ダーイシュ(イスラーム国)がトルコ国境のタッル・アブヤド市を奇襲、YPGはトルコからの戦闘員潜入を疑う(2015年6月30日)

ラッカ県では、『ハヤート』(7月1日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊によって制圧されたタッル・アブヤド市を奇襲した。

ARA New(6月30日付)によると、ダーイシュは市内の学校や民家を占拠、その際住民4人が負傷し、トルコ領内に通じるアクチャカレ国境通行所に搬送されたが、トルコ側は民間人負傷者の入国を拒否した。

西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の戦闘員の話によると、タッル・アブヤド市を奇襲したダーイシュ戦闘員は10人ほどからなり、市内に潜伏していたスリーパー・セルか、トルコ領内から潜入したと思われるという。

AFP, June 30, 2015、AP, June 30, 2015、ARA News, June 30, 2015、Champress, June 30, 2015、al-Hayat, July 1, 2015、Iraqi News, June 30, 2015、Kull-na Shuraka’, June 30, 2015、al-Mada Press, June 30, 2015、Naharnet, June 30, 2015、NNA, June 30, 2015、Reuters, June 30, 2015、SANA, June 30, 2015、UPI, June 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県北部でダーイシュ(イスラーム国)が燃料輸送車輌を盾にジハード主義武装集団支配地域に進軍、シリア軍が燃料輸送車輌を爆撃(2015年6月30日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が県北部のワフシーヤ村を攻撃、ジハード主義武装集団と交戦した。

攻撃に際して、ダーイシュは、ジハード主義武装集団が同地一帯での配給のために要求していた燃料を積んだ車の通行許可、車列を盾にするかたちで進軍したという。

一方、シリア軍は、ダーイシュの支配下にある県北部のアズラク村付近を通過中の燃料輸送車両を空爆し、その多くを破壊した、という。

他方、SANA(6月30日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、東カラムーン地方で、ダーイシュ(イスラーム国)がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

AFP, June 30, 2015、AP, June 30, 2015、ARA News, June 30, 2015、Champress, June 30, 2015、al-Hayat, July 1, 2015、Iraqi News, June 30, 2015、Kull-na Shuraka’, June 30, 2015、al-Mada Press, June 30, 2015、Naharnet, June 30, 2015、NNA, June 30, 2015、Reuters, June 30, 2015、SANA, June 30, 2015、UPI, June 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍はダマスカス郊外県の反体制派拠点ドゥーマー市を爆撃し、子供を含む10人が死亡(2015年6月30日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、反体制武装集団の支配下にあるドゥーマー市を空爆し、子供1人を含む10人が死亡した(シリア人権監視団によると、ドゥーマー市での死者数はその後11人に増加)。

シリア軍はまた、ミスラーバー市を2度にわたり空爆したほか、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(6月30日付)によると、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、サラミーヤ市(ハマー県)とヒムス県を結ぶ街道で、シリア軍、国防隊が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、同地を空爆・砲撃、ヌスラ戦線らが占拠していた拠点複数カ所を制圧した。

この戦闘でヌスラ戦線側の戦闘員5人が死亡、シリア軍側は18人が死傷した。

一方、SANA(6月30日付)によると、アブー・アラーヤー村、西サラーム村、スルターニーヤ村、タルファーウィー村、ザハビーヤ村、ザアフラーナ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、クッルナー・シュラカー(6月30日付)によると、ヒムス市のナズハ交差点地区とハダーラ通り地区で爆弾が仕掛けられた車2台が相次いで爆発した。

死者はなかった。

他方、ヒムス県で活動するとされる武装集団が声明を出し、ヒムス解放運動の結成を宣言、「アラブ人、クルド人、トルクメン人の連帯」を通じた政権打倒を主唱した。

クッルナー・シュラカー(7月2日付)が伝えた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハーン・シャイフーン市、イフスィム町などを空爆し、20人が死亡した。

これに対して、シャームの民のヌスラ戦線は、カフルナブル市のモスクを襲撃、同モスクのイマームをスーフィー教団だとして追放し、ヌスラ戦線に属するイマームを任命した。

一方、SANA(6月30日付)によると、マジャース村、アブー・ズフール町一帯、イフスィム町、シャンナーン村をシリア軍が空爆し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がミンタール村、バンーン・フッス村、アレッポ市ナイラブ地区、マルジャ地区、ライラムーン地区を空爆した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がムザイリーブ町、ウンム・アウサジュ村、タッル・シハーブ町、アクラバー村、イブタア町、東ガーリヤ村、タイバ村、ブスル・ハリール市を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(6月30日付)によると、カフル・ナースィジュ村、東ムライハ町、ダルアー市アバーズィード貯水場一帯、旧税関地区東部などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

