ロシア、トルコ、イランは停戦監視、捕虜逮捕者交換、「テロとの戦い」に向けた作業グループ設置で合意(2017年2月17日)

カザフスタンの首都アスタナでのシリア政府と反体制武装集団の和平協議(アスタナ2会議)を仲介するロシア、トルコ、イランの三カ国は、国連の参加のもと、シリア国内での停戦監視、捕虜・逮捕者の交換、ダーイシュ(イスラーム国)とシャーム解放機構に対する「テロとの戦い」にかかる三カ国作業グループを設置することに合意した。

三カ国はまた、「穏健な反体制派」とテロ組織の展開地域を画定するための地図作成、停戦違反の特定・対応の仕組みの構築について引き続き協議することを確認した。

『ハヤート』(2月18日付)によると、三カ国の合意は、ロシアが提示した三つの文書に基づくもの。

三つの文書とは、①停戦監視合同委員会設置に関する文書、②停戦違反の特定および対応の仕組みに関する文書、③停戦の対象となる「穏健な反体制派」とテロリストの展開地域を画定した地図作成および両者の峻別に関する文書。

このうち、合意されたのは①のみで、②③については、アスタナでの会議で、シリア政府、反体制武装集団を含む関係当時者によって審議され、合意がめざされているという。

なお、ロシア外務省によると、セルゲイ・ラブロフ外務大臣、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣、イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣は電話会談で「テロとの戦いに向けた連携強化、停戦の強化、政治的問題解決への参与」に関して協議したという。

AFP, February 17, 2017、AP, February 17, 2017、ARA News, February 17, 2017、Champress, February 17, 2017、al-Hayat, February 18, 2017、Iraqi News, February 17, 2017、Kull-na Shuraka’, February 17, 2017、al-Mada Press, February 17, 2017、Naharnet, February 17, 2017、NNA, February 17, 2017、Reuters, February 17, 2017、SANA, February 17, 2017、UPI, February 17, 2017などをもとに作成。

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