トルコのフェダン国家諜報機構(MİT)長官がシリアの首都ダマスカスでマムルーク国民安全保障会議議長と会談(2022年9月15日)

ロイター通信(9月15日付)は、トルコのハカン・フェダン国家諜報機構(MİT)長官が、シリアの首都ダマスカスでアリー・マムルーク国民安全保障会議議長と数回にわたって会談を行っていると伝えた。

シリア政府に近い中東地域の情報筋とトルコの複数高官によると、もっとも最近では両者は今週会談を行い、メヴリュト・チャヴシュオール外務大臣とファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣の会談の可能性やその方途について意見を意見を交わしたという。

会談は、ウクライナでの戦闘の長期化を見据えて、ロシアがシリアでの地位を確保するために推し進められており、ロシアはシリア政府とトルコが両国の国益につながる合意に至ることを望んでいるという。

トルコの高官によると、トルコ側はいわゆる「シリアの過激派」(反体制派)がシリア政府との対話を行うことを望んでいるが、そのことが両国間の協議の最大の課題になっているという。

また、ロシア軍がシリアでの軍備を縮小し、ウクライナでの戦闘に振り向けているなか、トルコはイランや「イランの民兵」がロシア軍に代わってシリア領内での影響力を強めることは望んでいないという。

また、トルコのハルク・テレビ(9月15日付)も、最近になってフェダン長官がマムルーク議長と会談し、シリア難民にかかる問題について意見を交わしたと伝えた。
AFP, September 15, 2022、ANHA, September 15, 2022、al-Durar al-Shamiya, September 15, 2022、Halk TV, September 15, 2022、Orient News, September 15, 2022、Reuters, September 15, 2022、SANA, September 15, 2022、SOHR, September 15, 2022、Zaman al-Wasl, September 15, 2022などをもとに作成。

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