「双子のマラス」はシャルア移行期政権の人権侵害、虐殺、殺人を非難:文化省は2人の演劇作品の上演を禁止(2025年8月11日)

シリアの双子俳優・演劇人、映像クリエイターの「双子のマラス」はフェイスブックを通じて、アフマド・シャルア移行期政権を公然と批判した。

批判の内容は以下の通り。

新政府へ
我々は2011年の革命の子どもたちであり、今はダマスカスにいます。
お伝えしたいのは、このままの状況が続き、あちこちで人権侵害、虐殺、殺人が毎日のように起こるなら、近いうちに2011年と同じスローガンを我々が再び叫ぶことになるだろう、ということです。
それは、あなた方がバッシャール・アサド体制と同じだからではありません。いいえ…バッシャール・アサドとその父親は、我々にとって世界最大の犯罪者です。
しかし、我々は尊厳を持った人間であり、いかなるシリア人に対しても不正を受け入れず、殺人を正当化しません。
これこそが2011年の革命が我々に教えてくれたことであり、誰に反対されようとも、我々はそれに忠実であり続けます。
残念ながら、あなた方は毎日、我々の期待をさらに裏切っています。

**

「マラスの双子」はその数時間後、フェイスブックを通じて、以下の通り発表した。

文化省の決定により、我々の演劇作品『全ての恥にお祝いを』の上演が中止され、すべての演劇ワークショップも停止されました。
これは、フェイスブック上での直近の投稿を背景とした措置です。

(C)青山弘之 All rights reserved.

外務在外居住者省のルバービーディー・アフロアジア・オセアニア局長が日本で安藤外務省中東アフリカ局長と会談:在日シリア人代表団が緊急事態災害省、高等教育科学研究省、観光省を訪問(2025年8月11日)

外務在外居住者省は、フェイスブックを通じて、ザカリヤー・ルバービーディー・アフロアジア・オセアニア局長が日本を訪れ、東京で日本の安藤俊英外務省中東アフリカ局長と会談、安藤俊英外務審議官(中東・北アフリカ局長)と会談し、シリア情勢の進展について協議した。

ルバービーディー局長は、日本の人道支援と一部制裁解除への謝意を表明し、協力強化のための全面的な制裁解除を要請した。また、復興と統一・安定した国家建設に向けた政府の方針を説明した。

これに対し安藤局長は、日本のシリアへの継続的支援と外部からの干渉拒否、領土の統一と主権尊重へのコミットメントを改めて表明し、政治的解決と国民和解に向けたシリアの前向きな取り組みを評価した。

なお、声明では、安藤氏の地位について、外務審議官兼外務省中東アフリカ局長と記載されている。

**

緊急事態災害省は、フェイスブックを通じて、在日シリア人コミュニティの代表団が8月10日に同省を訪れ、ラーイド・サーリフ大臣と面談したと発表した。

会談では、シリアと日本の間で非常事態および災害管理の分野における協力とネットワーク構築の可能性、両国間での技術的・工学的経験の交換について議論が行われ、早期警戒システムや全国レベルでの危機対応の強化策に焦点が当てられた。

また、自然災害に対抗し、被害を軽減する能力を備えたシステム構築における重要な柱の一つとして、耐震基準(地震コード)の問題についても議論された。

**

また、高等教育科学研究省は、フェイスブックを通じて、マルワーン・ハラビー大臣が、アフマド・マンスール博士率いる在日シリア人コミュニティの代表団と面談し、高等教育・科学研究分野における協力強化、経験交流、奨学金の提供、アラビア語と日本語教育の支援などについて議題したと発表した。

発表によると、会合には、日本のテクノロジー、建設、エネルギー関連の企業の専門家や経営者も参加したとされている。

**

さらに、観光省は、フェイスブックを通じて、マーズィン・サーリハーニー大臣が同代表団と面談し、在外シリア人の「観光大使」として重要であると強調し、歴史的遺跡の整備、観光環境の質の向上、日本人観光客を誘致するための現代的マーケティング手法を用いた観光ルートの創出など、観光省の取り組みを紹介した。

これに対して、マンスール博士は、日本人観光客が無形文化遺産に高い関心を持っていると述べ、民族衣装、シリア料理、史跡などの観光マップを作成し、この分野を開発するよう提案した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国務省のミッチェル地域報道官:「シャルア移行期政権には民間人を保護し、その権利を守る直接的な責任がある」(2025年8月11日)

シリアック・プレスによると、米国務省のマイケル・ミッチェル地域報道官は、スワイダー県における暴力の激化に深い懸念を示し、平和的抗議の権利を行使する民間人に対する過剰な武力行使を警告した。

ミッチェル報道官は、米政府がスワイダー県でのアフマド・シャルア移行期政権とドゥルーズ派武装勢力の最近の衝突を注意深く監視しているとしたうえで、移行期政権には民間人を保護し、その権利を守る直接的な責任があると強調した。

さらに、違反行為の責任者を追及し、危機を深める可能性のあるエスカレーションを回避するよう移行期政権に求めた。

**

一方、ハサカ県では、シリア人権監視団によると、軍事・兵站資材を積載した約40台の貨物車輛からなる米軍の車列がワリード国境通行所(スワイディーヤ国境通行所)を経由してイラクから入国し、ハッラーブ・ジール村にある有志連合の基地に到着した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

スノウ英シリア担当特使はスワイダー国立病院での処刑を深く憂慮(2025年8月11日)

アン・スノウ英シリア担当特使は、Xを通じて以下の通りつづった。

先月、スワイダーの国立病院で民間人が殺害される映像が出回っていることに深く憂慮している。この出来事は、あらゆる暴力の加害者を責任追及するための緊急行動の必要性を改めて強調するものである。

(C)青山弘之 All rights reserved.

