アレッポ県、イドリブ県でアル=カーイダ系のヌスラ戦線などとシリア軍の戦闘続く(2015年6月2日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ハーリディーヤ地区(シリア政府支配下)に対して、反体制武装集団が迫撃砲、重火器で攻撃を行った。

また、シャフバー・ダム一帯からトルコ国境に近いガザル村周辺にいたる地域で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団がシリア軍と交戦した。

一方、SANA(6月2日付)によると、アレッポ市西部郊外のマンスーラ村でシリア軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、アレッポ市ブスターン・バーシャー地区、アンサーリー地区、マルジャ地区、シャッアール地区、フルワーニーヤ地区、インザーラート地区、バニー・ザイド地区、バーブ・ナスル地区、ナイラブ航空基地一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がナビー・アイユーブ高地(ザーウィヤ山)頂上一帯、マアッラト・ヌウマーン市を「樽爆弾」などで空爆し、1人が死亡した。

一方、複数の地元報道筋によると、シャームの民のヌスラ戦線は、アブー・ズフール航空基地に食糧物資などを搬入しようとしたハディーディー部族の2人を「反逆罪」(シリア政府に協力していた罪)で処刑した。

クッルナー・シュラカー(6月2日付)などによると、処刑されたのはシャイフ・ナーイフ・ヌーリー・ナウワーフ・サーリフ氏ら2人で、処刑はサラーキブ市で行われた。

なお、ドゥラル・シャーミーヤ(6月2日付)などによると、ハディーディー部族は、シリア中部・北部(イドリブ県、ハマー県)に多く暮らしており、ファフド・ジャースィム・フライジュ国防大臣などシリア軍士官を多数輩出している。

Kull-na Shuraka', June 2, 2015
Kull-na Shuraka’, June 2, 2015

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、クルド山一帯の村々をシリア軍が「樽爆弾」で空爆した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ガントゥー市で、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団がシリア軍と交戦した。

一方、SANA(6月2日付)によると、キースィーン村、カンヌ村、ザアフラーナ村・タルビーサ市回廊、カフルラーハー市、ハウラ地方で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、ヒムス軍団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ドゥーマー市に近いワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプ一帯で、ジハード主義武装集団とシリア軍、国防隊が交戦した。

またレバノン国境に近いカラムーン地方無人地帯では、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団が、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員と交戦した。

一方、SANA(6月2日付)によると、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、ハラスター市で「テロリスト」が掘削した地下トンネルを発見、破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がジャウバル区を空爆、またシリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がジハード主義武装集団と交戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が東カラク村一帯を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(6月2日付)によると、ダルアー市電力会社東部一帯など、アトマーン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(6月2日付)によると、ハミーディーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, June 2, 2015、AP, June 2, 2015、ARA News, June 2, 2015、Champress, June 2, 2015、al-Durar al-Shamiya, June 2, 2015、al-Hayat, June 3, 2015、Iraqi News, June 2, 2015、Kull-na Shuraka’, June 2, 2015、al-Mada Press, June 2, 2015、Naharnet, June 2, 2015、NNA, June 2, 2015、Reuters, June 2, 2015、SANA, June 2, 2015、UPI, June 2, 2015などをもとに作成。

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アレッポ県北部でダーイシュ(イスラーム国)とシャーム戦線などの戦闘続く、ハサカ県ではトルコ国境警備隊が避難民多数を重火器などで殺害(2015年6月2日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月2日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が県北部の砲兵士官学校に隣接するワフシーヤ村に侵攻、制圧したが、「革命家」が数時間の戦闘の末、同村を奪還した。

同報道によると、ワフシーヤ村を一時制圧したダーイシュは、砲兵士官学校を数時間にわたって包囲したが、その際、シリア軍も砲兵士官学校一帯の複数の前線に展開し、「革命家」たちは、ヌッブル市、ザフラー町から進軍してきたシリア軍部隊を撃破したのだという。

なお、ARA News(6月2日付)によると、ダーイシュと交戦している「革命家」はシャーム戦線。

シャーム戦線は「命じられるままに進め連合」、ムジャーヒディーン軍、ヌールッディーン・ザンキー運動、アサーラ・ワ・タンミヤ運動などからなる武装集団。

一方、シリア人権監視団によると、ダーイシュはガルナータ村校外の農場地帯(数日前に制圧)で、反体制武装集団戦闘員5人を斬首した。

処刑されたこの5人はいずれも銃で撃たれ、負傷していたという。

シャームの暁運動は声明を出し、ダーイシュに対する「中立姿勢を放棄した」と発表するとともに、「ダーイシュはバアス国家と過激派が混ざり合ってできている」と断じ、批判した。

またアレッポ県シャリーア評議会は、すべての武装集団に対して、「アサドの戦闘機が上空を覆うなかでなされるダーイシュのアレッポ県北部に対する攻撃を…阻止するため、万全の措置を講じ、躊躇なく戦う」よう呼びかけた。

他方、シリア軍は、ダーイシュが包囲するクワイリス航空基地(航空士官学校)周辺を空爆した。

このほか、SANA(6月2日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)の主要拠点の一つバーブ市、アレッポ市東部郊外一帯(航空士官学校一帯)をシリア軍が空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(6月2日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がハサカ市内に侵攻しようとして、同市北東部などでシリア軍と激しく交戦した。

