シリア軍はラッカ市近郊のダーイシュの拠点タブカ軍事基地30キロ弱の地点まで進軍(2016年6月6日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍、シリア軍の航空支援を受けるシリア軍地上部隊および砂漠の鷹旅団などの民兵は、ダーイシュ(イスラーム国)を追撃し、アサド湖南東に位置するタブカ航空基地(第17師団基地)から30キロ弱の地点、アサド湖から約25キロの地点まで進軍した。

一方、クッルナー・シュラカー(6月6日付)によると、シリア軍はダーイシュとの激しい戦闘の末、ラッカ市とイスリヤー村(ハマー県)を結ぶ街道上のビール・インバージュ村から撤退した。

ビール・インバージュ村はタブカ市から約40キロ南方に位置する。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍のラッカ県進軍に対抗し、ダーイシュ(イスラーム国)はサラミーヤ市とイスリヤー村を結ぶ街道一帯でシリア軍と交戦、同街道を寸断した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタドムル市近郊でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、同市北東部郊外穀物サイロ東部の複数拠点を制圧した。

一方、SANA(6月6日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、タドムル市東部郊外の穀物サイロ北東部にある拠点3カ所をダーイシュ(イスラーム国)から奪還、これを制圧した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がアシャーラ市の市場を空爆し、女性、子供を含む16人が死亡した。

これに関して、一方、国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、ロシア軍戦闘機が空爆したとのロイター通信の報道を否定した。

一方、ダイル・ザウル航空基地一帯ではシリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

また、SANA(6月6日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市南西部のパノラマ交差点検問所一帯、サルダ山一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, June 6, 2016、AP, June 6, 2016、ARA News, June 6, 2016、Champress, June 6, 2016、al-Hayat, June 7, 2016、Iraqi News, June 6, 2016、Kull-na Shuraka’, June 6, 2016、al-Mada Press, June 6, 2016、Naharnet, June 6, 2016、NNA, June 6, 2016、Reuters, June 6, 2016、SANA, June 6, 2016、UPI, June 6, 2016などをもとに作成。

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