内務省はスワイダー国立病院での処刑を「もっとも強い言葉で非難」(2025年8月11日)

内務省は、フェイスブックを通じて、スワイダー国立病院内で撮影されたとされる処刑の映像について「注視している」としたうえで、「もっとも強い言葉で非難」し、責任を追及すると表明、内務大臣の指示により、アブドゥルカーディル・タッハーン治安担当次官を、事件解明と犯人逮捕のための捜査を直接監督する任務に就けたと発表した。

また、ワタンによると、ヒンド・カバワート社会問題労働大臣はSNSでの投稿で以下の通り批判した。

丸腰の民間人、医療従事者、人道救援分野で働く者を殺害することは、決して受け入れられず、正当化も容認もできない。
規律を乱す者を取り締まり、責任を問うことこそが、我々全員と子どもたちの未来を守る保証である。
我々は自らを律し、自分たちの立場を見直さなければならない。原則を裏切ったり、それを軽視したりすることは選択肢ではない。
我々は常に、そしてこれからも、市民とその権利の側に立ち続ける。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ベドウィン・部族系武装勢力がスワイダー県での停電に対処するための復旧作業班、人道支援物資を積んだ車列を相次いで襲撃 (2025年8月11日)

ダルアー県では、スワイダー24によると、ヒルバト・ガザーラ町・ムサイフラ町間で66kV送電線に障害が発生し、スワイダー県全域で停電が発生した。

スワイダー24によると、これを受けて、電力会社の復旧作業班がクレーン車とともに現地に派遣されたが、途中ベドウィン・部族系の武装勢力の襲撃を受けて作業の実施を妨害した。

また、シリア人権監視団によると、ダマスカス郊外県ジャルマーナー市からスワイダー県へ向かっていた人道支援物資の車列が、ブスラー・シャーム市近郊で武装集団の襲撃を受けた。

車列はシリア・アラブ赤新月社との事前の調整を経て物資を運んでいたが、武装勢力は5台のうちの3台を押収、スワイダー県に入れたのは2台だけだった。

事件後、内務省総合治安局の部隊が、3台の貨物車輛を引き取るために現地に派遣されたが、受け渡しの最中に銃撃を受け、隊員1人が死亡、複数人が負傷した。

**

スワイダー県では、スワイダー24によると、スワイダー市西部が、アフマド・シャルア移行期政権所属部隊およびベドウィン・部族武装勢力が展開する地域から断続的な重機関銃の射撃を受けた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャルア移行期政権所属の無人航空機がアレッポ市のシャイフ・マクスード地区のアサーイシュ拠点を攻撃、隊員2人が負傷(2025年8月11日)

アレッポ県では、ANHAによると、アフマド・シャルア移行期政権所属の自爆型無人航空機が北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるアレッポ市のシャイフ・マクスード地区の内務治安部隊(アサーイシュ)の拠点を攻撃、隊員2人が負傷した。

また、シリア人権監視団によると、シャイフ・マクスード地区およびアシュラフィーヤ地区一帯で、シャルア移行期政権の内務省総合治安局が通常の治安活動と並行して、アレッポ市スィルヤーン地区と両地区を結ぶ街道に土塁を設置した。

**

ANHAによると、シリア民主軍の広報センターは声明を出し、アフマド・シャルア移行期政権に所属する「統制の取れていない部隊」による挑発行為が相次いでいることを非難、こうした行為が続けば「正当防衛の原則」に基づき対応せざるを得ないと強調した。

**

一方、シリア人権監視団によると、北・東シリア地域民主自治局は、緊張を抑える試みの一環として、首都ダマスカスに渉外委員会の技術代表団を派遣した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヒムス県でアラウィー派が相次いで殺害される(2025年8月11日)

ラタキア県で、シリア人権監視団によると、ラタキア市ダマスラフー地区で、身元不明の子どもの遺体が発見された。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タッルカラフ市郊外のアーミリーヤ村で、アラウィー派の男性が正体不明の武装グループによって殺害された。

また、シリア人権監視団によると、ヒムス市アクラマ地区で、覆面をした武装グループがアラウィー派の親子を銃撃、父親が死亡、息子が負傷した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市カッラーサ地区の警察署の留置場内で若い男性が同署の隊員の拷問を受け死亡した。

これを受けて、内務省は、フェイスブックを通じて、事件を追跡し、経緯を完全に解明するための専門調査委員会が設置し、死因を正確に特定するため遺体に対して司法解剖を行うと発表した。

また、シリア人権監視団によると、ブザーア村の戦争未亡人用集合住宅で女性1人が殺害されているのが発見された。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍戦闘機が首都ダマスカス上空に飛来(2025年8月11日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、約100人の兵士と20台の軍用車輛からなるイスラエル軍部隊が、トゥルナジャ村に侵入し、村出身の若い男性1人を拘束・連行した。

また、シリア人権監視団によると、軍用車輛3台からなる別の部隊は、西サマダニーヤ村に侵入した。

**

一方、シリア人権監視団によると、イスラエル軍の戦闘機が、首都ダマスカスの上空に進入し、中高度で飛行した後、ダマスカス郊外県上空で旋回を繰り返した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア民主軍所作戦司令室師団(TOL)がハサカ県フール町で治安作戦を実施し、ダーイシュのメンバー2人を逮捕(2025年8月11日)