クナイトラ県では、SANA(6月30日付)によると、ハムル丘、マハーミード農場で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ハラムーン軍(シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、ジャバル・シャイフ旅団、ウマル・ブン・ハッターブ旅団)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(6月30日付)によると、フライターン市、ハルバル村、バービース村、アアザーズ市、マンスーラ村、ハナースィル市西部、アレッポ市ラーシディーン地区、カルム・カーティルジー地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、シリア人権監視団によると、アレッポ市サーリヒーヤ地区をシリア軍が「樽爆弾」などで空爆し、11人が死亡した。

**

ラタキア県では、SANA(6月30日付)によると、バラードゥーン・ダム一帯、ラウダ村、ダッラ村をシリア軍が空爆し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, June 30, 2015、AP, June 30, 2015、ARA News, June 30, 2015、Champress, June 30, 2015、al-Hayat, July 1, 2015、Iraqi News, June 30, 2015、Kull-na Shuraka’, June 30, 2015、July 2, 2015、al-Mada Press, June 30, 2015、Naharnet, June 30, 2015、NNA, June 30, 2015、Reuters, June 30, 2015、SANA, June 30, 2015、UPI, June 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍、国防隊がハサカ市でのダーイシュ(イスラーム国)掃討を続ける、ダーイシュはヒムス県中部でシリア軍部隊に対して自爆攻撃(2015年6月30日)

ハサカ県では、SANA(6月30日付)によると、ハサカ市ヌシューワ・シャリーア地区、ヌシューワ・ヴィーラート地区に潜入していたダーイシュ(イスラーム国)をシリア軍、国防隊が追い詰め包囲、またサーリヒーヤ地区、ナフティー地区、タッル・ハジャル地区、ナースィラ地区、中心街、マサーキン・カダー地区、アスカリー地区、工業地区、マルシュー地区、サカン・アティッバー地区において安全を確保した。

SANAによると、シリア軍、国防隊はまた、東グワイラーン地区でダーイシュ戦闘員の追撃を続け、外国人戦闘員40人を殲滅、ダーイシュ戦闘員らはフムル・ヴィーラート地区方面に敗走したという。

これに関して、シリア人権監視団は、ハサカ市西ヌシューワ地区でのダーイシュとの戦闘で、シリア軍の大佐1人が死亡したと発表した。

SANA, June 30, 2015
SANA, June 30, 2015
SANA, June 30, 2015
SANA, June 30, 2015

 

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、フルクルス町で未明、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア軍部隊を狙って自動車による自爆攻撃を行った。

Kull-na Shuraka', June 30, 2015
Kull-na Shuraka’, June 30, 2015

これに対して、シリア軍はダーイシュの支配下にあるタドムル市一帯を空爆し、子供3人を含む住民5人が死亡した。

一方、SANA(6月30日付)によると、柑橘農園一帯、タドムル市一帯、タッル・ワアル村、カディーム村をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、アブー・バラーヤー村、フライターン村一帯で、シリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(6月30日付)によると、イスリヤー村、サリーム村、ハッダージュ村、クナイトラート村、アイドゥーン村、ジャマーラ村、ザーキヤ村をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

スワイダー県では、SANA(6月30日付)によると、ブサイナ丘で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、有志連合がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるブーカマール市郊外のアシャーイル村を空爆し、シリア人戦闘員2人が死亡した。

また、シリア人権監視団によると、イスラーム国が、シリアで「魔術」を使ったとの理由で女性2人を斬首。

監視団によると、ダーイシュは27日と28日に2組の夫婦を殺害。どちらの夫婦も魔術を使ったと非難され、女性たちは夫と一緒に処刑されたという。

**

米中央軍(CENTCOM)は、6月30日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して16回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は5回におよび、ハサカ市近郊(1回)、アイン・アラブ市近郊(3回)、タッル・アブヤド市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, June 30, 2015、AP, June 30, 2015、ARA News, June 30, 2015、Champress, June 30, 2015、al-Hayat, July 1, 2015、Iraqi News, June 30, 2015、Kull-na Shuraka’, June 30, 2015、al-Mada Press, June 30, 2015、Naharnet, June 30, 2015、NNA, June 30, 2015、Reuters, June 30, 2015、SANA, June 30, 2015、UPI, June 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アル=カーイダ系組織ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動はヒムス県の「ヌスラト・ムスタドアフィーン」作戦司令室の解体を発表(2015年6月30日)