西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊に近い複数の消息筋によると、人民防衛隊はハサカ市南部(電力会社、タッル・アブヤド市・ハサカ市街道、ダーウディーヤ村、ラッド・シャクラー村、サブア・スクール村)での戦闘に参加し、シリア軍とともにダーイシュと交戦した。

また、シリア人権監視団によると、ラアス・アイン市南西部郊外で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(6月2日付)によると、ハサカ市南部郊外のラッド・シャクラー村一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、ARA News(6月2日付)によると、ラアス・アイン市西部郊外で、トルコ領内に越境しようとしたシリア人避難民多数をトルコ国境警備隊が重火器などで発砲し、女性、子供を含む多数が死傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)によって制圧されたタドムル市一帯で、ダーイシュとシリア軍が交戦した。

一方、SANA(6月2日付)によると、アブー・アクビーン山一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シャジャラ町一帯で、アル=カーイダ系組織のシャームの自由人イスラーム運動などからなる武装集団が、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓っているヤルムーク殉教者旅団と交戦、子供2人が戦闘に巻き込まれて死亡した。

またクワーヤー村一帯でも両者は交戦し、武装集団の司令官1人が死亡した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(6月2日付)によると、ラジャート高地一帯で活動するウマリー旅団連合(自由シリア軍南部戦線)は声明を出し、「ダーイシュの細胞」がラジャート高地に向かう街道を封鎖し、同地を孤立させようとしているとし、「革命家」に対して軍事支援を求めた。

声明によると、ウマリー旅団は現在までのところ、ダーイシュの攻勢を封じているという。

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スワイダー県では、SANA(6月2日付)によると、カスル村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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米中央軍(CENTCOM)は、有志連合が現地時間の6月1日8時から2日8時までの24時間で、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して15回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は5回におよび、ハサカ市近郊、アイン・アラブ市近郊のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, June 2, 2015、AP, June 2, 2015、ARA News, June 2, 2015、Champress, June 2, 2015、al-Durar al-Shamiya, June 2, 2015、al-Hayat, June 3, 2015、Iraqi News, June 2, 2015、Kull-na Shuraka’, June 2, 2015、al-Mada Press, June 2, 2015、Naharnet, June 2, 2015、NNA, June 2, 2015、Reuters, June 2, 2015、SANA, June 2, 2015、UPI, June 2, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)壊滅をめざす有志連合22カ国がパリで外相級会議(2015年6月2日)

ダーイシュ(イスラーム国)の壊滅をめざす有志連合の外相級会議がパリで開かれた。

会議は1月に開かれたロンドンでの会議に続くもので、約60カ国からなる有志連合諸国のうち、米独仏、イラクなど22カ国が参加した。

会議後に発表された声明によると、会議ではイラクのハイダル・アバーディー首相が、ラマーディー市奪還などを骨子とする軍事作戦計画を説明し、参加国から了承を得た。

一方、シリア情勢をめぐっては、同国の混乱の増大がイラクでのダーイシュの勢力拡大に直接の影響を与えることが懸念され、国連の監督のもと、紛争打開に向けた早急な政治的プロセスの開始が呼びかけられた。

AFP, June 2, 2015、AP, June 2, 2015、ARA News, June 2, 2015、Champress, June 2, 2015、al-Hayat, June 3, 2015、Iraqi News, June 2, 2015、Kull-na Shuraka’, June 2, 2015、al-Mada Press, June 2, 2015、Naharnet, June 2, 2015、NNA, June 2, 2015、Reuters, June 2, 2015、SANA, June 2, 2015、UPI, June 2, 2015などをもとに作成。

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ロシアのラブロフ外相「シリア軍と連携しない有志連合のダーイシュ(イスラーム国)への爆撃は間違い」(2015年6月2日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、ブルームバーグ・テレビ(5月2日付)とのインタビューでシリア情勢に触れ、そのなかでダーイシュ(イスラーム国)の壊滅をめざす米国主導の有志連合がシリア政府との連携のもと空爆を行うべきだと述べた。

ラブロフ外務大臣は「シリア軍の活動と連携がないかたちでの空爆が間違えだということは私にとって明白だ。調整されるべきだと考えている」と述べた。

AFP(5月2日付)などが伝えた。

AFP, June 2, 2015、AP, June 2, 2015、ARA News, June 2, 2015、Champress, June 2, 2015、al-Hayat, June 3, 2015、Iraqi News, June 2, 2015、Kull-na Shuraka’, June 2, 2015、al-Mada Press, June 2, 2015、Naharnet, June 2, 2015、NNA, June 2, 2015、Reuters, June 2, 2015、SANA, June 2, 2015、UPI, June 2, 2015などをもとに作成。

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シリア国民連合のハウジャ代表は自由シリア軍最高軍事評議会(参謀委員会)の解体を決定(2015年6月2日)

シリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・ハウジャ代表は、傘下にある軍事組織の自由シリア軍最高軍事評議会(参謀委員会)を解体することを決定、アフマド・トゥウマ暫定内閣(サリーム・イドリース国防大臣)、連立事務局に通達した。

クッルナー・シュラカー(6月2日付)が伝えた。

AFP, June 2, 2015、AP, June 2, 2015、ARA News, June 2, 2015、Champress, June 2, 2015、al-Hayat, June 3, 2015、Iraqi News, June 2, 2015、Kull-na Shuraka’, June 2, 2015、al-Mada Press, June 2, 2015、Naharnet, June 2, 2015、NNA, June 2, 2015、Reuters, June 2, 2015、SANA, June 2, 2015、UPI, June 2, 2015などをもとに作成。

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