トルコのチャヴシュオール外務大臣はティラーソン米国務長官に対して「国境治安部隊創設は、二国間関係に、回復不能な損害をもたらす」と警告(2018年1月17日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、北朝鮮の核・ミサイル問題に関する主要各国の外相会合に参加するために訪問中のカナダのバンクーバーで、レックス・ティラーソン米国務長官と会談し、米国が人民防衛隊主体のシリア民主軍を軸に国境治安部隊を創設している問題に関して意見を交わした。

『ハヤート』(1月18日付)などによると、会談でチャヴシュオール外務大臣はティラーソン国務長官に対して「この部隊が創設されることへのトルコの明確な恐怖」を伝えるとともに、「事態は極めて深刻である…。このような部隊の創設は、トルコと米国の関係に、回復不能な損害をもたらすもの」と伝えた。

チャヴシュオール外務大臣は、ティラーソン国務長官がシリア国内の米国の動きに関するメディアの報道に依存すべきでないと申し出たことに対して、「私は彼にこう言った。我々はこのようなレベルにまで我々の関係が至ることを望んでいない。だが、もし事が起きれば、非常に深刻な代償が生じるだろう」と応えたうえで、トルコ軍が準備を進めているアレッポ県アフリーン市一帯への攻略作戦については、「軍事作戦はアフリーンに限定されない。マンビジュ、ユーフラテス川東岸地域にも拡大するだろう…」と述べた。

AFP, January 17, 2018、ANHA, January 17, 2018、AP, January 17, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 17, 2018、al-Hayat, January 18, 2018、Reuters, January 17, 2018、SANA, January 17, 2018、UPI, January 17, 2018などをもとに作成。

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