ロシア国防省はイドリブ市の国立病院(30日)への爆撃を否定する一方、ラヴロフ外務大臣はヌスラ戦線と協力を続ける反体制派への爆撃再開を示唆(2016年5月31日)

ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、30日にロシア軍戦闘機がイドリブ市の国立病院を空爆したとの報道に関してこれを否定、「ロシア軍航空機はイドリブ県でいかなる戦闘行為、空爆も実施しなかった」と発表した。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は『コムソモルスカヤ・プラウダ』(5月30日付)のインタビューに応じ、そのなかでシリア情勢に関して、米・ロシアによる敵対行為停止合意の遵守とシャームの民のヌスラ戦線排除を条件に再開を猶予している攻撃に関して、近く猶予を解除し、空爆を再開すると述べた。

ラブロフ外務大臣は、米国が猶予解除の期限を数日延期するよう求めてきたとしたうえで、今週中に期限が終了すると述べた。

ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣は5月20日、ヌスラ戦線を含むテロ組織への一方的空爆を25日から開始することを米国に提案したと発言したが、米国がこれを拒否したのを受け、25日には、ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官が声明を出し、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターがアレッポ県、ダマスカス郊外県などで活動する反体制武装集団に対して米・ロシアによる敵対行為停止合意を遵守し、シャームの民のヌスラ戦線を排除することを条件に空爆を実施しない旨、10度にわたり要請したと発表していた。

SANA(5月31日付)などが伝えた。

AFP, May 31, 2016、AP, May 31, 2016、ARA News, May 31, 2016、Champress, May 31, 2016、al-Hayat, June 1, 2016、Iraqi News, May 31, 2016、Kull-na Shuraka’, May 31, 2016、al-Mada Press, May 31, 2016、Naharnet, May 31, 2016、NNA, May 31, 2016、Reuters, May 31, 2016、SANA, May 31, 2016、UPI, May 31, 2016などをもとに作成。