ハサカ県では、ANHAによると、シリア民主軍所属の作戦司令室師団(TOL)がフール町で治安作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバー2人を逮捕した。

**

アレッポ県では、ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)が、アイン・アラブ(コバネ)市で麻薬密輸グループのメンバー5人を逮捕した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

首都ダマスカス、アレッポ市、ハマー市、ラタキア市、イドリブ市、ダルアー市などで、シリアのジャーナリストや報道関係者がガザ地区のパレスチナ人ジャーナリストたちとの連帯を訴えるデモ(2025年8月11日)

SANAによると、首都ダマスカス、アレッポ市、ハマー市、ラタキア市、イドリブ市、ダルアー市などで、シリアのジャーナリストや報道関係者がガザ地区のパレスチナ人ジャーナリストたちとの連帯を訴えるデモを行い、イスラエル占領当局による犯罪行為を非難した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャイバーニー外務在外居住者大臣は史宏微駐シリア中国大使と会談(2025年8月10日)

フェイスブックによると、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣は、史宏微駐シリア中国大使と会談、双方の共通関心に関わる地域的・国際的な最新情勢について協議したほか、二国間関係およびさまざまな分野での関係強化の方途についても話し合った。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍部隊がクナイトラ県東サムダーニーヤ村で民家5軒を捜索、その後撤収(2025年8月10日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、車輛5台からなるイスラエル軍部隊が東サムダーニーヤ村で民家5軒を捜索、その後撤収した。
司法省は前政権のテロ裁判所の裁判官の行為によって不当な扱いや恐喝を受けた市民に対し、裁判所に申し立てるよう呼びかける
司法省は、フェイスブックを通じて、前政権のテロ裁判所の裁判官の行為によって不当な扱いや恐喝を受けた市民に対し、ダマスカス破毀院(最高裁判所)に申し立てるよう呼びかけた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヒムス市内で拉致されたアラウィー派の男性が遺体となって発見される(2025年8月10日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、前日にヒムス市内で拉致されたアラウィー派の男性が遺体となって発見された。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナーミル村で男性が何者かに殺害されているのが発見された。

また東カラク村とムサイフラ町を結ぶ道路で、正体不明の武装グループが男性を至近距離から銃撃し、死亡した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県ザッル村でダーイシュとシリア民主軍が交戦(2025年8月10日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ザッル村でダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルが自動小銃でシリア民主軍の軍事拠点を攻撃し、両者の間で断続的な衝突が発生した。

また、シリア人権監視団が11日に発表したところによると、ダーイシュのスリーパーセルがムハイミーダ村でシリア民主軍傘下の自衛部隊所属の軍用車輛を攻撃した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国連はシャルア移行期政権に民族や宗教を問わず全てのシリア人を保護するよう求める安保理議長声明を採択(2025年8月10日)

UNニュースによると、国連安保理は議長声明を採択し、7月中旬以降シリア・スワイダー地域で激化した暴力に深い懸念を示し、民間人への攻撃を非難するとともに、緊急の保護措置と人道的アクセスの確保を求めた。

議長声明では、スワイダー県での戦闘について深い懸念を表明し、そのなかに大量殺害が含まれていると指摘、民間人に対する暴力を強く非難し、「全当事者が停戦合意を順守し、民間人保護を確実にするよう求めた。

また、生命は、すての当事者に対し、人権法および国際人道法上の義務、とりわけ全ての医療・人道要員を尊重し、保護する義務に基づき、スワイダー県およびシリア全土の被災地への完全かつ安全、迅速で妨げのない人道アクセスを、人道・中立・公平・独立の原則に沿って認めるよう要請、降伏者、負傷者、拘束者、武装解除者を含む全ての戦闘員に対し、人道的な扱いを確保する必要性を強調した。

一方、アフマド・シャルア移行期政権に対しては、民族や宗教を問わず全てのシリア人を保護するよう求め、全てのシリア人に真の安全と保護がなければ、意味ある復興はあり得ないと警告した。

そのうえで、移行期政権による暴力の非難と、加害者を捜査するという約束を歓迎しつつ、信頼でき、迅速、透明、公正かつ包括的な国際基準に沿った捜査を確保するよう促した。

さらに、国連安保理決議第2254号の内容などを再確認し、シリアの主権、独立、統一、領土保全への強い意志を改めて表明、全ての国に対しさらなる不安定化を招く否定的・破壊的干渉を避けるとともに、1974年の兵力引き離し協定などを遵守するよう呼びかけた。

このほか、テロの脅威については、シリアにおける外国人テロ戦闘員がもたらす深刻な脅威に重大な懸念を表明した上で、ダーイシュ(イスラーム国)やアル=カーイダに対して、関連決議に沿った断固たる措置を取るよう同国に求めた。

最後に、包摂的で、シリア主導・シリア所有の政治プロセスの必要性を改めて訴え、安保理決議第2254号に基づき、全てのシリア人の権利を守り、彼らが平和的かつ自主的、民主的に自らの将来を決定できるようにすることを呼びかけた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ドゥルーズ派の主要な宗教指導者3人(ヒジュリー師、ヒンナーウィー師、ジャルブーウ師)がビデオ声明を出し、シャルア移行期政権を非難(2025年8月9日)

