特別講演会「イスラーム国台頭から1年:「シリア内戦」の今を読み解く」(IWJにて配信中)

【特別講演会 「イスラーム国台頭から1年:「シリア内戦」の今を読み解く」】

IWJ(http://iwj.co.jp/wj/open/archives/250560)にて配信中

 

2014年6月、イスラーム国が「カリフ制」樹立を宣言し、国際社会の脅威として台頭してから1年、シリアでの戦乱に収束の兆しはいまだ見えない。刻一刻と変化しながらも国内メディアではほぼ報道されなくなった「シリア内戦」の今をシリア研究者たちが紐解いていく。

◆日時
6月25日(木) 17時半〜19時

◆場所
東京外国語大学研究講義棟227教室
交通アクセス http://www.tufs.ac.jp/access/
キャンパスマップ http://www.tufs.ac.jp/abouttufs/campusmap.html

◆タイムテーブル
1. 青山弘之(東京外国語大学教授)と髙岡豊(中東調査会上席研究員)による対談

*イドリブがアル=カーイダによる蹂躙、塩素ガスの被害が報告、パルミラのダーイシュによる侵攻等、シリア情勢が更なる混沌を極める中、このような危機は全くマスコミで報じられていません。このような状況に警鐘を鳴らすことを目的に、シリア内戦の今を読み解く、というテーマで対談を行います。

2. シリア研究会(http://tufsyria.wix.com/jsso)からの報告

3.サダーカから(http://www.sadaqasyria.jp/)の呼びかけ
*共催団体サダーカから、戦後70年をテーマにシリア人・日本人が共に平和を願う、というコンセプトで行なう8月9日開催のイベントにつき、ご案内差し上げます。

イスラエルのヤアロン国防大臣「シリアからの負傷者に人道支援を続けたいのなら、ジハード主義者が国境に近づかないようにしなければならないし、次にドゥルーズ派が攻撃を受けないようにしなければならない」(2015年6月29日)

イスラエルのモシェ・ヤアロン国防大臣は、シリアの反体制派への支援に関して「負傷者が安全壁に近づいたら、支援すべきだ…。負傷者を回復させ、(シリア領内に)戻すべきだ…。しかし、人道支援を続けたいのなら、ジハード主義者が国境に近づかないようにしなければならないし、次にドゥルーズ派が攻撃を受けないようにしなければならない」と述べた。

AFP(6月29日付)が伝えた。

AFP, June 29, 2015、AP, June 29, 2015、ARA News, June 29, 2015、Champress, June 29, 2015、al-Hayat, June 30, 2015、Iraqi News, June 29, 2015、Kull-na Shuraka’, June 29, 2015、al-Mada Press, June 29, 2015、Naharnet, June 29, 2015、NNA, June 29, 2015、Reuters, June 29, 2015、SANA, June 29, 2015、UPI, June 29, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア・シリア外相会談:プーチン大統領は、シリア、サウジアラビア、トルコ、ヨルダンを含む国際的な有志連合を通じたダーイシュ(イスラーム国)との戦いを提案(2015年6月29日)

シリアのワリード・ムアッリム外務在外居住大臣は、ロシアの首都モスクワを訪問し、セルゲイ・ラブロフ外務大臣、ヴラジミール・プーチン大統領と相次いでと会談、シリア国内での「テロとの戦い」などについて協議した。

『ハヤート』(6月30日付)がロシア外交筋の話として伝えたところによると、ロシア側はこの会談で、シリア政府、サウジアラビア、トルコ、ヨルダンといった中東諸国を含む諸外国からなる新たな有志連合の結成を提案した。

同外交筋によると、ラブロフ外務大臣は、ムアッリム外務在外居住者大臣との会談で、シリア政府からこの提案に前向きに対処することの合意を得た上で、ジュネーブで30日に会談予定のジョン・ケリー米国務長官に対してロシアの提案に前向きに対処するよう求めようとしているという。

ラブロフ外務大臣との会談後、ムアッリム外務在外居住者大臣はプーチン大統領と会談した。

SANA, June 29, 2015
SANA, June 29, 2015

会談のなかで、プーチン大統領は「テロや過激派と有効に戦うには、地域のすべての国の努力を結集しなければならない…。我々はすべての国と例外なく良好な関係にあり、彼らはみな、ダーイシュ(イスラーム国)との戦いに貢献する用意があると行っている…。こうしたことをトルコ、ヨルダン、サウジアラビアに求める。我々は、シリアを含むすべての友好国に対して、テロとの戦いに関わろうとするすべての当事者との建設的対話を行うためにできることをするよう呼びかけている」と述べた。

プーチン大統領はまた、「我々はシリア情勢が困難なかたちで推移しているのを見ている。いずれにせよ、事態は、国際テロの攻撃と関わっている。こうしたなか、成功は常に問題を伴い、軍事的な障害があることは理解している。しかし、我々は最終的にはシリア国民が勝利すると信頼している。テロリストと戦うシリア政府と国民を支援するというロシアの政策は、代わることなく続く」と強調した。

