ロシア当事者和解調整センターはヒムス県タドムル市近郊にある「テロリスト」の教練基地を爆撃し、200人あまりを殺害したと発表(2021年4月19日)

ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センターのアレクサンドル・カルポフ(Alexander Karpov)副センター長(海軍少将)は報道声明を出し、ロシア軍戦闘機が、ヒムス県タドムル市近郊の「テロリスト」の教練基地を爆撃し、200人あまりを殺害したと発表した。

声明の内容は以下の通り。

複数のテロ・グループがタドムル市北東に基地を建設し、手製爆弾を製造、テロ・グループを組織し、国内各所にこれを送り届け、テロ作戦を実行しようとしていることを示す十分な情報があった。

テロリストの拠点の存在を示す座標データを確認のうえ、ロシア航空宇宙軍の戦闘機複数機が爆撃を実施し、テロリストの本拠地2カ所を破壊、テロリスト200人あまりを殲滅、重機関銃を装備した四輪駆動車24台を破壊、さらに手製の爆弾製造用の原材料や機材500キロあまりを破壊した。

テロ・グループは複数の大都市においてシリアの国家機関へのテロ作戦や攻撃を行うことを計画し、5月26日に実施される大統領選挙に先立ってその安定を揺るがそうとしていた。

テロリストの教練は、タンフ地区(ヒムス県)を含む国家の支配の外にある複数の基地で行われている。

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シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が過去72時間にヒムス県東部のアブー・ルジュマイン山、スフナ砂漠、タドムル市北東の砂漠地帯を中心に実施した爆撃回数は220回以上に達し、ダーイシュ・メンバー26人が死亡したという。

また、爆撃に遭わせて、ロシア軍地上部隊が、シリア軍第5軍団とともにダイル・ザウル県南部の砂漠地帯からスフナ砂漠に至る地域でダーイシュ・セルに対する掃討作戦を本格化させた。

AFP, April 19, 2021、ANHA, April 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 19, 2021、Reuters, April 19, 2021、SANA, April 19, 2021、SOHR, April 19, 2021などをもとに作成。

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