ANHAによると、スワイダー軍事評議会は、国際的または国内的な裁判で訴追対象となっている人物が自らの部隊に所属しているとの一部情報について、これを否定した。

スワイダー軍事評議会は、公式ページに告知を掲載し、その中で、自らの部隊内には国際法廷で訴追されている人物や、テロ関連の罪や事件で告発されている者はいないと述べた。
さらに同評議会は、国際連合と連絡を取り合い、自らをその一部と見なしているとした上で、その任務は自らが展開する地域の住民を保護することに限られると説明した。また、国際勢力と歩調を合わせ、法、公正、平等の実現や平和の普及に努めるとしている。

**

ドゥルーズ派の主要な宗教指導者(シャイフ・アクル)の1人であるハンムード・ヒンナーウィー師(アブー・ワーイル)は、フェイスブックを通じてビデオ声明を出し、「スワイダー県とダマスカスの政府との間には、もはや約束も協定も存在しない」と述べ、アフマド・シャルア移行期政権に対する対決姿勢を明示した。

ダマスカス郊外県のジャルマーナー市やアシュラフィーヤト・サフナーヤー市での事件に際して、ドゥルーズ派の最高指導者のヒクマト・ヒジュリー師とアフマド・シャルア移行期政権の仲介を行うなどし、同政権との対決姿勢を示すのを避けてきたヒンナーウィー師は「我々は約束を守らず、祖国を売り、国境を裏切る前に国民を裏切り、極端な思想で無実の人々の命を奪う権力によって災いに晒されている」と非難、国際社会と国際機関に対し、スワイダー県への包囲を即時解除し、無条件で人道回廊を開放するよう求めるとともに、同県での犯罪に関与したすべての者の調査と責任追及を呼びかけた。

ヒンナーウィー師はまた、今回の出来事を「スワイダー県全住民の存在と運命の問題」と位置づけ、「今日の闘いは、もはや政治の議題の一項目や交渉材料ではなく、(アラブ山)のすべての人々にとっての存在と運命の問題になった」と述べた。

さらに、宗派対立の扇動、情報戦、そして噂の危険性に警鐘を鳴らす一方、現時点でアフマド・シャルア移行期政権との間にいかなる交渉や合意も行われていないと強調した。

また、ドゥルーズ派の宗教的指導者や聖域に対する侮辱を拒否し、アラブ諸国の沈黙、メディアの隠蔽、真実の抹消に驚きの意を示した。

**

ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部は、フェイスブックを通じて、最高指導者のヒクマト・ヒジュリー師のビデオ声明を配信した。

声明の内容は以下の通り。

慈悲深く慈愛あまねきアッラーの御名において。
我々は、精神的かつ愛国的立場から、土地と名誉を守るために殉じ、非人道的なテロ攻撃に勇敢に立ち向かって倒れた尊き殉教者たちの魂に、心からの哀悼の意を捧げる。
彼らは、スワイダーの揺るぎない抵抗と、その子らの名誉を歴史に刻む証を残して逝った。
屈しない大地から、誇りを取引しない民から、そして勇気が生まれて以来、決して挫けることのない山から、我々はこの声明を世界に向けて発する。情けを請うためではなく、証拠を突き付けるためである。
スワイダー——この地は、国際社会の沈黙という重荷を背負ってきたが、もはやこれ以上の傷を耐えることはできない。ここ数日間に起きたのは、冷酷無比に実行され、血で書くことに慣れた手によって暗い部屋から指揮される、組織的なジェノサイドとしか言いようのない一連の犯罪である。
子どもたちは母親の目の前で虐殺され、その光景は身の毛もよだつものであった。
老人たちは公の広場で、慈悲も憐れみもなく処刑された。
家屋は中にいた者ごと焼かれ、炎がまるで支配の言語となったかのようであった。
民間人は誘拐され、人質として汚らしい政治ゲームに利用された。
何週間にも及ぶ息詰まる包囲は、水、電気、食料を断ち切り、決して屈しない民の意志を挫こうとした。
無差別なロケット弾や迫撃砲の砲撃は、平穏な村々を標的にし、子どもも老人も、家も学校も区別なく襲った。
これは単なる個別の越権行為ではなく、世界が見聞きしている中で進行する、沈黙のジェノサイド計画であり、「安全の確保」という嘘でメディア的に覆い隠されているものである。
民間人への圧力手段としての飢餓の利用は、単なる違反ではなく、国際法および人類の前で加害者が裁かれるべき明白な戦争犯罪である。ジュネーブ諸条約第一追加議定書第54条および第二追加議定書第14条に基づき、民間人を対象とした兵器の使用や人道支援の到達妨害は明確に禁止されている。さらに、2019年にローマ規程第8条に加えられた改正は、この行為を国際的・非国際的武力紛争のいずれにおいても明確に犯罪として規定している。
我々の立場から、既成事実化された政府を支援する一部のチャンネルや国営メディアが主導する、犯罪を「安全」の衣で覆い、罪なき者たちの廃墟の上に築かれる偽りの平和を宣伝する歪曲キャンペーンを強く非難する。
子どもの血で手を汚した者たちが、どうして平和の使者を名乗れるというのか。
正義の側に立ってくださった方々に感謝申し上げる。我々は、沈黙を拒否し、虐げられている人々の側に立ってくれた諸国の立場を高く評価する。その先頭に立つのは、少数派支援と独裁拒否の明確な姿勢を示したアメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領であり、また、スワイダー県の人々に対する虐殺を倫理的・人道的動機から抑えるために人道的介入を行ったイスラエル国政府と国民である。そして、テロ支配の拒否と虐げられた我が人民の大義への支持を明確に表明した、アラブ湾岸の兄弟諸国にも感謝する。また、北・東ユーフラテス地域の自治行政およびそれに属する諸団体が、スワイダーの同胞に対して行った誠実な支援にも謝意を表する。
我々は、国連と国連安全保障理事会に対し、直ちに行動を起こし、この致命的な沈黙を終わらせるよう訴える。
よって、以下の要求を行う:
第1、スワイダーで犯された犯罪に関する独立した国際調査の実施。
第2、これらの犯罪に関与した者を国際刑事裁判所に付託すること。
第3、民間人を保護するための国際監視団の派遣。
第4、スワイダー周辺のテロ組織へのあらゆる政治的・軍事的支援を停止すること。
第5、保証国に対し、現実支配政府へ圧力をかけ、停戦合意を順守し、その履行期間中に行われた違反や攻撃を繰り返さないよう求める。また、我々はこの合意を順守してきたことを確認し、全ての民兵や武装集団がスワイダーの行政境界外へ撤退し、我々の子供たちが自らの村や家へ帰還できるようにする必要性を強調する。
心から、世界中の自由を信じる人々へ、そして「祖国は血の上に築かれない」「尊厳は売り買いできない」と信じ続けるすべての人々へ。
我々は戦争を求める者ではなく、自らと尊厳を守るため以外には武器を手にしない。だが、祖国の名のもとに我が子らが殺され、国家の威信を保つという名目で村々が砲撃されることを、我々は拒む。長く耐えてきたが、虐殺が続く限り沈黙はしない。スワイダーは誇り高く立ち続け、その人々は真実の盾であり、その山は決して屈しない。
息子たち、兄弟たちよ、団結し、一つの男として立ち、愛と平和と兄弟愛で傷を癒し、争いを捨てよう。愛は弱さではなく、列を一つにまとめる力であり、争いは意見ではなく、我々の間の橋を焼く炎である。理性の声となり、平和の呼びかけとなり、良き言葉と勇敢な立場、そして誠実な意志で争いの火種を消そう。我々の選択は、一つの体と一つの心であることだ。
神のご加護を
スワイダー、カナワート市
2025年8月9日