プーチン大統領との会談後、ムアッリム外務在外居住者大臣とラブロフ国防大臣は合同記者会見を行った。

SANA, June 29, 2015
SANA, June 29, 2015

記者会見でラブロフ外務大臣は、中東情勢をめぐる優先事項を見極めるため、欧米諸国や中東諸国と活発に行動していることを明らかにする一方、シリア側の現状評価を踏まえつつ、テロに対抗しているすべての当事者の努力を結集し、また政治プロセスに関するシリア側の意ジョンを踏まえて、モスクワ会議、カイロ会議といった一連の努力についての検討を行う、と述べた。

そのうえで、プーチン大統領が会談において、すべての国が意見の相違を乗り越えて、ダーイシュをはじめとするテロに対抗すべきだとの姿勢を示したことを強調した。

また、ジュネーブ会議に代表されるシリア政府と反体制派の和平交渉については、欧米諸国や一部中東諸国が「一つの反体制組織」に依存し、それ以外の反体制派を無視していると指摘、シリア革命反体制勢力国民連立の偏重姿勢を「これは間違えで、修正するのが肝要だ」と述べた。

これに対し、ムアッリム外務在外居住者大臣は、シリア政府が政治的方法で危機を解決すべきだと考えていると述べる一方、「テロとの戦いに向けた国際的・地域的な同盟」については「奇跡を必要とするイニシアチブ」としながらも、その成功を望んでいると述べ、ロシア側の提案に支持を表明した。

一方、米国に関して、ムアッリム外務在外居住者大臣は「シリアのテロ組織を支援し続けている…。米国は政治的解決を求める一方で、シリアで戦うテロ集団を支援するために数十億ドルを拠出している」と批判した。

『ハヤート』(6月30日付)、SANA(6月29日付)などが伝えた。

AFP, June 29, 2015、AP, June 29, 2015、ARA News, June 29, 2015、Champress, June 29, 2015、al-Hayat, June 30, 2015、Iraqi News, June 29, 2015、Kull-na Shuraka’, June 29, 2015、al-Mada Press, June 29, 2015、Naharnet, June 29, 2015、NNA, June 29, 2015、Reuters, June 29, 2015、SANA, June 29, 2015、UPI, June 29, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

前英海軍提督「アサド大統領は嫌な男だが、ダーイシュ(イスラーム国)と戦い、打ち負かすことを優先させるべきだ」(2015年6月29日)

前英国海軍提督のアラン・ウェスト卿は、地元ラジオ局のインタビューで、ダーイシュ(イスラーム国)を壊滅するためにシリアのアサド政権と協力すべきだと述べた。

ウェスト卿は「彼(アサド大統領)は嫌な男だが、ISIL(ダーイシュ)はシリアに安全な避難場所を得てしまっている…。このテロ組織と戦い、打ち負かすことを優先させるべきだ」と述べた。

ARA News(6月29日付)などが伝えた。

AFP, June 29, 2015、AP, June 29, 2015、ARA News, June 29, 2015、Champress, June 29, 2015、al-Hayat, June 30, 2015、Iraqi News, June 29, 2015、Kull-na Shuraka’, June 29, 2015、al-Mada Press, June 29, 2015、Naharnet, June 29, 2015、NNA, June 29, 2015、Reuters, June 29, 2015、SANA, June 29, 2015、UPI, June 29, 2015などをもとに作成。

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ダルアー市でシリア軍とヌスラ戦線、自由シリア軍からなる「南部の嵐の戦い」作戦司令室の攻防続く(2015年6月29日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市の制圧をめざすシャームの民のヌスラ戦線、自由シリア軍南部戦線など「南部の嵐の戦い」作戦司令室が、同市マンシヤ地区などで、シリア軍と交戦した。

この戦闘で、ナワー殉教者旅団の司令官が負傷し、死亡した。

「南部の嵐の戦い」作戦司令室に所属する武装集団はまた、アトマーン村郊外のシリア軍拠点を砲撃、これに対してシリア軍はタファス市、ブスル・ハリール市を「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(6月29日付)によると、ダルアー市ウマリー・モスク一帯、ヨルダン通り、トゥッラービーヤ広場一帯、ビイル・シヤーフ地区、マンシヤ地区、ヌアイマ村、西ガーリヤ村、タファス市、ヤードゥーダ村、ガラズ刑務所で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、ハウラーン殉教者大隊、ムウタッズ・ビッラー旅団、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月29日付)によると、反体制武装集団がフッス山にあるSyriatelを拠点としていたシリア軍を襲撃し、士官1人を含む兵士10人を殺害した。

