トルコ軍の爆撃・砲撃支援にもかかわらず、反体制武装集団はYPG主体のシリア民主軍支配地域に進軍できず(2016年10月23日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、トルコ軍地上部隊および同軍の支援を受けるジハード主義武装集団とマーリア市近郊のシャイフ・イーサー村一帯で戦闘を続けた。

ARA News(10月23日付)によると、トルコ軍はまた、アレッポ県北部のジャッバーン村、ブルジュ村一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点を8回にわたり砲撃する一方、シャイフ・イーサー村、ハルバル村、ウンム・フーシュ村一帯のシリア民主軍拠点を51回にわたり空爆・砲撃したと発表した。

しかし、トルコ軍の支援を受ける反体制武装集団(ハワール・キリス作戦司令室)は、トルコ軍の空爆・砲撃による支援にもかかわらず、シリア民主軍の抗戦により、進軍を妨げられた。

なお、シリア人権監視団によると、トルコ軍戦闘機の空爆と地上部隊の砲撃、トルコ軍の支援を受けた反体制武装集団(ジハード主義武装集団)との戦闘で、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍側の死者数は20日以降だけで22人にのぼっているという。

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ARA News(10月23日付)によると、トルコ軍の支援を受けアレッポ県北部で「ユーフラテスの盾」作戦に参加する武装集団の一つムウタスィム・ビッラー旅団の司令官、ムスタファー・シージュリー氏が乗った車がハタイ県アンタキア市近くの街道を走行中に、道路脇に仕掛けられた爆弾の爆発に巻き込まれ、シージュリー氏が軽傷を負った。

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ハサカ県では、ARA News(10月23日付)によると、トルコ国境警備隊がラアス・アイン市西部郊外で国境に近づいた若者に発砲、負傷させた。

AFP, October 23, 2016、AP, October 23, 2016、ARA News, October 23, 2016、Champress, October 23, 2016、al-Hayat, October 24, 2016、Iraqi News, October 23, 2016、Kull-na Shuraka’, October 23, 2016、al-Mada Press, October 23, 2016、Naharnet, October 23, 2016、NNA, October 23, 2016、Reuters, October 23, 2016、SANA, October 23, 2016、UPI, October 23, 2016などをもとに作成。

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