**

スワイダー24によると、ヒクマト・ヒジュリー師、ハンムード・ヒンナーウィー師と並ぶドゥルーズ派の主要な宗教指導者の1人アブー・ウサーマ・ユースフ・ジャルブーウ師がビデオ声明を出し、アフマド・シャルア移行期政権によるスワイダー県への侵攻について「計画的な民族浄化」と非難した。

ジャルブーウ師は以下の通り述べた。

嘘をつくな、侵略者たちよ。国家統制の拡大を名目にしたお前たちの野蛮な侵攻は、アッラーへの契約も誠実さも顧みなかった。実際に起きたのは計画的な民族浄化だ。

そのうえで、保証国および国際機関に対し、「罪なき人々に対する虐殺」を止め、スワイダー県への包囲を解除するよう緊急介入するよう呼びかけた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

スワイダー国立病院でシャルア移行期政権の国防省・内務省要員が若い男性を処刑する映像が公開される(2025年8月10日)

スワイダー軍事評議会のターリク・シューフィー議長は、ANHAの取材に応じ、「スワイダーの戦線は開かれた状態にあり、政府系治安部隊とそれを支援する部族勢力による厳しい包囲が続いている」と述べ、停戦違反が続いていることを明らかにした。

**

シリア人権監視団によると、スワイダー県北西部のワキム村で、複数の民家が放火された。

**

シリア人権監視団スワイダー24は、7月半ばにアフマド・シャルア移行期政権の国防省・内務省合同部隊がスワイダー市に進攻した際、スワイダー国立病院で1人の市民を処刑する様子を撮影した映像を入手したとして、これを公開した。

映像では、国防省・内務省合同部隊に所属する要員が若い男性を引きずり出し、殴打した後、至近距離から銃撃して殺害する場面が記録されている。

記録映像には、病院内で作業服を着た数十人が膝をついて処刑を見守る様子も映っている。


**

シリア人権監視団によると、スワイダー県で、7月13日以降の戦闘、処刑、イスラエル軍の爆撃などによって死亡した犠牲者の数は1,625人となった。

内訳は以下の通り。

・スワイダー県出身者724人(民間人166人、うち子ども21人・女性56人)
・国防省・内務治安部隊要員477人(うちベドウィン部族出身者40人、レバノン国籍武装者1人)
・イスラエル爆撃で死亡した国防省・内務省要員15人
・イスラエル爆撃で死亡した3人(女性1人、不明2人、国防省庁舎内)
・ジャーナリスト2人(スワイダーでの戦闘中に死亡)
・国防省・内務省要員によって処刑された401人(女性26人、子ども14人、高齢者数名)
・国防省・内務省要員によってスワイダー国立病院で処刑された医療関係者20人
・ドゥルーズ派武装勢力によって処刑されたベドウィン部族出身者3人(女性1人、子ども1人を含む)