またアレッポ市西部のハラブ・ジャディーダ地区一帯、旧市街(アレッポ城)一帯で、シリア軍、国防隊(バアス大隊など)、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団(パレスチナ人)が、ジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月29日付)によると、アレッ市ジュッブ・クッバ地区、ブアイディーン地区、フィルドゥース地区、マルジャ地区、カースィティールー地区、ハージブ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ワアル地区をシリア軍が砲撃した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ダマスカス郊外県との県境一帯で、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦した。

またシャームの民のヌスラ戦線はタルジャナ村のシリア軍拠点を砲撃、シリア軍と交戦した。

一方、SANA(6月29日付)によると、西サムダーニーヤ村、ハムル丘、タルジャナ村北部、カブア丘で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハラスター市一帯などを空爆する一方、ジュダイダト・アルトゥーズ町郊外の住宅街を強制捜査し、住民数十人を逮捕した。

一方、SANA(6月29日付)によると、バイト・ジン村、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯、ザブディーン村、バハーリーヤ村、ドゥーマー市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区各所をシリア軍が空爆、国防隊、ヒズブッラー戦闘員とともに、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月29日付)によると、ジャウバル区をシリア軍が空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(6月29日付)によると、ブサンクール村、カンスフラ村、ハーン・シャイフーン市、タマーニア町をシリア軍が空爆し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, June 29, 2015、AP, June 29, 2015、ARA News, June 29, 2015、Champress, June 29, 2015、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2015、al-Hayat, June 30, 2015、Iraqi News, June 29, 2015、Kull-na Shuraka’, June 29, 2015、al-Mada Press, June 29, 2015、Naharnet, June 29, 2015、NNA, June 29, 2015、Reuters, June 29, 2015、SANA, June 29, 2015、UPI, June 29, 2015などをもとに作成。

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ハサカ市でシリア軍、YPGがダーイシュ(イスラーム国)放逐を進める(2015年6月29日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市ヌシューワ地区(南部)、グワイラーン地区(南東部)で、ダーイシュ(イスラーム国)が3台の車を自爆させ、シリア軍兵士、国防隊隊員少なくとも12人が死亡した。

SANA(6月29日付)によると、ダーイシュは東グワイラーン地区で2度にわたり自爆攻撃を行い、2人が死亡、多数が負傷したが、3度目の自爆攻撃はシリア軍によって阻止されたという。

しかし、シリア軍、国防隊は市内での戦闘でダーイシュ戦闘員9人を殺害、またシリア軍戦闘機がマディーナ・リヤーディーヤ一帯、ヌシューワ地区を空爆した。

シリア人権監視団によると、シリア軍はダーイシュが侵攻した南部、南東部の主要な住宅街を奪還することには成功したが、同市からダーイシュを完全に放逐するには至っていないという。

一方、ARA News(6月29日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は、ダーイシュとの戦闘の末にアズィーズィーヤ地区、タラーイア地区、サーリヒーヤ地区を制圧し、アブー・アムシャ地区に進軍し戦闘を続けた。

このほか、SANA(6月29日付)によると、ハサカ市マンシヤ地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた県内各所でダーイシュの拠点に対して空爆を行った。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が米国による空爆の援護を受けて、タッル・アブヤド市南部郊外でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ダーイシュ・メンバー9人を殺害した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がマヤーディーン市で男性1人を斬首、その後、1日間にわたって張り付けにして放置した。

またダーイシュはこの男性以外にも、道路閉鎖、麻薬密売などの罪で男性4人を処刑したという。

一方、ダーイシュ(イスラーム国)ハイル州(ダイル・ザウル県のこと)広報局は声明を出し、マリーイーヤ村を空爆していたシリア軍戦闘機をダイル・ザウル航空基地上空で撃墜したと主張した。

他方、SANA(6月29日付)によると、マリーイーヤ村、ジャフラ村をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シャーイル・ガス採掘所一帯、ジャズル・ガス採掘所一帯でシリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(6月29日付)によると、ウンク・ハワー村、アイン・フサイン村、カフルラーハー市、バルグースィーヤ村、ムシャイリファ村、東サラーム村、アブー・アラーヤー村、ラジャム・カスル村、ラジュム・アーリー村、アブー・ジャリース村、ラスム・ハミーダ村、ウンム・サフリージュ村、ウンム・リーシュ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、ジャズル・ガス採掘所一帯、バルアース村、タドムル市一帯、ファースィダ村、ジバーブ・ハマド村、ザアフラーナ村を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(6月29日付)によると、ウカイリバート町、ジャニー・アルバーウィー村をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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米中央軍(CENTCOM)は、6月29日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して18回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は9回におよび、ラッカ市近郊(1回)、ハサカ市近郊(7回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, June 29, 2015、AP, June 29, 2015、ARA News, June 29, 2015、Champress, June 29, 2015、al-Hayat, June 30, 2015、Iraqi News, June 29, 2015、Kull-na Shuraka’, June 29, 2015、al-Mada Press, June 29, 2015、Naharnet, June 29, 2015、NNA, June 29, 2015、Reuters, June 29, 2015、SANA, June 29, 2015、UPI, June 29, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.