スプートニク・ニュースはダーイシュのバグダーディー指導者の後継者(カリフ)と目されるカルダーシュ氏の経歴を紹介(2019年10月28日)

スプートニク・ニュース(10月28日付)は、イドリブ県に対する米国の攻撃で死亡したとされるダーイシュ(イスラーム国)のアブー・バクル・バグダーディー指導者の後継者と目されるアブドゥッラー・カルダーシュ氏の経歴を紹介した。

カルダーシュ氏は、ダーイシュに近いアアマーク通信(8月7日付)が、バグダーディー指導者によって「後継者」(カリフ)として推挙したと速報で伝えていた人物(http://syriaarabspring.info/?p=59942)。

イラクのスーマリーヤ・チャンネル(8月8日付)によると、カルダーシュ氏は、ニーナワー県タル・アファル郡出身のトルコマン人。

サッダーム・フサイン政権下でイラク軍士官を務め、ダーイシュ内では「アブー・ウマル」として知られている。

安全保障問題が専門のイラク人研究者のファーディル・アブー・ラギーフ氏のツイッター・アカウント(https://twitter.com/fadhil_abu_ragh/)によると、カルダーシュ氏は、モースル市のイマーム・アアザム大学卒で、バスラ県にある米英両軍が管理するキャンプ・ブッカ収容所に収監されていた経歴があり、その後、イラクのアル=カーイダで法務官になったという。

https://twitter.com/fadhil_abu_ragh/status/1159186923816194048?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1159186923816194048&ref_url=http%3A%2F%2Fsyriaarabspring.info%2F%3Fp%3D59942

また、カルダーシュ氏は、バグダーディー氏に次ぐダーイシュ・ナンバー・ツーの幹部とされるアブー・アラー・アファリー氏(2016年死亡)に近く、父親は聡明なハティーブ(モスクの説教師)で、自身は厳しさ、権威、過激さが特徴の「テロリスト」で、ダーイシュがモースル市を制圧した際、同市でバグダーディー氏を出迎えたメンバーの1人だという。

スプートニク・ニュースもほぼ同じ内容を紹介している。

ただし、ダーイシュ自体は、バグダーディー指導者の死や後継者についていまだ声明を出していない。

AFP, October 28, 2019、ANHA, October 28, 2019、AP, October 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 28, 2019、Reuters, October 28, 2019、SANA, October 28, 2019、SOHR, October 28, 2019、Sputnik News, October 28, 2019、UPI, October 28, 2019などをもとに作成。

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