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シリア政府に動き(国内の動き)
ワーイル・ハルキー内閣は閣議を開き、EUによる対シリア石油禁輸措置の部分緩和に関して、「敵対行為」を非難、シャームの民のヌスラ戦線に代表されるテロ集団への武器、資金確保のため、世界のいかなる勢力がシリア国民の財産を盗み、売買することをも許さないとの意思を表明した。
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シリアの外務在外居住者省は、国連事務総長および安保理議長宛に書簡を送り、そのなかで、EUによる対シリア石油禁輸措置の部分緩和に関して、内政干渉を禁じた国際法の原則への前代未聞の新たな違反だと批判・抗議するとともに、必要な措置をとる当然の権利を行使し、主権と自国の天然資源を保全するとの意思を明示した。
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SANA(4月23日付)は、テロ掃討と治安回復が完了したアレッポ県サフィーラ市郊外にあるワーハ村で、シリア軍への支持、犠牲者への哀悼の意を示す大規模な行進が行われ、多数の住民が参加したと報じた。
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クッルナー・シュラカー(4月23日付)は、先週アレッポ市で死亡したリフアト・アサド前副大統領の娘シャザー・アサドの葬儀に関して、アサド大統領が叔父である前副大統領の帰国と葬儀への参列を認めなかったと報じた。
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東方教会を支援する団体、オリエント行動(Oeuvre d’Orient)協会(本部パリ)は声明を出し、22日にアレッポ県カフルダーイル村で誘拐されたシリア正教会のグレゴリウス・ヨハネ・イブラーヒーム・アレッポ主教とギリシャ正教会のブールス・ヤーズジー・アレッポ主教が無事解放され、アレッポ市にいると発表した。
同協会は誘拐直後から、反体制武装集団と国際社会に対して両主教の釈放に向けて働きかけるよう求めていた。
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ワーイル・ハルキー首相は、メーデーと東方教会の復活祭に合わせて、5月1日から6日まを休日とすると官庁に対して布告した。
反体制勢力の動き
シリア革命反体制勢力国民連立のハイサム・マーリフ法務委員会委員長は、アフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長の辞任と、連立政治委員会によるジョルジュ・サブラー暫定議長任命を「合法性を覆すクーデタ」と非難した。
マーリフ委員長は、議長の任免権は政治委員会ではなく、総合委員会にあるとしたうえで、総合委員会が新議長を選出するまで、ハティーブ前議長が議長職を遂行しなければならないとの見解を示し、前議長に職務続行を求めた。
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『ハヤート』(4月24日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ前議長が議長辞任と合わせて、「民主市民同盟」への移籍を検討していたと報じた。
民主市民同盟は、国内で活動するシリア国家建設潮流や、民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア在外局長らの協力のもと、活動家らが結成した組織で、ジュネーブ合意に基づく紛争の平和的解決をめざしている。
同報道によると、民主市民同盟の幹部の一人が、カイロを訪問し、ハティーブ議長(当時)に会った際、議長は同盟への参加の意思を示していたという。
これを受け、民主市民同盟は、ハティーブ前議長と連絡をとり、移籍に向けた調整を行うという。
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自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は『フィナンシャル・タイムズ』(4月23日付)のインタビューに応じ、そのなかで、自由シリア軍兵士30,000人を動員し、油田地帯、穀物庫、対トルコ・イラク国境の通行の安全を確保する意思があると述べた。
イドリース参謀長はまた、アル=カーイダと関係があるとされるシャームの民のヌスラ戦線などに変わる「穏健」な軍を創設したいとしたうえで、参謀委員会に参加する戦闘員に対して一人あたり100米ドル、総額で3,500万~4,000万米ドルを給与として支払う予定だと述べた。
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クッルナー・シュラカー(4月23日付)は、民主統一党がハサカ県カーミシュリー市の住民に対して、EUなどから持ち込まれた自動車を登録し、登録料15,000シリア・ポンドを支払うよう呼びかけていると報じた。
国内の暴力
ヒムス県では、クサイル地方で軍の猛攻が続き、AFP(4月22日付)は、軍消息筋の話として、同地方が「数日以内」に軍によって奪還されるだろうと報じた。
シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、軍が北部、東部の戦線からクサイル地方に進軍する一方、「ヒズブッラーは南部と西部の戦線で戦闘を行っている」という。
アブドゥッラフマーン代表はまた、軍がクサイル市周辺のほとんどの村を制圧したことを認めたうえで、軍の「作戦の第1の目的は、ヒムスおよびその周辺地域への過激なテロ集団の侵入を阻止することである…。また長期的目標は、住民の帰還を保証するため、同地域からテロリストを掃討することにある」と述べ、レバノンからサラフィー主義者が潜入していることを認めた。
しかし、アブドゥッラフマーン代表によると、クサイル市奪還は、戦闘員の志気が高く、死を覚悟して戦っているため、困難だという。
一方、シリア人権監視団によると、東ブワイダ市などが軍の空爆を受けた。
