ロシア軍がイドリブ県タビーシュ村を爆撃し、子供3人と女性5人を含む市民10人が死亡(2019年7月24日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから84日目となる7月24日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より31人(民間人26人(うち女性6人、子供7人)、シリア軍兵士5人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて2,694人となった。

うち、794人が民間人(女性149人、子供200人を含む)、923人がシリア軍兵士、977人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は50回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」30発以上を投下、ロシア軍も30回の爆撃を行った。

 

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でサルマーニーヤ村、ドゥワイル・アクラード村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでラターミナ町に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県北部と北西部の戦闘地域を砲撃し、ラターミナ町で男性2人が死亡した。

ロシア軍もラターミナ町、カフルズィーター市、ムーリク市、ドゥワイル・アクラード村を爆撃した。

一方、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(7月25日付)によると、「アサーイブ・ハムラー(赤鉢巻)」の名で知られるシャーム解放機構の特殊部隊がカッサービーヤ村近郊のシリア軍拠点複数カ所に潜入し、兵士多数を殺傷した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でマアッラト・ヌウマーン市およびその一帯、煉瓦工場、アリーハー市、ハーン・シャイフーン市、ムサイビーン村灌木地帯、ダイル・サンバル村、ダイル・シャルキー村、ムハムバル村に対して爆撃を実施した。

この爆撃により、アリーハー市で女性1人と子供1人を含む市民5人、ムハムバル村で3人が死亡した。

ロシア軍もハーン・シャイフーン市、マウカ村、ハーン・スブル村、タビーシュ村、ウンム・スィール村を爆撃した。

この爆撃により、タビーシュ村で子供3人と女性5人を含む市民10人が死亡した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村一帯に対して爆撃を実施した。

AFP, July 24, 2019、ANHA, July 24, 2019、AP, July 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 24, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 24, 2019、Reuters, July 24, 2019、SANA, July 24, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, July 24, 2019、SOHR, July 24, 2019、UPI, July 24, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.