シリア人権監視団はシリア内戦での死者数が36万人を越えたと発表、シリア軍が殺害した民間人の数に外国人を算入(2018年9月13日)

英国で活動する反体制系人権団体のシリア人権監視団は、2011年3月以降のシリア国内での死者数が36万を越えたと発表した。

同監視団によると、2011年3月15日から2018年9月13日までの約90ヶ月での死者数は、確認されているだけで36万4,792人。

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内訳は以下の通り:

民間人 11万687人(うち18歳未満の子供は2万616人、18歳以上の女性は1万2,964人)
武装勢力、イスラーム主義勢力、シリア民主軍など 6万2,226人
シリア軍離反者 2,619人
シリア軍将兵 6万4,868人
国防隊や親政権民兵の戦闘員 5万41人
ヒズブッラーの戦闘員 1,665人
親政権シーア派外国人民兵の戦闘員 8,004人
シャーム解放機構、イスラーム国、トルキスタン・イスラーム党、ジュンド・アクサー機構、ジュンド・シャーム機構、ハドラー大隊、チェチェン人からなるシャームの兵、レバノン人、イラク人、パレスチナ人、ヨルダン人、湾岸出身者、北アフリカ出身者、エジプト人、イエメン人、イラン人、アフガン人、スーダン人、そのほかのアラブ人のイスラーム主義者 6万4,432人
身元不明 250人

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またシリア人民間人犠牲者11万687人(うち18歳未満の子供は2万616人、18歳以上の女性は1万2,964人)の死因内訳は以下の通り:

シリア軍の「手」によって殺害されたシリア人および外国人(なぜか外国人を含めている) 4万4,588人(うち男性は2万7,149人、18歳未満の子供は1万119人、18才以上の女性は6,220人)
シリア軍の爆撃によって殺害された犠牲者 2万5,578人(うち男性は1万6,196人、18歳未満の子供は5,742人、18歳以上の女性は3,640人)
シリア政府の拘置所・刑務所で死亡した犠牲者 1万6,048人(うち男性は1万5,857人、18歳未満の子供は125人、18歳以上の女性は64人)
ロシア軍の爆撃・砲撃によって殺害された犠牲者 7,983人(うち男性は4,850人、18歳未満の子供は1,935人、18歳以上の女性は1,198人)
米国主導の有志連合の爆撃による犠牲者 3,305人(うち男性は1,892人、18歳未満の子供は809人、18歳以上の女性は604人)
トルコ軍の砲撃による犠牲者 835人(うち男性は539人、18歳未満の子供180人、18歳以上の女性は116人)
トルコ国境警備隊の「手」による犠牲者 408人(うち男性は296人、18歳未満の子供75人、18歳以上の女性は37人)
いわゆる「反体制派」の「手」による犠牲者 7,773人(うち男性は5,871人、18歳未満の子供1,179人、18歳以上の女性は723人)
ダーイシュ(イスラーム国)の「手」による犠牲者 5,269人(うち男性は4,455人、18歳未満の子供452人、18歳以上の女性は362人)

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なお、上記の数値にはシリア政府の拘置所・刑務所での拷問で死亡した約4万5,000人、ダーイシュの拘置所に収監され、消息不明となっている5,200人以上、シリア軍・親政権民兵が拘束した捕虜4,700人以上、ダーイシュ、シャーム解放機構、そのほかのイスラーム主義勢力が拉致した2,000人以上は含まれておらず、これらを含めた場合の死者数は46万人以上になると推計される。

AFP, September 15, 2018、ANHA, September 15, 2018、AP, September 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 15, 2018、al-Hayat, September 16, 2018、Reuters, September 15, 2018、SANA, September 15, 2018、UPI, September 15, 2018などをもとに作成。

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