**

アル・ジャズィーラ・チャンネルのファイサル・カースィム記者はフェイスブックを通じて、スワイダー国立病院での処刑を以下の通り批判した。

ああ、なんということだ!なんということだ!
これほどの野蛮さ、蛮行、そして残虐さがあるだろうか?
あのテロ組織のならず者たちが、スワイダーの病院で医療チームを集め、銃弾の雨を浴びせるまでに堕落と卑劣さ、下劣さを極めるなど、果たして信じられるだろうか?
医師や看護師に向けて発砲した者は、シリア全体、国民、祖国、国家に向けて発砲したのだ。
血に飢えたこれらの野獣が存在する中で、どうして国民が自らの安全を信じられるだろうか?
調査や裁判の話などするな。シリア国民は全員、この卑劣で下劣な堕落者たち、反逆者たちを、遅かれ早かれマルジャ広場に吊るす以外のことでは決して納得しないだろう。

**

スワイダー県の高等法務委員会は、フェイスブックを通じて決定第1号(8月10日付)を発出、公営および民営のパン屋におけるパン1袋の価格を2,000シリアポンドに設定することを定めた。

 

(C)青山弘之 All rights reserved.

アフマド・シャルア移行期政権所属の無人航空機が、アレッポ市のシャイフ・マクスード地区とアシュラフィー地区の上空を飛行(2025年8月10日)

ANHAは、アフマド・シャルア移行期政権所属の無人航空機が、アレッポ市のシャイフ・マクスード地区とアシュラフィー地区の上空を飛行していると伝えた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ウマイヤ・モスク敷地内を車が走行する映像がSNSで拡散(2025年8月9日)

シリア人権監視団によると、首都ダマスカス旧市街の中心に位置する大ウマイヤ・モスク内で車が走行する映像がSNSで拡散された。

**

これに関して、宗教関係省は、フェイスブックを通じて、映像が7月31日に撮影されたものだとしてうえで、車がコーラン複数冊を受け取るためにモスクを訪れた際に、敷地内に一部職員の許可を得て立ち入ったことを認めたうえで、こうした事態が発生したことに遺憾を示したうえで、この職員を処分するとともに、動画を公開した者に法的措置を講じるよう当局に要請したと発表した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア民主軍がダイル・ザウル県ハワーイジュ村で治安作戦を実施し、ダーイシュのスリーパーセルのメンバー1人を逮捕(2025年8月9日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア民主軍がハワーイジュ村で治安作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルのメンバー1人を逮捕した。

また、シリア人権監視団によると、ズィーバーン町では、若い男性が正体不明の武装グループに狙撃され死亡した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヒムス県ではキリスト教徒が多く住む村を武装グループが襲撃し、アラウィー派3人を殺害(2025年8月9日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア国民軍諸派の支配下にあるヒラール難民キャンプでは、5歳の少女が何者かの銃弾を受けて死亡した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、数日前に拉致されて行方不明となっていた若い男性が、ドゥライジュ町で後ろ手に手錠をかけられた状態で遺棄された状態で発見された。

また、シリア人権監視団によると、ジュダイダト・アルトゥーズ町で、若い男性1人が何者かに銃撃され死亡した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、アクラブ町とカフルブー村を結ぶ街道沿いのトゥライスィーヤ村近くで、武装グループの銃撃で若い男性1人が死亡、1人が負傷した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市で、アフマド・シャルア移行期政権の国防省所属の兵士1人が頭部を銃撃され死亡しているのが発見された。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団が10日に発表したところによると、オートバイに乗った武装集団がクサイル市近郊のラブラ町を襲撃し、アラウィー派の住民3人が処刑された。

ラブラ町の住民の大多数はキリスト教徒。

(C)青山弘之 All rights reserved.

スワイダー県マジュダル村に対してシャルア移行期政権の部隊展開地などから発砲(2025年8月9日)

SANAスワイダー24によると、シリア・アラブ赤新月社は、南部地域で人道支援活動に従事していた車輛が8日に銃撃を受けたが、負傷者は出なかったと発表した。

**

シリア人権監視団によると、ダルアー県のブスラー・シャーム市に設置されている通行所を経由して、スワイダー県から避難してきた女性や子どもを含む344人・115世帯)が民間防衛機構の支援を受け、約300人・85世帯のシリア・アラブ赤新月社の車輛で、アフマド・シャルア移行期政権の支配地に入った。

一方、約350人・90世帯が同通行所を経由してスワイダー県の地域へ帰還した。

**

スワイダー24によると、スワイダー県のマジュダル村が複数の方向から重機関銃および迫撃砲による攻撃を受けた。

情報筋によると、攻撃は、アフマド・シャルア移行期政権の部隊が展開するマズラア町方面などから行われた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍はクナイトラ県各所に侵攻(2025年8月9日)

クナイトラ県では、SANAシリア人権監視団によると、四輪駆動車10台からなるイスラエル軍部隊は、アフマル丘の前哨基地から、ブライカ村とクードナ村を結ぶ道路に向かって侵入し、検問所を設置した。

また車輛10台からなる別の部隊が、ルワイヒーナ村からラスム・ハラビー村に向かって侵入した。

さらに、軍用車輛5台からなる部隊がハイラーン村方面からラフィード町に侵入した。

このほかにも、兵員輸送車や戦車からなる部隊が、アドナーニーヤ村からルワイヒーナ村に向けて侵入した。

イスラエル軍は一連の侵入から数時間後に撤退した。

また、シリア人権監視団によると、軍用車輛2台からなるイスラエル軍の巡回部隊がウーファーニヤー村、サイダー・ハーヌート村に侵入し、検問所を設置した。

さらに、シリア人権監視団によると、車輛10台からなるイスラエル軍の部隊がアイン・ザイワーン村に侵入した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア民主軍はシャルア移行期政権所属部隊による停戦違反が多発していると批判(2025年8月9日)

