, November 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, November 9, 2021、Reuters, November 9, 2021、SANA, November 9, 2021、SOHR, November 9, 2021などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県シュハイル村に設置されているシリア民主軍の検問所がダーイシュと思われる武装集団の襲撃を受ける(2021年11月9日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるシュハイル村内に設置されている人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の検問所(ハディーカ検問所)がダーイシュ(イスラーム国)と思われる武装集団の襲撃を受けた。

またダマーン村でもオートバイに乗った正体不明の武装集団がシリア民主軍の車輌に向かってRPG弾を発射した。

AFP, November 9, 2021、ANHA, November 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, November 9, 2021、Reuters, November 9, 2021、SANA, November 9, 2021、SOHR, November 9, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍のドローンがハサカ県カーミシュリー市西のハラーリーヤ地区でピックアップ・トラック1台を爆撃し、住民3人を殺害、ロシア軍は同地近くで軍事演習実施(2021年11月9日)

ハサカ県では、ANHA(11月9日付)によると、トルコ軍の無人航空機(ドローン)がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるカーミシュリー市西のハラーリーヤ地区で民生用のピックアップ・トラック1台を爆撃し、乗っていた住民3人が死亡、車が大破した。

死亡したのは、ユースフ・カッルー氏、マズルーム・カッルー氏、ムハンマド・マフムード・カッルー氏。

シリア人権監視団によると、攻撃は人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍司令部の顧問を狙ったものだったが、車には乗っておらず、祖父、兄弟、そして親族の3人が犠牲となったという。

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一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍がシリア政府の支配下にあるカーミシュリー国際空港に駐留するロシア軍が、政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるカーミシュリー市近郊で軍事演習を行った。

AFP, November 9, 2021、ANHA, November 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, November 9, 2021、Reuters, November 9, 2021、SANA, November 9, 2021、SOHR, November 9, 2021などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県のズィーバーン町とシュハイル村で「人民諸派」がシリア民主軍の本部を襲撃し、複数兵士負傷(2021年11月9日)

ダイル・ザウル県では、SANA(11月9日付)によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるズィーバーン町とシュハイル村で「人民諸派」が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の本部を襲撃し、シリア民主軍兵士複数人が負傷した。

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ハサカ県では、SANA(11月9日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるシャッダーディー市で、シリア民主軍が地下に建設しているトンネルが崩壊し、掘削作業を行っていた住民2人が死亡した。

AFP, November 9, 2021、ANHA, November 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, November 9, 2021、Reuters, November 9, 2021、SANA, November 9, 2021、SOHR, November 9, 2021などをもとに作成。

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トルコ占領下のラッカ県タッル・ファンダル村近郊でシリア国民軍に所属するマジド軍団とシリア国民軍憲兵隊が交戦(2021年11月9日)

ラッカ県では、SANA(11月9日付)やシリア人権監視団によると、トルコ占領下のタッル・ファンダル村近郊でシリア国民軍に所属するマジド軍団がシリア国民軍憲兵隊の車輌を攻撃、これに憲兵隊が応戦し、双方に死傷者が出て、車輌複数輌が大破した。

AFP, November 9, 2021、ANHA, November 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, November 9, 2021、Reuters, November 9, 2021、SANA, November 9, 2021、SOHR, November 9, 2021などをもとに作成。

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シリア軍がイドリブ県アーフィス村近郊で土嚢を積んでいたトルコ軍の工兵部隊に対して機関銃を掃射し、威嚇(2021年11月9日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるアーフィス村近郊で土嚢を積んでいたトルコ軍の工兵部隊に対して機関銃を掃射し、威嚇した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

銃撃を受けたトルコ軍部隊は撤退した。

一方、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方では、フライフィル村一帯でシリア軍と「決戦」作戦司令室が砲撃戦を行った。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカフルタアール村、カフル・アンマ村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(イドリブ県3件、ラタキア県0件、アレッポ県3件、ハマー県0件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は0件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を9件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3086363388273063

AFP, November 9, 2021、ANHA, November 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, November 9, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, November 9, 2021、Reuters, November 9, 2021、SANA, November 9, 2021、SOHR, November 9, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で184人、北・東シリア自治局支配地域で146人、アル=カーイダとトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で246人(2021年11月9日)

保健省は政府支配地域で新たに184人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者95人が完治し、7人が死亡したと発表した。

これにより、11月9日現在の支配地内での感染者数は計45,468人、うち死亡したのは2,637人、回復したのは27,217人となった。

SANA(11月9日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに146人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、7人が完治し、9人が死亡したと発表した。

これにより、11月9日現在の支配地内での感染者数は計36,722人、うち死亡したのは1,462人、回復したのは2,485人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性82人、女性64人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市37人、カーミシュリー市2人、マーリキーヤ(ダイリーク)市9人、ルマイラーン町3人、マアバダ(カルキールキー)町4人、フール・キャンプ4人、アレッポ県のシャフバー地区(タッル・リフアト市)11人、ラッカ県のラッカ市53人、タブカ市23人。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1723225284534068

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で11月9日に新たに246人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、528人が完治し、10人が死亡したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡25人、イドリブ郡72人、ハーリム郡67人、アリーハー郡24人、アレッポ県スィムアーン山郡4人、ジャラーブルス郡5人、バーブ郡7人、アフリーン郡28人、アアザーズ郡14人。

これにより、同地での感染者数は計90,267人、うち死亡したのは1,949人、回復したのは54,138人となった。
https://www.facebook.com/ACUSyria/posts/1706190122919205

AFP, November 9, 2021、ACU, November 9, 2021、ANHA, November 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, November 9, 2021、Reuters, November 9, 2021、SANA, November 9, 2021、SOHR, November 9, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民304人と国内避難民(IDPs)8人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は720,589人、2019年以降帰還したIDPsは104,484人に(2021年11月9日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、11月8日に難民304人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民291人(うち女性88人、子供148人)、ヨルダンから帰国したのは13人(うち女性4人、子供7人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は720,589人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者324,194人(うち女性97,430人、子ども165,055人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者396,395人(うち女性118,965人、子ども202,157人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,813,318人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は949,869人(うち女性285,053人、子供484,134人)となった。

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一方、国内避難民172人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは172人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は104,656人(うち女性40,887人、子供33,900人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,373,252人(うち女性423,446人、子供677,666人)となった。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3086361964939872

Ministry of Defence of the Russian Federation, November 9, 2021をもとに作成。

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