米中央軍(CENTCOM)は声明を出し、18日、タンフ国境通行所を擁するヒムス県タンフ国境通行所の北西部に設置された「非戦闘地域」(緊張緩和地帯のこと)内に進軍し、同地の米国およびその支援部隊に脅威を及ぼした「親政権部隊」(pro-regime forces)に対して爆撃を実施したと発表した。
爆撃は、この「親政権部隊」のタンフ国境通行所方面への進軍を抑止しようとする試みが奏功しなかったことを受けて実施されたもので、有志連合は威嚇射撃などの示威行為を行っただけだという。
タンフ国境通行所一帯では、有志連合は数ヶ月にわたり、ダーイシュ(イスラーム国)と戦う武装勢力への教練を行っているという。
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米英両軍地上部隊の支援を受け、ヒムス県タンフ国境通行所方面からダイル・ザウル県への進攻を試みる革命特殊任務軍の広報局長を務めるバラー・ファーリスを名乗る活動家は、有志連合の空爆に関して以下の通り述べた。
「タンフ国境通行所から約50キロの地域に展開していた政権軍およびヒズブッラー民兵…に対して、我々は同地域(タンフ国境通行所)に近づかないよう警告を発した。しかし、彼らは今日、ズラカー砂漠と呼ばれる方面からタンフ国境通行所に進軍を試みたので、革命特殊任務軍の車輌が偵察を行い、有志連合に対処するよう通告した。有志連合は航空機1機を派遣し、(シリア軍、ヒズブッラーの)車列を完全に壊滅した」。
クッルナー・シュラカー(5月18日付)が伝えた。
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なお、クッルナー・シュラカー(5月17日付)によると、スワイダー県東部のラシーダ村に戦車を含む軍用車輌40輌以上を展開させていたシリア軍部隊は、同村から約30キロの地点に位置するラスィーイー給水場一帯に進軍し、同地を掌握していた。
AFP, May 18, 2017、AP, May 18, 2017、ARA News, May 18, 2017、Champress, May 18, 2017、al-Hayat, May 19, 2017、Kull-na Shuraka’, May 18, 2017、al-Mada Press, May 18, 2017、Naharnet, May 18, 2017、NNA, May 18, 2017、Reuters, May 18, 2017、SANA, May 18, 2017、UPI, May 18, 2017などをもとに作成。
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