ハサカ市南部でダーイシュ(イスラーム国)と戦うシリア軍との共闘を求めるクルド系部族代表らがYPGと行っていた協議が決裂(2015年6月5日)

クッルナー・シュラカー(6月7日付)は、ハサカ市南部郊外に侵攻するダーイシュ(イスラーム国)と戦闘を続けるシリア軍への協力の是非をめぐり、同地のクルド系部族、アラブ系部族、キリスト教徒の代表が、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と協議したが、物別れに終わったと伝えた。

それによると、クルド系部族代表らは、人民防衛隊に対して、シリア軍と協力することを要請したが、人民防衛隊は「我々は有志連合と連携している。我々には我々の戦い、戦線があり、シリア軍にもシリア軍の戦い、戦線がある。すべての当事者が自分の戦いを行うべきだ」と回答、これを拒否したという。

Kull-na Shuraka’, June 7, 2015をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャーム戦線がアレッポ県北部でダーイシュ(イスラーム国)メンバー3人を斬首処刑(2015年6月5日)

ARA New(6月6日付)によると、アレッポ県で活動するシャーム戦線は、ダーイシュ(イスラーム国)が侵攻する県北部のアアザーズ市で、捕捉したダーイシュ戦闘員3人を斬首処刑した。

**

シャーム戦線は、シャームの民のヌスラ戦線の指導者アブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏がカタールの衛星テレビ局ジャズィーラ・チャンネルの独占インタビューでダーイシュ(イスラーム国)を「ハワーリジュ派」と異端したのに呼応するかたちで、ダーイシュをハワーリジュ派と断定する「ファトワー」を発し、関係各位にダーイシュとの戦闘を呼びかけた。

AFP, June 6, 2015、AP, June 6, 2015、ARA News, June 6, 2015、Champress, June 6, 2015、al-Hayat, June 7, 2015、Iraqi News, June 6, 2015、Kull-na Shuraka’, June 6, 2015、al-Mada Press, June 6, 2015、Naharnet, June 6, 2015、NNA, June 6, 2015、Reuters, June 6, 2015、SANA, June 6, 2015、UPI, June 6, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア外務副大臣が、シリア政府と反体制派の和平交渉「モスクワ3」開催に意欲(2015年6月5日)

ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣はイタルタス通信(6月5日付)に対して、シリア政府が紛争解決に向けた反体制派との和平交渉「モスクワ3」の開催を要請しているとしたうえで、ロシアが交渉に向けて、シリア政府、反体制派双方の代表を招聘する用意がある、と述べた。

AFP, June 5, 2015、AP, June 5, 2015、ARA News, June 5, 2015、Champress, June 5, 2015、al-Hayat, June 6, 2015、Iraqi News, June 5, 2015、Itar-tass, June 5, 2015、Kull-na Shuraka’, June 5, 2015、al-Mada Press, June 5, 2015、Naharnet, June 5, 2015、NNA, June 5, 2015、Reuters, June 5, 2015、SANA, June 5, 2015、UPI, June 5, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国防隊司令官がイスラーム軍の尋問を受け「アサド政権はダーイシュ(イスラーム国)をヒムス県東部やカラムーン地方東部に招き入れ、住民の支持を獲得しようとした」と証言(2015年6月5日)

クッルナー・シュラカー(6月5日付)は、イスラーム軍幹部の話として、イスラーム軍が最近逮捕した親政権の民兵「ワファー軍」のハーリド・ダイリー司令官(アブー・スライマーン)が尋問にいて、「アサド政権は、ダーイシュ(イスラーム国)を(ヒムス県の)砂漠地帯、バトラー地方、(ダマスカス郊外県の)東カラムーン地方に招き入れ、東グータ地方住民の間に恐怖を喚起し、「ワファー軍」への参加を促そうとしていた、と証言した(させられた)と伝えた。

AFP, June 5, 2015、AP, June 5, 2015、ARA News, June 5, 2015、Champress, June 5, 2015、al-Hayat, June 6, 2015、Iraqi News, June 5, 2015、Kull-na Shuraka’, June 5, 2015、al-Mada Press, June 5, 2015、Naharnet, June 5, 2015、NNA, June 5, 2015、Reuters, June 5, 2015、SANA, June 5, 2015、UPI, June 5, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍、ヒズブッラー戦闘員がカラムーン地方の国境地帯で、ヌスラ戦線とダーイシュ(イスラーム国)の掃討を完了、同地の完全制圧を宣言(2015年6月5日)

ダマスカス郊外県では、SANA(6月5日付)によると、シリア軍が、レバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)とともにフライタ村無人地帯のサッラージャ高地で「タクフィール主義テロ組織」を掃討、同地を完全制圧した。

またレバノンのレジスタンスは、アルサール市無人地帯のワーディー・ハイル東部に位置するシュウバト・カルア山を制圧した。

これに関して、シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、カラムーン地方のシリア・レバノン国境の山岳丘陵地帯から、シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)を掃討し、同地全土を完全制圧したと発表した。