他方、SANA(4月23日付)によると、クサイル市、同市郊外のカマーム村、サッルーミーヤ村、シューマリーヤ村、ラフムーニーヤ村、アースィー川西岸の村々などで、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またラスタン市郊外、タルビーサ市郊外、ヒムス市ハーブ・フード地区などでも、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊、さらにレバノン領内からの潜入を試みる戦闘員を撃退した。
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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区で反体制武装集団が軍の大佐を暗殺した。
一方、SANA(4月23日付)によると、マッザ区にあるアラブ作家連合ビル近くで、反体制武装集団が爆弾を仕掛けた車を爆発させた。死傷者はなかった。
また、ドゥンマル区では、反体制武装集団が自爆ベルトを爆発させ、死亡した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市、ハーン・シャイフ・パレスチナ難民キャンプ周辺、ザマルカー町、ナブク市、ダイル・アティーヤ市などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が空爆・砲撃を加えた。
一方、SANA(4月23日付)によると、軍がウタイバ村で反体制武装集団の制圧を完了し、治安と安全を回復した。
また、アッブ農場郊外、カラム・ラサース市、ザマルカー町、アイン・タルマー村、ハラスター市などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
さらに、ハラスター市郊外に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、複数の市民が負傷した。
このほか、ダイル・ムクリン町では、反体制武装集団どうしが略奪品の分配をめぐって衝突、双方に複数の死傷者が出た。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ラターミナ町、ハルファーヤー市、タイバト・イマーム市、シャフシャブー山、ジスル・バイト・ラース村などが軍の空爆・砲撃を受けた。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サルマー町が軍の砲撃を受けた。
一方、SANA(4月23日付)によると、ジャーヌーディーヤ町、アイン・スーダ村、マアッラトミスリーン市、ダイル・サンバル村、マナーラ・ハースィカ市、タフタナーズ市、マアッラト・ヌウマーン市、ナヒーラ市、アブー・ズフール軍事基地周辺などで、軍が反体制武装集団と交戦、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ラビーア町、マルジュ・ザーウィヤ村、カールーラ村などが軍の砲撃を受けた。
一方、SANA(4月23日付)によると、ムライジュ村、カルト村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点複数カ所を攻撃・破壊し、戦闘員を殺傷した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ヌッブル市の住民から編成される人民諸委員会が民主統一党人民防衛隊をズィヤーラ村近くで要撃し、その戦闘員9人を殺害した。
同監視団はヌッブル市の住民が「シーア派」であると敢えて明言することで、現下の武力紛争へのヒズブッラーの介入をことさら強調しようとしている。
一方、SANA(4月23日付)によると、マンナグ村および動詞周辺、アルカミーヤ村、アアザーズ市、ダイル・ジャマール村、マーイル町、ムスリミーヤ村などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またアレッポ市では、シャイフ・サイード地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、アフガン人戦闘員3人、チェチェン人戦闘員4人を殺害した。
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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団基地周辺の軍と反体制武装集団の戦闘で、武装集団の司令官1人が死亡した。
またタブカ市、ラッカ市が軍の空爆・砲撃を受けた。
一方、SANA(4月23日付)によると、(ラッカ市で)フザイファ・ブン・ヤマーン大隊とシャーム自由人大隊が、シャリーア委員会の権能をめぐって交戦した。
2日におよぶこの戦闘で、双方に多数の死傷が出たという。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市のジュバイラ地区、ムーハサン市などで、軍が反体制武装集団と交戦した。
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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線が占拠するヤアルビーヤ町に対して軍が空爆を加えた。
レバノンの動き
シリアでのジハードを呼びかけた北部県トリポリ市のシャイフ、サーリム・リファーイーは、LBCI(4月23日付)に対して、「(マルワーン・)シルビル(内務地方自治大臣)が私に電話してきたので、ヒズブッラーがシリアへの戦闘員派遣を停止すれば、我々はジハードの呼びかけを取り下げる用意があると彼に伝えた」と述べた。
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ムスタクバル・ブロックは声明を出し、「我々はレバノンの若者がシリアでの戦闘に参加することを受け入れない。シリア国民は戦闘員ではなく支援を必要としている」と述べ、レバノンのスンナ派シャイフらによるシリアでのジハードの呼びかけに対して拒否の姿勢を示した。