ANHAによると、シリア民主軍の総司令部は声明を出し、アフマド・シャルア移行期政権による北・東シリア地域民主自治局支配地に対する停戦違反がこれまでに22件発生していると発表、その責任は移行期政権に所属する部隊にあると非難、違反行為を止め、3月10日合意の条項を順守するよう求めた。

声明のなかで、シリア民主軍は、シャルア移行期政権に所属する部隊が、トルコの支援を受けて、ダイル・ザウル県、アレッポ県ダイル・ハーフィル市一帯、ティシュリーン・ダム一帯、ハサカ県タッル・タムル町一体など複数の地域で停戦違反を繰り返す一方、アレッポ市のシャイフ・マクスード地区、アシュラフィー地区周辺で不穏な動きが見られると指摘、こうした行為は、2024年4月1日に両地区の自治局と移行期政権との間で締結された合意に明白に違反していると非難した。

シリア民主軍によると、シャルア移行期政権に所属する部隊は、北・東シリア地域をこれまでに22回以上攻撃し、その際に重火器を使用したほか、地上攻撃や、ユーフラテス川を渡ってダイル・ザウルにあるシリア民主軍の拠点を攻撃しようとする試みも行っており、これらの攻撃で、民間人11人以上が負傷し、民間人が住む地域に大きな被害が発生している。

こうした事態を受けて、シリア民主軍は以下を要求した。

・シャルア移行期政権とその傘下部隊、並びにトルコ支援を受ける部隊に対し、すべての違反行為を直ちに停止し、協定条項を順守すること。
・国際社会および人権団体に対し、これらの違反を監視し、締結された協定の尊重を確保するために行動すること。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャルア移行期政権は「北・東シリアの構成体の立場統一」会議(コンファレンス)を非難、パリでのシリア民主軍との会合を拒否(2025年8月9日)

SANAによると、アフマド・シャルア移行期政権高官筋は、「北・東シリアの構成体の立場統一」会議(コンファレンス)について、包括的な国民的枠組みを代表するものではなく、シリア国民の勝利によって損害を受けた当事者らからなる脆弱な連合にすぎないと強調した。

同筋は、この会議が現在進行中の交渉努力に対する打撃となったと指摘し、移行期政権はパリで予定されているいかなる会合にも参加せず、いかなる名称や名目の下でも旧体制時代を復活させようとする勢力とは交渉の席に着かないと述べた。

同筋は次のように述べた。

シリア政府は、市民が自らの地域レベルでも国家レベルでも、平和的に集会を開き、建設的な対話を行う権利は保障されており、国家がこれを奨励するものであると強調する。ただしそれは、シリアの領土・国民・主権の統一を掲げる包括的な国民的プロジェクトの枠組みの中で行われることが条件である。
同消息筋はさらに、宗教的または民族的集団は、自らの政治的見解を表明し、会合を開き、政党を設立する完全な権利を有しており、それは国内法の枠内であれば認められると述べた。ただし、その活動は平和的であること、国家に対して武器を取らないこと、また自らの国家像をシリア国家の形態として強制しないことが条件であるとした。
国家の形態は特定の派閥間の合意によって決定されるのではなく、国民投票によって承認される恒久憲法によって決まるものであり、全ての市民が平等に参加できることを保証するものである。
どの市民にも国家の形態について意見を表明する権利はあるが、それは脅迫や武力ではなく、公開討論や投票箱を通じて行うべきである。
今回北東部で行われたことは包括的な国民的枠組みを代表するものではなく、シリア国民の勝利と旧体制時代の終焉によって損害を受けた当事者、あるいはシリアの構成要素を事実上の力によって独占的に代表してきた、またはそのようにしようとする一部勢力による脆弱な連合にすぎない。
こうした当事者や勢力は、将来における義務から逃れ、シリア国家の基本原則―一つの軍、一つの政府、一つの国―を否定するため、外部の支援に依存してこの種の会議を利用している。
シリア政府は、分離主義者や敵対行為に関与した人物を招致・接遇する行為を強く非難する。こうした行為は3月10日協定に明白に違反するものであり…シリア民主軍とその指導部は、こうした行為の結果に関する全面的な責任を負っている。
会議はシリア問題の国際化、外国からの干渉の呼び込み、そして制裁再課を狙う試みであり、その法的・政治的・歴史的な帰結はシリア民主軍が負うべきものである。
この会議は「新たな国民軍の中核」創設の呼びかけや、憲法宣言の再検討、行政区分の変更といった、3月10日協定と相反する提案を提示する試みであった。
この会議は、シリア政府がすでに実施に着手した義務、すなわち移行期司法委員会の設置とその活動開始、そして本年2月に政府が開始した国民対話の進展と、国を安全へと導くための過程を妨害するものである。
会議は停戦履行や機関統合の義務から逃れる行為であり、協定違反の継続であると同時に、クルディスタン地域キンディール地方から指示を受ける過激なクルド系潮流のシリア・アラブ人に対する組織的な人口構成変更政策の隠れ蓑となっている。
この動きは、シリア独立前に同国の分割を目指した会議の路線を再び踏襲するものであり、シリア政府は、かつてそのような策謀を打ち砕き独立国家を樹立したシリア国民が、今日も再びこうした企てを阻止し、自信をもって第二共和制の建設へと進むであろうことを確信している。
政府は今回の会議が現在進行中の交渉努力への打撃であったとみなし、そのためパリで予定されているいかなる会合にも参加せず、いかなる名称や名目の下でも旧体制時代を復活させようとする勢力とは交渉の席に着かない。
シリア民主軍に対し、3月10日協定の履行に真摯に取り組むよう呼びかける…。また、国際社会の仲介者に対して、すべての交渉をシリア人どうしの対話の正統かつ国民的な場であるダマスカスへ移すよう求める。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャルア移行期政権の関係当局は、ダマスカス・タワーズ・プロジェクトの受注したイタリア企業UBAKO I S.R.Lに関する情報の真偽確認を開始:ペーパー・カンパニーの可能性も(2025年8月8日)