同声明によると、カラムーン地方の制圧作戦は2段階にわたって行われ、2014年までに実施された第1段階では、カーラ市、ダイル・アティーヤ市、ナブク市、ヤブルート市およびその周辺、マアルーラー市、サルハ市、ジュッバ市、アッサール・ワルド町、フライタ村など都市部を中心に奪還、治安と安定の回復が行われた。

また第2段階は、国防隊およびレバノンのレジスタンスの支援のもと、2015年に入ってから実施され、ラアス・マアッラ無人地帯、ムーサー丘、シュマイス・ヒサーン山、カルナト・タウィール、フライタ村無人地帯、そのほか多数の丘陵が奪還されたという。

しかし、シリア人権監視団によると、レバノン国境に近いカラムーン地方無人地帯で3日、シャームの民のヌスラ戦線とシリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が交戦、ヒズブッラー戦闘員8人が死亡したという。

**

一方、NNA(6月5日付)によると、レバノン軍がベカーア県バアルベック郡アルサール村、ラアス・バアルベック村一帯のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点に対して激しい砲撃を行った。

**

また、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は、マフディー・ボーイ・スカウト???主催の集会参加者に向けてビデオ演説を行い、ベカーア県バアルベック郡アルサール地方における戦果が、レバノン軍の「負担を和らげ、国家と国民が軍に対して求めてきた措置の実施を促すことになろう」と述べた。

ナスルッラー書記長は、タンマーム・サラーム内閣が4日に、アルサール地方への武装集団の攻撃に備えるための部隊の展開に必要な措置の実施をレバノン軍に指示したことを受け、「内閣の決定により…、アルサールの問題は、政治家たちの問題ではなくなり、軍の問題となった。レバノン国民は軍司令部に国務を果たすよう欲している」と述べた。

またヒズブッラー戦闘員の同地での活動に関して、「我々がアルサールに入るなどと誰も言っていない。この村はタクフィール主義者に占領されている。同村の奪還の責務は国家と軍が負っている」と強調した。

「フライタ村無人地帯(シリアのダマスカス郊外県カラムーン地方)で大きな進展があった。この成果により、レジスタンスとシリア・アラブ軍の兄弟たちは、カラムーン山地一帯郊外でも、アルサール村郊外でもthe upper hand」。

AFP, June 5, 2015、AP, June 5, 2015、ARA News, June 5, 2015、Champress, June 5, 2015、al-Hayat, June 6, 2015、Iraqi News, June 5, 2015、Kull-na Shuraka’, June 5, 2015、al-Mada Press, June 5, 2015、Naharnet, June 5, 2015、NNA, June 5, 2015、Reuters, June 5, 2015、SANA, June 5, 2015、UPI, June 5, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍とアル=カーイダ系組織からなるファトフ軍がイドリブ県で攻防を続ける(2015年6月5日)

イドリブ県では、マサール・プレス(6月5日付)によると、シリア軍がサルキーン市の電力会社をミサイルで空爆し、「民間人12人が死亡、数十人が負傷」した。

シリア軍はまた、マアッラト・ハルマ村、マアッラトマーティル村、マアッルズィーター村、カンスフラ村、バーラ村、ラーミー村、イブリーン村、マアッラト・ヌウマーン市、バルシューン村を「樽爆弾」などで空爆した。

これに対して、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍は、シリア政府支配下にあるムハムバル村に向かって進軍を試み、同市周辺、ハルシュ・ブサンクール村、カイヤーサート検問所一帯でシリア軍と交戦する一方、ジスル・シュグール市南部のアアワル高地一帯でも、同地への進軍に成功したシリア軍と交戦した。

一方、SANA(6月5日付)によると、アウラム・ジャウズ村、ラーミー村、カフルハーヤー村、ムウタリム村、カイヤーサート検問所北部をシリア軍が空爆し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、ハルシュ・ブサンックール村一帯に進軍したヌスラ戦線と交戦、これを撃退するとともに、サンカラ村一帯、カフルシャラーヤー村でも反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市マイサル地区など同市東部一帯を「樽爆弾」で空爆、マイサル地区では子供1人を含む3人が死亡した。

一方、SANA(6月5日付)によると、アレッポ市バニー・ザイド地区、サラーフッディーン地区、カーディー・アスカル地区、旧市街、アターリブ市、アウラム・クブラー町、マドユーナ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、バドル殉教者旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(6月5日付)によると、「革命武装組織」がハッダーディーン村一帯でシリア軍と交戦し、同地を制圧した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が東カラク村、ムザイリーブ町、ウンム・アウサジュ村、ナーフタ町、ナマル町などを「樽爆弾」で空爆、ムザイリーブ町では子供1人が死亡した。