また声明では、ヒズブッラーによるシリア国内での戦闘への参戦、シリア領からの越境攻撃を非難した。
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サウジアラビアで事実上の亡命生活を送るサアド・ハリーリー元首相は声明を出し、ヒズブッラーのシリア危機への参戦に関して、「レバノン、レバノン国民、シリア、シリア国民への犯罪だ」と非難した。
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NNA(4月23日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡マアーリー地方にシリア領から発射された迫撃砲弾2発が着弾し、建設中のビルが被害を受けた。
諸外国の動き
NATO外相会議に出席するためブリュッセルを訪問中のジョン・ケリー米国務長官とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣が会談し、シリア情勢などについて協議した。
また両外相はアナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長とそれぞれ個別に会談した。
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ジョン・ケリー米国務長官は、NATO外相会議出席のため訪問中のブリュッセルで、化学兵器使用を含むシリアでのあらゆる脅威から加盟国を守るための行動をNATOがどのように用意するかを検討しなければならないとの意思を示した。
またケリー米国務長官は、記者団に対して「(イスラエルのベンジャミン・)ネタニヤフ首相と今朝、(電話で)話した。会談で、このこと(シリア政府による化学兵器使用)を確認することができなかった」と述べた。
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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、NATO外相会議後、記者団に対して、「過激な少数派が国際社会の努力を無に帰すれば」事態はさらに悪化すると述べ、欧米諸国、湾岸アラブ諸国、トルコを暗に批判した。
また、アラブ連盟に関しては、「シリアの反体制勢力に連盟の代表ポストを与えることはどういう意味があるのか?…こうした行為は、外交的、政治的手段を通じた紛争解決への希望がどのように破壊されたのかを示すものだ」と厳しく非難した。
そのうえで、「危機解決の遅れは、過激派による事態掌握を可能にするかもしれない…。現地には交渉と移行期政府樹立をめざす勢力がいる」としたうえで、ジュネーブ合意に基づく紛争解決を改めて主唱した。
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アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長はロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣との会談後、シリア情勢に関して「シリア危機を解決する直接の道は、政治的出口を作ることにある」と述べた。
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国連の潘基文事務総長は、シリアの紛争当時者への武器の流入を止めるよう呼びかけ、武器の増加がさらなる死者と破壊をもたらすと警鐘を鳴らした。
マーティン・ニスルキー報道官が明らかにした。
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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、国連の潘基文事務総長と会談し、シリア情勢などについて協議した。
会談後、アラビー事務総長は、「シリア政府が一部の当時者から武器を受けてとっているのであれば、反体制活動家への武器供与はある種のバランスを作り出すために不可欠だ」と述べ、武装集団への武器供与を是認するとの姿勢を示した。
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バラク・オバマ米大統領はワシントンDCでカタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣と会談し、シリア情勢などについて協議した。
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ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は、記者会見で、シリア政府が国民に対していまだ化学兵器を使用していないとの結論に達したと述べた。
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イスラエル軍諜報機関調査ユニットのイタイ・バロン准将は、シリア国内の被害状況・犠牲者を撮した写真から、同国の複数カ所で軍が化学兵器を使用していると理解できるとの見解を示した。
UPI(4月23日付)などが報じた。
AFP, April 24, 2013、Akhbar al-Sharq, April 24, 2013、The Financial Times, April 23, 2013、al-Hayat, April 25, 2013、Kull-na Shuraka’, April 24, 2013、Kurdonline, April 24, 2013、LBCI, April 23, 2013、Naharnet, April 24, 2013、NNA, April 23, 2013、Reuters, April 24, 2013、SANA, April 24, 2013、UPI, April 24, 2013などをもとに作成。
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