ロシア・シリア両軍によるアレッポ市東部での人道停戦期間が終了し、戦闘が再開、シリア軍はアレッポ市南西部の航空技術科一帯を制圧(2016年10月23日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア・シリア両軍が20日午前8時から3日間の予定で実施されていた人道停戦の期間終了(22日午後19時)を受け、戦闘機(所属明示せず)がアレッポ市東部のスッカリー地区、アーミリーヤ地区、マシュハド地区などを空爆、シリア軍も同地一帯およびハルブ・ジャッディーダ地区、ハムダーニーヤ地区、第1070集合住宅地区、スーク・ジャバス地区などへの砲撃を再開し、反体制武装集団と交戦した。

また、戦闘機(所属明示せず)は、ハーン・アサル村、アウラム・クブラー町一帯などを空爆、シリア軍も、シリア人・外国人親政権武装勢力とともにハーン・トゥーマーン村一帯などで反体制武装集団(ファトフ軍)と交戦した。

一方、SANA(10月23日付)によると、シリア軍が予備部隊とともに、アレッポ市南西部の航空技術科一帯をファトフ軍との交戦の末に制圧した。

シリア軍はまた、アイス村、マアッラーター村、ハーリディーヤ村、ハナースィル市西部、アレッポ市ラーシディーン地区で反体制武装集団と交戦した。

SANA, October 23, 2016

SANA, October 23, 2016

このほか、シリア人権監視団によると、シリア軍は、バーズー丘、アレッポ市ラーシディーン地区(第5区)、ブライジュ村を射程圏内に収めた。

なお、『ハヤート』(10月24日付)によると、ロシア・シリア両軍による人道停戦期間中、両軍が解説した人道回廊を通じてアレッポ市東部から外界に退去したのは、負傷した戦闘員8人と、民間人7人だけだったという。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がラスタン市、タッル・ザハブ町、カフルラーハー市のシャーム・ファトフ戦線などの拠点に対して空爆を行った。

SANA(10月23日付)によると、シリア軍がアーミリーヤ村、タッル・ザハブ町、ラスタン市でシャーム・ファトフ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターが、スーラーン市に「樽爆弾」を投下する一方、戦闘機(所属明示せず)がラターミナ町を空爆した。

SANA(10月23日付)によると、シリア軍が、スーラーン市、タイバト・イマーム市、カフルズィーター市、ラターミナ町でナスル軍、イッザ軍、アジュナード・シャーム・イスラーム連合、シャーム・ファトフ戦線と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがハーン・シャイフ・キャンプ一帯に「樽爆弾」28発を投下、地上部隊が地対地ミサイルと思われる砲弾を同地に撃ち込んだ。

一方、SANA(10月23日付)によると、シリア軍が人民防衛諸組織とともにハーン・シャイフ・キャンプとザーキヤ町一帯でシャーム・ファトフ戦線などからなる反体制武装集団と交戦、同地一帯の農場地帯を制圧した。

他方、ARA News(10月23日付)によると、イスラーム軍がリーハーン農場郊外の複数拠点を奪還した。

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イドリブ県では、SANA(10月23日付)によると、シリア軍がハーン・シャイフーン市、カンスフラ村一帯でファトフ軍の拠点を空爆した。

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ラタキア県では、SANA(10月23日付)によると、シリア軍がカンズー山、タルディーン村、カフルサンドゥー村、キンダ村、マルアンド村、カルフース村で反体制武装集団の拠点を空爆した。

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ダルアー県では、SANA(10月23日付)によると、シリア軍がダルアー市避難民キャンプ、タファス市、ヌアイマ村でシャーム・ファトフ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

AFP, October 23, 2016、AP, October 23, 2016、ARA News, October 23, 2016、Champress, October 23, 2016、al-Hayat, October 24, 2016、Iraqi News, October 23, 2016、Kull-na Shuraka’, October 23, 2016、al-Mada Press, October 23, 2016、Naharnet, October 23, 2016、NNA, October 23, 2016、Reuters, October 23, 2016、SANA, October 23, 2016、UPI, October 23, 2016などをもとに作成。

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