一方、SANA(6月5日付)によると、ナーフタ町・東ムライハ町間街道、東ガーリヤ村・スーラ町間街道、ムサイフラ町、東カラク村、キヒール村、ダーイル町・ヒルバト・ガザーラ町間街道、ダルアー市各所で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム・ムサンナー運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア軍が、ザマルカー町、ジスリーン町、ミスラーバー市、バイト・ティーマー村、バイト・サービル町、ザブディーン村、アイン・タルマー村を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またドゥーマー市、アーリヤ農場、ハラスター市郊外農場地帯でも、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(6月5日付)によると、シリア軍がジャウバル区を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

クナイトラ県では、SANA(6月5日付)によると、マスハラ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

スワイダー県では、SLN(6月5日付)によると、自由シリア軍南部戦線第1軍が、シリア軍が駐留するサアラ航空基地に対して迫撃砲で攻撃を加えた。

Kull-na Shuraka', June 5, 2015
Kull-na Shuraka’, June 5, 2015

AFP, June 5, 2015、AP, June 5, 2015、ARA News, June 5, 2015、Champress, June 5, 2015、al-Hayat, June 6, 2015、Iraqi News, June 5, 2015、Kull-na Shuraka’, June 5, 2015、al-Mada Press, June 5, 2015、Naharnet, June 5, 2015、NNA, June 5, 2015、Reuters, June 5, 2015、SANA, June 5, 2015、SLN, June 5, 2015、UPI, June 5, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アル=カーイダ系のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団がアレッポ県、ダルアー県でダーイシュ(イスラーム国)と交戦(2015年6月5日)

アレッポ県ではシリア人権監視団によると、マーリア市一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)が、シャームの民のヌスラ戦線を含む反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月5日付)によると、シリア軍は、トルコからの兵站路となっている国際幹線道路沿いタラーリーン村、マーリア市、アアザーズ市、ハイヤーン町、ダイル・ジャマール村など、ダーイシュとヌスラ戦線など反体制武装集団が交戦を続ける地域で、「テロリスト」の拠点などを攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、県西部のアイン・ザカル村一帯で、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団が、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団と交戦した。

なお、クッルナー・シュラカー(6月7日付)によると、ハウラーン法務局がヤルムーク殉教者旅団とヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動との休戦を提案していたが、ヤルムーク殉教者旅団はこれを拒否したという。

**

ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(6月6日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)のヒスバ(宗教警察)が、ジャルズィー村でアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線の戦闘員3人を斬首処刑した。

AFP, June 5, 2015、AP, June 5, 2015、ARA News, June 5, 2015、Champress, June 5, 2015、al-Hayat, June 6, 2015、Iraqi News, June 5, 2015、Kull-na Shuraka’, June 5, 2015、June 6, 2015、June 7, 2015、al-Mada Press, June 5, 2015、Masar Press Agency, June 5, 2015、Naharnet, June 5, 2015、NNA, June 5, 2015、Reuters, June 5, 2015、SANA, June 5, 2015、UPI, June 5, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ市郊外でシリア軍とダーイシュ(イスラーム国)の攻防続く(2015年6月5日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市への侵入をめざすダーイシュ(イスラーム国)とシリア軍、国防隊、バアス大隊が同市南部郊外で交戦を続けるなか、シリア軍が同地のダーイシュ拠点を狙って空爆を行った。

ダーイシュはハサカ市南部500メートルの地点にまで接近しており、シリア軍は同市への増援部隊派遣を続けているが、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は今のところ、シリア軍に対する支援、共闘はしていないという。

AFP(6月5日付)によると、ダーイシュの進軍を受けて、シリア政府の支配下にあるハサカ市南部および東部地区の住民が、西クルディスタン移行期民政局支配下の同市西部および北部地区に避難を続けているという。

シリア人権監視団によると、ハサカ市南部一帯での戦闘により、シリア軍側に71人、ダーイシュに48人の死者が出ており、ダーイシュ戦闘員の死者のうち11人が自爆により死亡したという。

一方、SANA(6月5日付)によると、ハサカ市南部郊外のアフダース刑務所一帯、マジュバル・ザフティー村、スーダー村、アブド村、ガラート村をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍、国防隊はまた、ハサカ市南東部で、ダーイシュと交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊したという。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるブーライル村を空爆し、8人が死亡した。

またダイル・ザウル航空基地一帯で、シリア軍とダーイシュが交戦し、双方に死傷者が出た。

**

ヒムス県では、SANA(6月5日付)によると、西サラーム村、スルターニーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(6月5日付)によると、アレッポ市東部郊外の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, June 5, 2015、AP, June 5, 2015、ARA News, June 5, 2015、Champress, June 5, 2015、al-Hayat, June 6, 2015、Iraqi News, June 5, 2015、Kull-na Shuraka’, June 5, 2015、al-Mada Press, June 5, 2015、Naharnet, June 5, 2015、NNA, June 5, 2015、Reuters, June 5, 2015、SANA, June 5, 2015、UPI, June 5, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.