ムドゥンによると、アフマド・シャルア移行期政権の関係当局は、ダマスカス・タワーズ・プロジェクトの受注したイタリア企業UBAKO I S.R.Lに関する情報の真偽確認を開始した。

イタリアの商業登記簿に記録された公的データによれば、UBAKO I S.R.Lは2022年4月8日にミラノ市で登録され、資本金はわずか1万6,000ユーロに。

経済分類ATECO 46.73.29によると、この会社の事業分野は建材の卸売業である。

財務データによれば、同社は2022年に約20万9,000ユーロの収入を計上した一方で、3,316ユーロの純損失を出している。また、登記記録では2025年時点でも従業員数は1人を超えていないことが示されている。

同社の所有者や取締役に関する公式情報は存在せず、一部の商業データベースでは、ジョヴァンニ・ロッシが最高経営責任者(CEO)、アリージア・コンティが執行役員(COO)を務めているとされるが、会社側からの公式な確認はない。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍はクナイトラ県サラーム市(旧バアス市)郊外にある治安部隊施設を無人航空機で攻撃(2025年8月8日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍の無人航空機が、サラーム市(旧バアス市)郊外にある治安部隊施設を攻撃し、物的被害が発生した。

シリア人権監視団の統計によると、2025年初頭から今回までにイスラエルはシリア領内を計89回にわたり攻撃(うち79回が爆撃、10回が地上攻撃)、これにより、武器・弾薬庫、司令部、施設、車輛など約132ヵ所が損壊または破壊された。

人的被害は計54人で、その内訳は以下の通り。
・軍事作戦局および国防省関係者:24人死亡、51人負傷
・身元不明者:5人(うちレバノン人2人)
・民間人:16人死亡、3人負傷
・武装した民間人:9人死亡

爆撃の県別内訳は以下の通り:
・アレッポ県:7回
・ダマスカス県・ダマスカス郊外県:24回(民間人3人死亡〈女性1人含む〉、身元不明5人死亡〈レバノン人2人含む〉、軍人2人死亡)
・スワイダー県:17回(国防省関係者15人死亡)
・ヒムス県:8回(うち2回はシリア・レバノン国境の非公式通路を標的)
・クナイトラ県:7回(民間人1人と軍事作戦局2人死亡、1人負傷)
・ダルアー県:17回(民間人4人と軍事作戦局1人死亡、他負傷者あり)
・タルトゥース県:2回
・ラタキア県:5回(民間人1人死亡、3人負傷)
・ハマー県:2回(軍事作戦局4人死亡)
地上攻撃の内訳:
・ダルアー県:5回(武装した民間人16人死亡、他負傷者あり)
・ダマスカス県:1回
・クナイトラ県:4回

また、シリア人権監視団によると、
軍用車輛5台からなるイスラエル軍部隊が、アフマル丘の前哨基地からラフィード町とイッシャ村を結ぶ街道に侵入し、路上に検問所を設置した。

また、4輪駆動車5台からなる別の部隊がルワイヒーナ村に侵入し、臨時検問所を設置した。

**

イスラエル軍は、Xを通じて、同軍、シャバク、シンベトが、レバノンのベカーア県で、シリアにおけるパレスチナ解放人民戦線(PFLP)軍事・安全部門の責任者であるムハンマド・ワッシャーフ(アブー・ハリール)を殺害したと発表した。

これに関して、PFLPもテレグラムで暗殺の事実を認めた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヒムス県でシーア派男性が殺害(2025年8月8日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、数日前にハマー市のクスール地区の自宅で内務省総合治安局の巡回部隊の急襲を受けて、銃撃により負傷していた若い男性が死亡した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バーブ・トゥーマ地区とドワイラア地区を結ぶ道路上で、若い男性が車のなかで頭部を銃撃され処刑された状態で発見された。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ジュッブ・サファー村にある第33旅団付近で、身元不明の若い男性の遺体が発見された。

遺体には激しい拷問の痕跡があり、さらに身体各所に複数の銃弾を受けていた。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タッル・アグル村近郊で、前日に正体不明の武装グループによって拉致されていたシーア派の若い男性の遺体が発見された。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ハナーヌー地区にあるウスマーン・ビン・マズウーン・モスクでの金曜午後の礼拝の説教中に、モスクのイマームが前共和国ムフティーのアフマド・バドルッディーン・ハッスーン師の釈放を祈願したことをきっかけに、多くの礼拝者が反発、説教を遮り、イマームをモスクから外に追い出す事態に発展した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、マフカーン町で、何者かが少女を自宅前で拉致し、少女は焼かれた遺体となって町内の下水道の排水口内で発見された。

(C)青山弘之 All rights reserved.