首都ダマスカスの軍事治安局関連施設で大きな爆発、アブー・アマーラ特殊任務中隊は犯行を認めるも、内部抗争による可能性あり(2019年1月20日)

ダマスカス県では、SANA(1月20日付)が、南部環状地区で爆発が発生、テロ行為によると思われるとの情報があると伝えた。

またシャームFM(1月20日付)も、「南部環状地区に近い軍の拠点を狙ったテロ行為による爆発が起きた」と伝えた。

これに関して、スプートニク・ニュース(1月20日付)は、複数の死傷者が出たと伝えた。

AFP(1月20日付)は、シリア政府に近い複数の消息筋の話として、この爆発が治安機関の幹部を狙ったものだと伝えた。

また、英国で活動する反体制NGOのシリア人権監視団によると、爆発は早朝に南部環状地区にある軍事情報局の治安関連の課の施設近くで発生、激しい発砲もあったという。

爆発が即席爆弾によるものなのか、自爆攻撃なのかなど詳細は不明だが、死傷者が出ているという。

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この爆発に関して、アレッポ市を中心に活動を続けてきたアブー・アマーラ特殊任務中隊のムハンナー・ジャッファーラ司令官(アブー・バクル)は、ドゥラル・シャーミーヤ(1月20日付)に対して、同中隊のメンバーが「軍事治安課」の拠点に爆弾を仕掛けて爆破し、少なくとも10人を殺傷したことを明らかにした。

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しかし、レバノンの『ムドン』(1月20日付)は、爆発現場にいたというシリア軍士官の話として、首都ダマスカスの治安委員会司令部と、軍事情報局の巡視課・パレスチナ課が、南部環状地区の検問所の配置・撤去をめぐって対立しており、爆発事件が発生する2日前には、シリア・レバノン国境地帯で軍事情報局の分隊が車で運んでいた持っていた爆発物が押収されていたと伝え、事件が軍内部の抗争によるものであることを示唆した。

AFP, January 20, 2019、ANHA, January 20, 2019、AP, January 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 20, 2019、al-Hayat, January 21, 2019、al-Mudun, January 20, 2019、Reuters, January 20, 2019、SANA, January 20, 2019、Sham FM, January 20, 2019、Sputnik News, January 20, 2019、UPI, January 20, 2019などをもとに作成。

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