ヒムス県北部で活動していた「ヌスラト・ムスタドアフィーン」作戦司令室は声明を出し、作戦司令室を解体すると発表した。

「ヌスラト・ムスタドアフィーン」作戦司令室は2014年4月に、シャーム自由人イスラーム運動、ヒヌス軍団、アフル・スンナ・ワ・ジャマーア、シャームの民のヌスラ戦線、アジュナード・ヒムス、タウヒード軍が結成していた軍事連合組織。

Kull-na Shuraka', June 30, 2015
Kull-na Shuraka’, June 30, 2015

 

AFP, June 30, 2015、AP, June 30, 2015、ARA News, June 30, 2015、Champress, June 30, 2015、al-Hayat, July 1, 2015、Iraqi News, June 30, 2015、Kull-na Shuraka’, June 30, 2015、al-Mada Press, June 30, 2015、Naharnet, June 30, 2015、NNA, June 30, 2015、Reuters, June 30, 2015、SANA, June 30, 2015、UPI, June 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米ロ外相がダーイシュ(イスラーム国)への対応を継続協議することで合意(2015年6月30日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣と米国のジョン・ケリー国務長官がオーストリアのウィーンで会談し、イラン核開発問題やシリア紛争への対応などについて意見を交わした。

会談後、ラブロフ外務大臣は「米国とロシアは、ダーイシュ(イスラーム国)に関する状況がより実質的な行動を必要としていることをともに理解した」と述べ、ダーイシュへの対応をめぐり協議を継続することに合意したことを明らかにした。

一方、マーク・トナー米国務省副報道官は、トルコとヨルダンがシリア領内の国境地帯に「安全地帯」の設置を検討しているとの一部情報に関して、「ヨルダンとトルコが緩衝地帯の設置を検討しているという確たる証拠はない」と否定するとともに、緩衝地帯の設置が兵站面などで困難を伴うとの見方を示した。

SANA, June 30, 2015
SANA, June 30, 2015

 

AFP, June 30, 2015、AP, June 30, 2015、ARA News, June 30, 2015、Champress, June 30, 2015、al-Hayat, July 1, 2015、Iraqi News, June 30, 2015、Kull-na Shuraka’, June 30, 2015、al-Mada Press, June 30, 2015、Naharnet, June 30, 2015、NNA, June 30, 2015、Reuters, June 30, 2015、SANA, June 30, 2015、UPI, June 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハーフィズ・アサド前大統領の肖像画が描かれた1,000シリア・ポンドに代わる新紙幣が7月1日から流通開始(2015年6月30日)

シリア中央銀行のアディーブ・マイヤーラ総裁は声明を出し、7月1日から新1,000シリア・ポンド紙幣を流通させると発表した。

従来の1,000シリア・ポンドはハーフィズ・アサド前大統領の肖像が描かれていたが、新1,000シリ・ポンドには、古代ローマの劇場が描かれている。

SANA(6月30日付)などが伝えた。

Kull-na Shuraka', June 30, 2015
Kull-na Shuraka’, June 30, 2015
Kull-na Shuraka', June 30, 2015
Kull-na Shuraka’, June 30, 2015
Kull-na Shuraka', June 30, 2015
Kull-na Shuraka’, June 30, 2015

 

AFP, June 30, 2015、AP, June 30, 2015、ARA News, June 30, 2015、Champress, June 30, 2015、al-Hayat, July 1, 2015、Iraqi News, June 30, 2015、Kull-na Shuraka’, June 30, 2015、al-Mada Press, June 30, 2015、Naharnet, June 30, 2015、NNA, June 30, 2015、Reuters, June 30, 2015、SANA, June 30, 2015、UPI, June 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

民主的変革諸勢力国民調整委員会はYPGによるタッル・アブヤド市制圧、アイン・アラブ市に対するダーイシュ(イスラーム国)の奇襲撃退を賞賛(2015年6月30日)

民主的変革諸勢力国民調整委員会の執行部(ダマスカス)は声明を出し、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体の「ユーフラテスの火山」合同作戦司令室によるラッカ県タッル・アブヤド市のダーイシュ(イスラーム国)からの解放とアレッポ県アイン・アラブ市へのダーイシュの奇襲の撃退に関して「タクフィール主義テロに対抗し、シリア分割の試みを頓挫させようとするシリア国民一体性を表現するもの」と賞賛した。

AFP, June 30, 2015、AP, June 30, 2015、ARA News, June 30, 2015、Champress, June 30, 2015、al-Hayat, July 1, 2015、Iraqi News, June 30, 2015、Kull-na Shuraka’, June 30, 2015、al-Mada Press, June 30, 2015、Naharnet, June 30, 2015、NNA, June 30, 2015、Reuters, June 30, 2015、SANA, June 30, 2015、UPI, June 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.